【 ノケモノ 】  通称:共食いが得意なフレンズ 本名:共存博愛(ともまさ ひろえ)  愛称:はくあ


■性別
無性

■種族
セルリアン?

■ステータス
攻撃:20/防御:0/体力:2/精神:0/FS:8

■FS名
≪ 無機質な獰猛性 ≫

■能力スタイル
パッシブ

■コスト
2.5

『 悲しき獣のゆるい本性 』


■能力内容
このキャラクターが殺害した対象はヒトの頃の姿に戻る
※ゲーム上の処理としては死体消失として扱う

能力原理

叶わぬと知りながら、人外となる寸前の自身の否定という願いに近い。

キャラクター設定

「そうそう、すごーい! よくわかったね!」
自身の成長不足から、双子にしか見られたことのない彼女には、
年の離れた妹と並ぶ画像で姉妹扱いされることが、口癖を漏らして嬉々とするほど新鮮だった。
「はくあにだけ生き物が集合してるからね」
そう、まるで雑なコラ加工のようにくっきりと二分化されている。
物心ついたころから生き物に好かれる体質のようで、
虫さえ慈しむ心優しさと、巷で噂の獣人化を果たした彼にも寛容な彼女に理解があれば判断は容易い。
「え~ 何それ楽しくなーい」
それでも嬉しさが表情から抜けないふてくされ方をしている。
そんな何気なくて他愛のない会話がはずむ送迎が、毎度の旅路の締めくくりである。


獣人化の彼とも自宅前で別れ、今回は一月振りの我が家である。
両親と妹、飼い猫の一般的な一軒家の中流家庭には、慎ましくも幸せな日常があった。
彼女が両手いっぱいのお土産を落とすまでは。
玄関で出迎えてくれたのが、彼女の知らないケモノからの鋭い一掻きだったからだ。
理解の追いつかない状況の中で、ケモノの後ろの惨状が目に飛び込んでくる。
家族全員がなぜか獣人化をし、共食いをしていたのが明白な光景が。
そして、妹であったはずのケモノが再度爪を彼女に振りかざす。
途端に痛みと恐怖がこみ上げてくるが、絶望が勝り、声にならない声が漏れる。


何よりも、自分よりも大事にしていた家族の喪失、許容量を超える恐怖の瞬間最大量。
彼女は気を失っていた。 だが、今意識があることに驚き、実感する。
あの刹那、自分が魔人か獣人か、人外化を果たし、自衛とはいえ、妹を殺したのだと。
かつては、まるで鏡の前に立っているかのような妹が、腕の中で亡骸と変わり果てているから。
自分を殺したかのような感触が彼女を完全に殺した。
もう、どんな生物も近寄ることのない瘴気を纏い、傷ついた体を揺らしながらあてもなく彷徨う。
獣人化した魔人を見つけては襲ってしまう無意識な衝動。
感情もなく、反応するように、もはや正常な思考は存在しなかった。
命を刈り取っては、人の姿に戻った屍を喰らい続ける悲しきケモノ。


このイカれた動物園に辿り着くのも必然だったのだろう。
人間だった名残か、二足歩行のバケモノは死に場所を求めていたのかもしれない。