第12次ダンゲロスハルマゲドン
http://w.atwiki.jp/dng12/
第12次ダンゲロスハルマゲドン
ja
2016-11-20T23:13:18+09:00
1479651198
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生徒会イラスト
https://w.atwiki.jp/dng12/pages/66.html
*生徒会イラスト
&bold(){2:潮血潮:2016/11/04(金) 21:36:19}
潮血潮→http://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=50933967
潮血潮→http://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=50859313
一番乗りか!?
&bold(){8:みさいる:2016/11/06(日) 16:55:13}
ほまりんさんが、パンダを描いてました。
http://twitter.com/homarine/status/794550981165883392
&bold(){9:みさいる:2016/11/06(日) 17:13:27}
昨夜のラジオの成果を提出します!
●千坂らちか
by アギト
http://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59816347
●潮血潮
不機嫌うっしー by アギト
http://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59816707
by 魚鬼
http://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=59816933
by ほまりん
http://twitter.com/homarine/status/794915298843369473
by 今日知ろう
http://0006.x0.to/oo/gif/usiotisiohaaan.png
●砂々目水佳
by 魚鬼
http://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=59818067
by 天月堂
http://twitter.com/sound_of_green/status/794928553544425472
by ほまりん
http://twitter.com/homarine/status/794927233378811905
by アギト
http://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59818347
by 今日知ろう
http://0006.x0.to/oo/gif/sasamehaaaan.png
&bold(){10:潮血潮:2016/11/06(日) 21:13:44}
昨日陣営ラジオしててイラストの宿題が出たから描いてきたぞー
近藤・勝五郎→http://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59831741
&bold(){13:アギト@潮血潮:2016/11/07(月) 22:35:23}
人外少女のでゆら・ハーン嬢→http://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59848112
個人的にはデュラハン少女ってエロいと思うんだよね!!
&bold(){14:でゆら・ハーン!:2016/11/07(月) 23:59:18}
近藤勝五郎
http://0006.x0.to/oo/gif/konndoukatugorouhaaaan.png
&bold(){15:でゆら・ハーン!:2016/11/07(月) 23:59:45}
でゆら・ハーン!
https://twitter.com/krsr_dng/status/794531641397952512/photo/1
&bold(){17:アギト@潮血潮:2016/11/08(火) 18:16:44}
またまた昨日陣営ラジオしててイラストの宿題が出たから描いてきたぞー
一三三一六(にのまえ・みさいる)→http://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59857710
&bold(){18:でゆら・ハーン!:2016/11/08(火) 23:06:20}
ミサイルちゃんとサセックス先生
http://0006.x0.to/oo/gif/misairuhaaaan.png
&bold(){21:潮血潮:2016/11/09(水) 22:21:08}
エロイーズ・サセックス先生→http://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59874105
&bold(){22 名前:でゆら・ハーン![] 投稿日:2016/11/10(木) 23:52:16}
千坂らちかちゃん!
http://0006.x0.to/oo/gif/rtkhaan.png
&bold(){25:魚鬼:2016/11/11(金) 21:03:19}
番さん 近藤さん 打井川さん
http://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=manga&illust_id=59899324&ref=touch_manga_button_thumbnail
&bold(){26:でゆら・ハーン!:2016/11/11(金) 23:13:24}
ヴェンピィちゃん!
http://0006.x0.to/oo/gif/bennpiihaaan.png
&bold(){30:みさいる:2016/11/12(土) 12:39:59}
にのまえみさいるです! ミサイルを出せます! よろしくお願いします!
http://twitter.com/homarine/status/797282360299393025
&bold(){32:アギト@潮血潮:2016/11/12(土) 15:09:40}
生徒会(おれたち)の潮(うっしー)がこんなに可愛いわけがない→http://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59911907
2016-11-20T23:13:18+09:00
1479651198
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番長Gイラスト
https://w.atwiki.jp/dng12/pages/65.html
*『爆乳 姉は女教師』一 四一(にのまえ・よい)。おっぱいがおっきい。
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59815497
*パンダ
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59837389
*シェフのバンドウ
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59848486
*一四一
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59849689
*ハンサム学園生徒
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59887304
*羆月ヒナ
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59888250
*大神がるる子。がおがお。
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59902138
*一 三三一六(にのまえ・みさいる)。おっぱいがおっきい。
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59902474
*【R-15くらい】『理性院封、変態を目撃する』理性院封(りしょういん・ふう)。
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59904075
*【出血描写有り】千坂らちか(せんざか・らちか)。
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59905092
*高三・ダビットソン
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59901601
*フットゥルールー
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59903466
*番長
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59911242
*パンダ
http://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/dng12/attach/65/1/panda.jpg
*パンダ
http://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/dng12/attach/65/2/panda_ko_panda.png
2016-11-20T22:57:33+09:00
1479650253
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生徒会SS
https://w.atwiki.jp/dng12/pages/64.html
#contents
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*(無題)
秋から冬へと移り行く近頃の夜は、骨の髄まで沁みる寒気が満ちている。
山乃端一人が落命し、戦渦が漣打ち広がる希望崎学園の中庭は、黒く濃く藍い夜空に照る月が眩い。
刈入れられた庭木。水の流れぬ噴水。しんと冷え切った無人のベンチ。
寒々しく青い世界に、長い影を伸ばし、この夜、藍堂晒と弓の二心一体の姉妹は、予期せぬ人との出会いを果たしていた。
『「私達は敵同士……ってことですよね? ――らちか姉様」
「らちか姉さんの肌は前から“気になってた”し、丁度良いコレクションに出来そう」』
晒達が語りかける相手は、晒達と比較するに――醜悪な肉塊まで含めるならば――圧倒的に小さな少女の影。
「らちかちゃんの妹さんだよ。確か、晒ちゃんと弓ちゃん。覚えてる?」
「……ダメみたい。全然ピンと来ないけど……私の妹?」
「ああ、それじゃあ気にしないで。そのまま、さっきまでと同じ。私が話を合わせるからさ」
「……緊張してるのね。貴方にしては珍しい」
「冗談の通じない相手――より質の悪い、冗談みたいな理屈で世の中を引っ繰り返す相手だからね~」
「まあ、でも……さっきの電話の男の人……声を聞いて、背筋を虫が走るみたいな感じ……だった」
「ふふん、らちかちゃんも言うねぇ。ま、そういう人が関わってるんだもの。碌でもない事態だよ。本当に」
それは独り己に対し会話を続ける少女。傍から見るならば晒達と同様、独言の多い娘と言われよう少女。
千坂らちか――来る第12次ハルマゲドンにて、晒達番長グループと敵対する生徒会陣営に属す少女であった。
一夜の邂逅は神の悪戯か、悪魔の仕業か。
血統に依らず精神的繋がりを以て形成される異能殺人集団『裸繰埜一族』。
藍堂晒と弓が、裸繰埜鵺岬晒と裸繰埜矢岬弓として名を連ねる集団。
千坂らちかが生前、裸繰埜夜見咲らちかとして名を連ねていた一族。
その家族が敵対者同士として向き合う運びとなった此度の戦場。
事態を一層に混迷させるかの様に、戦闘開始の合図を前にして、二者はここに顔を合わせていた。
『「ねえ……らちか姉様」
「私のコレクション入りに備えてしっかりお風呂に入っておいてくださいね」』
「そうだねぇ。晒ちゃん弓ちゃんは全身洗うのも一苦労だろうしねぇ。ああでも、腕を生やせば楽なのかな?」
言葉で牽制をし、晒達はゾロリと全身を震わせる。地の陰から、軟体や節足、種々様々な腕がざわめき伸びる。
らちかもまた、飄々と言葉を躱し、地面を蠢く肉片達を避け、花を渡る蝶の様に舞う。
暫し、夜闇の中庭は手を取り合わぬ月光蝶のダンスホールと化す。
――やがて戯れに飽いたと、晒達は全身の蠕動を止め、口を開いた。
『「それじゃ……またね。らちか姉様。相馬兄様にもよろしく伝えておくよ」
「ハルマゲドンを楽しみに待っててください、らちか姉さん。ああ、それと――」』
幕引きの言葉を述べる晒達。
後は本番の日まで待とうとの、休戦の言葉。
しかし、晒の放った「相馬兄様」の名に、らちかは幽かに眉根を寄せていた。
らちかの脳裏に浮かぶのは、晒達との邂逅の最中、何処とも知れぬ先へと繋いだ一本の電話――
* * *
「おう、魂消たなァ。盆はとっくに過ぎてンぞ? アレか? 近頃はハロウィンに帰ってくるってかァ?」
「……貴方……は」
「まァ、なンだっていいやな。俺が態々言うことなンざねェ。お前は誰でもねェ。ソイツらと好きにやってな」
「貴方は……貴方は……私は……?」
「アン? ざまァねェな。人の記憶を奪う能力者が、今じゃ被害者様と同じお気持ちですッてか。笑えもしねェ」
「私は……」
「俺から言う事があるとすりゃァ――お嬢ちゃん? 壊れた人形でいつまで人形遊びしてンだ。往生際が悪ィ」
「私は好きにやる。好きにやっていいんでしょ? 貴方にだけはとやかく言われたくない」
「ハッ! 違げェねェや! 失敬失敬。――ま、好きにすりゃイイ。人様の趣味にゃ金輪際口出ししねェよ」
「それじゃあ、失礼します」
「おう、もう化けて出るンじゃねェぞ」
それは殺人鬼、千坂らちかの――
他者の記憶を奪う魔人能力を持ち、多くの人間の命を奪ってきた簒奪者の、報いであったのだろうか。
何も思い出せぬらちかは、それでも電話口から聞こえた男の言葉に、自らの境遇の原因を嗅ぎ取っていた。
* * *
『「それじゃ……またね。らちか姉様。相馬兄様にもよろしく伝えておくよ」
「ハルマゲドンを楽しみに待っててください、らちか姉さん。ああ、それと――」』
幕引きの言葉を述べる晒達。
後は本番の日まで待とうとの、休戦の言葉。
しかし、今宵の舞台はそのまま閉幕するには早すぎる。
らちかの意識が過去へと没入したその瞬間を、弓は見逃さなかった。
『「どうせなら――今日でもいいんじゃないですか?」』
その言葉の直後、晒達の身体はらちかの懐へと一歩、踏み出していた。――急転直下。それは獲物の命に届く距離。
腰溜めに構えられた右手は半開きのまま、脚、腰、背筋をみしりと引き絞る。
弦から放たれた矢の如く、猛禽の爪が如く、その右手がらちかの首をもぎ獲らんと唸りをあげ撃ち出された。
「――ふっ!」
過たず放たれた凶撃は、しかし空を切る。
らちかは右足を軸に身体を半歩分回転させ、軽く上体を反らす最少の動作で晒達の的を外していた。
のみならず、重心の移った左足でバネを効かせ、呼気を一つ。回避動作の勢いをそのまま利用し、顎先を狙う蹴り上げへと連動させた。
らちかは――らちかの身体を手繰る霊は、予めこうなる事態を予測していた。備えていたが故の返し技であった。
腕を差し伸ばし、前傾した体勢の晒達へ繰り出される返し技。
尋常の人間であれば首から上が柘榴と砕けていたであろう。
だが、晒達の身体は決して“尋常では無い”。
体制を崩したままの、人の姿を成す体組織を、足下の悍ましき肉塊がぐいと引き戻した。
晒達の顎先数センチの空間を、逆向きのギロチン宛ら、鋭利な蹴りの軌跡が断った。
七色に燦めく晒達の髪が、逆巻く蹴り足に刈り取られ、幾許か虚空を舞う。
漆塗りの夜天に浮く銀月へ、冷え冷えと虹の輪が架かった。
『「あぁ――」』
弓は、その光景に感嘆の吐息を漏らした。
逼迫した事態も余所に、白い鼻筋を空へと向け、己が肉の一片が創り出した刹那の彩に、瞬時、見惚れた。
「緊張感の無い娘ね。自分から仕掛けてきておいて」
11月の夜気に僅かばかりの温もりを交じえた声が響く。
晒達が顔を戻せば、五歩程度の間合いを空け、仄白く月光に照る金髪の少女が呆れ顔を向けていた。
毒気の抜けたその表情に相対し、暫時。やがて晒はくすりと微笑を口の端に乗せた。
『「ほらほら……弓ったら、らちか姉様に叱られちゃったよ」
「いいじゃない。らちか姉さんだって本気じゃないでしょ? “今日は”」
「うん……そうね。“今日のところは”もう充分――ですよね?」』
「そう、だね。貴女達の“調整”具合は判ったし、今晩はお開きかな」
爪弾けば絹裂くソプラノを奏でる緊張は、いつしか闇に溶け散逸していた。
互いに必殺の間合いまであと半歩――その死地へどちらも踏み込む事無く、二者は構えを解いた。
不意に訪れた夜半の命の試し合い。それは、或いは肉食獣の子供達が戯れ合う様であったろうか。
* * *
「それじゃあハルマゲドンで」
『「おやすみなさい」
「当日もよろしく」』
「本番ではしっかりと“私”好みの、色白で綺麗な肌を創り上げておいてよね?」
『「へええ……ふふふ」
「らちか姉さんの目も心も奪う造形美を“見せて”あげるよ?」』
別れ際、交わす言葉は美しい衣を被せた、一皮剥けば両者共に明確な“解体予告”。
詳らかに語らずとも伝わる“家族の絆”を、晒達もらちか達も、相手の笑顔に見て取っていた。
二者は無言で闇の静寂へ、本分の棲家へと隠れて消えた。
真白く冴える月が、地上を這うグロテスクな影を最後まで見つめていた。
*★一三三一六プロローグSS★
「残念ながら、全身に腫瘍が広がっています。一年、生きることができたら奇跡と言っていいでしょう」
三三一六に対し、生後一ヶ月を待たずして伝えられた死の宣告である。
先天的に全身を覆い尽くしていた悪性新生物。
短く儚い命に「ミサイル」と名付けたのは、せめて力強く空を飛んで欲しいと願う、親心であろうか。
全身にチューブを繋がれ、新生児ICUで小さな命を辛うじて保っている三三一六。
この世に生を受け、母親の温もりを感じたことすら指折り数えるほどの哀しい命。
いまにも燃え尽きてしまうかもしれない、弱々しい命。
そんな宿命を、決して認めない者がいた。
【『に』にっこり笑って】
深夜。新生児ICUに忍び込む小さな影あり。
三三一六の、兄である。
手にするは、銀色に輝く映像ディスク。
少年は、妹が眠るベッドに忍び寄り、枕元の液晶ディスプレイに繋がれた再生装置へディスクを差し入れた。
【『の』のぞみを捨てずに】
三三一六の目に映ったのは、力強く戦うロボットの姿であった。
どんな敵にも負けない鋼の戦士。
このロボットのように強く、病気に打ち勝ってほしい。
三三一六の兄は、そんな願いを妹に伝えるために面会謝絶のICUへと忍び込んだのである。
そして、巡回している看護師に発見されてスグにつまみ出された。
【『ま』まえだけを見て】
新生児ICUが面会謝絶であることには意味がある。
ただでさえ弱い新生児が、治療薬の影響で更に免疫力を下げていて、しかも病気によって体力も低下しているのだ。
ちょっとした細菌の感染が命取りになりかねない。
そして、三三一六の兄が潜入したことには、結果的に意味があった。
ロボットの映像に、どれほどの効果があったのかはよくわからない。
効果があったのは、三三一六が兄の魔人能力から至近距離で影響を受けたことである。
真実を知るものは数少ないが、少年の能力の効果は「家族に奇跡を起こすこと」である。
対象を強引に「家族と見なせる存在」にして運命を覆す過程で誤解されることばかり多いのだが、実の妹に効果を発揮するならば『トラブル』は必要ない。
【『え』えんじょい、ゆあ・らいふ!】
そして、三三一六は魔人として覚醒した。
彼女が手に入れた『傲然たるホーリー・マカラル』は、クソったれな運命を不敵に笑い飛ばしてサヴァイバルするための能力。
たちまち病魔は爆発四散!
三三一六は、健康な体を手に入れたのであった!
ただし、少々副作用がありまして……
●副作用1
気を良くしたお兄さんがロボット番組を熱心に見せたせいで、ロボット大好きっ娘になってしまいました。
●副作用2
家族に甘やかされて育ったせいで、お菓子大好きっ娘になったのは良いとして、その、肉付きの方が……
まあ、どちらの副作用も男子ウケは悪くないはずなので、キャラ作りでやってる不安定なロボしゃべりさえやめたら相当もてると思うよ。
なお、体型については、ほとんどの人が可愛らしいと思える程度のぽっちゃりですよ、ということは改めて強調させてください。
(おわり)
*『料理対決? VR vs AR!』
ガラリ。「VRうどん」と書かれた扉が開く。
「VRうどん……なんかロボっぽい感じの響き! ロボの端くれとして食べぬわけにはゆきますまい。VRうどん一丁くださいロボ!」
入店してきたのは、一三三一六だ。
VRうどん部の部長、木佐貫夏男が出迎える。
「いらっしゃーい。おや、格好いい眼鏡だね。もしかして、ビームとか出る?」
「ふふふ、もちろんロボたる私ですから目からビームぐらい出したいのは山々。でも残念ながらこれはARグラスなのでビームは出ないんですロボ」
「そっか。ARだったらビームは出ないよね。ま、VRもビーム出るわけじゃないんだけど」
そう言いながら夏男はどんぶり鉢を右手に持ち、左手でVRゴーグルをくいっと操作した。
「すごいっ! ゴーグルからまるでビームの如くうどんがにゅるんにゅるんと出てきてどんぶり鉢を満たしてゆくロボ……! とってもヴァーチャル・リアリティ!」
三三一六のARグラスが赤く光を放つ!
その視界の中で、次々にVRうどんを赤いマーカーがロックオンする。
マーカーからは引出線が伸び、ランダム生成された英字メッセージや数値が表示されロボ気分を盛り上げる!
「冷たいつゆをぶっかけて……さあどうぞ! 麺を湯がく必要すらないVRうどんならではの迅速提供!」
「ごちそうさま!」
「えっ、もう完食!? 食べるの早っ!?」
「えへへー、美味しかったからすぐ食べちゃいましたー。とっても美味しかったです!」
「お、おう。ありがとな。280円になります」
「はい」
ちゃりんちゃりん。
「あ、そうだ。とっても美味しかったので、お礼にこれあげますね」
「どうも! ふむ……これは、高さ3cmぐらいのロボットのフィギュア? しかも手作りだ。ずいぶん器用なんだね」
「うふふー。美味しく食べてくださいね!」
「これ食べられるの!? ぺろり。あ、甘い。これマジパン?」
「ひとつひとつ手作りだから全部違う形なんですよー」
「これは凄いな。食べるのが勿体ない……あっ新メニューを閃いた!」
「……悪い予感がするロボ」
そして、VRうどん部に新メニュー「マジパンうどん」が誕生した。
賑やかな飾り付けによる見た目の楽しさに加え、マジパンの甘さとつゆのしょっぱさが奏でる絶望的不協和音が一躍話題に!
ガリガリ君ナポリタン味級のダメージを受けたVRうどん部は、具材を調達する予算すら失ってしまった……。
「ぐぬぬ、うどんだけならノーコストで出せるからぶっかけうどんは提供できるのがせめてもの救い……こうなったらハルマゲドンを利用して一稼ぎだ!」
「……また悪い予感がするロボ」
(おわり)
*『番長の決意』
第12次ダンゲロスハルマゲドン開戦の前日。場所は希望崎学園の校舎裏。
「おりやぁああああああああああああ!!!」
「ぐへぇ!?」
豪快な掛け声と共に大柄な男の体が宙を舞って、潰れた声と共に校舎の壁に叩きつけられる。
「大勢で囲んで、男として恥ずかしいと思わんのか!男なら正々堂々とせんかい!」
「ぐぅ…」
1人の男が拳を握りながら、一喝するように言い放つ。その周りには複数の男が仰向けやうつ伏せに倒れている。
バンカラ帽子に長ランと見た目は完全に往年の番長の出で立ちをした男の名は番長(つがいはじめ)、希望崎学園の3年である。
「あの…!ありがとうございました!!」
1人の女子学生が頭を下げながら、お礼を言ってくる。
「なーに、気にすることじゃなか。わしゃこういった事が大嫌いじゃけぇのう。」
男子学生の言葉にに何事もないように返答すると、その場を立ち去っていく。一体何が起こっていたのか…事の顛末はこうだ。
事件は昼の休憩に起きた。番長が校舎内を歩いていると、ふと複数の男子生徒が1人の女子学生を校舎裏へと引っ張っていく
光景が見えたのであとを追うと、嫌がる女子生徒に男子学生達が群がり迫っている所だった。
その言動に激怒した番長が嵐のごとく割って入り、今に至るというわけである。
「全く…1人の女子に対して複数で迫るとは、嘆かわしいことじゃのう。」
校舎に戻る途中、首を振りながら今の出来事を振り返っていた。男が無理矢理にということもあるが、何より性分でもあった。
番長は不正や曲がったことなど大嫌いであった。この学園の入学してから、幾度となくそういった場面に遭遇し、理不尽に思えば
たとえ女性だろうが上級生だろうが教師であろうが、容赦なく介入していった。そのため一部の生徒や教師は快く思ってはない。
「よう番長(ばんちょう)!今日も頑張ってくれよ!」
「こんにちは番長(ばんちょう)、昨日はありがとうね」
「ああ」
廊下を歩いていると、様々な学生から挨拶やお礼の言葉をかけられ、それに返事をしていく番長。
どんな相手でも関係なく介入して解決していく姿に感謝する生徒が増えて、今やほとんどの生徒が信頼を置いていた。
ちなみに言動や格好そして名前もあり、呼び方が本来の「はじめ」から「ばんちょう」へと途中で変わっていった。
「(今回のハルマゲドンも嘆かわしいことじゃ…)」
番長はとある部屋の前で立ち止まり、掲げられたプレートを見つめた。
『生徒会室』
そう書かれた部屋のドアを開けると、中には何人かの生徒が椅子に座りながら、それぞれが自分のしたいことをしていた。
・ .・ .・
これらは今回のハルマゲドンの生徒会のメンバーである。番長も開いている椅子に腰掛けると腕を組みながら、バンカラ帽子を深くかぶり直した。
「(まさかこんなことになるとはのう…)」
今回のハルマゲドンで生徒会のメンバーとして招集された番長。
不正やまがったことが嫌いな番長だが、争いが好きなわけでない(介入した結果争いを起こしているのは置いておく)。
ここにいるメンバーはもちろん、番長Gのメンバー誰もが普段から番長を信頼している。
しかし声をかけてくれていた番長Gの生徒の数が徐々に回数も減っていった。その理由は明白、ハルマゲドンの開戦であった。
ハルマゲドンのために、生徒がバラバラになることを良しとしない番長は真っ先に参戦を名乗り出たわけである。
ちなみに余談として生徒会に選ばれたのに多少ビックリしたのはここだけの話だ。
「(アルマゲドンはもう決定してしまった。あとは戦うしかない……ここからはわしのやれることをやるだけじゃ!)」
決意を改めて固める番長。ハルマゲドンまで残り1日……開戦の時は近い。
*『みさいるちゃん vs 巨大怪獣』
――属名、&italic(){Hitogata}
南氷洋の深き海で、そいつは見ていた。
高い知能を持った、その巨大生物は、人間の営みを観察していた。
――種小名、&italic(){Ningen}
霊長類ではないのか。
いや、鯨の仲間でしょうJK。
様々な仮説が提示されているが、脊椎動物の一種であろうという以上のことは、誰も断言できない。
16S rRNA塩基配列を用いた系統解析によると、いかなる四肢動物との類縁性も示されず、肉鰭類の姉妹群である可能性が示唆されたに過ぎない。
そもそも解析に用いられた漂着肉片がヒトガタ・ニンゲンのものであるかどうかについてすら議論がある状態だ。
完全な標本が得られていないのを良いことに、真顔で巨大甲殻類であると主張する学者さえいる始末である。
正体が何なのかは不明だが、確実なことがひとつある。
その個体は、Twitterをやっていたということだ。
彼は「#シンゴジラ実況」というハッシュタグを見つけ、思った。
(このタイミングで日本上陸したら超人気者じゃね?)
そして、海の巨獣は希望崎に現れた!
体長、およそ40m。
のっぺりとした質感の、氷山のように白い皮膚。
上半身は人間に近い形で、下半身は鯨のようなヒレになっている。
上陸したヒトガタ・ニンゲンは、ズルズルと蒲田くんのように這い、希望崎学園の校舎を目指した。
「ウワアアアーッ!! 怪獣だーっ!!」
「ギャー、助けてーっ!!」
「怪獣に対抗できるのは……ウルトラマ……いや、ロボット!」
「誰かロボットの方はいませんかーーっ!?」
颯爽と現れる銀の衣を纏いし少女!
「はいっ! ロボならここにいますロボっ!」
「わーっ! ヤッター!!」
「ロボットが来た! これで勝てる!」
(あ、あわわわわ、しまった……ついノリで出てきちゃったけど、あんな大きな相手は無理……)
「そう言えば、聞いたことがある……」
「何っ、知っているのか?」
「うむ。戦闘破壊家族の一員、一三三一六(にのまえ・みさいる)……能力は肉体をミサイルに変えて発射する『からだミサイル』。その威力は火山の噴火に匹敵すると言う!」
「うおおーっ! そいつはスゲエ!」
「流石ロボット! 格好いい!!」
「みーさいる! みーさいる!」
「みーさいる! みーさいる!」
(うええええーーんっ! 自分で言った嘘の能力説明に尾ヒレが付いてメチャクチャ期待されてるーっ!? 本当はミサイルなんか出せないのにーっ!)
「ゴモオオォオオーッ!」
困っておろおろしている三三一六に向かって、ヒトガタ・ニンゲンが猛突進を開始する!
「危ないっ!!『出でよ 僕らのアルカディア(仮)』!!」
三三一六の窮地に生徒会の仲間である高架下周道が駆け付け、巨大な絨毯を展開する!
三三一六とヒトガタ・ニンゲンの間に、絨毯ロールが転がり防衛ラインを構築!
絨毯から無数の小鬼や槍が飛び出す!!
「ゴモオオォオオーッ!」
ヒトガタ・ニンゲンは立ち塞がるモンスターやトラップを意に介さずやすやすと突破!
大木の如き白い腕を降り下ろし、三三一六を叩き潰す!
「ぎゃーーーっ!」
平らに潰れて赤い血溜まりと化す三三一六!
「うわああーっ!? ミサイルちゃーん!?」
防衛失敗した周道が叫ぶ!
だが、悲しんでいる暇はない!
希望崎を守らなければ!
「アルカディア……イン・フレイム!!」
ヒトガタ・ニンゲンを囲うように四角く配置された絨毯の防衛ラインから、猛火が噴出し、炎の壁がニンゲンを閉じ込める!
南極産まれのヒトガタ・ニンゲンは熱さが苦手だ! 動けない!
「ゴモー……」
ヒトガタ・ニンゲンは仕方がないので、炎が収まるまでTwitterでも見て時間を潰すことにした。
きっと、自分が大評判になっていると期待して!
『なんか希望崎にキモいの来たんですけど』
『うっわー、女の子を殺した。最悪ー』
『炎に包まれて動けなくなってるwwwだせえwwww』
『ていうか何こいつ、シン・ゴジラ人気に浮かれてやって来たの?調子に乗ってやらかすのって寒いよね……』
散々な書かれっぷりだった。
おまけに、世紀の怪物が本邦初上陸なのに、Twitterの話題はトランプ大統領誕生でもちきりだった。
来たのが少し遅かったのだ……。
「ゴ……ゴモ…………」
Twitterにはまってるぐらいだから元々メンタルがそんなに強くないヒトガタ・ニンゲンは、落ち込んだ。
そして、アルカディアの炎が収まると、すごすごと海へと帰っていった……。
(おわり)
*高架下周道の紹介用の文 (書いたのは同じ迷宮解明班のメンバー)
『この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ』
数多の冒険者の血、殺人機械から漏れ出た潤滑油、それらに群がる羽虫によって、洞窟入口にはまるでそのような文句が書かれているものと幻視してしまいそうになる。
私達は国土地理院に所属する迷宮解明班の者である。古代遺跡の一種であるとも言われるこのような迷宮、俗にいうランダムダンジョンは近年多くの問題を生み出し、社会的にも注目を集めている。昨年、雨宿りのつもりで洞窟に足を踏み入れた男性が重傷を負った事件や、誘拐犯が追っ手を撒くために迷宮の奥まで立ち入ったことで捜査初動が遅れ、警察が見つけた時には誘拐犯も人質も死体に変わっていたという痛ましい事件は多くの人の心に傷痕を残した。
そこで、私達国土地理院が地図作りと並行して迷宮内の安全性を保障する運びになったわけである。これら迷宮は基本的に立ち入る度に姿を変えるが、どこぞの科学者が開発した装置を最奥に設置することで、変化が起こらないようにすることができるようになった。あとは、この地における生態系や罠を把握しデータを取ることで、迷宮を踏破したことになる。
キャスター付の椅子が十個以上召喚され、その上を影が跳び移る。椅子が敵を取り囲み、足の上をトゲ付きの車輪が轢き潰している中で、その影は敵の顔面に一撃必殺の蹴りを繰り出す。首から上を削り取られた敵は正面に向かって倒れた。
敵、と呼んだのは現在はモンスターに近い存在だが、本来は冒険者だった存在、『冒険者狩り』である。彼らは特に生計を立てる手段を持たない魔人が軽い気持ちで冒険者となったものの、奥まで進む実力を持たなかった者達、遂には他の冒険者から宝や持ち物を奪うことを生業とするようになった者達だ。
この迷宮から漏れ出る瘴気はここを住処とした魔人達の理性も遺伝子も歪め、やがては鎧と皮膚が一体化したような生物に変えてしまう。奴らはZ染色体と呼ばれる染色体で人間の男を孕ませて子を作ることができるというのは、あまりにも有名である。「死人に口無し、されど尻有り」ながく冒険者をしていれば、そのような言い伝えすらも聞くようになるらしい。何故男との間に子を作るようなことができるようになったかという議論では、基本的によほど強さに自信があるのでなければ、女性は冒険者にならないことが原因では無いか、という説が有力だ。
私達の班は例外的に女性が多く、男は一人しかいない。しかしその絨毯の人は今、希望崎学園の地下ダンジョン調査の許可を貰いに行っている。噂によれば近々ハルマゲドンが勃発するらしいが、まさか巻き込まれてはいないだろう。
私達の迷宮伝説は、まだ始まったばかりなのだから。
未完
2016-11-20T22:52:10+09:00
1479649930
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番長GSS
https://w.atwiki.jp/dng12/pages/63.html
#contents
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*滴 陶子プロローグSS 「私の生まれてきた理由」
凄まじく長くなりすぎました。読むの大変でしょうが、すみません。
滴 陶子プロローグSS 「私の生まれてきた理由」
「どすこーーーい!!」
巨大な衝撃が、雑居ビルを激しく揺らす。
2メートル近い巨体から次々繰り出される掌底が巻き起こす、巨大地震と見紛うような振動。
「ふーっ、ふーっ、今日は絶好調でごわす」
壁に向かって勢いよくてっぽうを繰り返し、快調に汗を流しているこの大男の名は岩鉄 巌男(がんてつ いわお)。
魔人高校相撲、小結の実力を誇り、ここら一帯の不良達をその巨体とカリスマで取り仕切るリーダーでもある。
「今週末はいよいよ魔人大相撲でごわす。素晴らしい魔人力士達の取り組みを見に行く前に、おいどんも心身を鍛え直すでごわす」
一息ついた巌男は、再びコンクリート製の壁へと向かい、今度はひたすらにぶちかましを繰り返す。
壁には巌男の繰り出した度重なる掌底や突進の衝撃によって無数の亀裂や凸凹が作られ、その広い部屋はまるで廃ビルの一室であるかのように、薄暗く、朽ち果てた様相を呈していた。
その時。
「ちょっと――」
「フン!フン!フン!」
「ちょっと、貴方~」
「フン!フン!フフン!」」
「ちょっとってば――!」
「――む? なんでごわすか? 何故か女子(おなご)の声が聞こえるでごわすが?」
「空耳じゃなくて、呼んでるのよ。あなたがここのリーダーね?」
巌男が振り返ると、そこには一人の女学生がいた。
風になびく長い黒髪、綺麗に着こなされた冬用学生服の黒一色とコントラストを描く白い肌に、すらっとした長身の痩躯――。
巌男に比べると、小柄なように見えてしまうが、それでも170cmはあろうか。
相撲道一直線の巌男は女性への関心があまり強くないが、その気丈な表情が良く似合う美貌を見るや「おお、これは大和撫子でごわすな」と思わず心で独りごちた。
オレンジ色の暮れかかる夕陽が射し込む中、その少女が佇まっている様子は幻想的ですらあったが――、あいにく似合わぬものが一つ。
他ならぬふんどし一丁、散切り頭でたくましい汗をかき乱す巨体、巌男の存在である。
「おう、これは何と。お主のようななでし――いや、か弱き女子が、なぜおいどんの稽古場に?」
「単刀直入に言うわ。あなたの部下が奪った今週末の大相撲のチケット。あれを返してほしいの」
「――なんと? 何を言っているでごわすか? あれはおいどんの可愛い弟子が、おいどんの為を思って上納したものでごわすよ。奪ったものだなどど、酷い言いがかりでごわす」
「部下を信じたい気持ちは分かるけど――、あれは私のクラスメイトが苦労して予約して取ったチケットよ。あなたの部下がそれをあなたに気に入られようと、こっそり盗み出してあなたに渡したのよ」
「にわかには信じられんでごわす。あやつから直接話を聞かんことには応じられんでごわすな……む? そういえばこの部屋の周りにいたおいどんの弟子たちは?」
「……ちょっと、眠ってもらったわ」
そこで、女学生はばつの悪そうに顔を背けた。
これには巌男も怪訝そうな顔で問い詰める。
「――なんと!? おいどんの弟子たちが何をしたというでごわすか!? むむっ、さては今のように言いがかりをつけて一人一人眠らせたと!?」
「違うわよ! 私はただ本当にチケットを返してもらいに来ただけ!! なのに貴方の部下たちが急に襲い掛かってきたのよ!」
「うーむむ、本当でごわすか……?」
巌男は腕を組み、首を捻って考え込む。
一方の女学生もその様子を見て次の言葉を選んでいた。正直なところ、話し合いに応じる雰囲気であったことが彼女にも意外であったのだ。
「やはり、おいどんは弟子たちを信じるでごわす。だが、おんしの態度にも真摯なものが感じられる。ならば、ここは一つ――!」
巌男は女学生の目をまじまじと見つめた後、両手を大仰に広げた。
「おいどんをお主の全力で倒してみんしゃい。それで、おんしの言葉にも嘘偽りがないかが分かる!」
「――はい?」
思わぬ巌男からの提案に、女学生はやや間抜けた声を上げてしまう。
「おいどんも相撲取りの端くれ――。全力でぶつかり合えば、その人間の心の有り様が分かり申す。そうして、ここにいる弟子たちとも分かり合い申した。
おんしも女子(おなご)とはいえ、例外に非ず――。力いっぱいぶつかってきて、その心を見せてみんしゃい」
「そんな非合理的な――」
「ふん、やはり女子(おなご)か。小うるさい理屈をこねもうす」
「…………(むっ)」
やや小馬鹿にしたような表情を見せた巌男に、女学生は不機嫌になった。
そして意を決し、直立不動の姿勢から、拳を前に突き出し、構えを取る。
「ほーう……空手でごわすか。中々手慣れた構え。これは面白いでごわす」
そして巌男も姿勢を正し、両手を力強く膝へと付ける。
我が国の神事、相撲の最重要動作。四股を踏む態勢へと入ったのだ。
「ぬうううーーーん!!」
ズシン、ズシン、と巌男が鍛えぬいた両脚を踏み鳴らす度、大きな振動が走る。
対峙しているのが並の人間ならば、これだけで震えあがり、腰を抜かすか、逃げ出すかというところであるが、女学生は全く動じず、構えを崩さない。
「――もういいの?」
「ふむ、やはりいっぱしの魔人であるようでごわすな。だが、おいどんの両脚をよく見るでごわす」
「――?」
女学生が視線をやれば――巌男の両脚が灰色へと変色し、硬質化している!
両脚の裏は完全にコンクリートの地面へと張り付いて一体化しており、まさに大地に根ざした二本の鉄柱。
「これがおいどんの能力。『頑鉄相撲』でごわす! 四股を踏むことで両脚を鋼鉄の塊に変え、鉄壁の守りの相撲を完成させる! 決して倒れることが無ければ、相撲に負けることはないのでごわす! この『頑鉄相撲』でおいどんは横綱を目指すでごわすよ!」
「…………」
熱く高らかに宣言する巌男に対し、少女の目は冷ややかである。
その構えは微動だにせず、「で、もう仕掛けていいの?」と言わんばかりだ。
「むう、見かけとは裏腹に、可愛げのない女子(おなご)でごわすな。さては、友達とか少ない方でごわすな」
「……関係、ないでしょ」
「そう言うところが駄目なのでごわす。まあ、好きなようにかかってきんしゃい、その無愛想な面構えからどのような張り手が来るか、おいどんがとくと見極めてやるでごわす」
――少女の手の平が握り拳に変わり、全身に力が入った。
巌男には誤算が二つ、いや三つあった。
一つ、本当に自分とぶつかりあった人間の心が分かるのであれば、彼の弟子たち――地元の魔人不良たちの性根が改心などしておらず、少女の言うことが真実であると分かったこと。
二つ、目の前の少女の実力をあまりにも低く見積もり過ぎていた事。
そして三つ。これは彼自身の責任では全く無いのだが――この少女は筋肉質で太ましい巨漢が元々あまり好きではない、ということであった。
それはこの少女が小学校時代、『自分の名前』のことで散々からかってきた少年もまた太ましい巨漢(もちろん小学生なので目の前の巌男よりは余程小さいのだが、周囲と比較してずば抜けて大きい少年だった)であったことに起因する。
まあ、その少年はおそらくこの少女の事が気になってたがゆえのからかいだったのであろうが、この少女に与えた印象は最悪であったし、その少年が辿った末路は――この後に巌男が味わうものとほぼ同様である。
これを読んでいる諸兄もくれぐれも名前だけで他人を判断したり冷やかすのはやめておくよう、切に忠告する。
話が大きく横道へと逸れたが――ともかく、先ほどの挑発と相まって、巌男がこの少女に与えてしまった印象は最悪であった。
巌男が悪人でないことは気づいていた少女であったが、しかしそうした様々な要素が重なり、少女は「そこまで言うならやってやろうじゃないか」と、巌男に対して手加減する気持ちを完全に失っていた。
ぞわ……と巌男は全身が総毛立つものを感じた。
見れば、目の前の少女から只ならぬ気配が、不穏な風が巌男の方へと吹いて来ているのを感じる。
少女の瞳は血のような紅色に変わり、長い髪の毛が今にも逆立つかのように震えている。
開いた口元から覗く食いしばった歯と歯の間から、よく見れば牙のようなものが見えるではないか。
少女は今や、美しい顔立ちはそのままに、ただ眼前の敵へ激情をぶつける事のみを目的とした修羅の形相へと変わっているのだ。
その姿、まさに鬼神――。
そんなことを考えた瞬間、巌男の顔面には掌底が飛んでいた。
「―――!!?」
その衝撃を頭が理解する間もなく、暴風が巌男へと飛び掛かる。
二連、三連、四連……、次々少女から繰り出される張り手の嵐。その一発一発がこれまで巌男が受けたことのあるどんな掌底よりも重かった。
(お、おぐうう……うおおお……)
とてつもない勢いで大きくのけ反る巌男。
そのまま倒れ込んでしまった方が楽なのだが、自らの魔人能力で大地に貼りついてしまった両脚がそれを許さない。
いや、これで気を失わないだけでも巌男の常人離れした耐久力が伺える。それは全く幸せな事ではないが――。
ガスッ――!
その時、巌男の側頭部へと思わぬ衝撃が走った。
見ればすらりと伸びた少女の前脚。華麗なるハイキックが岩男の頭部へと見事にヒットしたのだ。
相撲道には存在しない(厳密にいえばルールで禁止されているわけではなく、使う人間がいないだけな)技であるが、生憎、少女には相撲など関係ない。
バゴオッ――!!
更に少女は間髪入れず、逆の脚で今度は巌男の顔に正面から堂々蹴りをかます。
その威力は張り手の三倍程――、巌男の身体は海老反りのようになり、地面へと向かうが、まだその背中を付けることは許されない。巌男は、既に思考を八割程奪われていたが、まだ気を失ってはいなかった。
(――――おおお、おおおお……!?)
既に朧気となった巌男の視界が、突如完全な闇へと包まれる。
少女が、のけ反った巌男の顔面をその細い手で、鷲掴みしたのだ。
その細指からは考えられぬ、巨大な万力で掴まれたかのような衝撃が巌男に走る。
メキメキ……と巌男の足元から音がする。少女が巨大な力で巌男を地面へと押しつぶそうとしているのだ。それによって巌男の鋼鉄の両脚が無理やり地面から引き剥がされようとしている。
このままで両脚が千切れてしまう――そう判断した巌男は魔人能力を解除した。
その瞬間、巌男はわずかに開いた少女の手の平の隙間から、彼女の表情を見た。
血走った両眼、二つの小さな牙がはっきり見える程開けた口元――。
笑っている、楽しそうに――。
「中々美しい表情でごわすな……」と思った瞬間、巌男の意識はそこで途切れた。
ドガシャアアアッ――――
巌男の身体は激しく叩きつけられ、爆雷でも投下したかのように地面を激しく粉砕した。
コンクリートの粉塵が巻き起こり、少女と巌男の姿を覆う。
だが、凌辱はそこで終わらなかった。
バゴオッ! ドゴオッ! 砂埃の中から激しい破壊音が鳴り響く。巻き上がる粉塵に、赤い色が混ざっていく。
既に少女の両手は掌底から握り拳へと変わり、巌男の上に馬乗りになって、その怪力を打ち付けていたのだ。
――世の中には、女子高生に馬乗りになって殴られるなんて羨ましい!という特殊性癖の人もいるそうであるが、果たしてこの光景を見ても同じことが言えるのであろうか?
とにもかくも、このまま続けば強靭な生命力を持つ魔人の巌男であっても、深刻な状態になりうる危険があったが、この時、ようやく幸運が巌男に、そして少女に味方した。
巌男の口から噴出された血糊が、少女の顔――眼元へとぶつかり、その視界を覆ったのだ。
それによってようやく少女は正気へ戻った。
紅く染まった瞳が、黒くつぶらな物へと戻る。
「あ――」
眼元を拭い、眼前に広がる光景を捉えた少女は瞬時に自分が引き起こした事態を理解した。
顔面がぐちゃぐちゃになり、血だらけになって破砕された地面にめり込む巌男。
それに馬乗りになり、血に濡れた両拳を握る自分。
「ま、また……やっちゃった……」
少女はわなわなと体を震わせた後。きょろきょろと周囲を見回す。
既に周囲は日が暮れ、暗く、目撃者はいない。
少女は部屋の端に置かれた大きな鞄に目を向ける。おそらく、あれが巌男のものだろう。
そそくさと向かい、鞄の中をがさごそと探る少女。
「あった……」
それは少女がここに来たそもそもの目的。
彼女のクラスメイトが入手した今週末の魔人大相撲のチケットだった。
目的のものを手にした少女は、再度巌男へと視線を向ける。
未だぴくぴくと伸びており、目を覚ます気配は、ない。
「ご、ごめんなさい……」
少女は涙目になって俯く。
「ごめんなさああーーーーい!!」
そうして脱兎のごとくその場を去り、その後携帯で119番して救急車を呼んだのであった。
*************************************
「どうしてこうなってしまうのかしら……」
先ほど雑居ビルの一室を血に染めた少女は今、洗面鏡の前に腰をかけ、その長い黒髪を解いていた
不良や巌男の血で濡れた体を洗い流し、表面上はさっぱりとした感じで落ち着いていたものの、その心はどんよりと曇っている。
「そんなに悪い人じゃ……なかったわよね……」
クラスメイトのチケットを奪ったうえ、話を聞きもせずヒャッハーと襲い掛かってきた不良共はともかく、そのリーダーであったあの相撲取りの恰好をした男には、少なくとも悪意は無いようだった。
冷静に話し合えば分かって貰えたはず……だったと思うが頭に少し血が上り、能力を発動させてしまったのがまずかった。
『鬼面獣心・血々涙々』
彼女の魔人能力――だが、これは通常の魔人能力とはやや異なり、彼女の意志を持って覚醒した能力ではない。
彼女の中に代々受け継がれる、『鬼の血』によるものだ。
ひとたび彼女が自分の意志によって魔人能力を発現すれば、全身を滾る『鬼の血』が彼女の貌を、身体を、その心までをも『鬼神』へと変える。
全身が沸騰するかの様に熱くなり、ただ目の前の敵を引き裂かんとする『暴走状態』を引き起こすのだ。
「頭に血が昇ると、いつもこれだ」
その激しさは能力発現時の彼女の感情に連動する。実際のところ、あれだけの惨状を引き起こしながら、彼女は今回そこまで怒っていた、というわけでもなかった。
ちょっとムッとした、という程度である。
過去にはより凄惨な事態を引き起こした事もある。もっとも、それは相手により大きな原因がある場合なのだが。
「いつまでも、これじゃあ駄目だと思うんだけど……」
彼女は本来、戦いは好きではない。
だが生来、間違っている事、曲がっていることは許せない性格である。
そして他人のために何かできることがあるならば、動かずにはいられない。
そんな矛盾した性質であるから、普段はできるだけ人との接触を避けようとしても、これまでいくつもトラブルを起こして来た。
今日の不良たちとの諍いも然り、そしてやがて迫りくるハルマゲドンへの参加も然り、である。
「次の戦いは、本当に何が起こるか分からない……」
ダンゲロス・ハルマゲドン、それは本当に過酷で容赦ない殺し合いの場だ。
彼女の力はそんな中で、おそらく主力として期待されることになる。未だかつてない戦場という中で、一体彼女の力は何を引き起こしてしまうのか。
一体、誰を殺すのか。そもそも自分は生き残れるのか。
「…………」
――ぐっと、鏡の中の自分の姿をのぞき込む。
最近、とみに考えるようになる。
この自分は、何のために生まれて来たのかと。
―――――彼女は、今日、その意味を、とてつもなく残酷な形で知ることになる。
10 名前:滴 陶子[] 投稿日:2016/11/07(月) 21:58:57
(ああ~~、さて、いい加減第12次に送るキャラ考えるか……)
「――――!!?」
突如、彼女の脳裏に男の声が響いた。
それと同時に頭の中に映像が浮かぶ。
こことは違うどこかの部屋。机の前に座った男が、ノートPCを操作している。
男の顔は分からない。――いや、少女の脳内と男の視点とが今一致しているのだ。少女の脳が捉えられるのは、男の指がキーボードをぱちぱちと叩く姿と、その眼前のディスプレイだけである。
そこには「第12次ダンゲロスハルマゲドン」というページが開かれている。
(色々忙しくて投稿開始日から大分過ぎちゃったしな……GKからは最初の週の内に送るように言われていたのに……申し訳ない)
「(なに……これ……)」
少女にはこの光景が何なのか、理解できない。
だが、何かとてつもなく嫌な予感がする。全身に悪寒が奔る。
それは鬼の血がもたらす直感なのか。それとも運命が仕組んだものか。
(うーん、そうするとストックにあるようなガイドライン外の凝ったようなのはもう送れないな……。そんなに複雑じゃないとは思うけど、流石にこのタイミングでGKに手間取らせるのは駄目だろう)
少女は悪寒を抑えつつ、男の声に耳を傾ける。
聞いてはいけないという警鐘と、聞かなければいけないという使命感という相克した感情に支配されながら。
(レギュレーションを見ると、今回30人までなんだよな……となると弱いのを送ると陣営に迷惑がかかるから、まあスタメン鉄板のような奴をガイドラインで作るのが無難か)
男は「レギュレーション」と書かれたページをスクロールしながら眺めている。
これは一体何なのか……? 少女には分からない。「第12次ダンゲロスハルマゲドン」、それは確かに、少女が今度赴くことになる戦いの名前だが……。
(すると精神削りとか、移動系能力とか、後は無難に20アタッカーか……)
――その時。
少女の身体がどろり、と崩れ、白い不定形の固まりへと姿を変えた。
「(ア―――、アー――ッ)」
少女――否、既にその形を失ったものは鏡の中の自分を見る。
白いドロっとしたものがウネウネと蠢いている。
これは一体何だ――? 思考は何とかできるが、驚きに叫び声を上げようとしても、言葉すらうまく出てこない。
声を、形を、自分のアイデンティティを奪われた。
その現実が、少女だったものに突き刺さる。
(ふむ、どれにすべきか、考えがまとまらんな。こういう時は転校生を見てみよう。あまり強いようだったら転校生殺しも考えないといけない)
ウネウネとした白いものは、ただ男の声を、視線を追っていく。
男はひとしきり思案した後、「転校生」というリンクをクリックして、そのページを開いた。
(はあー、結構柔らかい転校生なんねえー。能力もそんなに目立って強くないし、今回は随分良心的な部類だな)
開かれたページに書かれた名前は「芹沢 銀侍」
記述された特徴、能力、数値――の意味はよく分からないが、紛れもなく今度のハルマゲドンで「転校生」として現れると言われている存在だ。
ならば、この男が今していることは――まさか――。
白い物体の中にある悪寒がまずます激しくなっていく。
(この転校生なら特に対策とかは必要ないな。柔らかいから殴って殺せるキャラ、20アタッカーがどれだけいるかが重要になるかな?
なら無難に20アタッカーにするか)
その時、白い物体が徐々に人の形を成していく。
鏡に映るその姿を眼に捉えた物体は、ようやく自分が生まれるのか、と思う。
何でも良い、とにかく早く安心が得たい、とその物体は切に思う。
11 名前:滴 陶子[] 投稿日:2016/11/07(月) 21:59:20
(特殊能力は……この前の自重ダンゲで壁に苦しめられたし、壁殺しにするか。この転校生、耐久25だから、攻撃5アップで殴れるキャラにすれば、壁殺し、転校生殺しの両面を達成できる、便利キャラの完成だな)
いよいよ白い物体は人型で安定してきた。
ややがっしりとした筋肉質な体つきであったが、白い物体はきっとここから自分の元の姿に戻るんだ、と思う。
(うむ、これはスタメン間違いなしだなー……やれやれ何かまたつまんないキャラになってしまった気がするが、まあいっか)
それにしても……と白い人型は思う。
(さて、攻撃5上昇、同マス通常攻撃だとFSはいくついるんだっけ? ガイドラインと計算用Excelを開いてっと~)
脳裏に浮かぶこの男。思考が実にゆるい。
どうやらキャラクターを作ろうとしているようだが、仮にも一つの生命を生み出そうというのに真剣味がまるでない。
(はあー、FS2で作れるんだこれ。まあ鉄板で強い能力だしな~)
口調の節々からいい加減さが伝わってくる。
最初こそ頭を捻っている様子もあったが、特殊能力とやらが固まってからはより一層、それが顕著だ。
(さて、まずは特殊能力の清書だな。どうせこんなん過去に作った人何人もいるんだろうな……)
要するに。
(「ダンゲロス 同マス通常攻撃 攻撃力 上昇 消費」……こんな感じで検索すれば……ほら出てきた! 暁ダンゲのキャラか。自分が開催したキャンペーンのキャラじゃないか。宿命だな)
性格が元からいい加減なこともあるのだろうが、この男は。
(おっ、ちゃんと清書してある。偉い! 後はこいつをコピぺして、ちょちょいっと書き換えれば、はい完成っと~。カップ麺作った時より労力かかってないぞ、これ)
やる気が無いのだ。
完全に手癖でもってキャラクターを作ろうとしているのだ。適当なのだ。
そして、そんな適当さでもって生み出された存在こそが……。
(さて、後はキャラ説か……。まーた、特殊能力から入ったもんだから、全然キャラ説が思い浮かばんな……。また適当なキャラになってしまう……)
適当……適当……適当。
その言葉は、人型の心に重くのしかかる。
全く持って適当に、机にひじ付きながら、この男は生命を生み出そうとしている!
(まあ、このステと能力ならどう見ても、パワーファイターだよな。 うーん、ただでさえ適当な能力なのに、どうやっても適当にしかならんぞ、これは)
やめろ、適当というな、と抗議の声を激しく上げるが、男には届かない。
だが次の瞬間、思わぬ展開がその人型を待ち受けていた。
(あ、そうだ、パワーファイターなら、今話題の日の丸相撲の首藤くんにするのはどうだろう)
その瞬間。
人型は、突如、大巨漢へとその姿を変えた。
身長2メートル、体重200キロにも迫ろうかという巨体。
鏡に映るその姿は、逞しく、太い肉体を惜しげもなく晒し、股間に廻しだけを締めている。
そばかすが生え、あまり生気を感じさせない、のっぺりとした顔……。
「コ……コレガ……コーーレーーガーーアタ……シ……」
一体どうした事か。紛れもなく今、姿形はどうあれ、人の身体と心を与えられたかに見えたその存在は、しかし言葉を発しようにもたどたどしく、上手く喋れないのだ。
常人を大きく上回る相撲取りの巨体に、言葉を上手く発せず、たどたどしく思考し、のしのしと徘徊する。
その様はまるで……。
(うん、スモウゴーレム首藤くん! インパクトはあるな!)
自分が今脳内に浮かべたものとまったく同じ言葉を男が発したことに、その巨体は激しく自己嫌悪する。
これまでその巨体となったものは、決して人には偏見を持たない様にと思っていた。
だが、今の自分はこの姿を悪しざまに思ってしまった、こんな姿は、心は嫌だと思ってしまった。
そんな醜い気持ちが自分の中に眠っていたのだ。
12 名前:滴 陶子[] 投稿日:2016/11/07(月) 22:00:39
「アタシ……アタシハ……」
これが自分に与えられた罰なのか? スモウゴーレムとしてこれから生きていくのだろうか?
とてつもない絶望がスモウゴーレムを襲ったが……。
(うーん、しかし今回30人なんだよな。そんな少ない枠の中にスモウゴーレムがででん!と座ってていいものか?
参加したい!って意欲の高い人が率先して投稿しているだろうし、そういう人がこんないかにも適当に作ってござい!ってキャラを見て、
しかもスタメンに入ったりしたら、気分を悪くすることもあるのかな……)
男が思考を切り替えると、ゴーレムの姿は再び白い不定形のものに戻る。
その心に、やや安心が戻る。
(やっぱりキャラ説も多少練った方が良いのかなあ……。でもこの能力で凝ったキャラ説って言っても……、このコピペ元のページのキャラも失礼だけど能力原理とか随分適当だぞ、おい)
適当言うな! 白い形から何度目か分からぬ抗議の声が上がる。
(まあ、考えるか……。うーん、無難に可愛い女の子にするかねえ。女の子で攻撃アップとなると、うーん、体内に鬼の血が流れてて、暴走すると攻撃力が上がる、とか……?)
そうして、ようやくにして、その白い不定形は、元の少女の形を取り戻した。
少女はすぐに鏡の中を覗き込む。紛れもない自分の姿だ。
一体、これまでどれだけ悪夢の中を彷徨っていたのか。わずかな時間であったはずだが、永遠の闇の中にいたかのような錯覚を少女は感じていた。
(うーん、でもこんなのやっぱりありきたりな気がするなあ)
こ ん な の。
落ち着いた心に突如投げかけられたその言葉は、鋭いナイフを突き立てたかのように少女の心を抉った。
(くわー、やっぱり面白味が無いなあ……。これ、多分投稿して三年も立って総合名簿を見たら、あれ? こんなキャラ作ったっけ? ってなるパターンだ)
人の人生をこんなの、ありきたり、面白味が無いと容赦なくズタボロに表現する脳内の男。
少女の中に、言いようのない哀しみが広がっていく。
(ファントムとか、塩を使ったキャラの方が、申し訳ないけど、思い出深いし、愛情を注いでるんだよな……)
「(――――!!?)」
男が、『ある過去』に思いを馳せた瞬間、少女の脳にとてつもない激痛が走った。
何が起きたのか分からない。だが、これまで感じていた悪寒など比較にもならないおぞましいイメージが浮かび上がる。
不幸中の幸いにも、それらは断片的過ぎてはっきりとは分からなかったが、一枚一枚が、頭が内部から溶解していくかのような、おぞましい苦悶となって少女を断続的に襲った。
「げぼおっ!! げぼおおおおおおおっ!!」
少女は気が付いたら嘔吐していた。
醜く見開かれた眼から涙をこぼし、地べたをはいずる。
早く、早くやめて――と思った時だった。
「……って、思わずまた嫌なこと思い出しちゃったよ! うーん、やっぱりスモウゴーレムをパパッと送った方が良いかな」
地面に転がった少女の姿は、再び先ほどの大巨漢に戻った。
一体いつまでこんな地獄が続くのか。もういっそ殺してほしい。
鏡に映る、醜く横たわった自分の姿を見ながら、言葉もおぼつか無いゴーレムに戻ったそれは思案した。
(いや、でも首藤くんじゃあ、やっぱりまたこいつ適当にキャラ作りやがってって思われるよな……。いや適当なのは事実なんだけど、それでもやっぱり30人枠なら少しは捻ったところを見せるべきかなあ)
涙に滲んだゴーレムの瞳に移る姿が、再び少女の物に戻った。
もはや適当の言葉に対して抗議する気力もなかった。
13 名前:滴 陶子[] 投稿日:2016/11/07(月) 22:02:22
(あ、ひらめいた!)
少女の絶望とは裏腹に、男は明るい声を上げる。
(自分が適当に作られた存在であるってことを知ってしまった少女……ってのはどうだろう。これは中々良いアイディアだし、面白いキャラ説になりそうだぞ)
明るくなった男は勢いよく文章をタイプしていく。
少女は失われた気力の中、かろうじてその文章を追っていく。
(残酷な運命に立ち向かう少女……キャッチ―ではないか。更にこの少女の寿命は今回のハルマゲドンで尽きることにしてしまおう。どっちにしても、今回のハルマゲドンが終わったら、忘れられる命だしねえ。うむ、実に良い設定だ!)
何を言っているのか!? 少女にはまだ男の思考が理解できない。
(よし、キャラ説終わりっ! ああ、名前を書くのがまだだった。これはもう決まってるよん)
少女の心を諦念が支配していく。
もはやどうにもならない。運命は止められないのだ。
(適当に作ったから、滴 陶子(てき とうこ)。これは俺がいずれ適当に作ったキャラに使おうと思って温めていた名前だ。光栄に思えい)
男が名前欄に刻んだ文字、滴 陶子(てき とうこ)。
――紛れもなく、自分の名前だ。
その由来だけは、誰に何度からかわれても散々否定してきたのに。
(よし、これで書き終えた、送信っと!)
男は、一仕事終えた爽快感で、大きく伸びをした。
少女は未だ立ち上がる気力なく、鏡をぼおっと見つめている。
(いやー思ったより時間使っちゃっけど、良いキャラになったぞ。これでスタメンで活躍したらいうこと無し。お前はそのために生れて来た生命なのだ。頑張ってくれい)
そうして、少女の脳内から男の見ていた映像が消えた。
後にはただ、鏡に映る倒れ込んだ自分の姿が見えるのみ。
だが――その首筋に、大きな痣が浮かんだのが見えた。
「あれ……は……」
少女の頭に、自分の両親の姿が浮かんだ。
あれは両親が死ぬ数週間前のことだ。
鬼の血を引く魔人の寿命は、短い。
そして死ぬ前に、その兆候として首筋に痣が現れる。
その痣が全身に広がった時、鬼の血を引くものの命は途絶えるのだと、両親は遺言を残して、その通りその僅かな後に死んだ。
お前はきっと、もっと長く生きられる。
お前の名前は決して適当に付けられたものではないと、言い残して。
「嘘よ……こんなの……」
だが、その全ては今日否定された。
あまりにも残酷な運命が、彼女の目の前を覆っていた。
「嘘よおおおおおおおおおおおおおおっっ!!!!!!」
少女、滴 陶子(てき とうこ)の絶叫が、夜の闇の中へ溶けて、消えた。
*************************************
「て、適さん――どうしたんですか?」
翌日の朝――。
窓の外をじっと見つめたまま黄昏ていた滴 陶子に声をかける一人の少女があった。
「え、いや……な、なんでもないけど?」
「なんでもないって、もの凄く青ざめてましたけど……」
「…………」
陶子の顔が、暗く、沈む。
隠し通せるはずもない、未だ彼女の心はズダズダに引き裂かれたままだ。
どうやって今日、学校に来たのかも覚えていない。何とか気力を振り絞ったのだと思う。
「あ、あの、もしかして、今度のハルマゲドンの事、ですか?」
その言葉はある意味では間違っていない。しかし、致命的な捉え違いをしている。
ハルマゲドンへの恐れは確かにあった。だが、昨日までのそれと、今抱えているものは全く違う。
自分の寿命は、今度のハルマゲドンが終わった時点で無いのだ。
いや、自分という存在自体が今度のハルマゲドンのためだけに生み出されたものに過ぎなかったのだ。
そんな残酷な真実を突き付けられ、一体どうやって明るく上を向けというのか?
「うん、まあ、そんなところ。でも大丈夫よ。心配かけてごめなさい」
それでも、と陶子は気丈に振る舞う。
ハルマゲドンが不安なのは周りの皆も同じである。自分の事情がどうであれ、深く沈んだ様子を見せてしまっては、そんな周囲の心配を煽るだけである。
「陶子さん……無理、しなくてもいいんです」
しかし、そんな陶子に、少女は優しく声をかけた。
「……え?」
「これ、陶子さんですよね。取り戻してくれたの」
少女はポケットから一枚のチケットを取り出す。
昨日、陶子が岩鉄 巌男から取り戻した魔人大相撲のチケットだ。
「私の靴箱に入れられてましたけど、すぐに分かりました。陶子さんだって。陶子さんはいっつも周りのために頑張っている人です。私、知ってます」
少女は震え、ギュッと制服の裾を摘みながら陶子に語り掛ける。
「だから……ハルマゲドンなんかで陶子さんが命の危険を冒すことなんて……ありません」
少女の震えは目に見えて大きくなっていく。
それでも顔を上げて、彼女は陶子の眼を見つめて、言った。
「陶子さんは辞退してください。私だって一応魔人なんです……私が……私が代わりに……ハルマゲドンに出て……」
ああ、そうか――と陶子は思う。
あの男は私をハルマゲドンのスタメンにするためだけに作ったと言った。
ということは、私の運命は決まっていても、ハルマゲドンの運命は決まっていない、ということだ。
皆、ハルマゲドンを前に、今言いようもない不安に襲われている。それを少しでも取り除くのが自分の使命なのではないか。
――例え、自分の未来が無くとも、皆の未来はあるのではないか。そう、目の前の小さな少女を見て思う。
希望は、失われてはいないのだ。
「ありがとう、でもそんな必要はないわ」
陶子は、スッと立ち上がった。
「私、強いもの。ハルマゲドンなんて、楽勝で勝って戻って来て見せるから」
えへんと、陶子は胸を張る。
震えていた少女は顔を上げ、彼女の明るい笑顔を見た。
「だから、貴方は安心して待っていて。皆の未来は私が守る」
そうして陶子は勝利を誓った。
仲間のために、友のために――。
「陶子さん――」
うっとりとした表情を浮かべる少女。
暫くして、意を決し、陶子へ再び語り掛ける。
「わ、分かりました……。そ、それじゃあ、別にお願いが――」
「ん、何?」
明るさを取り戻した陶子もまた、微笑んで返事をする。
「このチケット、実はもう一枚あるんです。そ、それで……今週末――」
少女はそこで声を張り上げる。
「わ、私と、『相撲』を見に行きませんかっ!!」
「……………」
相撲――相撲――スモウ。
その瞬間、陶子の脳裏に昨晩のスモウゴーレムの姿がフラッシュバックする。
「す、すもう……相撲は――」
陶子は両手で頭を抱え、涙を浮かべる。
「相撲はいやああああああああああっ!!」
そうして取り乱しながら、その場を後にしたのであった。
――――果たして彼女の運命は!!?
神も書いててあまりに悲惨に思ったので救済は歓迎です!
*【無題(その1)】
自他境界線、それはわたしがわたしであること。あなたがあなたであるということ。
それが揺らぐということ。それは愛する人の肉を喰らうと言うこと、人の肉を食するということ(カニバリズム)のひとつの解釈として愛する人と、強い人と一緒にありたいという願望だという。
肉と肉が融け合って、ふたりが独りになれたらねと、手と手をつないだ命がいた。
今では“バケモノ”がいる。
----
免疫反応――少女アポトーシス。
それは私が“わたし”でない“あなた”であるということ。
深い森の中で、独りの少女が二人してなにかに腰かけている。
傍目では宙に浮いているように見えるだろうか、だが常人が自我を保つためにかける厚いもやを外してみれば、それはぶつ切りにされた人体や種種の蟲を核に、それをつなぐ菌糸が歪な茸【キノコ】のような配色を見せた。
ただ、なにかおぞましいものだとわかる『それ』もまた少女の一部であった。
ふたりの姓は『裸繰埜』、森の一角を占める膨大な肉の塊を一緒に使ってる。それが彼女たちの共通項。『鵺岬(やみさき)』と『矢岬(やみさき)』のミドルネーム、それも彼女たちの共通項。
図らずも、夜の化粧をされた森の奥でふたり姉妹のその名はよく似合っていたのかもしれない。
姉妹の妹『弓』固有の魔人能力を持ってして、自分自身から切り出した一本の腕を『晒』は、『弓』は、じっと見た。これはもう自分のモノではないと愛しむように。
一対の瞳な虹色に輝いて、文字通り『虹彩』を成すのだけれど、生きた魚の目が、無数の人の目が、一個体が百以上を持つという貝の目が、身体と比して特に巨大な頭足類、時に機知を持った脊椎動物から無機質な下等生物まで、目という括りで言うなら地に潜むすべてが“彼女”を見つめている。
人という括りで裸繰埜姉妹について語るとしても持っている手足はダースで済まない。十二ダース=一グロス、それを重ねて重ねて、やっと届くだろうか。
そのたったひとつを人としての手で持ち上げて、ふっと吐息をかける。
「山乃端一人(やまのは・ひとり)さぁん?」
ビクリ。腕一本になってさえ、怯えを感じるのかと思って晒は笑った。逃げることなど出来はしないのだと、知っていたから。
もちろん筋肉の反射だろうか? と冷静に考える脳髄は万とある。
だけど、弓はそうでないといいなと思うのだ。
『「だって今晩もあなたをすこうし殺すのだもの。ちょっとずつ、ゆっくりと……死んでいってくれないとこまるわ」』
そう――山乃端一人は生きていた。八割くらいまだ生きている。
今は、首なし。
弓とよくよくおしゃべりしたあの口も、晒を楽しませた綺麗な眼差しも、いなくなって久しい。落ちていって、応接室の絨毯に吸い込まれていった、かんばせを拾おうとしてふたりはやめた。
玉砂利のような白い歯のかけらだけを残して、取られてしまった。趣味はこれくらいにしなければ、死亡証明にはこれが必要だと思っても惜しいものは惜しかった。
ああ、なんてもったいないんでしょう。
だけど、裸繰埜は。
裸繰埜が裸繰埜として生きるためには人を殺さないといけない。継続的に、休みなく。
もちろん二人のノルマはとっくに果たされているのだけれど、何分彼女たちは真面目だから。
晒と弓のからだの一部でなくなった山乃端一人の何分の一かがここでゆっくり死んでいくのを名残惜しそうに、見つめ続けていた。
丘に上げられた魚のように跳ねていた腕の血の気が失せる。死後硬直がはじまる。
裸繰埜鵺岬晒と裸繰埜矢岬弓、彼女たち姉妹の殺しは緩急が激しい。
気に入らない下等生物は無惨に鏖殺して残った肉片を泥濘に漉き込む一方、気に入ったいきものは自分たちにする。爪先から五臓六腑の奥底に至るまで愛で尽くす。
飽きて放り出すにしても、その期間はとみに長い。代謝に従って一般的な人体の構成成分が真すべて入れ替わる時間よりは長い。
だからだから、毎夜毎夜。
少しずつ、少しずつ、愛する肌を、その裏に隠された糸筋の束を丁寧に解していく。
みちりと配された柔らかな構造物を、黄の脂が埋めていく。未だに付肉された白く艶やかな尺骨を足元から延びる長い舌で削り取った。いつしか靴もソックスも取り去って、美しいものを踏みつけにすることで甘えも未練も取り去って、山乃端一人のうでをムシケラどもの餌に変えていく。
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有象無象など、もってのほかか。無数の口が嗤った。響き渡る絶叫を咀嚼する。ハルマゲドンを前にして間引きがはじまっているのか。
いつになく両手両足では余るだけしか集まらなくなった生徒会と番長G。肉塊から肉界へ。足元が肉の海に変わっているとも気づかないおろかな一年生は彼女の誘いを断らない。
ずぶずぶと、足元から喰らわれた一人の魔人がまた裸繰埜に変わる。一時間後には足の腱しか残らないのだとしても、きっと彼は幸せなのだと姉妹は信じていた――。
*【無題(その2)】
生と死――、姓と氏、氏(うじ)と姓(かばね)。ふたりは今日の授業で学んだことを思い出していた。弓は脈絡のない連想ゲームだと思った。晒は意味のない言葉の羅列に意味を込めるのが人間だとたしなめた。
そして、ふたりして笑った。名は体を成すっていうけれど、それって生まれつきなのかなって。
もう夜半か。山乃端一人を愛でるもここまでとしよう。
ぷんと、独特の芳香が漂う。ぐう、と間の抜けた音が鳴ってまたふたりして笑う。遅めの晩餐にしようと思って、足下の大口からぷっと吐き出したソレを見る。
月光に照らしだされた熟熟とする肉の色は、血抜きも為されなかったためか赤黒い。
あまりにも巨大な影に、肉腫から突き出された腕のひとつひとつに掬い上げられてしまう程度の量だったけれど、それは実に美味しそうだった。
一匹の蠅が肉の塊に止まった。膨大な方でなく、ちっぽけな方に。
蛆(うじ)が屍(かばね)に寄り付いて、死から生が生まれる。たとえどれだけおぞましく見えようとも、それは自然の営みなのだ。数ある生物の器官の内、切断に向いたものを適当にナイフ代わりにした。
ポケットから取り出したクラッカーに薄く切った胸肉を乗せる。カナッペは酒の肴に供されるものだが、この肉は独特の芳香を放っている。つまりは酒精に他ならない。
ここまで熟成されるまで何年の人生を歩んできたのかと、弓は思った。染み渡った肝はよく冷えて、独特の香味を吐き出す。
『「兄様姉様、皆様方は私が相手することを肉屋送りにするだなんて言うけれど……」
「失敬な。私はお金を取ったりしませんよ?」』
むしろ食べる方ですと咀嚼しながらつぶやいた。
先達の皆さんの有難い言葉を思い出す。苦笑い半分は妹の弓のもので、続く半分の微笑みは姉の晒のものだ。まるっきり同じ顔を使っているハズなのに与える印象はまるで違う。
『「寝てる時に折牙に食い散らかされた時には困りましたねー」
「あの時はコレクションを引っ込めておいて助かったわ。誰が肉布団兼冷蔵庫なのかしら?」』
親愛なる家族の名前をこぼす。そう言えばこの間は変な夢を見たとか言っていた。私は足が遅いからなかなか追いつけないけれど、たまには遊びに行ってあげようか?
肉は元々の滋味か、とてもやわらかかったのだけど人間の歯では少々荷が勝るようで。
痛いと、弓は言った。
お酒が和らげてくれるわと、晒は言った。
『「宵の口には酔い頃合いですよ。どうですか、一口?」
「夢見ヶ崎さんは元気ですか、せ・ん・せ・い?」』
極上のアルコールは彼女が私の身体を踏んづけていたことも気にはさせなかった。未成年の彼女たちが飲酒を行うのは厳密には法律違反なのだけれど――。
そのことを裁く法はここ希望崎にはなく、人間が何かという哲学的論争は一切無縁で、美しい妖精を思わせる風貌を前にしては見て見ぬふりをしたい、それが姉妹を知る人間のすべてだ。
虹色の髪、虹色の瞳。もちろんその髪は一本一本吟味したうえでいただいたものである。
肌も、手足の指先も、抜き差しして確かめた眉の形からはじまって、五臓六腑と言うありふれた表現では足りない内臓や肋骨の本数に至るまで、研究に研究を重ねた努力で理想の美少女(わたし)を作った。魅入ってくれないと困る。
特に弓はそう思っていた。晒は出来るなら私のすべてを見てほしいと思う。
だけど、それは叶わない。
世界は彼女たちの本質を観測しない。理解した瞬間に終わってしまうからだ。
すべてを私に受け入れたいと願った晒がいけないのか、私でないすべてを拒みたいと思った弓がいけないのか、それはわからない。
たった一人の人間の自我が砕ける音でも、何分耳がたくさんあるので何百という絶叫を一度に味わうことになる。面白い経験が出来て嬉しいのだけど、少しばかり寂しい思いもある。
結局、真に私たちを理解してくれるのは“家族”だけなのだろう。
良い香りがすると、たとえば榊兄様はそう言ってくれた。だから弓はあの人のことが好きだ。姉の晒としては、さほどではないのだけれど……。むしろ互いにとって良くないことだと思っている。
遺伝子のキメラ――視肉プロップマン。
触れ合いたいという願いは混ざり合いたいという欲望に上書きされる。それでも、晒は弓の愛する存在も愛していた。むしろ弓を愛したいがために己を見失いたくないと思った。
だから、晒は今も自分たちを無数の目で見続けている。
酒飲みの肝に寄りかかった蠅が落ちた。そこは年頃の娘、手ではたくのは汚らわしいと思ったのだろうか。
ある種の茸は傘を舐めただけで蠅を落とす種があるというが、彼女たちが腰かけるソレも同じことだ。
赤を基調に白の斑紋が散る、愛らしく幻想的な毒キノコ「ベニテングタケ」を模したと主張する、それは彼女たちの少女趣味――。
爆散した。
「……自分に酔うのも大概にしたら? お嬢さんたち」
『「え……?」』
尾てい骨から接続していたキノコが粉々に打ち砕かれ、立つことを忘れていた姉妹は為すすべなく肉の地面に打ち付けられた。反射! ふわり受け止められ傷はない。見た目だけの柔肌には染みひとつない。
ただ驚愕のみがあった。ここ一面は彼女たちの領域、侵入者は蠅一匹たりとも逃しはしないというのに、なぜ私たちは奇襲を受けたのか? 疑問は瞬間瓦解する。
そこにいたのは消息を絶った女教師「滴 苛子(てき いらこ)」。ご存じ第十二次ハルマゲドンに参戦するためだけに作られた番長グループの魔人「滴 陶子(てき とうこ)」のアル中な姉――?
……ではなく、その写真を顔に貼り付けた胸が豊満な女性、ぺらりと剥がし地面に落とす。現れた顔は。
『「一 四一(にのまえ よい)……!」』
「まさか、こんな手で騙せるなんて。やはりあなたたちはその人型の部分が本体で、それ以外の部分は情報を処理するだけの頭が追いついていないみたいね……」
直立不動から間断なき警戒を保つ構えへ、所々が切り取られた仮の職場の同僚の死体を一瞥する。
無論、その一瞬を見逃すふたりではなかったものの――、四一は肉の絨毯をヒールで抉り込む様にして蹴飛ばし、続く反動で有象無象の肉手を見もせずに後方へと飛んだ。
流し目に瞬きだけ見せた哀しみは織り交ぜずに、ゆわりと本当の地面に降り立った。
【後編につづく】
*滴 陶子SS 「私が番長Gにいる理由」
これは滴 陶子がその残酷な運命を知る少し前のお話である。
世の中には、間が悪い、ということがある。
その間の悪さによっては、自分が一体どうしてこんなところにいるのか分からない、ということもあるだろう。
第12次ダンゲロスハルマゲドン、開戦――。希望崎学園を戦乱の空気が包む中、滴 陶子は自問を繰り返していた。
生徒会と番長G。対立する二つの陣営の、どちらに自分は身を置くべきか、ということである。
彼女の魔人能力は強力だ。それはこのハルマゲドンに現れる巨大な第三勢力『転校生』を一撃で倒すことができる、数少ない力の一つである。
ともすれば彼女の存在一つでこの戦いの趨勢を大きく傾けてしまうことにもなるだろう。
まるでこの戦いのためだけに生まれてきたような力――実際、その通りなのだが、皮肉にも彼女は心の中でそんなことを考えてしまう。
(でもやっぱり、生徒会に付くべきなのかしらね――)
元来、戦いが好きではない彼女がハルマゲドンに向かう理由は一つ。それはこの愚かな争いを沈めることに少しでも自分の力が役に立つのなら、という想いである。
その為に転校生を殺す必要があるのなら、喜んでこの鬼の血を振るおう。例え同じ学園の仲間が敵でも修羅となろう。
だがこの戦いはどちらがより『正しい』のか――? それがよく分からない。戦いに正義など無い、が――より学園の、世界のためになると思えるのはどちらの陣営なのだろう。
秩序を守ろうとしているのは生徒会であるように思えるが――。
「あれは――」
そうして滴 陶子の足が自然と生徒会室の前に向かった、その時だった。
彼女より前に『生徒会室』と書かれた札の書かれた扉を開けんとする男が一人。
バンカラ帽子に長ランという非常に古風な出で立ちに、がっしりとした筋肉質な、いかにも漢の中の漢といった体躯――。
それはどう見ても……
「ちょ、ちょっと待ちなさい!!」
陶子は思わず駆け寄り、その男を呼び止めた。
「む、なんじゃあ?」
「あ、あなた……ハルマゲドンの前に殴りこむのはルールで禁止されてるわよ!」
そう、その男はどう見ても『番長』であった。
その見事な番長スタイルとその男が醸し出す戦闘的な空気が、滴 陶子の目にはどう見ても番長が勢い込んで生徒会に殴り込みに行くようにしか見えなかったのである。
「な、なにを言っととるんじゃ、われえ! わしは……わしは……」
「ごまかそうとしたって駄目よ! 私は今は生徒会でも番長でもないけど、ルール違反を見過ごすわけにはいかないわ!」
陶子は生徒会室の前に立ち、でんっ!と両腕を広げて、その番長? の行く道を塞いだ。
「戦うなら、ハルマゲドンで堂々と周り迷惑かけないように戦いなさい!」
「ち、違うっちゅーとろーが! わしは!」
「何? あんまし言いたくないけど、その恰好の割りに男らしくないわよ!」
「わしは、生徒会の一員じゃあーーーーーーーー!!」
「……………………はい?」
陶子は、実に間の抜けた声を上げて、返した。
「だから、わしは正真正銘、生徒会側の人間じゃって言うとる! 」
「……いや、えっと、でもどう見ても貴方の恰好は番長じゃない? それで生徒会?」
「これが、わしの男のスタイルじゃ! でも今は生徒会の一員じゃ! ほら! こうして生徒会の腕章も貰っておる!」
番長がその太い二の腕に巻かれた腕章をぐいっと陶子に見せつける。
そこには『生徒会 三年 【番長】』と書かれている。
「……番長じゃないの」
「いや、これはわしの名前じゃ! 番(つがい )長(はじめ)と読む!」
「……番長だけど、生徒会?」
「だから始めから、そう言っておる!」
「…………」
ジトっとした目で陶子は番長(つがい はじめ)を見る。
言っていることに嘘が無いように見えるが、どうにも胡散臭い、という感じが抜けないでいた。
陶子は意外と単純なところがあり、どうにも見た目の印象だけで人を捉えてしまうところがあった。
この番長が本当に生徒会だと言うのか? 実は番長Gから送り込まれたスパイでは無いのか?
ハルマゲドンが始まったら、生徒会の初期配置にいながら、いきなり番長Gの指示で動き出して味方を襲うこともあるのではないのか?
そんな有り得ない予感までをも感じていた。要するにそれ程目の前の男は「番長」であった。
「おんしの言いたいことは分かる。わしとて、正直最初は生徒会に召集されるとは思うとらんかった……」
未だ首を傾げる陶子に、番長(つがい はじめ)は真摯に語り掛ける。
「だが、わしはこの学園の皆の事を思うておる……。この争いを一刻も早く沈めるために生徒会の一員として立ち上がったんじゃ!」
(…………ふむ)
番長(つがい はじめ)の言葉に聞き入る陶子。
彼の想いは、陶子のそれと同じである。
「生徒会はこの学園の秩序を守ろうとしている……。わしはその力になりたいんじゃ」
ようやく陶子の心の中に、番長を信じる気持ちが生まれてきていた。
この様な真っすぐな男がいる陣営ならば、自分が力を貸してもいいのかな……そう思った時であった。
「ガブッ……! う、ううん……お、美味しい、こんな美味しいお尻……っ!」
「……!!?」
突如、陶子の小さなお尻に違和感が生じた。
見れば、小柄な金髪、赤い目の可愛らしい女の子が陶子のおケツに?筋みついている。
番長との会話で緊張が薄れ、彼女の接近に気づかなかった……。陶子、一生の不覚である。
「あんっ……。このお尻、良い……こんなの初めて……気持ち良い……」
「ちょ……ちょっと……あふっ……こ、こらっ……」
陶子に流れる鬼の血によるお尻は、吸ケツ鬼には結構、美味らしい。
思わず恍惚の表情を浮かべる陶子であったが、何とかその誘惑を振り切る。
「は、離しなさいっ!」
陶子は何とか、そのお尻に噛みついた少女、ヴェンピィを振り解いた。
そこそこ強い力で吸い付いていたヴェンピィだったが、鬼の力には劣る。
「はあーっ……はあーっ……ちょっと! これが秩序!?」
陶子は再び番長の方を向き、抗議の声を上げる。
廊下に転がったヴェンピィの腕には番長と同じ生徒会の腕章が巻かれている。
この人のお尻へ急に吸い付く少女も生徒会の一員、ということだ。
「い、いや、これは違うんじゃ……。こいつは確かに急に噛みつくような奴じゃが、やりたくてやっているわけじゃなくて」
「お、お願いします……もう少し……もう少し、吸わせてっ! こんな、こんな美味しいお尻初めてで……あっ! いやっ! 駄目なのに……駄目なのにぃ……」
番長の擁護の声空しく、ヴェンピィは再び陶子の尻へと執着する。
実際、彼女が尻を吸うのは体質の問題であり、色々彼女にも悩みがあるのだが……残念ながら完全吸ケツ鬼モードの彼女しか見ていない陶子にはあずかり知らぬことである。
「ていっ」
「あふっ!」
陶子は無表情のまま、鬼人空手でヴェンピィを眠らせる。
ヴェンピィは恍惚の表情のまま、キュウ、と地面に転がった。
「…………」
陶子は再びジト目で番長を見つめる。
再び、「果たしてこの男信用できるのか?」という気持ちが生まれる。
「と、とにかく……生徒会の連中は決して悪い奴らじゃないんじゃ。
この学園の正義を守ろうとしている……。わしも番長Gの奴らと戦うのは心苦しいが……、お前も生徒会の他の奴らと話しあってみればわかるはずじゃ!」
そうして番長は生徒会室の扉を開いた。
……だが、そこには彼らの思いもよらぬ光景が広がっていた。
「はあ……死体があると興奮するの」
生徒会室一面に広がった、赤、赤、赤……。
そこら中に、ぐちゃぐちゃに損壊したもの言わぬ死体達が転がり、彼らから放たれた夥しい数の血が、部屋いっぱいに充満していた。
その中心にぼけーっと転がっている一人の生きた少女。生徒会にいるクラスでもごく普通の女の子? 捨石愛子である。
「あら、番長(ばんちょう)……お帰り。ねえ、血塗の赤で血塗られた部屋って素敵だと思わない?」
語る言葉とは裏腹に、実に無機質にその少女は番長に語り掛けた。
喜びも悲しみもない、無の表情からは何も読み取れない。この状況を生み出しながら本当に死体への愛があるのかもわからない少女であった。
「……これが正義?」
「ち、違うんじゃ……違うんじゃー!!」
冷たく抗議の視線を向ける陶子と悲しく否定する番長(つがい はじめ)。
番長の叫びが部屋一面の赤へと溶ける中、陶子は静かにその場を後にし、生徒会へ所属する決意を固めたのだった――。
世の中には、間が悪い、ということがある。
中には、どう見ても番長スタイルである少年が、何故か生徒会に所属したり、時には生徒会長にまでなってしまうこともあるだろう。
またその一方で、どういうことか人でもないパンダが番長となることもある。
それは誰かが天上で賽を振った結果なのか、はたまた唯の運命の悪戯であるのか。
ともあれ、第12次ダンゲロスハルマゲドン、開戦の時は近い――。
2016-11-20T22:45:45+09:00
1479649545
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エロイーズ・サセックス
https://w.atwiki.jp/dng12/pages/50.html
*エロイーズ・サセックス
■性別
女性
■学年
その他
■所持武器
聖書
■ステータス
攻撃力:0/防御力:0/体力:3/精神力:2/FS(フェロモン):20
**特殊能力『Missサセックスの放課後個人レッスン』
<計算式>
効果:
同マス味方1体の能力を作り変える。
「制約:敵対象精神攻撃 +100」を加えた状態で
効果、範囲、対象、時間をそれぞれ任意に上方修正する。
発動率は再計算後の値を使用する。
※対象にできるのはガイドライン能力、あるいはそれに準じた計算が可能だとGKが判断した能力に限る
※
効果:1ダメージを2ダメージなどに上方修正可能。効果そのものを別のものに変更することは不可(上位概念でも)
範囲:ガイドラインにおいて元よりも倍率が高いものに任意に置換可能
対象:単体→1マス全員→範囲内全員 の方向にのみ修正可能。
時間:持続型の能力のみ上方修正可能。単発能力を持続型にするのは不可
※壁貫通や死亡解除などの付属効果や制約は変更不可
※敵を対象にしない能力や、元から精神攻撃の能力には使用できない
※カウンター内容は強化できない
範囲+対象:同マス味方一人
時間:1ターン
制約:自分永続行動不能
&bold(){発動率:100% 成功率:100%}
***能力原理
大人の階段を登って一皮むけた生徒は能力の新たな使用法に目覚める
**キャラクター説明
新任のイギリス人英語教師。
ウェーブのかかったブロンドの長髪、タレ目の碧眼の下には泣きぼくろ、おっぱいはHカップ。
中学生の頃から日本に住んでいるので日本語はほぼペラペラ。
箱入りで育ったので性格はおっとりしていて妃芽薗学園の卒業生でもある。
2016-11-14T10:41:12+09:00
1479087672
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一 三三一六
https://w.atwiki.jp/dng12/pages/49.html
*一 三三一六(にのまえ・みさいる)
■性別
女性
■学年
3年生
■所持武器
健康な身体
■ステータス
攻撃力:0/防御力:0/体力:19/精神力:3/FS(搭載数):3
**特殊能力『からだミサイル』
<計算式>
効果:体力6ダメージ 70
範囲&対象:半径3マス1人 ×2.3
制約1:精神攻撃 100
制約2:体力6消費 30
&bold(){発動率:90% 成功率:100%}
***能力原理
自分の手足などを千切って発射する。
精神的に弱っている人は本当にミサイルが飛んできたと勘違いしてダメージを受けるかも……?
超回復力で、千切った手足はすぐに生えてくる。
なお、超回復力で瞬時に治癒するのは自分で自分を傷つけた時のみである。
例えば敵に全身をバラバラに切り刻まれた場合、再生には数ヵ月を要するため普通に死亡扱いでDPが発生する。
**キャラクター説明
一族中の魔人率が99%を超える戦闘破壊家族、一家(にのまえけ)の一人。
ロボットアニメに憧れる病弱な少女だった彼女は、病魔に見事打ち勝ち健康的な身体を手に入れた。
健康すぎて少し太めな程に育ったことは、あまり指摘しないであげて頂きたい。
本人の言うところを信じるならば、体の一部をミサイルに変えて発射できる。
能力名『からだミサイル』については、真の能力名『傲然たるホーリー・マカラル』が格好悪くて気に入らないので自分で名付けた。
未来風デザインの服と、アンテナ型の髪飾り。
AR機能のついた眼鏡をかけ、ロボっぽい口調でしゃべる。
お菓子が大好きで、特技はマジパン作り。
一家設定。
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=1949480
2016-11-14T10:40:24+09:00
1479087624
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大神がるる子
https://w.atwiki.jp/dng12/pages/35.html
*大神がるる子
■性別
女性
■学年
3年生
■所持武器
鋭い犬歯
■ステータス
攻撃力:1/防御力:1/体力:5/精神力:3/FS(人狼):15
**特殊能力『なんじはじんろーなりや?』
<計算式>
効果:特殊ルール「なんじはじんろーなりや?」適用 66
対象:ルール *1.0
時間:1ターン *1.0
制約なし 10
GK調整:-10%
・「なんじはじんろーなりや」内容
隣接1マス内の自陣営のキャラから「人狼」1名を任意に指定し、MAP上の敵陣営のキャラから「霊媒師」・「占い師」・「狂人」各1名ずつをランダムに決定する。
●人狼
「なんじはじんろーなりや?」中、攻撃力が+7され、ピンと張った狼耳とふさふさの狼しっぽが生えて爪と牙が鋭くなる。かわいい。
●霊媒師
「なんじはじんろーなりや?」中、動作を消費することで殺された自陣営のキャラが人狼かどうか分かり、霊媒師っぽい数珠を装備する。単独で意味のある効果はない。
●占い師
「なんじはじんろーなりや?」中、動作を消費することで現在の人狼が誰かを占うことができ、占い師っぽい水晶玉を装備する。単独で意味のある効果はない。
●狂人
「なんじはじんろーなりや?」中、あたまがおかしくなる。単独で意味のある効果はない。
○要するに
隣接1マス内の任意の味方1名の攻撃力を1ターンの間7アップしてもふもふにします。
&bold(){発動率:100% 成功率:100%}
***能力原理
人狼で遊びたいがるる子ちゃんのために、みんなが軽く付き合ってくれる。
がるる子ちゃんが人狼役のひとの首筋にカプッと噛みつけば、少しの間狼っぽくなって強くなったりするしもふもふヤッター!
敵のひとにもボランティアの黒子が小道具を配ったり知能破壊光線を撃ったりして、あくまで軽くなので準備はそんなもんでオッケー。
さあ、なんじはじんろーなりや?
**キャラクター説明
けものっぽい耳としっぽを持ち、歯と爪がなにやら鋭い女の子。
灰色のローブを纏いフードを目深にかぶっていろいろ隠してるつもりだけどわりとバレバレ。
ひとおおかみ……? なんだろう、読めない……なんかそんなかんじのゲームの話になるとそわそわしだす習性がある。
焼き肉が好き。夜になるとげんき。
2016-11-14T10:39:27+09:00
1479087567
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羆月 ヒナ
https://w.atwiki.jp/dng12/pages/34.html
*羆月 ヒナ
■性別
女性
■学年
3年生
■所持武器
花の紋章、月の紋章
■ステータス
攻撃力:0/防御力:0/体力:2/精神力:3/FS(遁術・空間):20
**特殊能力『花天月地・幻喰』
<計算式>
効果:C4を中心として、上下左右反対となるマスへ敵味方全員+壁を移動させる。
範囲+対象:MAP全体全員
時間:一瞬
消費制約:永続戦線離脱
※中心となるC4にいるキャラと壁は移動しない。
※Cラインは左右のみ、4ラインは上下のみ、それ以外は上下左右反対のマスへ移動
【対応表】
横軸 A⇔E B⇔D C⇔C
縦軸 1⇔7 2⇔6 3⇔5 4⇔4
&bold(){発動率:100% 成功率:100%}
***能力原理
かてんげっち・げんくい。
空一面に花弁が咲き誇り、月の光が大地降り注ぐ時、幻に目を奪われし人々の景色は移り変わる。
**キャラクター説明
&ruby(つくも){月母}一族に名を連ねる&ruby(ひつき){羆月}家の一人娘。
熊耳が特徴の浴衣を着た少女。
家庭的で奥ゆかしい性格。ほわっとした雰囲気を持つ。
父は恐ろしい外見を誇る妖熊、母は儚げな印象の羆月家当主。
実際は独立独歩・唯我独尊を地で行く母の尻に敷かれている気の優しい父という構図である。
妻の性格に似なくて良かったと、お父さんは心底安心しているようだ。
・月母一族
生まれる子どもが100%女の子という、くのいちの家系。
その特性から夫となる者は全員婿入りという形で一族に名を連ねる。
新しく家を興す場合は、一族の証として苗字に“月”の一字を入れることが慣例となっている。
一族内の人間関係は良好であり、皆とても仲が良い。
2016-11-14T10:38:41+09:00
1479087521
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5ターン目後手
https://w.atwiki.jp/dng12/pages/62.html
|BGCOLOR(silver): |BGCOLOR(silver):&color(silver){_}''1''&color(silver){_} |BGCOLOR(silver):&color(silver){_}''2''&color(silver){_} |BGCOLOR(silver):&color(silver){_}''3''&color(silver){_} |BGCOLOR(silver):&color(silver){_}''4''&color(silver){_} |BGCOLOR(silver):&color(silver){_}''5''&color(silver){_} |BGCOLOR(silver):&color(silver){_}''6''&color(silver){_} |BGCOLOR(silver):&color(silver){_}''7''&color(silver){_} |
|BGCOLOR(silver):''A''||||BGCOLOR(black):&color(white){&color(black){__}壁}||||
|BGCOLOR(silver):''B''||||[[羆月 ヒナ]][[滴 陶子]]|[[シェフのバンドウ]]|一 四一[[裸繰埜鵺岬晒&裸繰埜矢岬弓]]||
|BGCOLOR(silver):''C''||[[ヴェンピィ]]|一 三三一六[[パンダ]]|BGCOLOR(black):&color(white){&color(black){__}壁}| | ||
|BGCOLOR(silver):''D''|||[[木佐貫 夏男]][[潮血潮]]|[[打井川デビット]]近藤・勝五郎でゆら・ハーン!芹沢 銀侍|理性院封千坂らちかフットゥルールーステイシー・ラヴ富士府いるむ番長[[大神がるる子]]|||
|BGCOLOR(silver):''E''||| |BGCOLOR(black):&color(white){&color(black){__}壁}||||
**番長G陣営「なんじはぱんだなりや?」 <DP8/応援ボーナスP8>
|BGCOLOR(silver): 名前 |BGCOLOR(silver): 性別 |BGCOLOR(silver): 学年 |BGCOLOR(silver): 攻 |BGCOLOR(silver): 防 |BGCOLOR(silver): 体 |BGCOLOR(silver): 精 |BGCOLOR(silver): FS |BGCOLOR(silver): 特殊能力 |BGCOLOR(silver): 発 |BGCOLOR(silver): 成 |BGCOLOR(silver): 備考 |
|[[パンダ]] |無|他|1|15|12|3|0|&ruby(Dark side of the Force){軍事力の行使}(Lv.0)|37|100|リーダー、能力休み|
|[[滴 陶子]] |女|2年|20|0|5|0|2|鬼面獣心・血々涙々|85|100||
|[[一 四一]] |女|他|20|0|7|3|0|Drink or Die|84|100|死亡|
|[[シェフのバンドウ]] |女|1年|0|0|7|3|16|飛んでけクリームパイ|103|100||
|[[理性院封]] |女|3年|0|11|1|2|5|「こんなことして恥ずかしくないんですか!?この変態!!」|93|100|死亡|
|[[富士府いるむ]] |女|2年|20|0|7|1|5|いるむのフイルム|85|100|死亡|
|[[フットゥルールー]] |男|3年|20|0|6|4|0|最強の定義それすなわち相手に敗北を認めさせること|92|0|死亡|
|[[大神がるる子]] |女|3年|1|1|5|2|15|なんじはじんろーなりや?|秘|秘||
|[[裸繰埜鵺岬晒&裸繰埜矢岬弓]] |女|2年|20|0|7|0|3|視肉プロップマン&少女アポトーシス|98|0|DP+1、能力休み|
|[[羆月 ヒナ]] |女|3年|0|0|2|3|20|花天月地・幻喰|秘|秘||
**生徒会陣営「番長with生徒会」 <DP7/応援ボーナスP27>
|BGCOLOR(silver): 名前 |BGCOLOR(silver): 性別 |BGCOLOR(silver): 学年 |BGCOLOR(silver): 攻 |BGCOLOR(silver): 防 |BGCOLOR(silver): 体 |BGCOLOR(silver): 精 |BGCOLOR(silver): FS |BGCOLOR(silver): 特殊能力 |BGCOLOR(silver): 発 |BGCOLOR(silver): 成 |BGCOLOR(silver): 備考 |
|[[番長]] |男|3年|20|2|6|0|5|かかってこいやぁ!|74|100|リーダー、死亡|
|[[近藤・勝五郎]] |男|他|20|0|7|2|1|剣技「HAGAKURE」|100|100|死亡|
|[[ヴェンピィ]] |女|2年|5|2|12|3|7|ヴェンパイア・バキューム|102|100|能力休み|
|[[打井川デビット]] |男|1年|0|15|9|2|3|カッパーフィールド|96|100||
|[[でゆら・ハーン!]] |女|3年|20|0|2|0|6|ディストーション・メーン!改|70|100|死亡|
|[[ステイシー・ラヴ]] |女|1年|9|9|9|3|0|屠殺場の極彩色な赤色|50|100|死亡|
|[[潮血潮]] |女|3年|0|10|6|0|7|熱血(バーニング・ブラッド)|96|100||
|[[千坂らちか]] |女|1年|20|0|7|3|0|貴女に捧ぐ不夜の百合花|15|100|死亡|
|[[木佐貫 夏男]] |男|2年|0|0|7|2|20|だからVRゴーグルからビームは出ないっつってんだろ!|91|100||
|[[一 三三一六]] |女|3年|0|0|13|3|3|からだミサイル|90|0|死亡|
**転校生 DP1
|[[芹沢 銀侍]] |17|8|17|8|20|
ターゲット:裸繰埜鵺岬晒&裸繰埜矢岬弓
2016-11-13T22:44:01+09:00
1479044641
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5ターン目先手
https://w.atwiki.jp/dng12/pages/61.html
|BGCOLOR(silver): |BGCOLOR(silver):&color(silver){_}''1''&color(silver){_} |BGCOLOR(silver):&color(silver){_}''2''&color(silver){_} |BGCOLOR(silver):&color(silver){_}''3''&color(silver){_} |BGCOLOR(silver):&color(silver){_}''4''&color(silver){_} |BGCOLOR(silver):&color(silver){_}''5''&color(silver){_} |BGCOLOR(silver):&color(silver){_}''6''&color(silver){_} |BGCOLOR(silver):&color(silver){_}''7''&color(silver){_} |
|BGCOLOR(silver):''A''||||BGCOLOR(black):&color(white){&color(black){__}壁}||||
|BGCOLOR(silver):''B''||||||一 四一[[羆月 ヒナ]][[裸繰埜鵺岬晒&裸繰埜矢岬弓]][[滴 陶子]]||
|BGCOLOR(silver):''C''||[[ヴェンピィ]]|[[一 三三一六]]|BGCOLOR(black):&color(white){&color(black){__}壁}| |[[シェフのバンドウ]] ||
|BGCOLOR(silver):''D''|||[[木佐貫 夏男]][[パンダ]][[潮血潮]]|[[打井川デビット]]近藤・勝五郎でゆら・ハーン!芹沢 銀侍|理性院封千坂らちかフットゥルールーステイシー・ラヴ富士府いるむ番長||[[大神がるる子]]|
|BGCOLOR(silver):''E''||| |BGCOLOR(black):&color(white){&color(black){__}壁}||||
**番長G陣営「なんじはぱんだなりや?」 <DP6/応援ボーナスP23>
|BGCOLOR(silver): 名前 |BGCOLOR(silver): 性別 |BGCOLOR(silver): 学年 |BGCOLOR(silver): 攻 |BGCOLOR(silver): 防 |BGCOLOR(silver): 体 |BGCOLOR(silver): 精 |BGCOLOR(silver): FS |BGCOLOR(silver): 特殊能力 |BGCOLOR(silver): 発 |BGCOLOR(silver): 成 |BGCOLOR(silver): 備考 |
|[[パンダ]] |無|他|1|15|12|3|0|&ruby(Dark side of the Force){軍事力の行使}(Lv.0)|37|100|リーダー|
|[[滴 陶子]] |女|2年|20|0|5|0|2|鬼面獣心・血々涙々|85|100||
|[[一 四一]] |女|他|20|0|7|3|0|Drink or Die|84|100|死亡|
|[[シェフのバンドウ]] |女|1年|0|0|7|3|16|飛んでけクリームパイ|103|100|能力休み|
|[[理性院封]] |女|3年|0|11|1|2|5|「こんなことして恥ずかしくないんですか!?この変態!!」|93|100|死亡|
|[[富士府いるむ]] |女|2年|20|0|7|1|5|いるむのフイルム|85|100|死亡|
|[[フットゥルールー]] |男|3年|20|0|6|4|0|最強の定義それすなわち相手に敗北を認めさせること|92|0|死亡|
|[[大神がるる子]] |女|3年|1|1|5|2|15|なんじはじんろーなりや?|秘|秘||
|[[裸繰埜鵺岬晒&裸繰埜矢岬弓]] |女|2年|20|0|7|0|3|視肉プロップマン&少女アポトーシス|98|0|DP+1、能力休み|
|[[羆月 ヒナ]] |女|3年|0|0|2|3|20|花天月地・幻喰|秘|秘||
**生徒会陣営「番長with生徒会」 <DP7/応援ボーナスP27>
|BGCOLOR(silver): 名前 |BGCOLOR(silver): 性別 |BGCOLOR(silver): 学年 |BGCOLOR(silver): 攻 |BGCOLOR(silver): 防 |BGCOLOR(silver): 体 |BGCOLOR(silver): 精 |BGCOLOR(silver): FS |BGCOLOR(silver): 特殊能力 |BGCOLOR(silver): 発 |BGCOLOR(silver): 成 |BGCOLOR(silver): 備考 |
|[[番長]] |男|3年|20|2|6|0|5|かかってこいやぁ!|74|100|リーダー、死亡|
|[[近藤・勝五郎]] |男|他|20|0|7|2|1|剣技「HAGAKURE」|100|100|死亡|
|[[ヴェンピィ]] |女|2年|5|2|12|4|7|ヴェンパイア・バキューム|102|100|能力休み|
|[[打井川デビット]] |男|1年|0|15|9|3|3|カッパーフィールド|96|100||
|[[でゆら・ハーン!]] |女|3年|20|0|2|0|6|ディストーション・メーン!改|70|100|死亡|
|[[ステイシー・ラヴ]] |女|1年|9|9|9|3|0|屠殺場の極彩色な赤色|50|100|死亡|
|[[潮血潮]] |女|3年|0|10|6|0|7|熱血(バーニング・ブラッド)|96|100||
|[[千坂らちか]] |女|1年|20|0|7|3|0|貴女に捧ぐ不夜の百合花|15|100|死亡|
|[[木佐貫 夏男]] |男|2年|0|0|7|3|20|だからVRゴーグルからビームは出ないっつってんだろ!|91|100||
|[[一 三三一六]] |女|3年|0|0|13|3|3|からだミサイル|秘|秘|能力休み|
**転校生 DP1
|[[芹沢 銀侍]] |17|8|17|8|20|
ターゲット:裸繰埜鵺岬晒&裸繰埜矢岬弓
2016-11-13T22:17:36+09:00
1479043056