巨大熊猫


【 キャラクター名 】:巨大熊猫
【 性別 】:♂


特殊能力 『白黒の毛皮』

白黒の毛皮(モノクロ・モフモフ)
巨大熊猫の毛皮そのもの。とてもモフモフしている。色は通常のパンダと同じ白黒模様。尻尾は白い。
凄まじいまでのフワフワモフモフ感を誇り、どんな生き物であってもその心地よい感触には抗えず身をゆだねてしまう。そして身をゆだねたが最後あまりのフワフワモフモフ感に自分から離れることが考えられなくなり、他の行動がとれなくなってしまうため結果として餓死する。
餓死者は最後の瞬間までフワフワモフモフの多幸感に包まれるため死に顔は穏やかな事が多い。


キャラクター設定

巨大熊猫(ジャイアントジャイアントパンダ)
中国・四川省の山奥に生息するパンダの仲間。体長120m、立ち上がると170mほど。体重は15t。主食は竹だが実際は肉なども食べる雑食。
群れを作らず、基本的に一頭のみで行動する。冬眠はしない。サイズを無視すれば非常に愛らしい姿をしており、性格もクマ類としては比較的温厚でちょっと触った程度ならば気にしない(というか気づいていない)。普段は山中でゴロゴロしている姿が確認されている。
古代では幻の神獣として地元住民に崇められていたが、近年ではその存在が明るみに出たことによって研究者や密猟者、それを危惧する保護団体などが生息地に押し寄せることになった。しかし直接接触を図った人間はなぜか誰も帰って来なかったため繁殖行動などの正確な生態はいまだに謎が多い。


プロローグ


とある日。空は雲一つない快晴であり、眩しいほどの日光が燦々と降り注いでいる。いかにも平和な、実際に平和な日常だ。

しかし、それも束の間のことだった。

バラバラバラバラバラバラバラバラ

さわやかな朝に不似合いな、耳障りな雑音。誰もが不審に思った時、通りが急に暗くなった。

空を見上げると、そこには巨大な四角いものが飛んでいた。それはまるで『箱』のようだった。

それを見た市民の脳裏に不吉なものがよぎった。アレはパンドラの箱だ、開いてはいけない類の代物だ、と。皆、直感的に悟ったのだ。

そうして見上げているうちにも、箱は雑音と共に上空を横切っていく。

すこし離れて見てみれば、箱の上にはヘリコプターが一台。どうやらワイヤーで箱を吊って運んでいるようだった。不快な雑音はヘリコプターのローター音だったのだ。

箱が遠ざかっていく。皆が安堵に胸を下した。

その時。

「     」

空が白くなった。

雷鳴のような音が響いた。

人々は一瞬にして視覚と聴覚を奪われた。視界はホワイトアウトし、耳はあまりの轟音に耐え兼ね正常な機能を放棄した。

そして感覚が戻ったとき、空に箱はなかった。代わりに、近くの高校から煙が上がっていた。

誰も何が起こったのかわからなかったが、一つだけ確かなことがあった。ヘリが高校に堕ちたのだ。

人々は皆、煙を上げる校舎を見た。そしてある人は動転し悲鳴を上げ、ある人はスマートフォンで写真を撮りはじめ、またある人は急いで消防と警察に電話した。写真を撮った人はツイッターにアップロードした。

誰もが生徒の無事を案じ、そして内心、自分たちの上にアレが堕ちてこなかったことに安堵した。

だが、これで終わりではなかった。

煙を上げる校舎の影から、『ナニか』がむくり、と立ち上がった。巨大な何かが。

『ソレ』はゆっくりと、しかし確かな動きでその身体を起こし、そして、鳴いた。

「がおおーーー!!!」

それは巨大な、とても巨大な……パンダだった。

「……か」

人々はソレを目の当たりにし、そして。

「「「かわいいーーー!!!」」」

皆、煙を上げる高校に向かって走り出したのだった。


つづく
最終更新:2017年01月08日 13:44