魔法少女ドリーミィ・スター


【 キャラクター名 】:魔法少女ドリーミィ・スター
【 性別 】:男


特殊能力 『「憧れの魔法少女の正体が男でした。」1月14日発売!』

ずっと憧れてたのに、男で魔法少女オタクってどういうこと――!?

「笑顔は、私たちの力になるの!」
昔、魔法少女・ドリーミィ・スターに命を救われた加奈。
憧れの彼女が無期限休業して絶望するも、ドリーミィ・スター主催「新人発掘オーディション」のニュースを見て狂喜乱舞!
見事合格した加奈だったが、「鳥海星司……魔法少女、ドリーミィ・スターだ」――目の前にはなぜか男性が!?
彼女(彼)の元で、加奈の修業はどうなるのか……!?



キャラクター設定

魔法少女。デビューは十年前。
ミニスカート・ドレスにピンクのポニーテール。
常に笑顔を絶やさず、どんな困難にも勇気をもって立ち向かう、ザ・正統派魔法少女。
三年ほど前に突然無期限の活動休止を宣言し、表舞台から姿を消した。(【今はもういなくなってしまったお姉さん的存在】)
その正体は謎に包まれている。

プロローグ

希望崎学園が誇る文化祭「冥王星祭」。
その目玉コンテンツである人気者コンテストは大盛況を極め、入れ代わり立ち代わり、様々なエントリー者がアピールに精を出していた。

「はーい、じゃあ次のひとー!」

司会の声に呼ばれステージ脇から姿を見せたのは――フリフリのコスチュームにボリューミィなピンクのポニーテール、魔法のステッキを握り締めた少女。
魔法少女以外に形容のしようのない存在だった。

「みんな、はじめまして! 魔法少女、ドリーミィ・スターだよ!」

ワーーッと盛り上がる会場。ノリがいい。
声援のピークを待ち、マイクを持った司会がドリーミィ・スターの元へ。

「はい! ということで、ドリーミィ・スターさん! いや~、魔法少女の衣装ですか、可愛らしいですね!」

司会の言葉に、ドリーミィ・スターはぱぁっと華やいだ笑顔を見せる。

「ありがとう! おかざき先生の素晴らしいイラストのおかげだね!」
「なんて?」

訊き返す司会にも物怖じせず、ドリーミィ・スターは再度明るく、

「私をこんなに可愛く描いてくれた、イラストレーターのおかざき先生に心からの感謝を!」
「イラスト」

ぽかんとした表情のままの司会に気付き、ドリーミィ・スターは懐から一冊の文庫本を取り出した。

「ほら、このイラストとかすっごく可愛いよね!」
「えっどれどれ。あーいいですねえ」
「でしょでしょ! こっちはシーンとのギャップが可笑しくて!」
「あはは本当! ……じゃ、なくて!!」

並んで文庫本をパラ見して盛り上がっていた司会がハッと我に返る。

「えっ。なんなのこれ?」

真顔で問う司会に、きょとんとした表情を浮かべるドリーミィ・スター。

「なにって……あっ分かった!」

ポンと手を叩き、恥ずかしそうに頬を掻く。
そして、コホンと咳払い。

「もちろん、魅力的なポイントはイラストだけじゃないんだ! シーン単位、エピソード単位の加筆! 恋愛要素もコメディ要素もどっちもパワーアップ! カクヨム連載時はアレだった部分も書籍版ではがっつり手が入って、」
「ストップ!!」

笑顔で朗々と語っていたドリーミィ・スターからマイクを奪い取る司会。
息を荒げながら、奪い取ったマイクでドリーミィ・スターに再び問う。

「だからなんなの……? なにしに来たのあなた……?」

「えっ……宣伝?」
「素直!!」

思わず叫んだ言葉にえへへと照れるドリーミィ・スター。そうじゃない。

「宣伝ってなんなの……? 由緒正しき冥王星祭を『王様のブランチ』かなにかと勘違いしてない?」
「えっ、ちがうの?」
「ちがわい!!!!!!!!」

どこぞの準惑星まで届きそうな司会の絶叫に、ドリーミィ・スターはガーンとショックを受け、その場に崩れ落ちる。

「そんな……売り上げが良くないと2巻が出ないのに……」
「世知辛い……」

弱弱しい声と悲しき実績皆無新人作家事情、なにより深く瞳を伏せた美少女のイラストに胸が苦しくなった司会は、ドリーミィ・スターにそっとマイクを差し向ける。

「……司会さん」
「もうほとんど尺残ってないけど……最後に一言、思いっきり宣伝していいよ」
「司会さん……!!」

ドリーミィ・スターがマイクを受け取る。その顔に、再び喜びの笑顔が咲いた。
美少女の笑顔を取り戻せた……これが美少女大好きな司会としての私の仕事……と、満足げに司会は一歩後退り、

「来週、1月14日発売です! 山田絢著、『憧れの魔法少女の正体が男でした。』! よろしくおねがいします!!」
「男じゃねーーーーーーか!!!!」

★担当には内緒だよ!
最終更新:2017年01月08日 14:21