隠館厄介&ランサー◆3SNKkWKBjc


聖杯戦争。サーヴァント。マスター。
通常ルールでは七騎のサーヴァントとクラスで行われる戦争兼魔術師による儀式の一つ。
不運、不幸、不遇な事に僕は魔術師でもない、かと言って実は魔法の才や優れた魔力を持ち合わせていたオチもない。
ごくごく一般人の癖して聖杯戦争に巻き込まれてしまったらしい。
オカルト知識が皆無である僕でさえ、さぞ重要な戦争もとい儀式なのだと理解できるのに。
どういう訳か『白紙のトランプ』を通じてマスター候補を選出したと言う。
だったら尚更。
トランプを通じて魔力や人柄を感知する機能が備わっているべきなのではないだろうか?
ところが、一体全体経緯が全く不明にも関わらず、トランプに触れてしまった僕は聖杯戦争のマスターとなり。
あげくにはサーヴァントを召喚してしまった訳である。


この僕―――隠館厄介は単純に説明してしまうと冤罪体質者だ。


幼い頃から、あらぬ疑い・事件の犯人として、何故か真っ先に疑われ、晒し上げられ、社会人となっても不祥事の責任でクビにされ
いや、それはまだいい。(正直よくはない)社員の大半が消息不明となり、会社そのものが消滅。あげく重要参考人として事情聴取。
公安警察が僕を常にマーク……監視下に置いている噂まで聞く。ここまでくると申し訳なさを感じてしまう。
僕は特殊能力で冤罪体質を作っている訳じゃないし。
最早十万回以上疑いをかけられ続けているからには、そういう星の元で生まれてしまったと割り切っていた。
どうしようもないのだ。諦めるしかなかった。

だけど。

聖杯戦争とやらは、非常に不味い。
何もかもが不味い。
言うならば、他のマスターやサーヴァントが起こした事件が絶対僕のせいにされるし。
誰か知らない主従が脱落されれば、それもきっと僕のせいに……

悪循環が凄まじい。
しかし、聖杯戦争は待ってくれない。
僕に出来る最低限のことは、ただ黙って生き残るぐらいしかないだろう。
何を弁解したところで、ここには僕の無実を晴らしてくれる探偵なんて存在しないのだから。

なるべく穏便に暮らそうとしても、それすら困難なのに。
一体どうすればいいのだろう。
途方に暮れる僕を、ボロアパートに部類する自宅で出迎えてくれたのは僕が召喚してしまったサーヴァント・ランサーだ。

サーヴァントは歴史の偉人だったり、過去の戦士とか。
現代社会とは想像を絶する別世界で生きた人間だったりする、らしいが。
僕が召喚したランサーは、ビックリするほど普通の人間だ。
普通というのは人間っぽさが強く、異端な雰囲気が一切ない。変な表現、一般人として紹介されても違和感ない風貌だ。

美少年。中性的と例えればいいのか。
アイドルとかモデル、タレントの一人だと嘘ついても真に受け止められそうな整った容姿。
一瞬、非現実的な能力を持つ超人らしさは感じられなかったが。
召喚した際、物騒な『大鎌』を手にして「僕のマスターですか?」と笑顔で問いかけてきたのには腰を抜かした。
やっぱり常識がズレているんだろう、と僕は思う。

「どうしましたか、厄介。元気ないですよ」

心配して声をかけてくれたランサーは、僕が帰り際に購入したドーナツの箱に注目。
わーっと子供のように飛びついてきてくれる姿は、微笑ましい。
僕は少し気を取り直した。

「実は今日……クビになりまして」

「ありゃりゃ」

ランサーは随分おとぼけた反応だった。別にクビになったのは良いのだ。(改めて良くは無いが)
問題は時期である。

「やっぱり怪しまれますよね……」

「うーん、そうかもしれませんねー」

ドーナツを頬張るランサーは割と呑気に同意してくれる。
聖杯戦争がもう間もなく始まろうと言うタイミングで退職。
僕自身、どう警戒したところで予測可能回避不可能という奴だ。
同時に僕はランサーの機嫌が不安でならなかった。
彼がどんな英霊か、正直まだ理解しきっていない。呑気を装って、内心何を抱え込んでいるかも定かじゃない。
僕はなるべく前向きに話を続けた。

「普通に次の就職先を探す姿勢でいます。聖杯戦争を期に退職したんじゃ、って怪しまれない為にも――」

「厄介、今日は特訓の成果を見せる日ですよ。お願いします」

あ、はい。と僕はドーナツと共に購入してきたプリンを取り出した。


ランサーが要求してきたことは、プリンを綺麗にお皿に盛る、という試験。
面接でもこんな緊張した例がないだろうに、披露するのはプリンの盛り付けである。
一体何の意味があるのか、僕には皆目見当がつかないけども。

綺麗に皿の上へ着地したプリンにご満悦なランサーは、それを平らげて僕に「合格です」と告げてくれた。
とにかく、マスターとして認められたのだ。
聖杯をどうするか、戦争に加担するのか。
まだ漠然としているが、絶対に見限られないようにしなければ………













【クラス】ランサー
【真名】鈴屋什造@東京喰種:re
【属性】混沌・中立

【ステータス】
筋力:B 耐久:A+ 敏捷:B 魔力:D 幸運:D 宝具:D


【クラススキル】
対魔力:D
 一工程(シングルアクション)によるものを無効化する。
 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。


【保有スキル】
心眼(真):B
 修行・鍛錬によって培った洞察力。
 戦場において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す。

精神汚染:E
 精神が錯乱しているため、他の精神干渉系魔術をシャットアウトできる。
 ランサーで召喚された什造は、それほど錯乱はしておらず、対話は問題ない。

投擲(ナイフ):B-
 ナイフを的確かつ強力な威力で投げるスキル。
 ただし、什造は故意か癖か、あらぬ方向に投げつけてしまう事がしばしば。



【宝具】
『十三の時を刻む死神の鎌(ジューゾーズジェイソン)』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1~5 最大補足:1~5人
 什造の象徴として印象強い大鎌。攻撃時、仕込み『赫子』が飛び出す。
 一振りが強力な一撃であり、人食を行う種族に対する攻撃判定・与ダメージが追加される。


『骸拾いの鎧(アラタジョーカー)』
ランク:C+ 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:1人
 高い防御性を兼ね備えた鎧。人食種族に対する攻撃補正のある鉤爪やブレードが鎧から展開される。
 この宝具を使用すれば什造の幸運を除いたステータスが+補正が添付される。
 しかし、什造自身に負担があり、マスターの魔力消費も大きい。長期戦になっては逆に危うくなる。


【weapon】
 『サソリ』……義足の右足に収納されたナイフ。合計56本ある。
        『十三の時を刻む死神の鎌』と同じく人食種族に対する攻撃補正つき。
        使い勝手がいい。


【人物背景】
中性的な容姿と高い身体能力を持つ喰種捜査官。
召喚された彼は特等捜査官就任後の鈴屋什造。
会議中にお菓子を食べたり、ナイフの指導をしたり、この頃は比較的穏やかで会話も通じる。


【サーヴァントとしての願い】
ゆっくりお菓子を食べたい。






【マスター】
隠館厄介@忘却探偵シリーズ

【マスターとしての願い】
犯罪はしたくない。とにかく聖杯戦争から離脱する術を模索。

【能力・技能】
冤罪体質。
事件が起きるたびに何故か犯人だと疑われてしまう。
勿論、彼が犯人であった事はない。

【人物背景】
でかい身長で気弱な性格。
残念なことに聖杯戦争では彼の頼れる探偵がいない為、今後が不安であったりする。







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最終更新:2016年12月11日 18:50