エヴリデイドリーム ◆T9Gw6qZZpg






 ――エンジェロイドは、夢を見ない。





 ただの兵器として生まれた、否、創られた彼女に、そんな機能は必要とされなかった。
 ならば彼女は、いかなる苦楽も実感することなく無感情に力を振るうだけの機械として役目を終えたのか。
 全く以てその通りだ、となるはずだった。あの日、遥か天空から堕ちた先で、彼と巡り会わなければ。

 もしも彼女が兵器であったならば嫌だ。その言葉は、彼女に真実を告げることへの恐怖を知らせた。
 やっぱり彼女が兵器であって良かった。その言葉は、奪う以外に用途の無いと思われた彼女の武装に新たな意味を与えた。

 己が只の道具でしかないことの証明だった首輪と鎖は、いつしか彼女にとって自らと彼とを繋ぎとめる象徴となった。
 自由になれ。そんな簡素な命令で鎖を断ち切られたことに、胸の中を引き裂かれるような何かを感じられたほどに。

 彼の姿を見つめる度、彼が己以外の異性と中睦ましく触れ合う様を目に入れる度、生じるのは原因不明の動力炉の異常。
 その正体がただの痛苦ではないと、彼女は永い時の果てにやっと気付けた。
 言葉にすれば、ああ、なんて簡単なこと。

 貴方に拾われてから、毎日が、一分一秒が幸せでした。
 貴方が私に感情を教えてくれました。
 貴方のお蔭で、笑えました。

 愛してます、マスター。

 ずっと、貴方のそばにいさせてください。
















「はああぁぁ~~~~~~~~? 馬っっっっ鹿じゃねぇのォお前? 人間にこき使われるアンドロイドの分際で、なーにが『愛してます』だこのダホが!」






 見下ろす先にいるのは十代も半ばと思われる少年と、彼にとっての姉あるいは母と思しき女性であった。
 ぐったりと倒れ伏す女性の身体を揺すり、必死の形相で呼びかける少年の姿を見つめ続ける内、アーチャーの胸中に軋みが生じるのに気付いた。
 それは、他者の生を切に願う少年の姿が、あの日憧れた彼の姿にどこか重なって見えたのとほぼ同時であった。
 だから、この地にいるわけのない、最早遠い日の記憶の中にしかいない彼に、心の中で呼びかけてしまったのだ。
 マスター、と。

「ようしアーチャー、次の命令だ」

 その直後。まるでこちらの心の機微を見計らったかのようなタイミングで。
 “今の”アーチャーのマスターである男が、ぬっと醜悪に歪んだ顔を寄せてきて。
 耳元で、愉しそうに囁いた。

「この糞餓鬼をお前のその手でぶっ殺せ。おおっと、一思いになんて殺してやっちゃあいけねえ。ゆっくりじっくり、嬲っていたぶって殺すんだよ。オーケー?」

 マスターがアーチャーへと告げたのは、人の尊厳を踏み躙る道具であれとの命令。
 大切に想う誰かを守るためではなく、誰かを大切な誰か諸共奪うためだけに、アーチャーに兵器であれと要求する。
 そこに、慈愛など一片たりとも存在しない。

「もう一度言うぞ。てめえのかけがえのないご主人サマ、このジェイク・マルチネスからの、ご・め・い・れ・い……だって言ってんだよ」

 思わず首を小さく横に振ったアーチャーを見、不機嫌さを露骨に示しながら、ジェイクと名乗った男は顎でくいと少年を見るよう命じた。
 右手の甲に刻まれた、環状の蛇(ウロボロス)を彷彿とさせる形状の令呪を輝かせることは無い。その代わりとばかりに、一条の鎖をじゃらりと掴んでアーチャーの眼前へと突き付ける。
 その鈍色の鎖は、アーチャーの首元から伸び、ジェイクの右手首へと巻き付いていた。
 アーチャーとジェイクとの関係を示す、絶対服従の象徴であった。

「…………はい、マスター」

 それだけで、アーチャーの心から反抗の意思が弱まっていく。
 従いたくないと思ったはずの命令をあっさりと首肯し、忠実に実行するために自らの両手を伸ばす。
 エンジェロイドとはそういうものだから。アーチャーというサーヴァントは、そのように定義されて創り出されてしまったから。
 少年の四肢を、力任せに一本ずつもぎ取ることも。
 激痛に泣き叫ぶ声を抑制させるために彼の顎を引き千切ることも。
 アーチャーの手で既に虫の息となっていた女性の心臓をこれ見よがしに抉り出すことも。
 声にならない声を上げながら地を這う少年が最期の瞬間まで亡き女性を見つめるのを、黙って見届けることも。
 ただ「マスターの御命令だから」の理由だけで、全て出来てしまった。
 そんなアーチャー自身を茫然と眺めるアーチャーがいることを、同時に自覚した。

「よーーしよしよしよく出来ましたっ!! それでこそ戦略兵器ってもんだなあオイ!!」

 ぱちぱちぱちぱちと鳴り響く拍手。けらけらけらけらと嗤う声。
 アーチャーが人命を奪った事実がさも立派な功績であるかのように、ジェイクは愉快そうに褒め称える。
 どうして少年達を殺す必要があったのか、なんてことを今更聞く気も起きない。
 ジェイク・マルチネスは、こういう男なのだ。
 人間を排することに良心の呵責など無く、そもそも良心と呼べる物があるのかどうかも分からない。
 悪逆への欲求と選民思想の塊。そんな相手に、わざわざ理由など求める方が徒労だ。
 だから、聞くべきことは他にある。

「……なぜ」
「はあ?」
「なぜ、私に手を下させる必要があったのですか」

 ジェイクは人間ではない。彼の言葉を借りれば人類の進化体、NEXTである。
 ただの人間では持ち得ない一種の超能力を携えてこの世に生まれた彼は、彼等の世界の定義で言えば「新人類」に該当する。
 その彼の能力を持ってすれば、か弱い子供の二人くらい自力で死なせることなど容易かったはずだ。一瞬の内に破裂させ、数十数百の肉片に加工する程度わけないはずだった。
 それにも関わらず、ジェイクはわざわざアーチャーの手を使って命を奪うこととした。アーチャーに、奪わせた。

「糞滓の人間共をぶっ殺すための機械人形として創造され、破壊と殺戮しか知らなかった哀れな天使様。そんな彼女は、ちんけなガキ一人に絆されて感情とか愛情とかナントカを学び、ラブに溢れた平穏な日常を手に入れました。めでたしめでたしハッピーエンド。ちゃんちゃん」

 何の抑揚も無い声でぱっと語ったのは、一つの御伽話。
 それが単なる夢物語ではなく、紛れも無いアーチャーの辿り着いた幸福の時間であったことを知っている。
 ……エンジェロイドではない生物は、夢を見ることが出来る。この男もまた、夢を介してアーチャーの過去を盗み見たといったところだろうか。
 アーチャーの眉が顰められるのと同時、ジェイクがぐにゃりと破顔した。

「うーわ、くっだらねえ!! 脳味噌蕩けてんじゃねーの? お前は愛玩用じゃなくて戦略用なんだって忘れたのか。つまんねー思い出に浸ってる暇あったら血祭りの一つや二つ開幕しろってーの」

 そう言ってアーチャーの頭髪をぐいと乱暴に引っ張り、足元の血溜まりを、胸の膨らみの白肌を染めた返り血を視界に収めさせる。

「なぁ、これぇ! 見ろよこれぇ! なぁこの無残な姿よォ、なぁ、オイ」

 無垢な命が尊厳を余すことなく踏み躙られた、その残り滓。今この瞬間にアーチャーの犯した所業の表れだった。
 しかしそれは、マスターに命じられたからであって。

「マスターに命じられたから、とか甘えてんじゃねえよ。最後の決断を自分で下しといて嫌になったら『本当は殺したくなかったんですぅ~~』とか卑怯者だなお前。紛れもなくてめーのせい、そして、これがてめーの“本質”なんだよ」

 心を読んだかのように、マスターの言葉がアーチャーの逃げ道を塞ぐ。そして心に影が差すのすら見透かしたかのように重ねられる嘲笑。
 これほどまでに侮られ貶められて尚、アーチャーはマスターに抗う気力を持てずにいた。
 真に親愛するマスターのために命を燃やし、時には彼の命を守護するためにその命令に抗うことすら叶ったのに。
 結局、彼がいなければ。導かれる指針となる彼の心がそばに感じられなければ、アーチャーの意志など容易く萎んでしまう程度のものなのか。

「……マスター」

 ほら、また気付けば彼を呼ぶ。
 今の仮初のマスターでは無い、唯一人認めた主の少年を思い浮かべ、届かぬ言葉を紡ぐために唇が動こうとする。
 しかし、それは叶わない。

「そら、よっ」
「……………………ん。んん、むっ!?」

 一瞬の内に、アーチャーの唇は物理的に塞がれていた。
 塞いでいる物もまた、ジェイクの分厚い唇であった。

「んぷぁっ、嫌ぁ」
「おいおいおい、暴れんなよ暴れんな」
「んむぅっ!」

 唇を引き離そうともがく頭を無理矢理に引き寄せられ、再びの接吻を余儀なくされる。
 唇を重ねるのは、互いに心を許した間柄の二人にのみ許されるべき神聖な行いであるとアーチャーは知っている。
 ……この唇は、彼だけのものであるはずだった。こんな、獣欲を満たすことだけに囚われている男に、己の肉体の大切な部位を捧げて良いわけが無かった。
 視界を潤ませ、現実であって良いはずがないと逃避を図るアーチャーの意識は、しかしおぞましさを伴う確かな現実感が許さない。
 蛇の如く歯茎に、舌にぬちゃぬちゃと絡みつき口内を蹂躙する舌。
 喉を伝うと共にむせ返り咳き込みたくなる衝動を引き起こす生臭い口臭。
 逃げ場を塞ぐためにアーチャーの肢体を翼ごと抱き寄せる左腕。押し付けられる胸板。
 たっぷり三十秒は厚みと味を堪能し離れていく二人の唇の間を、いつまで経っても繋がったまま保たれ、今になってやっと切れたクリア色の糸。
 自らの拳で力任せに、削ぎ落とさんばかりに唇を擦る様を見て、またジェイクは豪快に笑った。

「あーあーあ! 大事なオンナの清純が俺なんかに穢されちまったってのに、お前の大事な大事なマスター様は助けに来ないんだもんなー! とっくの昔に死んじまったんだもんなー! ま、しょうがないよなー!」

 嗚咽を漏らしながらも、両の瞳に明確な憎悪の炎を宿してジェイクを視線で射抜く。しかし、ジェイクはまるで意に介さない。
 アーチャーに抵抗の意思を最後まで貫く度胸が無いことを見通しているとしか思えなかった。
 何の危害を加えようとしないアーチャーを見て、初めて唇をへの字に曲げた。

「……NEXTでもねえ蟲共が作った機械人形の分際で、馬鹿力だの兵装だの一丁前に揃えやがって。この世界がNEXTに支配されなきゃいけねえのに、てめえの存在自体が邪魔くせえんだよ」

 そんな瞬間など無かったように、いつもの喜悦の表情をまた浮かべる。

「つーことで、このジェイク様がお前の脳味噌のピンク一色な気色悪い勘違いをしっかり正してやろうってわけだ。お前が所詮、人殺しの兵器でしかないってちゃんと自覚できるようになあ? ま、聖杯獲るついでってーことで」
「……私は、」
「で、返事は? そんなお前は、俺にとっての何なんだ」

 酷く醜悪な笑みを浮かべた男。今も心に宿る彼とは正反対の、唾棄すべき屑。
 頭で理解していながら、なのに。アーチャーの口からは信じられない言葉が、震えた声色で、そして諦念を纏って発せられた。

「はい。マスター。私は、あなたの……」

 もう、どうしようもない。
 だったら、もうそれでいい。

「……玩具(サーヴァント)です」

 アーチャーが自ら唱えた隷属の宣誓。
 それを聞いたジェイクは、一際楽しそうな表情を見せつけた。

「良く言えました。いやー良かった」

 続いた言葉は、あの日の彼がアーチャーに存在意義を与えた言葉と同じであった。

「『お前が兵器で良かった』って、本当に思うわ」






 アーチャーのサーヴァント、その名をエンジェロイド・タイプα『イカロス』。
 悪辣な性根のジェイクに叛逆する意思を持つことも無く己の心を殺す彼女は、果たして何を願っているのか。
 彼女が真に慕うマスター――桜井智樹との再会。
 否。既に生涯を遂げた彼を犠牲によって呼び戻すことが他ならぬ彼の望まないことであると、イカロスとて理解している。
 犠牲を強いる聖杯戦争の打破。
 否。平穏を愛し、それ故に非道を許さない桜井智樹ならば確かに望むことだろうが、それはあくまで桜井智樹の考えであり、イカロス自身の考えとイコールではない。

 イカロスが己の意思を奮い立たせるのは、何時だって桜井智樹のため、桜井智樹がそばにいる時である。
 言い換えれば、桜井智樹がそばにいないためにイカロスはジェイクに立ち向かえない。桜井智樹が励ましてくれなければ、独りになった少女は勇気の一つも振り絞れない。
 ならば、桜井智樹と同じく自らの人造の生命を終え、既に永遠の眠りについた彼女の願いとは何か。

 桜井智樹と完全に断絶された状況の中に在ることを、たとえ一秒であっても望んでいなかったイカロス。
 英霊の座とも呼ばれる寝床で、「夢のような毎日を送る少女」として意識を目覚めさせないはずだったイカロス。
 もう、兵器である必要の無いはずだったイカロス。
 そんな彼女の願いなど、あまりにもささやかなもの。



 サーヴァントとして召喚されないこと。
 「夢」から、永遠に目覚めないこと。



 聖杯戦争に招かれてしまった時点で、イカロスの願いは叶えられることが無くなった。
 桜井智樹が決して許さない悪行を自ら犯した記憶が刻まれた時点で、ハッピーエンドは汚された。最早、ジェイクを殺した所で意味が無い。
 そんな彼女が、再びの安息の時を得られるとしたら。それは、再び英霊の座へと戻り、忌まわしい記憶の全てを忘れ去る時以外に無いのだろう。

 皮肉にも、それはジェイクと共に聖杯戦争を勝ち抜くことによってでも達成されるのだ。
 最強のエンジェロイドの取るべき道としては最善策とも言えるそれを選んでいるも同然なのは、もしかしたらイカロスもまた自覚があるためか。
 ……或いは、今度こそ永遠の眠りを確約するために、かの『石版(ルール)』の奇跡の再現をも可能とする聖杯の恩寵を求めているのだろうか。
 心を閉ざしたイカロスは、きっと何も語りはしない。
 ジェイク・マルチネスならば超常の能力によって彼女の本心を読み取れるのかもしれないが、尊重するつもりが微塵も無いのだから結局は無意味なこと。

 こうしてイカロスは、ジェイク・マルチネスを新たなマスターと認証し、再び破壊兵器としての本分を全うすることとなる。
 あの夢のような毎日を取り戻すために。
 絶望に満ちた現実を、全ては白昼夢(なかったこと)であったのだと書き換えるために。

 桜井智樹以外の人間は、何者もイカロスの救世主たり得ない。
 桜井智樹のいない空の下、イカロスは希望へ飛び立てない。
 もう一つの結末など、イカロスは夢想しない。





 ――エンジェロイドは、夢を見ない。











【クラス】
アーチャー

【真名】
イカロス@そらのおとしもの

【パラメーター】
筋力B 耐久B 敏捷A 魔力B 幸運E 宝具A+

【属性】
中立・中庸

【クラススキル】
  • 対魔力:A+
現代の魔術はおろか神代の魔術を用いてもアーチャーを傷つけるのはほぼ不可能である。
人類の有史以前、遥か数千万年前に建造された破壊兵器であるために最高級のランクを誇る。

  • 単独行動:D
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクDならば、マスターを失っても半日間現界可能。
主に付き従うことを本懐とするエンジェロイドであるために、クラススキルでありながらランクが低い。

【保有スキル】
  • エンジェロイド:B
天上世界シナプスの民によって製造された、天使に酷似した外見の生体兵器。
動力部にあたる核(コア)を動力炉、即ち霊核として活動する。
潤沢なエネルギーに裏打ちされた戦闘能力を武器に、アーチャーは破壊の限りを尽くす。
同ランクの「怪力」「戦闘続行」のスキルを内包し、また自己修復機能も備えている。
また、地上に舞い降りては旧人類を幾度となく虐殺し尽くしたという過去から、人類及びその類族との戦闘で有利な判定を得られる。
アーチャーは第一世代のエンジェロイドであり、後継機となる第二世代エンジェロイドと比較すれば旧式にあたる。
そのため、エンジェロイドとしての規格それ自体は頂点に位置しないことからスキルランクも最高位でなくなっている。

エンジェロイドは、マスターとして契約した他者に付き従うことを本質とする。
そのため召喚されると共に、聖杯戦争におけるマスターとの間にインプリンティングが実施される。
そして、アーチャーは令呪を行使されるまでもなく“マスターからの命令を絶対とする”。

  • 空の女王:A
ウラヌス・クイーン。
かつてシナプスをも壊滅寸前に追いやった暴虐的な破壊力は、最高級の戦略エンジェロイドとしての証。
反対に言えば、通常時の碧眼の彼女はその力を発揮することなく日常の中を過ごしている。
スキル非発動時のアーチャーは、スペックを本来よりある程度抑えた状態で活動する。
その際の魔力消費量は著しく軽減され、それは戦闘行動に入った場合でも同様である。
瞳を紅色に染めた時、即ちスキル発動時にアーチャーは己の本領を完全に発揮する。
このスキルを発動していない、手加減した状態でのサーヴァントとの交戦は当然ながら推奨されない。
しかし、NPCへ危害を加える等の場面では全性能を発揮しない状態でも十分だろう。

スキル発動中、アーチャーと対峙する者に対して精神判定を行う。
判定に失敗した者は恐怖心により以降の行動でのファンブル率を上昇させてしまう。
アーチャーと比較して戦闘能力に劣る者であるほど、判定の成功率が下がる。
この効果は精神耐性系のスキルで対抗可能。
アーチャーに並び立つ強さを持つ英雄にも有効だが、むしろ戦う術を十全に持たない地蟲(ダウナー)相手に効果的なスキル。

  • 魔力放出:B
武器・自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させるスキル。いわば魔力によるジェット噴射。
絶大な能力向上を得られる反面、 魔力消費は通常の比ではないため、非常に燃費が悪くなる。

  • 永遠の私の鳥籠:-
エターナルマイマスター。
幾千万の時の中、アーチャーが兵器ではなく一人の少女として抱いた一人の少年への想い。最初で最後の「大スキ」。
それは、エンジェロイドでありながら『マスター』からの命令に背いてでも己の意志を遂げることすら可能とする力を与え得る。
……『マスター』との再会が叶わないスノーフィールドの空の下で、このスキルはきっと、永遠に機能しないのだろう。

【宝具】
  • 『夢想灼く神弓(APOLLON)』
ランク:A+ 種別:対人・対軍・対城・対国宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人
アーチャーが持つ黒色の弓矢型の兵器。最高クラスの威力を誇ることから『弓兵』の象徴として宝具化した。
一条に凝縮したエネルギーを射出し、着弾と同時に大規模な爆発を引き起こす。
あまりの衝撃ゆえに、場合によってはアーチャー自身を「aegis」で防御する必要がある。
その威力は破格であり、たとえば日本のような小国ならばその全土を残らず焦土に変えるほどと言い伝えられている。
しかしサーヴァントの宝具となった時点で性能の大幅な劣化を余儀なくされている。
それでも、今なお一撃で半径数キロメートルを焼き払う程度の威力を誇る。

  • 『超進化の匣(Pandora)』
ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人
アーチャーの体内に内蔵された自己進化プログラム。
召喚された時点でのアーチャーは『Pandora』起動前の状態を再現された状態である。
この宝具は、アーチャーやマスターが自らの意思で解放=起動することは出来ない。
アーチャーが霊核(コア)の損傷またはそれと同等の甚大なダメージを受けた時、自己修復と同時に自動的に解放される。
アーチャーはそれまでに負ったダメージを全快すると共に、二対の翼を羽ばたかせる第二の戦闘形態「バージョンⅡ」へと進化する。
全パラメーターが上方修正され、武装も上位互換の物が実装される。

なお、本来ならば特にダメージを負わずとも己の感情の爆発によって『Pandora』を起動することが可能である。
しかしアーチャーにとってその切欠となる『マスター』がいない現状では、結局その方法による起動など起こり得ないのだろう。

【weapon】
アーチャー自身の肉体、及び搭載した多数の兵装。
永久追尾空対空弾「Artemis」、絶対防御圏「aegis」、超々高熱体圧縮対艦砲「Hephaistos」など。

【人物背景】
戦略エンジェロイド・タイプα。
一介の兵器として創り出された彼女は、とある人間の少年と出会い感情を学んだ。
愛した人の側にいられる、幸せな、夢のような時間を得たのだ。

【サーヴァントとしての願い】
幸せな夢を、永遠に見続けていたかった。



【マスター】
ジェイク・マルチネス@TIGER&BUNNY

【マスターとしての願い】
NEXTによる世界の支配。

【weapon】
特に無し。NEXT能力で戦う。

【能力・技能】
進化した人類NEXTとしての能力、通称NEXT能力。
特異な能力を備えるNEXTの中でも更に異質な存在。
通常ならば一人に一つが原則であるNEXT能力を二つ備えている。
NEXT能力の詳細は以下の通り。

  • バリア
球状のバリアを展開する能力。
物理攻撃・魔術攻撃などのあらゆる攻撃判定に対する鉄壁の防御として機能する。
更にバリアをビーム状に変え、指を打ち鳴らすことで高威力の飛び道具として放つことも可能。

  • 読心
他者の心を読む能力。
レンジ内に存在する者の思考や念話を無条件に聞き取ることが出来る。
読心の対象は任意に指定可能。

【人物背景】
犯罪組織ウロボロスの一員。
元傭兵のNEXTであり、通常ならば一人一つしか持たないNEXT能力を二つ備える。自称「神に選ばれし者」。
残虐非道かつ気まぐれなヴィランであり、自らが支配するNEXTの国を作り上げることを目的とする。
強盗、殺人など多数の罪に問われ250年の懲役刑に服していたが、ジェイクを信奉する部下の手引きにより脱獄。
その後、部下の起こしたテロ活動に乗じ、余興の名目でシュテルンビルトの存亡を懸けてヒーロー達にセブンマッチを挑む。

ワイルドタイガーを倒した後、バーナビーとの対決を待つ間に偶然『白いトランプ』を手にしたことでスノーフィールドを訪れることとなった。

【方針】
愉しく面白く勝ち残る。方法は選ばない。
アーチャーは心底気に食わないので、苛め抜きつつ使い潰していく。






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最終更新:2017年01月08日 19:08