削除人 でぃ > 悪夢~道中

■場面の欠片:回想シーン~目的地に向かう道中■

…荒らされてしまったとあるスレ、そこには、AAの死体しかない…
その死体の真ん中で、あたしは倒れていた…
意識が朦朧として、あたし自身に死が迫っていることが直感できた。
体が動かない…体中が痛い…

視界はある程度動かせた。
しかし、どこを見ても目に入るのは、AAの死体だけだった…。
体を裂かれた死体、四肢をもがれた死体、ミンチにされた死体、バラバラにされた死体…
どの死体も、しぃ族…あたしの同族たちのものだった…。
もうすぐあたしも…死体の仲間入りになるんだろうか…。

そんなことを考えていた時、ふと、誰かの足音が聞こえてきた。
悪いモララーが…「虐殺荒らし」が…あたしにとどめを刺しに来たのだろうか…
それとも、削除人か、はたまた知らずにここに迷い込んだ住民なのか…
もうこの際、誰でもいい…あたしは助けを呼ぼうとした。

「…さん…」

しかし、声が出ない…いくら声を上げようとしても、かすれてしまう…。
声を出そうとするたびに、意識が闇に落ちていく…

「…ぃ…さん…」

助けて…まだ…死にたく…ない…

「…で……ん…」

この際、悪いモララーでも、削除人でも、事情を知らない住人でも誰でもいい…!

「…でぃ…ん…」

あたしはまだ死にたくない…!
助けて…!助けて…!!助けて…!!!

「でぃさん!!!」「…っ!?」
タカラの声に起こされ…気がつけばあたしは、車の後部座席に座っていた。
過去のプレイバックを夢としてみていたようだった…。

タカラ「でぃさん、大丈夫ですか…?」
でぃ「…ええ、あたしは大丈夫よ…。」
タカラ「随分うなされてましたよ…?」
でぃ「…たまに悪夢を見てしまうのよ、なぜかはあたしも知らないけど…。」

あたしの無事を確認したタカラは、前に視線を戻し、車を走らせる。
ルームミラーには、「削除人専用タクシー」の運転手であるタカラと…
…その後ろには、傷だらけで片耳がない…あたしの顔が映っていた。
こんな顔で、あたしが「しぃ族だ」といっても、多分誰も信じてくれないだろう…。

タカラ「今回は何やら用心棒じみた依頼みたいですね…」
でぃ「そうね…タカラは「ゆっくり」というのを知ってるかしら?」
タカラ「知ってるも何も、ガイドライン板でよく見ますよ。もともとは別の世界の人達によく似たまんじゅうらしいところまでは聞いたことがあるんですけどね…。」
でぃ「どうも今回はその子達のお守りをしながら、荒らしを駆除してほしい、とでもいいたい依頼なのよ。それも、ガイドラインではない、また別の板で、ね。」