ケースは無くても PC は動作するが、マザーボード等は埃や湿気に弱いし、HDD・光学ドライブは何かに固定しないと
動作が不安定になるので長期間常用するなら必須である。
また、パーツの冷却にも深く関係してくる。
サイドパネルを開けたら温度が下がった場合は...まあそういうことだ。
じゃあサイドパネル開けっぱでいいじゃんって?ホコリやばいぞ。
PCケースの選び方
なにはともあれ、まずはパーツがちゃんと入るかどうか。
ケースにはサイズ別に規格があり、大きい順にATX、microATX、mini-ITXといったように規定されている。
マザーボードにも同様の規格があり上記の規格の中で同じかより大きいケースであればネジ穴の位置が合うようになっている。
上記以外の規格もあるが製品数も情報も少ないので欲しいなら自分で何とかしろ。
ゲーミングPCなら拡張性や冷却性能、そのたもろもろ考慮してATXケースがおすすめ。
microATXやmini-ITXでできないこともないがお金がかかる。
剛性・工作精度、エアフロー(空気の流れ)メンテナンス性、静音性、それに見た目も大事。
とにかく気に入ったものを選ぼう。ないなら自ら作ろう。
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ATXマザー |
microATX |
mini-ITX |
ATXケース |
○ |
○ |
○ |
microATX |
× |
○ |
○ |
mini-ITX |
× |
× |
○ |
- 働く人の土地。見た目とサイズはもちろん、冷却性や静音性などの側面から考えて選ぶ必要がある
- 高負荷ゲームやるハイスペマシンの場合は冷却能力の高い大きいケースが好ましい
- マザーボードの規格に合わせて選ぶのが普通で、対応規格はメーカーHPの仕様ページや価格コムでチェックできる
- グラフィックボードのカード長も考えて選ばないと泣く泣く買い替える羽目になる
売り場での規格の見方
- マザーボードのサイズは各種規格団体やメーカーの規定で細かく定められている。自作するなら
大抵はもっとも流通している ATX かマイクロ ATX (M-ATX) サイズを使用する。
また VIA が提唱した mini-ITX は小型 PC 用マザーボードとして定番になっている。
サイズの小さいものの方がより拡張スロットは少なく、性能も低めになる傾向にある。
拡張カードをあまり使わないしあまり重い作業をしないなら小型な mini-ITX で良いし、
拡張しまくりたいなら ATX やそれ以上のサイズを使おう。
※ ATX や microATX は規格で定められた寸法より小さい (主に幅が狭い) ものもあり、M・L・K のネジ穴まで基板が届かず
浮いた状態になるものもある。通常は問題ないが、メモリやコネクタの抜き差しの際にマザーボードに変な力が掛かってしまう
のでメモリスロットの真下等にゴム足を設置し基板とケースの隙間を埋めたほうが安心である。
- ATX、microATX、mini-ITX の三つの規格はネジ穴位置が共通なので、
ATX ケースなら ATX マザー、microATX マザー、mini-ITX マザーが入る。
microATX ケースなら microATX マザーだけでなく mini-ITX マザーも入る。
もちろんマザーの規格はこの三つだけではないが、大抵はこの三種類のサイズのどれかなのでこの三つだけ覚えておけばよいし、
これ以外のサイズはケースの選択肢が少なかったりする。
- その他のマザーボードの規格 (ATX とネジ穴位置に互換性のあるものを抜粋)
- 大型系、ATX マザーがギリギリ納まるようなケースでは入らない。
- E-ATX (Extend ATX)…ATX の幅を広くしたものでサーバー・ワークステーション用。305mm×330mm
- ULTRA ATX…FOXCONN が参考出品したもので、ATX マザーを幅はそのままに縦に伸ばし拡張スロットが 10 本になったもの。
- XL-ATX…ATX の幅はそのままに、下方に 20mm 延長したもの。ケースを選ぶ。325mm×244mm
- 小型系
- Flex-ATX…microATX より更に小型だが、自作市場ではあまり流行らなかった。正式な寸法は 228 mm×190mm で
microATX の幅を少し詰め、縦にも短くしたもので拡張スロット数は 2 に減っているが、
幅がオーバーサイズのものがキューブ PC の中やメーカー PC に入っているのをたまに見る。
- DTX…microATX の幅を詰めたもの。244mm×203mm
- miniDTX…mini-ITX を拡張スロット一つ分伸ばしたもの。203mm×170mm
- その他の ATX と互換性が無い規格 (通常は組み込み向けで個人では普通は使わないが、個人でも入手可能なものもある。)
- nano-ITX (120mm×120mm)、pico-ITX (100mm×72mm)、mobile-ITX (60mm×60mm)…VIA 提唱。
nano-ITX は自作市場でも出回り専用のケースもある。
- COM Express…組み込み向けの超小型マザーボード。ベーシック・フォームファクタ (125mmx95mm) と
エクステンディッド・フォームファクタ (155mmx110mm)、コンパクト (95mmx95mm) がある。
キャリアカードと呼ばれる専用の ATX や microATX サイズの基板と合体させると一応普通に使える。ETX や XTX もある。
- PICMG 1.0 /PICMG PCI/ISA…産業用コンピュータに使用されるシングルボードコンピュータの規格で、
拡張カードに良く似ているので目を引く。素早くマザーボードを交換できるように拡張カード形状をしており、
専用のバックプレーンと呼ばれる拡張スロットがたくさん並んだだけの基板に挿して使用する。
電源もバックプレーンから供給されるのでバックプレーンが無いと動作しない。PCI と ISA の端子を備えている。
- PICMG 1.2 /ePCI-X…PCI/ISA と同じコンセプトのもので、PCI 端子のみを備えている。
- PCIMG 1.3 /SHB Express…PCI/ISA と同じコンセプトのもので、PCI Express 端子のみを備えている。
PCケースの選び方
- サイズ
- 最低限使いたいパーツがおさまらないと話にならない。大きすぎても困るが小さすぎても作業がしにくくて困る。フォームファクタ(ATX などの規格)をはじめ、ドライブ類の搭載可能数を確認する事。
- 高性能なグラフィックボードの場合、全長が長かったり標準以上の高さだったりして省スペースのケースだと収まらない事も。
- 最近は電源は 12cm の大口径ファンを使った底面吸気 (L字排気) のものがあるが、ケースによっては電源の底面を塞いでしまう事に注意。
- アフターパーツの大型 CPU クーラーを使用する場合は十分な空間があるものを選べ。
- 簡易水冷の場合はラジエーターが付けられるか、本格水冷でもホースの穴があるかは調べること。
- 工作精度
- 糞ケースだと共振して振動したり、手を切ったり、フタを閉めるのに妙な力が必要だったりと困ることがある。
- 材質・表面処理
- ボンデスチール(つや消しの灰色の奴)は一応錆止め処理だが長期間使用すると錆びてみすぼらしくなる。アルミやステンレスやメッキ処理のケースは高いがかなり腐食しにくい。
- 使用されている鉄板の厚みが薄すぎるものは振動が多く共振が発生しやすい。うるさいだけでなく HDD に悪影響があるので出来るだけ頑丈なケースを使用しよう。
- がっしりとしたケースは重いのが普通。メンテナンスの時に腰を痛めないように。
- ネジ穴までアルミのケースは、あまり力をこめすぎると簡単にネジ山がつぶれるので力加減はほどほどに。
- エアフロー
- 大雑把に分けてメッシュ構造またはファンを多数搭載可能な冷却向けのものと、密閉性の高い(窒息と呼ぶ場合もある)静音向けのケース、およびその中間のケースがある。エアフロー重視のケースでも CPU・電源・HDD・グラフィックボードのどれの冷却を重視しているかの違いもある。
- 両方を完璧にこなせるケースというのはない。どちらもこなせない糞ケースはある。逆に言えば糞ケースを除外したら後はバランスの問題。
- 基本的に容積が多い方が冷却が楽。
- 埃対策
- 殆どのケースは埃対策はされていない。アフターパーツで埃フィルターもあるが工夫次第でストッキングや 100 均のエアコンフィルターや換気扇用フィルターでも代用可能。埃を入れないためには排気ファンよりも吸気ファン(もちろん埃対策済み)を多くし、ケース内の気圧を高める事。
- エアフィルターを外しやすいものを選ぶと良い。外すのが面倒だと掃除しなくなって冷却性能が落ちるぞ。
- アクセス
- フタを開けたり作業がしやすいケースかどうか。
- フロントパネルの USB コネクタなどは十分かどうか。
- デザイン
- 毎日目にするものだから好きなデザインを追求しても良い
- タイプ
- 主流のものはタワー型でマザーボードは立てた位置で固定される。電源は通常は一番上に搭載されるが最近はケース底面に電源を設置するタイプもあり、後者の方が CPU の廃熱が電源ユニットを暖め寿命を削ったりしにくく、放熱もしやすい。
- 現在ではマイナーだがマザーボードが底面に設置されるデスクトップケースは振動に強く、巨大な CPU クーラーやグラフィックボードを使用してもマザーボードに変な力が掛からず安定する。但し埃対策をしないとマザーボード上に埃が降り積もる。現在出回っているものは HTPC 用ケースが多い。ラックマウント用ケースをラックにマウントせずに使う方法もある。
- 付属電源
- 「500W ATX 電源」とだけ表記されているような、まともに仕様が公開されてないような電源は使わない方がいい。ケース付属電源は全て糞というのは言いすぎだと思うが、安い分耐久性が劣ると考えるのは自然なこと。
- その他
- ケースは流用が効くパーツ。大きめの方がアップグレード時の選択肢に幅が出るし余裕を持った方が冷却面で有利になる。可能な限り大きいのにしておけという風潮があるのはこのため。でも自作するのはお前なんだから、考え直してもそれが良ければそれで良い。ただ小型や静音重視にした上で冷却できないとかわめくなよ。
- あまりに大きいと設置で問題が出ることもある。置き場所の広さや(机の上ならば)耐久性なども考えて。でかいケースは重さもやばいから。
最終更新:2017年10月24日 11:24