シャ=スナー=トレーミャナルチ
Sha-Snâ-Trêmianalch
初代アイプゴン自治国外務長官
在任期間:-
生年月日 1673年14月14日
出生地 プダージ
ダイユンヴァール
職業 軍人、占い師、
教育者、政治家
出身校 第二ガイユ幼年学校
軍歴 1703-1752年
最終経歴 招民院陸戦軍上将
出撃記録 アランダイ軍団陸戦軍
第二ガイユ特殊作戦師団
親族 キューラウ博士
スニャールフィエ
メチュートハシュナ
サリエ

 シャ=スナー=トレーミャナルチ74号計画で製造されたヤーム耳の女性ミュンシャ。ニーネン=シャプチでは招民院陸戦軍の軍人としてアクース内戦のアランダイ軍団陸戦軍、マーカス内戦の第二ガイユ特殊作戦師団を指揮し、アイプゴン自治国では初代外務長官の職についた。シャグマ=ラゴン開拓地学園マクチ=ラ=グヤーム終身名誉理事。


命名

 キューラウ博士によってスンシャ式命名法で命名された。
 苗字は「声」を意味するsnâ。
 名前は「庭園・死後の世界・夢見た土地」を意味するtremと「見果てぬ夢」を意味するnalchをつなげたもの。trêm-ia-nalchのiaはおそらく「trêmash nalch」のフシェーダ訛りの一つであると考えられている。
 集約神学的な解釈ではシチャヌの世界であるtremと人間の世界に存在するnalchをつなげたものとして捉えることができ、キューラウ博士はエシュトに潜在する神性をトレーミャナルチの中に見出したものであるとしている。

経歴

生い立ち

 74号計画でメチュートハシュナの次に生まれた。個体製造番号1029。
 タイユ=プノームで生活していたが計画が凍結されるとタイユ=プノームが閉鎖されてしまい、また養子にもなれなかったのでプダージのストリートチルドレンとしてゴミ漁りや万引きでなんとか食いつないでいた。

ストリートチルドレン時代

 かなり長い間一人でプダージにいたが、ある時とある少年に出会う。彼はいわゆるヤンキー集団のボス格で、軍人階級の子供だった。彼は軍人の堅苦しい教育に嫌気が差してグレていたのだが、正義感が強く、悪事に手を染める同じ不良たちと喧嘩ばかりしていた。
 彼はトレーミャナルチが極貧生活をしていることを知ると、ご飯を分けてあげた。これがきっかけでトレーミャナルチは彼と親しくなり、ヤンキー集団に加わった。

 1681年のある時、彼は貴族の老人をカツアゲするシ=ギーラムマフィアに喧嘩を挑み、瀕死の重傷を負う。死に際に放った言葉がトレーミャナルチの心を打ち、彼女は彼の家の養子になることを決意した。

占い師の時代

 トレーミャナルチは彼の家の葬式に現れ、「養子にして欲しい」と頼んだがなかなか聞き入れてもらえなかった。
 彼の家はスナグル家という軍人階級の名門の家系であった。そのためトレーミャナルチは使用人に扮して屋敷に侵入し、お手伝いを頑張ることで認めてもらおうとしたが、途中でバレて失敗した。しかし、他に良い案が浮かばず、トレーミャナルチは何度も侵入してはつまみ出された。
 途方に暮れ街を彷徨い歩いていた時、偶然捨てられていた占いの本を読み、占い師を始める。
 最初のうちはうまく行かず、ヴィッテンクレイルのアイサ教徒に騙されて壺を売らされたり占いが外れたせいで石を投げられたりしていたが、ある時占ったおじさんがかつての少年の父親だった。相談内容は「息子の死を受け入れられない」というものだった。トレーミャナルチは、占いに混ぜて少年と一緒にヤンキー集団にいた時のことを話し、少年はグレていたが正義の心を忘れてはいなかったこと、その遺志を継ぐ女がもうすぐ現れることを告げた。


スナグル家の時代

 1708年頃、トレーミャナルチはようやく彼の父親に軍人への道を志していることを告げた。1710年頃、彼はため息をついて、トレーミャナルチを養子にすることを決めた。

士官時代

 こうしてトレーミャナルチは1728年に招民院陸戦軍の新人士官となる。試験では優秀な成績を収めたものの士官学校非出身者だったため下士官(兵長相当)からのキャリアを始めることになった。
 この頃、久しぶりにスニャールフィエ再会。また、トルナーチェと出会ったのもこの頃である。トルナーチェは当時星系軍の下級指揮官(中尉相当)だった。

アランダイ軍団陸戦軍指揮官

 順調に出世し、1731年頃には陸戦軍指揮官になる。
 1733年にアクース内戦が勃発し、トルナーチェと共にアランダイ軍団の将校に抜擢される。トレーミャナルチは歩兵8,000、多脚戦車580を率いる師団長として出兵した。
 この時、スニャールフィエは星衛主席に就任しており、彼女はこっそり招民院軍部に掛け合ってトレーミャナルチを推薦したという噂があるとかないとか。

 トレーミャナルチの所属するアランダイ軍団は1733年16月1日にアクース星域に到着。
 すでに労働議会側のヴァルエルク軍やグロスクロイツ軍が地上軍を展開しており、翌日の16月2日からフルチャーン(現在のエメルダ・イェーン)での軍事作戦が開始された。
 しかし目立った戦闘はなく、アランダイ軍団の他の部隊と共に撃墜された輸送船の民間人を治療していた。その後その民間人はニーネン=シャプチに拉致されるが、宇宙船に収容して拉致するまでの行為は星系軍が行っていたため、トレーミャナルチは当時何も知らなかった。

 それからしばらくは散発的な撃ち合いが起こる程度で大規模な戦闘が起きず、トレーミャナルチ師団は進軍していた。トレーミャナルチは戦場にもすっかり慣れ、むしろ「戦争とはこんなものなのか」と慢心さえしていた。

 しかし1734年10月10日、資本家体制側が占拠するチャラナギに攻勢を仕掛けろとの命令が下る。状況は労働議会側の圧倒的優勢にも関わらず、敵軍のエルトリア・ハトリュー人機甲連隊が驚異的な粘りを見せ、同盟軍のギモ傭兵団団長のギモが負傷するほどの熾烈な戦闘になった。
 トレーミャナルチは多脚戦車(クナクヌイ)部隊のほとんどを投入してハトリュー機動機兵を攻撃し、損害を出しながらもなんとか撃破した。
 この戦いでトレーミャナルチはそれまでの戦場へのイメージが慢心だったことを痛感した。

 その3ヶ月後の1734年13月、資本家体制側の第3次タニェ降下の迎撃で大規模な戦闘が発生。この3ヶ月の間にヴァルエルクとグロスクロイツとの連携が合わず、労働議会側は劣勢に立たされていた。
 トレーミャナルチもこの劣勢に歯止めをかけるべく奮起したが、包囲を恐れた司令部からの退却命令によりしぶしぶ退却することになった。
 退却中にアクース連邦軍のアンドロイド兵に待ち伏せを食らってアランダイ軍団の共和親衛隊を率いていたスナグル=ステフトーグ将軍が戦死。トレーミャナルチはこの知らせを聞き、とてもショックを受けた。
 というのも、スナグル=ステフトーグとはストリートチルドレン時代の少年の父親のことだったからである。トレーミャナルチにとって彼は軍人のいろはを教えてくれた恩人であり、衣食住を与えてくれた義父であった。
 しかし世間とは非情なもので、国内にこのニュースが知れ渡ると「ステフトーグ将軍の戦死はトレーミャナルチに責任がある」として彼女に批判が殺到した。トレーミャナルチが人工獣人であるという事実も広く周知され、嫉妬や差別意識の標的にもさらされた。

 それからは戦局の悪化とともに戦闘が激化。旧首都まで後退したトレーミャナルチは翌1735年1月の資本化体制側の地上軍降下で労働議会民兵団と共に1ヶ月近くに及ぶ首都防衛戦を繰り広げ、最後の抵抗を続けていたがスニャールフィエ直々の撤退命令が下り、民兵団を残してアランダイ軍団は撤兵した。
 この時、トレーミャナルチはステフトーグ将軍と共に戦死する覚悟でいたらしいが、スニャールフィエからの手紙を受け取り帰還することを決意した。手紙の内容は不明だが、スニャールフィエとトレーミャナルチは同じ74号計画で生み出された人工獣人としてタイユ=プノームという養育施設で姉妹同然の関係だったこともあり、スニャールフィエは彼女の死を直感し、「色々乗り越えて再会したのに死んでしまったらまた離れ離れになってしまう」と思って手紙を書いたのかもしれない。
 しかし、トレーミャナルチはアランダイ軍団軍団の自身の指揮する師団が首都から撤退する時のアクース人パルチザンの顔が忘れられないらしい。マジでつらい。

トルナーチェ=アクース艦隊陸戦師団長


第二ガイユ特殊作戦師団長

 その後のマーカス内戦では第二ガイユ特殊作戦師団を指揮して功績を挙げた。

その後

 順調にキャリアを歩んだトレーミャナルチだったが、1750年代にある理由で退役(除隊?)され、シャグマ=ラゴン星に移住。首都ラグマウで占い師をしていたが、ユラ=ファイユシャンスの養子となりユフィムと出会ったことがきっかけで、私財を投げうってシャグマ=ラゴン開拓地学園マグチ=ラ=グヤームを開校。校長に就任した。

 第二次宇宙大戦では学園内部で学生闘争が発生した以外には大きな騒動はなく、自由の避難所として老若男女を匿った。この頃にはシチャインピルチらとも交友があり、戦後、アイプゴン自治国が独立すると初代外務大臣の地位が与えられた。

人物

 国教院神官免許を取得しており、カーリチ=オラムとして布教・説教ができる資格を持っている。古いプダージの訛りがあり、日本語ではのじゃ口調。

外見

 外見年齢は18~20歳前後だが、背が低いので実際はもっと若く見える。実際の年齢は300歳前後らしい。髪色とヤーム耳の毛色は銀。おそらく小さい頃は黒髪だったが老齢となって色素が抜けたと見られる。ジト目だがハイライトはある。74号計画で製造されたミュンシャの中では最もすらんちが小さい。両手の手の平には閉じた瞳が描かれており、これは毎日ペン等で書いている。

 トップスはカーリチ教の神官(オラム)のような長い袖の服を着ている。この服は特注品で、お腹の部分が見えているセクシーなもの。ボトムスは招民院時代に支給された深緑色腰に巻くパーカーのようなもの。普段被っている黒い被り物はフードのようなものはトレーミャナルチのヤームのニーネンラフェウが出るように穴があいており、後部は太ももくらいまで長く垂れており、前部は胸の前に垂れている。前垂れには占い師であることを示す「閉じた瞳の描かれた手の平」の模様が描かれている。袖、髪留め、フードのようなもの(額付近)にはメッキされた金属製の魔除けの飾りがたくさんついているため、動くととシャリンシャリンと音がなる。

性格

 様々なことを知っている。特技は読心術。目立つことはあまり好きな方ではなく、表情の変化が少なく感情の起伏も乏しい。自分や周囲を客観視していることが多い。
 逆に感情を表にすることが恥ずかしいと思う一面があるが、ミュンシャたちやキューラウ博士といる時はそうでもない。サリエをゲームで倒すためにスニャールフィエと共闘することもあり、プライベートでは意外とノリが良い。

人間関係

キューラウ博士

メチュートハシュナ

スニャールフィエ

サリエ


パウタライ

 パウタライ元主席とはほとんど面識がないが、老齢の彼と会ったことのある唯一のミュンシャである。
 パウタライは74号計画の主導者であり、言うなれば彼女たちが生まれることになった大元の原因である人物である。彼は晩年認知症を患い、トレーミャナルチの存在をすっかり忘れ去っていたようだった。彼女は何とか思い出せないかと昔の話をしていたが、それも虚しく諦めようとしていた時、たまたま落とした招民院軍人用の個人識別カードを見たパウタライ*1は何かを思い出したようで、去り際の彼女に「ガイユ*2はうまくやっているか」と聞いた。トレーミャナルチはそれに対し、「エフューラフトはいつの時も偉大であります」と答えた。それを聞いてパウタライは満足したように沈黙したという。
 パウタライは彼女がミュンシャであることを思い出したがどうかは不明だが、トレーミャナルチのその返答は招民院軍部の一部の将校のみが許される自分の地位を示すための合言葉を意味していた。

サンシャンマヒャパ

 サンシャンマヒャパ元主席とはニマエラ・ストラメウトの亡命を手助けする際に直談判した時からの知り合い。当時現職の星衛主席だったサンシャンマヒャパはトレーミャナルチの説得に感激し、ニマエラ・ストラメウトの亡命を受け入れた。これが1750年代以降のニーネン=シャプチのアンドロイド市民権に大きな影響を与え、ゼラエ派という独自路線に進むことになることとなる。
 サンシャンマヒャパはオラムだったこともあり、彼女の性格を理解した数少ない人物である。彼はトレーミャナルチがトリックスターを演じていることをすぐに見抜き慈悲深い性格であることを理解して、何度か宗教指導者(国教院神官免許)になることを勧めた。実際に彼女は1770年代に国教院神官免許を取得した(ただしオラムとしての活動はしていない)。
 サンシャンマヒャパが現職だった頃は会う度にプルゴー・シャ=ウマンを勧められたが、毎回彼女は断っていたという。また、お腹を露出する服装だった時期とも重なるため、シャミー主席同様、「腹や肩を出しているとマゴン(悪性のオルミ)がつくからしまっておきなさい」と言われていた可能性がある。

ニマエラ・ストラメウト

 トレーミャナルチがマーカス内戦で部隊を指揮していた時に彼女と会ったことがある。終戦後、個人的理由でゼラエ博士の死について真相を確かめるべくマーカス連邦に滞在していた時期に彼女と知り合い、亡命の手引きをすることになった。
 トレーミャナルチとしてもアンドロイドの現状はスンシャ・ミュンシャの社会情勢とも重なる部分があり、とても他人事のようには思えなかったのかもしれない。トレーミャナルチはニマエラの構想していたアイデンティティー思考AIに興味を示しており、その実現に貢献したいと思うようになったのが亡命協力のきっかけと言われている。アイデンティティー思考AIの開発後ニマエラはエフューラフト政府の政治的圧力によってまたも亡命することとなるが、第二次宇宙大戦後に再会する。

シャミー

 サンシャンマヒャパの弟子であるシャミー元主席とも親交がある。同じお腹出しファッションを好む者(シャミーは当時グレてただけだが)として仲が良いかもしれないし、何ならスニャールフィエも連れてきてパーティするかもしれない。そうなると必然的にナプトーも連れてこられるわけだが、こいつは黄色くなっているのでどうでもよい。

ギヴェグト

 タイミングが合っていればエフュート党系列のライ報道局で「メンタリストVSミュンシャのオラム」というバラエティ番組で思考誘導するギヴェグトと読心術で推し量るトレーミャナルチのスピリチュアル・バトル企画をやりたかった(70年代以降はギヴェグトが帝連主席になるので難しそう)。

ギャラリー

+ 設定画

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最終更新:2022年10月03日 04:30

*1 過去に招民院勤務だったことがある

*2 ガイユとは招民院内部での本部の略称