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#divclass(infobox){{ #divclass(countryNameJa){アクース内戦} #divclass(countryName){マユィ語:tar akuséś genéc} |>|&bold(){年月日}:1733年11月5日-1735年3月20日| |>|&bold(){場所}:アクース連邦 アクース星系及びヴァユスニェ星系全域| |>|&bold(){結果}:旧政府側の勝利。その後[[アクース革命]]により打倒され、[[アクース連合]]が成立。| |CENTER:←&br()[[サーヴァリア革命]]|CENTER:→&br()[[リスヒューメ独立戦争]]| |>|CENTER:交戦勢力| |TOP:CENTER:&image(アクース旗_20R.png,width=55)&bold(){アクース連邦&br()(旧政府側)}&br()&br()&image(ベリオン旗.png,width=35)[[ベリオン共和国]]&br()&image(サーヴァリア旗_20R.png)[[サーヴァリア企業連合]]&br()&image(ウビウリ旗_20R.png)[[ウビウリ首長国共同体]]&br()[[グライニア調和国]]&br()&image(エルトリア国旗.png,width=35)[[エルトリア王国]]|CENTER:&image(労組旗_20R.png,width=55)&bold(){全世界産業労働連合総議会(新政府側)}&br()&br()&image(ヴァルエルク旗_20R.png)[[ヴァルエルク共和国]]&br()&image(グロスクロイツ旗_20R.png)[[グロスクロイツ社会主義共和国連邦]]&br()&image(ニーネン旗_20R.png)[[ニーネン=シャプチ]]&br()&bold(){ウビウリ傭兵団}&br()&image(ファルトクノア旗_20R.png)[[ファルトクノア共和国]]&br() &image(1770_harhahgaizi.png,width=60)[[全シルア労働者連盟]]| |>|CENTER:指導者・指揮官| |旧政府側|労働議会側| |TOP:&bold(){アクース連邦}&br()・ナジュア・エルゲン&br()・アケチ・ナギェ&br()・シュテークシュ・ニッグィト&br()&bold(){ベリオン}&br()&br()&bold(){サーヴァリア}&br()・タルカロン・タズリ&br()デレヤク・カルトフェプト・ビェドラ・テェツァ&br()&br()&bold(){ウビウリ}&br()・ブブコ・バティウ&br()・ンモン・ウボク&br()・マロ・ココブ&br()・チウナコ・フラブブ&br()&br()&bold(){グライニア}&br()・シャーノ・ゾラン&br()・ファ・コウ&br()・ラサ・キョーカ&br()・ユーノ・サナート・イア&br()・クザッタ・バス・ゾラン&br()&br()&bold(){エルトリア}&br()・[[ツァイヴァ3世]]&br()・ヴァヌヴァール・ヴロザンヴァンテ&br()|&bold(){労働議会}&br()・[[セツ・エメルダ]]&br()・[[ゲッツァ・チャッシャーラ]]&br()・ゴスマネッシャルク・ヴァルト&br()・セツェシュ・プローキン&br()・カン・”ネングピル”・イェーネスコス&br()&br()&bold(){ヴァルエルク}&br()・サゲオス・ニルヴァエケプティス&br()・レガントゥオス・クオリノス&br()・ウエロノン・ノスコス&br()・ディヴォヌオス・ウィノスコス&br()&br()&bold(){グロスクロイツ}&br()&br()&bold(){ニーネン}&br()・[[シャ=ファウチャプガリェプネンチ=スニャールフィエ]]&br()・ウェスルーチ=イェシライ&br()・ニャルカ=トルナーチェ&br()・ラノーイェカイユ&br()・ニェファイユ=ハイソー&br()[[シャ=スナー=トレーミャナルチ]]&br()・スナグル=ステフトーグ&br()&br()&bold(){ファルトクノア}&br()・[[レシェール・フミーヤ・ファイユ]]&br()・[[フィラン・ド・リーリエ・ア・ヌ・フィリーラン]]&br()・[[クラウン・リン・レヴァーニ・クラリナイト]]&br()&br()&bold(){シルア}&br()・”ドゥローゼーシャ”エヴェーン&br()・”ラナーシャ”マルハ| |>|CENTER:戦力| |旧政府側|労働議会側| |TOP:&bold(){国内兵力}&br()・歩兵 700,000&br()・民兵 700,000&br()・&size(8){アンドロイド兵 300,000}&br()・砲兵 15,000&br()・機甲兵力 500&br()・機兵 4,000&br()・戦闘機 1,300&br()・大型艦 19&br()・中型艦 65&br()・小型艦 80&br()・その他艦艇 250&br()&br()&bold(){介入兵力}&br()・歩兵 29,840&br()・砲兵 160&br()&size(8){・アンドロイド兵 29,000}&br()・機甲兵力 7,160&br()・機兵 140&br()・ガンシップ 61&br()・戦闘機 482&br()・大型艦 10&br()・中型艦 90&br()・小型艦 147&br()・その他艦艇 2|TOP:&bold(){国内兵力}&br()・歩兵 650,000&br()・民兵 2,000,000&br()・&size(8){アンドロイド兵 100,000}&br()・機甲兵力 200&br()・戦闘機 350&br()・大型艦 6&br()・中型艦 20&br()・小型艦 40&br()・その他艦艇 50&br()&br()&bold(){介入兵力}&br()・歩兵 914,700&br()・&size(8){アンドロイド兵 6,600}&br()・シルア戦象 240&br()・機甲兵力 7,224&br()・機兵 562&br()・その他兵力 5770&br()・ガンシップ 31&br()・戦闘機 1,938&br()・大型艦 19&br()・中型艦 103&br()・小型艦 42&br()・その他艦艇 4| }}  &bold(){アクース内戦}は、シンテーア暦1733年11月5日から1735年3月20日までに行われた&bold(){アクース連邦}(現[[アクース連合]])で発生した内戦。&bold(){ナジュア・エルゲン}政権のアクース連邦(旧政府側)に対して、労働組合派(新政府側)の革命サンディカリストを率いる[[セツ・エメルダ]]が蜂起したことで起きた。  アクース内戦は[[大宇宙連合会議]]原加盟国以外で起きた政変で初めての大規模な代理戦争であり、初めて本格的に戦闘にアンドロイドが投入された戦争となった。 #divclass(indexbox) { 目次 #contents() } *背景  1640年代後半、[[アクース連邦>アクース連合]]は[[ニーネン=シャプチ]]との平和的ファーストコンタクトを経験し、1652年に両国の国交を正式に樹立し友好通商条約である&bold(){ニョルカ条約}が締結された。これを機にアクースは[[大宇宙連合会議]]に加盟し、大宇宙の国際社会に参加した。  当時、アクースは大宇宙レベルの工業化が進んでおらず、ニーネン=シャプチへの学者使節団派遣を行うことで&bold(){技術革新の時代}を迎えた(アクースは資源国なのでニーネンが長期的に資源輸入したいですね)。  1732年、アクースは好景気を迎えた。&bold(){ナジュア・ユレン・エルゲン・エムィクボフ}内閣の中道左派政治によって、最新の輸入品などの物流がかつてない密度で動いていたのである。  しかし1733年、アクース市民は連邦が好景気を迎えているのにも関わらず、自らの生活水準が一向に向上しないことに怒りを覚えていた。その頃、アクース市民にはいわゆるストライキ権が与えられておらず、十分な労働権を確保しているといえる状態ではなかった。  1733年9月、[[セツ・エメルダ]]率いる労働者の権利向上と現政府の打倒を目指す政党団体「&bold(){全世界産業労働連合総議会}(&bold(){労働議会})」が誕生した。エメルダは以前より労働者の権利を訴えるなどの行動を大きく行っていた人物であったが、このような団体が発足するのはアクース国内では初めてであった。労働議会は最初期こそは正当な選挙による勝利を訴えていたが、すぐに民衆の怒りを色濃く反映した、いわゆる「&bold(){暴力労働者革命}」思想へと転換した。労働議会に感化された市民は、自らの会社・部署において非正規の労働組合を結成、数々のストライキやサボタージュ等の抗議活動を行った。  1733年11月、アクースで大きな影響力を持つ国営企業「&bold(){アクース星間交通}」がシャーマ星系、惑星ヅォークスとその衛星パジラスで大規模なストライキを決行。これを境として爆発的に産業組合主義の機運が高まり、ついにエメルダは民兵隊、労働組合臨時連合軍を結成し「&bold(){労働者革命}」の遂行と新政府樹立を宣言。アクース連邦と初の組織的な軍隊による衝突が開始した。 *戦争の経過 **惑星アクースとタニェの反乱 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|労働議会&br()ファルトクノア| ・&bold(){11月3日}  首都惑星アクースの工業地帯ダンルッソーで初めての大規模な衝突。 ・&bold(){11月11日}  衛星タニェのファバスヴグ、チャラナギ、スティーバ、フルチャーン(現在のエメルダ・イェーン)など数ヶ所の工業都市で大規模な同時武装蜂起。ファバスヴグ、チャラナギでは失敗し鎮圧されるが、スティーバ、フルチャーンでは政府軍(アクース連邦軍)の追い出しに成功。しかしスティーバに存在した大規模な宇宙港を政府軍が爆破したために宇宙港がなく、労働議会軍は支援物資を受け取ることができない状態になる。武装蜂起がより大規模に成功したフルチャーンで宇宙港の建設が開始される。  この武装蜂起には上陸していた[[フィラン・ド・リーリエ・ア・ヌ・フィリーラン]]が率いるファルトクノア陸軍特殊介入部隊が関係しており、特殊介入部隊に続いて蜂起は成功裏に終わった。 **第一次タニェ反攻作戦 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|労働議会| |ベリオン|グロスクロイツ| |サーヴァリア|&bold(){ヴァルエルク}| |ウビウリ本国|| ・&bold(){12月10日}  グライニアの政務報道官が「参戦を検討している」と発表。 ・&bold(){13月1日}  先遣隊であるヴァルエルク宙軍第4艦隊が到着。  ヴァルエルク軍と労働議会軍は衛星タニェのダンルッソーとフルチャーンで政府軍による反攻作戦を耐え抜いた。  サゲオス・ニルヴァエケプティス宙軍総司令は武器弾薬を労働議会軍将兵に配給し、フルチャーンで簡素な宇宙港が作られ航宙ルートが確立された。これによりフルチャーンの物資問題は解決した。 ・&bold(){13月2日}  ヴァルエルクが惑星コツカのリングに臨時補給基地の建設を開始。ヴァルエルク遠征艦隊が次々と到着。 ・&bold(){13月3日}  グロスクロイツ軍が到着。革命防衛軍第212空挺師団を筆頭に地上軍がダンルッソー、フルチャーンに降下する。内側小惑星帯に補給基地を建設。 ・&bold(){13月10日}  衛星タニェを奪還しようとしていた政府軍の輸送船団が次々と撃破される。  諦めて星系内に輸送中継拠点を構築し始める。 ・&bold(){14月5日}  サーヴァリア軍とウビウリ本国軍が星系内に到着。両国艦隊がアクース政府軍の輸送船団の護衛任務を開始。  アクース政府、サーヴァリア、ウビウリによる「&bold(){国際艦隊司令部}」がラクチェ宇宙港で発足。 **タニェへの護衛 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|労働議会| |&bold(){ベリオン}|グロスクロイツ| |サーヴァリア|ヴァルエルク| |ウビウリ本国|| ・&bold(){14月9日}  ベリオン艦隊が到着。そのまま国際艦隊(サーヴァリア・ウビウリ艦隊)と合流してアクース政府軍輸送船団を護衛。  ベリオン宙軍伝統の戦闘機による練度の高い格闘戦で数度にわたるヴァルエルクの宇宙戦闘機隊の襲撃を退け、輸送船団の降下部隊が衛星タニェに到着。 ・&bold(){14月10日}  [[ツァイヴァ3世]]による国際放送が行われ、[[エルトリア王国]]が参戦を発表。 **第二次タニェ反攻作戦 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|労働議会| |ベリオン|グロスクロイツ| |&bold(){サーヴァリア}|ヴァルエルク| |&bold(){ウビウリ本国}|ファルトクノア| |&bold(){エルトリア}|| |グライニア|| ・&bold(){14月11日} スティーバ近郊の戦い  9日深夜から10日目の午前までサンディカリストや共産主義パルチザンらがゲリラ戦を展開したが、士気の低さから十分な被害を与えることができなかったためアクース政府軍の降下部隊の集結を許してしまった。  この戦闘で新政府側は損耗を避けるためか早々にヴァルエルク軍やファルトクノア陸軍特殊介入部隊が撤退し、労働議会軍の民兵やグロスクロイツ軍の士気が低下したために次々に戦線を突破されていった。  一方、旧政府側はウビウリ本国軍とベリオン軍が制空権を確保し、エルトリア軍の高機動機兵が前線を突破し旧政府側の勝機を掴んだ。  サーヴァリア軍の企業リヴァダーアンドロイド兵はその真価を発揮し、イオンジェットパックを装備して1日に450kmを行軍してスティーバの戦闘に合流。不意を突かれ新政府側の民兵は潰走した。  この戦闘結果を受けてアンドロイド兵の有用性が国際的に知られることになった。 ・&bold(){14月19日}  衛星パジラスにて第二次反攻作戦を開始。物資不足に苦しんでいたスティーバを解放する。 **アクース・ラクチェ間星域の艦隊前哨戦 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|労働議会| |ベリオン|グロスクロイツ| |&bold(){サーヴァリア}|ヴァルエルク| |&bold(){ウビウリ本国}|ニーネン=シャプチ| |グライニア|| ・&bold(){15月7日}  ヴァルエルク軍第4艦隊のノスコス隊(分隊)を国際艦隊の主力が捕捉。攻撃を開始した。  撤退しようとするノスコス戦隊にブブコ・バティウのバティウ首長国軍義勇艦隊が攻性粒子を射出し緊急脱出ワープを阻止。ウボク首長国義勇艦隊率いる“&bold(){キル取りおじさん}”ンモン・ウボクはノスコス戦隊に甚大な被害を与える。  おいしいところだけを的確に持っていくンモン・ウボクは戦前から“&bold(){キル取りおじさん}”とあだ名で知られる有名人だったが、戦果を知ったウビウリ国民の間で賞賛され、勝利を伝える記事には「大国ヴァルエルクでさえ、彼の不思議な宿命からは逃れられない」、「そこに彼の艦隊がワープアウトした時点で勝利が確定してしまった」、「目を付けられたら確実に仕留める、正真正銘の猛禽だ」などと書かれた。  ヴァルエルク政府は、これ以上の損耗を抑えるため当時宇宙戦艦の建造を模索していたファルトクノアとの交渉を開始する。同国陸軍の協力を得ることが目的。 ・&bold(){15月20日}  グロスクロイツ・ヴァルエルク・労働議会軍の連合艦隊とサーヴァリア・ウビウリ・ベリオン・グライニア・アクース政府軍の国際艦隊が遭遇。戦闘が発生したが、消耗を避けたため両者撃破には至らなかった。  グライニアが戦闘後補給と増援との合流のため離脱。 ・&bold(){16月1日}  ニーネン=シャプチのアランダイ軍団がアクース宙域に到着。新政府側に加わって戦う。 **フルチャーン上空哨戒 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|労働議会| |ベリオン|グロスクロイツ| |サーヴァリア|ヴァルエルク| |ウビウリ本国|ニーネン=シャプチ| |エルトリア|| ・&bold(){16月1日}  ウビウリ・ベリオン戦闘機隊はフルチャーン上空で哨戒を開始。  ウビウリ本国のフラブブ傭兵団の戦闘機隊が新政府側の民間輸送船や貨物船を集中的に攻撃。便乗していたアクース市民が多数死傷し、後に戦争裁判で民間人虐殺の罪を問われた。 ・&bold(){16月2日}  ニーネン=シャプチ本国から誘拐列車船団が到着。誘拐列車はフルチャーンで生存者の捜索と治療を行い、その後拉致。また、スティーバ市民20万人を保護の名目で拉致した。 &bold(){翌1634年3月2日}  グロスクロイツ地上軍の攻勢。陸では人海戦術による全軍突撃が行われ、上空では多数の戦闘機が飛び交う制空戦が行われる。しかし陸空共に旧政府側を圧倒することはできず、スティーバ近郊で戦線が膠着状態にもつれ込んだ。 **タニェ軌道上の奇襲 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|労働議会| |&bold(){ベリオン}|&bold(){グロスクロイツ}| |サーヴァリア|&bold(){ヴァルエルク}| |ウビウリ本国|シルア| |エルトリア|| ・&bold(){3月12日}  ヴァルエルク軍第4艦隊のクオリノス隊(分隊)がスティーバへの輸送船団を護衛するベリオン軍第125宙戦団を攻撃するために集結していたところ、シルアの第三研修艦隊が旧政府側の輸送船団を鹵獲できると確信し、輸送船団に対して接舷切り込み突撃を敢行。  反撃するベリオン艦隊は重巡9隻・軽巡6隻でシルア艦隊の各艦に次々と接舷し白兵戦を行い、シルア艦隊が兵員の4割を喪失するほどの大戦果を挙げた。  ヴァルエルクのクオリノス隊を率いる&bold(){レガントゥオス・クオリノス}司令官は亜光速で通り過ぎるシルア艦隊の報告を受けた際に「&bold(){さすがに彼らがこの戦力で突撃するとはどうしても思えない。こちらに誘引することを企図した陽動作戦を行っているに違いない}」と思い込み、戦闘陣形を組んだまま待機していた。ヴァルエルク巡洋艦ウォルカ・ブロンの戦闘情報室でレーダーに映るシルア艦隊を見守っていた&bold(){セオスオム・ペゾン}准将は、下士官からシルア艦による高密度の砲撃によるエネルギーを観測したと報告を受けた。しかし、これがシルア軍の接舷前の抑制弾幕であることは夢にも考えず、「&bold(){シルア艦の砲撃システムは旧式のものなのか?}」と舌打ちしたが、その後まもなく「&bold(){輸送船団とシルア艦の距離がほぼゼロになった}」という報告を受け、ペゾン准将は状況を理解すると、「接舷だ!」「配置につけ」と叫びながら、クオリノス隊各艦に向けて「全艦戦闘態勢用意」と警報を出させた。  同様にシルア艦隊を待機していたクオリノス隊旗艦の戦闘機母艦クレストルでは、いつまで経ってもシルア艦隊は引き返す様子はなく、クオリノスは司令室で貧乏ゆすりをしながら腕を組んで陽動作戦の報告を待っていた。しかし、巡洋艦ウォルカ・ブロンから「&bold(){シルア艦隊がベリオン艦隊と交戦中}」という報告を聞いたクオリノス司令官はおもむろに司令室の椅子から立ち上がり、「&bold(){ちくしょう、やつら正気じゃねえ!}」と叫び、各艦に戦闘態勢を伝達、「&bold(){射程距離内に入り次第援護砲撃を開始せよ}」と命令したが、すでにシルア艦隊はベリオン軍第125宙戦団の反撃を受け崩壊寸前の状態に追い込まれており、各個撃破を避けるため撤退を余儀なくされた。  この報告を聞いた国際世論はヴァルエルク宙軍が陽動作戦だと思い込んでシルア軍を見捨てたとしてバッシングが飛び交った。その後、ヴァルエルク政府はクオリノス隊は分艦隊の戦闘機母艦1隻がワープアウトの最中であったため、動くに動くことができなかったとし、「レガントゥオス・クオリノス司令官の判断は誤ってはなかった」と主張した。 ・&bold(){3月15日}  グロスクロイツ・ヴァルエルク軍(第112機動師団・第4艦隊主力隊)は偽装信号を発信し、漂流したグロスクロイツ軍の分艦隊が本隊に救助を求めているように思い込ませた。  これに引き寄せられたウビウリ本国艦隊はグロスクロイツ・ヴァルエルク艦隊に包囲され、危機的な状況に陥ったが、“&bold(){キル取りおじさん}”ウボクと“&bold(){キル取られおじさん}”バティウの連携によってかろうじて脱出に成功したものの、艦隊の3割を損失するという決して少なくはない代償を払うことになった。 **コツカ近傍星域の戦い |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|&bold(){ニーネン=シャプチ}| |ベリオン|&bold(){ウビウリ傭兵団}| |エルトリア|| ・&bold(){9月19日} コツカ近傍星域の戦い  旧政府側と新政府側の間で大規模な航宙戦が行われる。  ベリオン・ニーネン=シャプチ両国の複数のエースパイロットが入り乱れる激戦となったが、エースパイロットニーネン人のヴァーグファルマによる活躍でニーネン=シャプチ側に形勢が傾いた。  絶妙なタイミングでヴァルエルク政府に雇われた”&bold(){疾風のギモ}”の異名で知られるギモ傭兵団が援軍に駆けつけ、エルトリア艦隊に襲い掛かったことで新政府側の優勢は決定的となり新政府側が勝利する。 **チャラナギ防衛戦 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|労働議会| |エルトリア|&bold(){ニーネン=シャプチ}| ||&bold(){ウビウリ傭兵団}| ・&bold(){10月10日}  旧政府側のヴァヌヴァール・ヴロザンヴァンテ将軍率いるエルトリア王国軍ハトリュー人機甲連隊が新政府側の6倍近い戦力を相手に驚異的な粘りを見せ、”&bold(){疾風のギモ}”で知られるウビウリ傭兵団長ギモ・ガンギウに重傷を負わせる決死の反撃で持ちこたえた。  とはいえ、衆寡敵せずニーネン=シャプチのトレーミャナルチ師団のクナクヌイ(多脚戦車)部隊に撃破されハトリュー人機甲連帯は壊滅。旧政府側の支配下にあったチャラナギが新政府側は占領された。  ヴロザンヴァンテ将軍は反撃前、高機動機兵パイロットの隊員に「&bold(){「見せてやろう、ハトリュー人の生き様と……死に様をッ!」}」と檄を飛ばし、先陣を切って突撃。見事ギモのガンシップを打ち破った。 **コツカ基地防衛戦 |旧政府側|新政府側| |&bold(){グライニア}|ヴァルエルク| ||グロスクロイツ| ・&bold(){11月1日} コツカ補給基地防衛戦  アクース連邦軍のコツカ補給基地にヴァルエルク・グロスクロイツ軍が攻撃を仕掛けたものの、グロスクロイツ宙軍がヴァルエルク宙軍の支援要請を拒否し、自軍の防衛拠点に兵力を割いたことでグライニア軍が奇跡の勝利。  この背景には人命を重視するヴァルエルク軍と戦局を重視するグロスクロイツ軍の方針の違いもあった。  コツカ基地を防衛していたグライニア陸軍党親衛隊第3師団を率いる&bold(){ラサ・キョーカ}司令官はまさか勝てるとは思わず戦闘前に遺書をしたためていたが、あろうことか防衛しきってしまった。ラサ・キョーカ司令官は国際的な注目を浴びるだけではなく、国内でも相応に賞賛されただろう。 **セグ強襲降下 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|ヴァルエルク| |サーヴァリア|ファルトクノア| |グライニア|シルア| |ウビウリ本国|ウビウリ傭兵団| ・&bold(){13月9日}  ”&bold(){空挺の達人}”として知られるディヴォヌオス・ノスコス・ウィノスコス中将による強襲降下作戦。惑星エガの要衝を次々と攻略。アクース連邦軍は反撃を行うも10日以内に惑星のおよそ80%が占領される。  しかし強襲降下中、先陣を切ったファルトクノア軍は後方からヴァルエルクのリヴァダー・アンドロイド兵に突如攻撃され、かなりの損害を受ける。  ヴァルエルクが裏切って攻撃してきたと勘違いしたシルア兵たちは降下したヴァルエルク宙兵隊第28師団のとある大隊を取り囲んで詰問しようとしたが、"ラナーシャ"マルハ准指揮官の取り計らいによって制止された。  ファルトクノア政府はこの一件に激怒し、以降長期的な両国間の関係に大きな影を落とすこととなった。  こうした問題を引き起こしたとはいえ、空挺によるセグ強襲降下は全体的に見れば大成功であった。  一方旧政府側ではサーヴァリア軍のアイローム・アンドロイドが上官からのパワハラを理由に前線でサボタージュをした影響で、サーヴァリア軍機兵51機、戦闘機47機が新政府軍に鹵獲されるという問題が起きていた。 **セグ軌道上の戦い |旧政府側|新政府側| |ベリオン|労働議会| |サーヴァリア|ヴァルエルク| |ウビウリ本国|ファルトクノア| |グライニア|ニーネン=シャプチ| ・&bold(){14月1日} セグ軌道上の戦い  両軍の主力艦隊による艦隊戦。  新政府側の各国艦隊は事前偵察で戦力こそ国際艦隊に劣っていたものの、グロスクロイツ艦隊の援軍さえ到着すれば撃破は可能として、国際艦隊の攻撃に対して防御陣形で対応。持久戦を展開したが、いつまで経ってもグロスクロイツ艦隊は増援に来ず、まず最初にファルトクノア艦隊が離脱。その次にヴァルエルク軍第4艦隊、労働議会軍艦隊が離脱し、ニーネン=シャプチのトルナーチェ艦隊と“ドーチェ”艦隊が甚大な被害を受けつつも撤退した。  グロスクロイツ軍とヴァルエルク軍の意思疎通不足が決定的な敗因として、ヴァルエルク政府はグロスクロイツに対して非難声明を公表した。 **タニェ占領 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|グロスクロイツ| |サーヴァリア|ヴァルエルク| |エルトリア|ニーネン=シャプチ| |ウビウリ本国|ウビウリ傭兵団| |グライニア|| ・&bold(){16月10日}  第3次タニェ地上降下作戦を開始。捕虜になることを恐れたグロスクロイツ軍が独断で撤収し始め戦線が崩壊(&bold(){パジラス事件})。  そのため、進軍は予定よりも早く完了し、翌1735年1月18日には全土を占領した。  ウビウリ本国側のココブ傭兵団とウビウリ傭兵団側のラブブメデ傭兵団による因縁の対決が行われたが、ラブブメデが突然増援の気配を察知して退却。直後本当にサーヴァリア・エルトリア軍の援軍が来たため、ココブ傭兵団の兵士たちは度肝を抜かれたという。因縁の二人の決着は[[マーカス内戦]]まで持ち越されることになる。  この時、ラブブメデ傭兵団は次々と拠点を放棄したため、雇用主のヴァルエルクの軍関係者が激怒し、彼らに対して減給を通告したと言われる。  ニーネン=シャプチ軍は退却中にアクース連邦軍のアンドロイド兵に待ち伏せを食らってアランダイ軍団の共和親衛隊を率いていた&bold(){スナグル=ステフトーグ}将軍が戦死。  国内ではトレーミャナルチ師団を率いていた[[シャ=スナー=トレーミャナルチ]]将軍への批判が殺到する。 **アクース占領 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|労働議会&br()(連合亡命政府)| |ベリオン|ヴァルエルク| |グライニア|ニーネン=シャプチ| |ウビウリ本国|| ・&bold(){翌1735年1月4日}  地上のアクース連邦軍の攻勢に併せてベリオン軍・ウビウリ本国軍と共に政府軍が降下。 ・&bold(){2月10日}  ヴァルエルク遠征軍の責任者でもあるサゲオス・ニルヴァエケプティス総司令官は敗色濃厚のアクースでなおも労働議会軍を率いていた[[セツ・エメルダ]]を説得し、救出。エメルダはヴァルエルク軍の輸送船の貨物室で運ばれトラドヴァに亡命した。  戦後はその傍ら、亡命政府を樹立し本国に運動を呼びかけることとなる。  ヴァルエルク軍はエメルダを救出すると地上軍を次々にアクースから撤収。アクース内戦から全面的に撤兵した。  トレーミャナルチ将軍率いる師団が労働議会民兵団と共に惑星アクースの当時の首都で最後まで抵抗を続けていたが、当時の星衛主席[[スニャールフィエ>シャ=ファウチャプガリェプネンチ=スニャールフィエ]]からの直接撤収命令が下り、民兵団を残して撤退した。 ・&bold(){3月14日}  旧政府側が惑星アクース全土を占領する。 **勝利宣言 ・&bold(){3月20日}  惑星アクースにて、&bold(){ナジュア・エルゲン}による勝利宣言。  もう疲れちゃった。続きはあとで書きます。  そこそこ進んだんじゃないかな~ *戦後  インフラに打撃を受けたシャーマ星系ではインフラに打撃を受け、内戦に勝利したにも関わらず政府の求心力が増すことはなく、さらに低下する一方であった。国民は、亡命政府を樹立した[[セツ・エメルダ]]の帰国を切望し、&bold(){ナジュア・エルゲン}に対する排斥運動が巻き起こっていた。  勝利記念パレードにおいて、旧政府の国家指導者でありアクース資本主義体制派のリーダーであったナジュア・エルゲンが旗艦『&bold(){タリッサ・ユル}』艦内で毒殺されているのが発見される。資本主義体制派の秩序は崩壊し始め、産業組合派と一定の共存を望む&bold(){ゲツカ・ウィッヒェシャルク・プナーク}率いる『&bold(){反戦派}』と完全な産業組合派の打倒を目標とする&bold(){アニャカンチェシャルク・タルキサネシュ}率いる『&bold(){民主派}』が台頭する。ヒステリックに民主主義(半ばポピュリズム的であったともされるが)を叫ぶ民主派は支持を集め、タルキサネシュはアクース領をとりあえず統治するに至る。彼は議会も再び動かすが、民主主義の保護と戦後復旧の名の下に自らの権力を増大させていった。これに民衆は二度目の民主主義の裏切りに怒り、民主主義自体に対する信用を失っていった。同時にエメルダの期間を待ち望む声が上がり始める。  シンテーア暦1736年、エメルダが貨物船に偽装した船でアクース領内に帰還。帰還後すぐに亡命政府を正当な政府とする旨の宣言を行い、賛同した民衆が国内中で蜂起。ゼネストやサボタージュ、武装蜂起などが相次ぐ。各国からも見放され首都攻防戦に敗北した旧政府はすぐに崩壊し、輸送船に詰められて逃げようとしたタルキサネシュは輸送船ごと爆破されて死亡する。その後にタルキサネシュの子らによって&bold(){アクース連合臨時政府}が樹立されたりもする。 *旧政府側が裁かれたこと  内戦を鎮圧し、政府の正当性を保つことに成功したアクース連邦とエルゲン内閣だったが、内戦中の戦争犯罪はプルスティアや[[エルミア共和国]]といった調停者たち各国によって取り沙汰され、大宇宙常設国際法廷で裁判が行われることとなった。 **エルゲン内閣の戦争犯罪 -&bold(){肉の盾事件} -民間人の虐殺 -少年兵の育成・運用 -アンドロイドに対する虐殺 --アンドロイドに対する不信感の爆発によって起きたとされる --元々[[ゴルギアの時代]]からアクース人は外国人(外国製アンドロイド)を信用していない傾向があったとされる --国民「アンドロイドは殺人兵器なんでしょう? そんなのが銃を持ったままアクース中を歩き回ること自体がおかしい!」 --軍隊「たしかにそうだよね、じゃあ全部潰すか!」 ---国際法廷で争われることになった。 -&bold(){軍用ユワイ(ヤシェルズ/Jaszeluz)}(タプラニュト) #divclass(thumbbox){ #image(ねこ.png,width=200px) #image(ユワイ.png,width=200px) 軍用ユワイ(タプラニュト) } --ちっちゃくてかわいくてかしこい(原文ママ) ---しっぽでバランスを取り、狭い場所でも移動することができる --アクース連邦軍のマスコット、象徴する動物になっていたにも関わらず、アクース内戦では胴に爆弾をくくりつけて新政府側の機甲兵器に対して自爆特攻させられていた。 ---エルミアで人気のペットとして飼われ始めていたため、エルミアを筆頭に国際的な問題として挙げられることとなった。 ---大宇宙国際法廷特捜部により捜査が行われた。 -&bold(){サヴァユッティア市立病院爆撃事件}  アクース連邦軍とサーヴァリア軍によって大宇宙救護常設医師会の医療活動が行われていたサヴァユッティア市立病院が空爆された事件。大宇宙救護常設医師会の医師・看護師、民間人・傷病兵ら320名が死傷した。  サヴァユッティア市立病院では大宇宙救護常設医師会の医師たちによって&bold(){アクース内戦}で傷を負った兵士や市民を敵味方問わず搬送・治療が行われており、中庭のビーコンからは全ての紛争当事者に位置を知らせるために国際信号を発信していた。爆撃が行われた時には付近の旧政府派の司令部に電話で中止を要請したにも関わらず爆撃が継続された。アクース連邦軍元帥&bold(){シュテークシュ・ニッグィト}はタニェ占領の際にパルチザンを掃討する目的であったと主張しているが、実際には爆撃の死者の大半は武装組織などに所属していない民間人だった。  非戦闘員の虐殺であるとしてこれを国際人道の侵害と見なし、大宇宙救護常置医師会代表のヴァスーリェ・シェンアズリ医師が大宇宙常設国際法廷による真相究明を求めた。さらに&bold(){大宇宙連合会議事務局}へ17億通の署名を集め、スモラクの大宇宙連合会議本部でも請願を行った。  1736年には、この爆撃事件の事実を認め、真相究明の協力をサーヴァリア企業連合幹部の一人&bold(){リオン・ツァブリェッド}最高経営責任者に改めて求めた。  爆撃地点である市立病院に常設国際法廷特捜部は捜査官████████████を代表とする調査団を派遣。アクース連邦軍の攻撃機2機、サーヴァリア軍の攻撃機1機による爆撃であることが判明。少なくともアクース連邦軍側は爆撃の提案・実行したとされる&bold(){ノフェシャルク・ヤシェス}司令と爆撃の許可と継続を命令した&bold(){シュテークシュ・ニッグィト}元帥が起訴された。ヤシェス司令はサッコリャル依存症を患っており、爆撃当時禁断症状に陥っていたとされ責任能力の有無が調べられることとなった。 -&bold(){フルチャーン虐殺事件}  フルチャーン上空でウビウリ本国側の傭兵団の一つ&bold(){フラブブ傭兵団}の鳥人型アンドロイド戦闘機部隊が新政府側の貨物船を次々に撃墜。民間人が多く乗っている非武装の宇宙船を攻撃したため、民間人虐殺事件として国際的な問題になった。とりわけ攻撃を実際に行ったパイロットが違法改造された鳥人型アンドロイドだったため、「&bold(){アンドロイドにどこまで人間の罪が適用されるか}」がセンセーショナルな話題として取り上げられた。  また、この事件がきっかけで国際世論の間でアンドロイド人権保障への反対派が増え、当時のアンドロイド産業の顔とも言える[[アイローム社]]、[[リヴァダー社]]への安全性が疑問視されるようになった。これに対して両社は&bold(){鳥人型アンドロイドは違法改造されたものである}」と主張し、改造されにくい設計を目指すこととなった。 **注目の戦闘 -&bold(){シルア軍の切り込み突撃}(タニェ軌道上の奇襲)  タニェ軌道上の奇襲でシルア軍艦隊がアクース連邦軍の輸送船に艦内白兵戦を挑んだものの護衛のベリオン軍第125宙戦団が逆にシルア軍艦隊に艦内白兵戦を展開しシルア軍が大損害を被った件では、すぐ近くにいたにも関わらず加勢しなかったヴァルエルク宙軍第4艦隊の指揮官である&bold(){レガントゥオス・クオリノス}総司令官が非難された。  しかしヴァルエルク軍の人命重視傾向、シルア艦隊の突撃を見たクオリノス総司令官が陽動作戦であると勘違いしたこと、シルア艦隊の切り込み突撃は成功する可能性が低かったこと、クオリノス総司令官はヴァルエルク宙軍の将校としては“誤った”命令を下さなかったことなどが判明するにつれ、ヴァルエルク国内ではクオリノス総司令官を擁護する意見が上がった。  シルア政府はヴァルエルク宙軍を非難し、シルアでは[[ヴァルエルク共和国]]に対する国民感情が悪化した。 -&bold(){ラサの奇跡}(コツカ基地防衛戦)  コツカ基地防衛戦では{ラサ・キョーカ}司令官率いるグライニア陸軍党親衛隊第3師団がヴァルエルク・グロスクロイツ両軍の約6.5倍の戦力を相手に防衛に成功。大宇宙では加盟したばかりで国家の領域が広いわけでもなく星間戦争の経験もないグライニアがヴァルエルクとグロスクロイツという大宇宙でも大国レベルの二国の圧倒的な兵力を相手に勝利したことは大宇宙の中小国の希望となった。 -&bold(){「見せてやろう、ハトリュー人の生き様と……死に様をッ!」}(チャラナギ防衛戦)  エルトリアでは&bold(){ヴロザンヴァンテ}将軍の勇敢さに感動した貴族たちが彼と戦死者の一族の叙任・格上げ請願し、ツァイヴァ女王が承認した。これは異例のケースだった。&bold(){ヴロザンヴァンテ}将軍はハトリュー人の下級貴族(士官)の出身で爵位が低いことがコンプレックスだったが、死の間際、そのコンプレックスを見事アイデンティティに昇華させたために現在でも主に階級の低い人々に人気の偉人として知られるようになった。  軍部ではエルトリア軍の旧式装備が問題視され、戦後の改革に結びついた。 -&bold(){フレンドリーファイア}(セグ強襲降下)  当時ヴァルエルク軍はアイローム、リヴァダー双方のアンドロイドを運用しており、セグ強襲降下で先に降下したファルトクノア軍に誤射したのはリヴァダー・アンドロイドであった。誤射の原因はリヴァダー・アンドロイド兵による命令無視であるとされる。  ヴァルエルク政府は後に原因を「&bold(){思考回路の誤作動である}」と発表するが、専門家たちは「&bold(){調べたけど証拠がない}」と反論した。  &bold(){ウィノスコス}中将は軍法会議で「&bold(){アンドロイド兵の導入は直前に決定されたし、そのような問題点があることを知らされていなかった}」と証言。ウィノスコスは自身の潔白を主張し、無罪となった。  その後ヴァルエルク軍は「&bold(){リヴァダー・アンドロイドがファルトクノア軍の何らかの行動に敵意を持っていた可能性がある}」と発表した。   誤作動によって兵器による乱射リスクの懸念から、ヴァルエルク政府は倫理観・道徳観によって自身を制御することができると期待して軍用アンドロイドはアイローム・アンドロイドに転換することとなり、次第に市民としてもアイローム・アンドロイドが受け入れられるようになっていく。 -&bold(){パワハラがあったという事実はございません}(セグ強襲降下)  一方兵器を大量に鹵獲されるという大失態を犯したサーヴァリア軍は記者会見で「&bold(){パワハラがあったという事実はございません}」と発表した。  まあ大嘘なんですけどね。  企業連合上層部は「&bold(){アイローム・アンドロイドが人間のための道具としては都合が悪い}」と考え、戦後はリヴァダー社製のものに順次置き換えていくことをこっそり決めた。 -&bold(){ステフトーグ将軍戦死の責任}(タニェ占領)  人望の厚かった&bold(){ステフトーグ}将軍戦死のニュースでニーネン国民は衝撃と悲しみに包まれた。一部では[[トレーミャナルチ>シャ=スナー=トレーミャナルチ]]将軍が危険地帯の進軍を助言したとされ、更迭騒動が起きた。  トレーミャナルチ将軍は社会的にもあまり知られていない人工獣人であり、さらに当時禁止されていた不死技術による不死化が政府によって行われたミュンシャ(不死化人工獣人)という珍しい境遇(政府による被検体)の将校であった。そのため国民からの嫉妬や差別意識があり彼女への風当たりをいっそう強いものにした。  ちなみに存在感の薄いハイソー将軍は文字通り一度敵を敗走させたりしている(激ウマギャグ)ので、結構頑張ってたのに注目されなくて可哀想。 -&bold(){「玉砕はするな」}(アクース占領)  更迭騒動で落ち込んでいたトレーミャナルチはアクース内戦末期、敗色濃厚の現地でどうせなら軍人らしくステフトーグ将軍のように死んでやる&footnote(当時の技術では不死化していても外傷・疾病によって死亡する)とも思ったがアランダイ軍団司令部からの撤退命令を受信する。実はこれは同じミュンシャで当時の星衛主席[[スニャールフィエ>シャ=ファウチャプガリェプネンチ=スニャールフィエ]]からの直々の命令だった &footnote(当時の星衛主席は軍隊の最高指揮監督権を有していた)のである。  二人は同じ[[74号計画]]で人工的に生み出され、[[タイユ=プノーム]]という施設で生まれ育った姉妹あるいは家族のようなの特別な間柄であるとされる。機密情報ゆえに内容は公開されてはいないが、戦地にいるトレーミャナルチにスニャールフィエから直接文書が届いたと予想される。  しかしトレーミャナルチはアランダイ軍団の自身の指揮する師団が首都から撤退する時のアクース人パルチザンの顔が忘れられないらしい。悪い夢見そう……。 *関連項目 -[[大宇宙の歴史]] -[[アクース連合]]
#divclass(infobox){{ #divclass(countryNameJa){アクース内戦} #divclass(countryName){マユィ語:tar akuséś genéc} |>|&bold(){年月日}:1733年11月5日-1735年3月20日| |>|&bold(){場所}:アクース連邦 アクース星系及びヴァユスニェ星系全域| |>|&bold(){結果}:旧政府側の勝利。その後[[アクース革命]]により打倒され、[[アクース連合]]が成立。| |CENTER:←&br()[[サーヴァリア革命]]|CENTER:→&br()[[リスヒューメ独立戦争]]| |>|CENTER:交戦勢力| |TOP:CENTER:&image(アクース旗_20R.png,width=55)&bold(){アクース連邦&br()(旧政府側)}&br()&br()&image(ベリオン旗.png,width=35)[[ベリオン共和国]]&br()&image(サーヴァリア旗_20R.png)[[サーヴァリア企業連合]]&br()&image(ウビウリ旗_20R.png)[[ウビウリ首長国共同体]]&br()[[グライニア調和国]]&br()&image(エルトリア国旗.png,width=35)[[エルトリア王国]]|CENTER:&image(労組旗_20R.png,width=55)&bold(){全世界産業労働連合総議会(新政府側)}&br()&br()&image(ヴァルエルク旗_20R.png)[[ヴァルエルク共和国]]&br()&image(グロスクロイツ旗_20R.png)[[グロスクロイツ社会主義共和国連邦]]&br()&image(ニーネン旗_20R.png)[[ニーネン=シャプチ]]&br()&bold(){ウビウリ傭兵団}&br()&image(ファルトクノア旗_20R.png)[[ファルトクノア共和国]]&br() &image(1770_harhahgaizi.png,width=60)[[全シルア労働者連盟]]| |>|CENTER:指導者・指揮官| |旧政府側|労働議会側| |TOP:&bold(){アクース連邦}&br()・ナジュア・エルゲン&br()・アケチ・ナギェ&br()・シュテークシュ・ニッグィト&br()&bold(){ベリオン}&br()&br()&bold(){サーヴァリア}&br()・タルカロン・タズリ&br()デレヤク・カルトフェプト・ビェドラ・テェツァ&br()&br()&bold(){ウビウリ}&br()・ブブコ・バティウ&br()・ンモン・ウボク&br()・マロ・ココブ&br()・チウナコ・フラブブ&br()&br()&bold(){グライニア}&br()・シャーノ・ゾラン&br()・ファ・コウ&br()・ラサ・キョーカ&br()・ユーノ・サナート・イア&br()・クザッタ・バス・ゾラン&br()&br()&bold(){エルトリア}&br()・[[ツァイヴァ3世]]&br()・ヴァヌヴァール・ヴロザンヴァンテ&br()|&bold(){労働議会}&br()・[[セツ・エメルダ]]&br()・[[ゲッツァ・チャッシャーラ]]&br()・[[ゴスマネッシャルク・ヴァルト]]&br()・セツェシュ・プローキン&br()・カン・”ネングピル”・イェーネスコス&br()&br()&bold(){ヴァルエルク}&br()・サゲオス・ニルヴァエケプティス&br()・レガントゥオス・クオリノス&br()・ウエロノン・ノスコス&br()・ディヴォヌオス・ウィノスコス&br()&br()&bold(){グロスクロイツ}&br()&br()&bold(){ニーネン}&br()・[[シャ=ファウチャプガリェプネンチ=スニャールフィエ]]&br()・ウェスルーチ=イェシライ&br()・ニャルカ=トルナーチェ&br()・ラノーイェカイユ&br()・ニェファイユ=ハイソー&br()[[シャ=スナー=トレーミャナルチ]]&br()・スナグル=ステフトーグ&br()&br()&bold(){ファルトクノア}&br()・[[レシェール・フミーヤ・ファイユ]]&br()・[[フィラン・ド・リーリエ・ア・ヌ・フィリーラン]]&br()・[[クラウン・リン・レヴァーニ・クラリナイト]]&br()&br()&bold(){シルア}&br()・”ドゥローゼーシャ”エヴェーン&br()・”ラナーシャ”マルハ| |>|CENTER:戦力| |旧政府側|労働議会側| |TOP:&bold(){国内兵力}&br()・歩兵 700,000&br()・民兵 700,000&br()・&size(8){アンドロイド兵 300,000}&br()・砲兵 15,000&br()・機甲兵力 500&br()・機兵 4,000&br()・戦闘機 1,300&br()・大型艦 19&br()・中型艦 65&br()・小型艦 80&br()・その他艦艇 250&br()&br()&bold(){介入兵力}&br()・歩兵 29,840&br()・砲兵 160&br()&size(8){・アンドロイド兵 29,000}&br()・機甲兵力 7,160&br()・機兵 140&br()・ガンシップ 61&br()・戦闘機 482&br()・大型艦 10&br()・中型艦 90&br()・小型艦 147&br()・その他艦艇 2|TOP:&bold(){国内兵力}&br()・歩兵 650,000&br()・民兵 2,000,000&br()・&size(8){アンドロイド兵 100,000}&br()・機甲兵力 200&br()・戦闘機 350&br()・大型艦 6&br()・中型艦 20&br()・小型艦 40&br()・その他艦艇 50&br()&br()&bold(){介入兵力}&br()・歩兵 914,700&br()・&size(8){アンドロイド兵 6,600}&br()・シルア戦象 240&br()・機甲兵力 7,224&br()・機兵 562&br()・その他兵力 5770&br()・ガンシップ 31&br()・戦闘機 1,938&br()・大型艦 19&br()・中型艦 103&br()・小型艦 42&br()・その他艦艇 4| }}  &bold(){アクース内戦}は、シンテーア暦1733年11月5日から1735年3月20日までに行われた&bold(){アクース連邦}(現[[アクース連合]])で発生した内戦。&bold(){ナジュア・エルゲン}政権のアクース連邦(旧政府側)に対して、労働組合派(新政府側)の革命サンディカリストを率いる[[セツ・エメルダ]]が蜂起したことで起きた。  アクース内戦は[[大宇宙連合会議]]原加盟国以外で起きた政変で初めての大規模な代理戦争であり、初めて本格的に戦闘にアンドロイドが投入された戦争となった。 #divclass(indexbox) { 目次 #contents() } *背景  1640年代後半、[[アクース連邦>アクース連合]]は[[ニーネン=シャプチ]]との平和的ファーストコンタクトを経験し、1652年に両国の国交を正式に樹立し友好通商条約である&bold(){ニョルカ条約}が締結された。これを機にアクースは[[大宇宙連合会議]]に加盟し、大宇宙の国際社会に参加した。  当時、アクースは大宇宙レベルの工業化が進んでおらず、ニーネン=シャプチへの学者使節団派遣を行うことで&bold(){技術革新の時代}を迎えた(アクースは資源国なのでニーネンが長期的に資源輸入したいですね)。  1732年、アクースは好景気を迎えた。&bold(){ナジュア・ユレン・エルゲン・エムィクボフ}内閣の中道左派政治によって、最新の輸入品などの物流がかつてない密度で動いていたのである。  しかし1733年、アクース市民は連邦が好景気を迎えているのにも関わらず、自らの生活水準が一向に向上しないことに怒りを覚えていた。その頃、アクース市民にはいわゆるストライキ権が与えられておらず、十分な労働権を確保しているといえる状態ではなかった。  1733年9月、[[セツ・エメルダ]]率いる労働者の権利向上と現政府の打倒を目指す政党団体「&bold(){全世界産業労働連合総議会}(&bold(){労働議会})」が誕生した。エメルダは以前より労働者の権利を訴えるなどの行動を大きく行っていた人物であったが、このような団体が発足するのはアクース国内では初めてであった。労働議会は最初期こそは正当な選挙による勝利を訴えていたが、すぐに民衆の怒りを色濃く反映した、いわゆる「&bold(){暴力労働者革命}」思想へと転換した。労働議会に感化された市民は、自らの会社・部署において非正規の労働組合を結成、数々のストライキやサボタージュ等の抗議活動を行った。  1733年11月、アクースで大きな影響力を持つ国営企業「&bold(){アクース星間交通}」がシャーマ星系、惑星ヅォークスとその衛星パジラスで大規模なストライキを決行。これを境として爆発的に産業組合主義の機運が高まり、ついにエメルダは民兵隊、労働組合臨時連合軍を結成し「&bold(){労働者革命}」の遂行と新政府樹立を宣言。アクース連邦と初の組織的な軍隊による衝突が開始した。 *戦争の経過 **惑星アクースとタニェの反乱 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|労働議会&br()ファルトクノア| ・&bold(){11月3日}  首都惑星アクースの工業地帯ダンルッソーで初めての大規模な衝突。 ・&bold(){11月11日}  衛星タニェのファバスヴグ、チャラナギ、スティーバ、フルチャーン(現在のエメルダ・イェーン)など数ヶ所の工業都市で大規模な同時武装蜂起。ファバスヴグ、チャラナギでは失敗し鎮圧されるが、スティーバ、フルチャーンでは政府軍(アクース連邦軍)の追い出しに成功。しかしスティーバに存在した大規模な宇宙港を政府軍が爆破したために宇宙港がなく、労働議会軍は支援物資を受け取ることができない状態になる。武装蜂起がより大規模に成功したフルチャーンで宇宙港の建設が開始される。  この武装蜂起には上陸していた[[フィラン・ド・リーリエ・ア・ヌ・フィリーラン]]が率いるファルトクノア陸軍特殊介入部隊が関係しており、特殊介入部隊に続いて蜂起は成功裏に終わった。 **第一次タニェ反攻作戦 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|労働議会| |ベリオン|グロスクロイツ| |サーヴァリア|&bold(){ヴァルエルク}| |ウビウリ本国|| ・&bold(){12月10日}  グライニアの政務報道官が「参戦を検討している」と発表。 ・&bold(){13月1日}  先遣隊であるヴァルエルク宙軍第4艦隊が到着。  ヴァルエルク軍と労働議会軍は衛星タニェのダンルッソーとフルチャーンで政府軍による反攻作戦を耐え抜いた。  サゲオス・ニルヴァエケプティス宙軍総司令は武器弾薬を労働議会軍将兵に配給し、フルチャーンで簡素な宇宙港が作られ航宙ルートが確立された。これによりフルチャーンの物資問題は解決した。 ・&bold(){13月2日}  ヴァルエルクが惑星コツカのリングに臨時補給基地の建設を開始。ヴァルエルク遠征艦隊が次々と到着。 ・&bold(){13月3日}  グロスクロイツ軍が到着。革命防衛軍第212空挺師団を筆頭に地上軍がダンルッソー、フルチャーンに降下する。内側小惑星帯に補給基地を建設。 ・&bold(){13月10日}  衛星タニェを奪還しようとしていた政府軍の輸送船団が次々と撃破される。  諦めて星系内に輸送中継拠点を構築し始める。 ・&bold(){14月5日}  サーヴァリア軍とウビウリ本国軍が星系内に到着。両国艦隊がアクース政府軍の輸送船団の護衛任務を開始。  アクース政府、サーヴァリア、ウビウリによる「&bold(){国際艦隊司令部}」がラクチェ宇宙港で発足。 **タニェへの護衛 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|労働議会| |&bold(){ベリオン}|グロスクロイツ| |サーヴァリア|ヴァルエルク| |ウビウリ本国|| ・&bold(){14月9日}  ベリオン艦隊が到着。そのまま国際艦隊(サーヴァリア・ウビウリ艦隊)と合流してアクース政府軍輸送船団を護衛。  ベリオン宙軍伝統の戦闘機による練度の高い格闘戦で数度にわたるヴァルエルクの宇宙戦闘機隊の襲撃を退け、輸送船団の降下部隊が衛星タニェに到着。 ・&bold(){14月10日}  [[ツァイヴァ3世]]による国際放送が行われ、[[エルトリア王国]]が参戦を発表。 **第二次タニェ反攻作戦 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|労働議会| |ベリオン|グロスクロイツ| |&bold(){サーヴァリア}|ヴァルエルク| |&bold(){ウビウリ本国}|ファルトクノア| |&bold(){エルトリア}|| |グライニア|| ・&bold(){14月11日} スティーバ近郊の戦い  9日深夜から10日目の午前までサンディカリストや共産主義パルチザンらがゲリラ戦を展開したが、士気の低さから十分な被害を与えることができなかったためアクース政府軍の降下部隊の集結を許してしまった。  この戦闘で新政府側は損耗を避けるためか早々にヴァルエルク軍やファルトクノア陸軍特殊介入部隊が撤退し、労働議会軍の民兵やグロスクロイツ軍の士気が低下したために次々に戦線を突破されていった。  一方、旧政府側はウビウリ本国軍とベリオン軍が制空権を確保し、エルトリア軍の高機動機兵が前線を突破し旧政府側の勝機を掴んだ。  サーヴァリア軍の企業リヴァダーアンドロイド兵はその真価を発揮し、イオンジェットパックを装備して1日に450kmを行軍してスティーバの戦闘に合流。不意を突かれ新政府側の民兵は潰走した。  この戦闘結果を受けてアンドロイド兵の有用性が国際的に知られることになった。 ・&bold(){14月19日}  衛星パジラスにて第二次反攻作戦を開始。物資不足に苦しんでいたスティーバを解放する。 **アクース・ラクチェ間星域の艦隊前哨戦 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|労働議会| |ベリオン|グロスクロイツ| |&bold(){サーヴァリア}|ヴァルエルク| |&bold(){ウビウリ本国}|ニーネン=シャプチ| |グライニア|| ・&bold(){15月7日}  ヴァルエルク軍第4艦隊のノスコス隊(分隊)を国際艦隊の主力が捕捉。攻撃を開始した。  撤退しようとするノスコス戦隊にブブコ・バティウのバティウ首長国軍義勇艦隊が攻性粒子を射出し緊急脱出ワープを阻止。ウボク首長国義勇艦隊率いる“&bold(){キル取りおじさん}”ンモン・ウボクはノスコス戦隊に甚大な被害を与える。  おいしいところだけを的確に持っていくンモン・ウボクは戦前から“&bold(){キル取りおじさん}”とあだ名で知られる有名人だったが、戦果を知ったウビウリ国民の間で賞賛され、勝利を伝える記事には「大国ヴァルエルクでさえ、彼の不思議な宿命からは逃れられない」、「そこに彼の艦隊がワープアウトした時点で勝利が確定してしまった」、「目を付けられたら確実に仕留める、正真正銘の猛禽だ」などと書かれた。  ヴァルエルク政府は、これ以上の損耗を抑えるため当時宇宙戦艦の建造を模索していたファルトクノアとの交渉を開始する。同国陸軍の協力を得ることが目的。 ・&bold(){15月20日}  グロスクロイツ・ヴァルエルク・労働議会軍の連合艦隊とサーヴァリア・ウビウリ・ベリオン・グライニア・アクース政府軍の国際艦隊が遭遇。戦闘が発生したが、消耗を避けたため両者撃破には至らなかった。  グライニアが戦闘後補給と増援との合流のため離脱。 ・&bold(){16月1日}  ニーネン=シャプチのアランダイ軍団がアクース宙域に到着。新政府側に加わって戦う。 **フルチャーン上空哨戒 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|労働議会| |ベリオン|グロスクロイツ| |サーヴァリア|ヴァルエルク| |ウビウリ本国|ニーネン=シャプチ| |エルトリア|| ・&bold(){16月1日}  ウビウリ・ベリオン戦闘機隊はフルチャーン上空で哨戒を開始。  ウビウリ本国のフラブブ傭兵団の戦闘機隊が新政府側の民間輸送船や貨物船を集中的に攻撃。便乗していたアクース市民が多数死傷し、後に戦争裁判で民間人虐殺の罪を問われた。 ・&bold(){16月2日}  ニーネン=シャプチ本国から誘拐列車船団が到着。誘拐列車はフルチャーンで生存者の捜索と治療を行い、その後拉致。また、スティーバ市民20万人を保護の名目で拉致した。 &bold(){翌1634年3月2日}  グロスクロイツ地上軍の攻勢。陸では人海戦術による全軍突撃が行われ、上空では多数の戦闘機が飛び交う制空戦が行われる。しかし陸空共に旧政府側を圧倒することはできず、スティーバ近郊で戦線が膠着状態にもつれ込んだ。 **タニェ軌道上の奇襲 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|労働議会| |&bold(){ベリオン}|&bold(){グロスクロイツ}| |サーヴァリア|&bold(){ヴァルエルク}| |ウビウリ本国|シルア| |エルトリア|| ・&bold(){3月12日}  ヴァルエルク軍第4艦隊のクオリノス隊(分隊)がスティーバへの輸送船団を護衛するベリオン軍第125宙戦団を攻撃するために集結していたところ、シルアの第三研修艦隊が旧政府側の輸送船団を鹵獲できると確信し、輸送船団に対して接舷切り込み突撃を敢行。  反撃するベリオン艦隊は重巡9隻・軽巡6隻でシルア艦隊の各艦に次々と接舷し白兵戦を行い、シルア艦隊が兵員の4割を喪失するほどの大戦果を挙げた。  ヴァルエルクのクオリノス隊を率いる&bold(){レガントゥオス・クオリノス}司令官は亜光速で通り過ぎるシルア艦隊の報告を受けた際に「&bold(){さすがに彼らがこの戦力で突撃するとはどうしても思えない。こちらに誘引することを企図した陽動作戦を行っているに違いない}」と思い込み、戦闘陣形を組んだまま待機していた。ヴァルエルク巡洋艦ウォルカ・ブロンの戦闘情報室でレーダーに映るシルア艦隊を見守っていた&bold(){セオスオム・ペゾン}准将は、下士官からシルア艦による高密度の砲撃によるエネルギーを観測したと報告を受けた。しかし、これがシルア軍の接舷前の抑制弾幕であることは夢にも考えず、「&bold(){シルア艦の砲撃システムは旧式のものなのか?}」と舌打ちしたが、その後まもなく「&bold(){輸送船団とシルア艦の距離がほぼゼロになった}」という報告を受け、ペゾン准将は状況を理解すると、「接舷だ!」「配置につけ」と叫びながら、クオリノス隊各艦に向けて「全艦戦闘態勢用意」と警報を出させた。  同様にシルア艦隊を待機していたクオリノス隊旗艦の戦闘機母艦クレストルでは、いつまで経ってもシルア艦隊は引き返す様子はなく、クオリノスは司令室で貧乏ゆすりをしながら腕を組んで陽動作戦の報告を待っていた。しかし、巡洋艦ウォルカ・ブロンから「&bold(){シルア艦隊がベリオン艦隊と交戦中}」という報告を聞いたクオリノス司令官はおもむろに司令室の椅子から立ち上がり、「&bold(){ちくしょう、やつら正気じゃねえ!}」と叫び、各艦に戦闘態勢を伝達、「&bold(){射程距離内に入り次第援護砲撃を開始せよ}」と命令したが、すでにシルア艦隊はベリオン軍第125宙戦団の反撃を受け崩壊寸前の状態に追い込まれており、各個撃破を避けるため撤退を余儀なくされた。  この報告を聞いた国際世論はヴァルエルク宙軍が陽動作戦だと思い込んでシルア軍を見捨てたとしてバッシングが飛び交った。その後、ヴァルエルク政府はクオリノス隊は分艦隊の戦闘機母艦1隻がワープアウトの最中であったため、動くに動くことができなかったとし、「レガントゥオス・クオリノス司令官の判断は誤ってはなかった」と主張した。 ・&bold(){3月15日}  グロスクロイツ・ヴァルエルク軍(第112機動師団・第4艦隊主力隊)は偽装信号を発信し、漂流したグロスクロイツ軍の分艦隊が本隊に救助を求めているように思い込ませた。  これに引き寄せられたウビウリ本国艦隊はグロスクロイツ・ヴァルエルク艦隊に包囲され、危機的な状況に陥ったが、“&bold(){キル取りおじさん}”ウボクと“&bold(){キル取られおじさん}”バティウの連携によってかろうじて脱出に成功したものの、艦隊の3割を損失するという決して少なくはない代償を払うことになった。 **コツカ近傍星域の戦い |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|&bold(){ニーネン=シャプチ}| |ベリオン|&bold(){ウビウリ傭兵団}| |エルトリア|| ・&bold(){9月19日} コツカ近傍星域の戦い  旧政府側と新政府側の間で大規模な航宙戦が行われる。  ベリオン・ニーネン=シャプチ両国の複数のエースパイロットが入り乱れる激戦となったが、エースパイロットニーネン人のヴァーグファルマによる活躍でニーネン=シャプチ側に形勢が傾いた。  絶妙なタイミングでヴァルエルク政府に雇われた”&bold(){疾風のギモ}”の異名で知られるギモ傭兵団が援軍に駆けつけ、エルトリア艦隊に襲い掛かったことで新政府側の優勢は決定的となり新政府側が勝利する。 **チャラナギ防衛戦 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|労働議会| |エルトリア|&bold(){ニーネン=シャプチ}| ||&bold(){ウビウリ傭兵団}| ・&bold(){10月10日}  旧政府側のヴァヌヴァール・ヴロザンヴァンテ将軍率いるエルトリア王国軍ハトリュー人機甲連隊が新政府側の6倍近い戦力を相手に驚異的な粘りを見せ、”&bold(){疾風のギモ}”で知られるウビウリ傭兵団長ギモ・ガンギウに重傷を負わせる決死の反撃で持ちこたえた。  とはいえ、衆寡敵せずニーネン=シャプチのトレーミャナルチ師団のクナクヌイ(多脚戦車)部隊に撃破されハトリュー人機甲連帯は壊滅。旧政府側の支配下にあったチャラナギが新政府側は占領された。  ヴロザンヴァンテ将軍は反撃前、高機動機兵パイロットの隊員に「&bold(){「見せてやろう、ハトリュー人の生き様と……死に様をッ!」}」と檄を飛ばし、先陣を切って突撃。見事ギモのガンシップを打ち破った。 **コツカ基地防衛戦 |旧政府側|新政府側| |&bold(){グライニア}|ヴァルエルク| ||グロスクロイツ| ・&bold(){11月1日} コツカ補給基地防衛戦  アクース連邦軍のコツカ補給基地にヴァルエルク・グロスクロイツ軍が攻撃を仕掛けたものの、グロスクロイツ宙軍がヴァルエルク宙軍の支援要請を拒否し、自軍の防衛拠点に兵力を割いたことでグライニア軍が奇跡の勝利。  この背景には人命を重視するヴァルエルク軍と戦局を重視するグロスクロイツ軍の方針の違いもあった。  コツカ基地を防衛していたグライニア陸軍党親衛隊第3師団を率いる&bold(){ラサ・キョーカ}司令官はまさか勝てるとは思わず戦闘前に遺書をしたためていたが、あろうことか防衛しきってしまった。ラサ・キョーカ司令官は国際的な注目を浴びるだけではなく、国内でも相応に賞賛されただろう。 **セグ強襲降下 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|ヴァルエルク| |サーヴァリア|ファルトクノア| |グライニア|シルア| |ウビウリ本国|ウビウリ傭兵団| ・&bold(){13月9日}  ”&bold(){空挺の達人}”として知られるディヴォヌオス・ノスコス・ウィノスコス中将による強襲降下作戦。惑星エガの要衝を次々と攻略。アクース連邦軍は反撃を行うも10日以内に惑星のおよそ80%が占領される。  しかし強襲降下中、先陣を切ったファルトクノア軍は後方からヴァルエルクのリヴァダー・アンドロイド兵に突如攻撃され、かなりの損害を受ける。  ヴァルエルクが裏切って攻撃してきたと勘違いしたシルア兵たちは降下したヴァルエルク宙兵隊第28師団のとある大隊を取り囲んで詰問しようとしたが、"ラナーシャ"マルハ准指揮官の取り計らいによって制止された。  ファルトクノア政府はこの一件に激怒し、以降長期的な両国間の関係に大きな影を落とすこととなった。  こうした問題を引き起こしたとはいえ、空挺によるセグ強襲降下は全体的に見れば大成功であった。  一方旧政府側ではサーヴァリア軍のアイローム・アンドロイドが上官からのパワハラを理由に前線でサボタージュをした影響で、サーヴァリア軍機兵51機、戦闘機47機が新政府軍に鹵獲されるという問題が起きていた。 **セグ軌道上の戦い |旧政府側|新政府側| |ベリオン|労働議会| |サーヴァリア|ヴァルエルク| |ウビウリ本国|ファルトクノア| |グライニア|ニーネン=シャプチ| ・&bold(){14月1日} セグ軌道上の戦い  両軍の主力艦隊による艦隊戦。  新政府側の各国艦隊は事前偵察で戦力こそ国際艦隊に劣っていたものの、グロスクロイツ艦隊の援軍さえ到着すれば撃破は可能として、国際艦隊の攻撃に対して防御陣形で対応。持久戦を展開したが、いつまで経ってもグロスクロイツ艦隊は増援に来ず、まず最初にファルトクノア艦隊が離脱。その次にヴァルエルク軍第4艦隊、労働議会軍艦隊が離脱し、ニーネン=シャプチのトルナーチェ艦隊と“ドーチェ”艦隊が甚大な被害を受けつつも撤退した。  グロスクロイツ軍とヴァルエルク軍の意思疎通不足が決定的な敗因として、ヴァルエルク政府はグロスクロイツに対して非難声明を公表した。 **タニェ占領 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|グロスクロイツ| |サーヴァリア|ヴァルエルク| |エルトリア|ニーネン=シャプチ| |ウビウリ本国|ウビウリ傭兵団| |グライニア|| ・&bold(){16月10日}  第3次タニェ地上降下作戦を開始。捕虜になることを恐れたグロスクロイツ軍が独断で撤収し始め戦線が崩壊(&bold(){パジラス事件})。  そのため、進軍は予定よりも早く完了し、翌1735年1月18日には全土を占領した。  ウビウリ本国側のココブ傭兵団とウビウリ傭兵団側のラブブメデ傭兵団による因縁の対決が行われたが、ラブブメデが突然増援の気配を察知して退却。直後本当にサーヴァリア・エルトリア軍の援軍が来たため、ココブ傭兵団の兵士たちは度肝を抜かれたという。因縁の二人の決着は[[マーカス内戦]]まで持ち越されることになる。  この時、ラブブメデ傭兵団は次々と拠点を放棄したため、雇用主のヴァルエルクの軍関係者が激怒し、彼らに対して減給を通告したと言われる。  ニーネン=シャプチ軍は退却中にアクース連邦軍のアンドロイド兵に待ち伏せを食らってアランダイ軍団の共和親衛隊を率いていた&bold(){スナグル=ステフトーグ}将軍が戦死。  国内ではトレーミャナルチ師団を率いていた[[シャ=スナー=トレーミャナルチ]]将軍への批判が殺到する。 **アクース占領 |旧政府側|新政府側| |アクース連邦|労働議会&br()(連合亡命政府)| |ベリオン|ヴァルエルク| |グライニア|ニーネン=シャプチ| |ウビウリ本国|| ・&bold(){翌1735年1月4日}  地上のアクース連邦軍の攻勢に併せてベリオン軍・ウビウリ本国軍と共に政府軍が降下。 ・&bold(){2月10日}  ヴァルエルク遠征軍の責任者でもあるサゲオス・ニルヴァエケプティス総司令官は敗色濃厚のアクースでなおも労働議会軍を率いていた[[セツ・エメルダ]]を説得し、救出。エメルダはヴァルエルク軍の輸送船の貨物室で運ばれトラドヴァに亡命した。  戦後はその傍ら、亡命政府を樹立し本国に運動を呼びかけることとなる。  ヴァルエルク軍はエメルダを救出すると地上軍を次々にアクースから撤収。アクース内戦から全面的に撤兵した。  トレーミャナルチ将軍率いる師団が労働議会民兵団と共に惑星アクースの当時の首都で最後まで抵抗を続けていたが、当時の星衛主席[[スニャールフィエ>シャ=ファウチャプガリェプネンチ=スニャールフィエ]]からの直接撤収命令が下り、民兵団を残して撤退した。 ・&bold(){3月14日}  旧政府側が惑星アクース全土を占領する。 **勝利宣言 ・&bold(){3月20日}  惑星アクースにて、&bold(){ナジュア・エルゲン}による勝利宣言。  もう疲れちゃった。続きはあとで書きます。  そこそこ進んだんじゃないかな~ *戦後  インフラに打撃を受けたシャーマ星系ではインフラに打撃を受け、内戦に勝利したにも関わらず政府の求心力が増すことはなく、さらに低下する一方であった。国民は、亡命政府を樹立した[[セツ・エメルダ]]の帰国を切望し、&bold(){ナジュア・エルゲン}に対する排斥運動が巻き起こっていた。  勝利記念パレードにおいて、旧政府の国家指導者でありアクース資本主義体制派のリーダーであったナジュア・エルゲンが旗艦『&bold(){タリッサ・ユル}』艦内で毒殺されているのが発見される。資本主義体制派の秩序は崩壊し始め、産業組合派と一定の共存を望む&bold(){ゲツカ・ウィッヒェシャルク・プナーク}率いる『&bold(){反戦派}』と完全な産業組合派の打倒を目標とする&bold(){アニャカンチェシャルク・タルキサネシュ}率いる『&bold(){民主派}』が台頭する。ヒステリックに民主主義(半ばポピュリズム的であったともされるが)を叫ぶ民主派は支持を集め、タルキサネシュはアクース領をとりあえず統治するに至る。彼は議会も再び動かすが、民主主義の保護と戦後復旧の名の下に自らの権力を増大させていった。これに民衆は二度目の民主主義の裏切りに怒り、民主主義自体に対する信用を失っていった。同時にエメルダの期間を待ち望む声が上がり始める。  シンテーア暦1736年、エメルダが貨物船に偽装した船でアクース領内に帰還。帰還後すぐに亡命政府を正当な政府とする旨の宣言を行い、賛同した民衆が国内中で蜂起。ゼネストやサボタージュ、武装蜂起などが相次ぐ。各国からも見放され首都攻防戦に敗北した旧政府はすぐに崩壊し、輸送船に詰められて逃げようとしたタルキサネシュは輸送船ごと爆破されて死亡する。その後にタルキサネシュの子らによって&bold(){アクース連合臨時政府}が樹立されたりもする。 *旧政府側が裁かれたこと  内戦を鎮圧し、政府の正当性を保つことに成功したアクース連邦とエルゲン内閣だったが、内戦中の戦争犯罪はプルスティアや[[エルミア共和国]]といった調停者たち各国によって取り沙汰され、大宇宙常設国際法廷で裁判が行われることとなった。 **エルゲン内閣の戦争犯罪 -&bold(){肉の盾事件} -民間人の虐殺 -少年兵の育成・運用 -アンドロイドに対する虐殺 --アンドロイドに対する不信感の爆発によって起きたとされる --元々[[ゴルギアの時代]]からアクース人は外国人(外国製アンドロイド)を信用していない傾向があったとされる --国民「アンドロイドは殺人兵器なんでしょう? そんなのが銃を持ったままアクース中を歩き回ること自体がおかしい!」 --軍隊「たしかにそうだよね、じゃあ全部潰すか!」 ---国際法廷で争われることになった。 -&bold(){軍用ユワイ(ヤシェルズ/Jaszeluz)}(タプラニュト) #divclass(thumbbox){ #image(ねこ.png,width=200px) #image(ユワイ.png,width=200px) 軍用ユワイ(タプラニュト) } --ちっちゃくてかわいくてかしこい(原文ママ) ---しっぽでバランスを取り、狭い場所でも移動することができる --アクース連邦軍のマスコット、象徴する動物になっていたにも関わらず、アクース内戦では胴に爆弾をくくりつけて新政府側の機甲兵器に対して自爆特攻させられていた。 ---エルミアで人気のペットとして飼われ始めていたため、エルミアを筆頭に国際的な問題として挙げられることとなった。 ---大宇宙国際法廷特捜部により捜査が行われた。 -&bold(){サヴァユッティア市立病院爆撃事件}  アクース連邦軍とサーヴァリア軍によって大宇宙救護常設医師会の医療活動が行われていたサヴァユッティア市立病院が空爆された事件。大宇宙救護常設医師会の医師・看護師、民間人・傷病兵ら320名が死傷した。  サヴァユッティア市立病院では大宇宙救護常設医師会の医師たちによって&bold(){アクース内戦}で傷を負った兵士や市民を敵味方問わず搬送・治療が行われており、中庭のビーコンからは全ての紛争当事者に位置を知らせるために国際信号を発信していた。爆撃が行われた時には付近の旧政府派の司令部に電話で中止を要請したにも関わらず爆撃が継続された。アクース連邦軍元帥&bold(){シュテークシュ・ニッグィト}はタニェ占領の際にパルチザンを掃討する目的であったと主張しているが、実際には爆撃の死者の大半は武装組織などに所属していない民間人だった。  非戦闘員の虐殺であるとしてこれを国際人道の侵害と見なし、大宇宙救護常置医師会代表のヴァスーリェ・シェンアズリ医師が大宇宙常設国際法廷による真相究明を求めた。さらに&bold(){大宇宙連合会議事務局}へ17億通の署名を集め、スモラクの大宇宙連合会議本部でも請願を行った。  1736年には、この爆撃事件の事実を認め、真相究明の協力をサーヴァリア企業連合幹部の一人&bold(){リオン・ツァブリェッド}最高経営責任者に改めて求めた。  爆撃地点である市立病院に常設国際法廷特捜部は捜査官████████████を代表とする調査団を派遣。アクース連邦軍の攻撃機2機、サーヴァリア軍の攻撃機1機による爆撃であることが判明。少なくともアクース連邦軍側は爆撃の提案・実行したとされる&bold(){ノフェシャルク・ヤシェス}司令と爆撃の許可と継続を命令した&bold(){シュテークシュ・ニッグィト}元帥が起訴された。ヤシェス司令はサッコリャル依存症を患っており、爆撃当時禁断症状に陥っていたとされ責任能力の有無が調べられることとなった。 -&bold(){フルチャーン虐殺事件}  フルチャーン上空でウビウリ本国側の傭兵団の一つ&bold(){フラブブ傭兵団}の鳥人型アンドロイド戦闘機部隊が新政府側の貨物船を次々に撃墜。民間人が多く乗っている非武装の宇宙船を攻撃したため、民間人虐殺事件として国際的な問題になった。とりわけ攻撃を実際に行ったパイロットが違法改造された鳥人型アンドロイドだったため、「&bold(){アンドロイドにどこまで人間の罪が適用されるか}」がセンセーショナルな話題として取り上げられた。  また、この事件がきっかけで国際世論の間でアンドロイド人権保障への反対派が増え、当時のアンドロイド産業の顔とも言える[[アイローム社]]、[[リヴァダー社]]への安全性が疑問視されるようになった。これに対して両社は&bold(){鳥人型アンドロイドは違法改造されたものである}」と主張し、改造されにくい設計を目指すこととなった。 **注目の戦闘 -&bold(){シルア軍の切り込み突撃}(タニェ軌道上の奇襲)  タニェ軌道上の奇襲でシルア軍艦隊がアクース連邦軍の輸送船に艦内白兵戦を挑んだものの護衛のベリオン軍第125宙戦団が逆にシルア軍艦隊に艦内白兵戦を展開しシルア軍が大損害を被った件では、すぐ近くにいたにも関わらず加勢しなかったヴァルエルク宙軍第4艦隊の指揮官である&bold(){レガントゥオス・クオリノス}総司令官が非難された。  しかしヴァルエルク軍の人命重視傾向、シルア艦隊の突撃を見たクオリノス総司令官が陽動作戦であると勘違いしたこと、シルア艦隊の切り込み突撃は成功する可能性が低かったこと、クオリノス総司令官はヴァルエルク宙軍の将校としては“誤った”命令を下さなかったことなどが判明するにつれ、ヴァルエルク国内ではクオリノス総司令官を擁護する意見が上がった。  シルア政府はヴァルエルク宙軍を非難し、シルアでは[[ヴァルエルク共和国]]に対する国民感情が悪化した。 -&bold(){ラサの奇跡}(コツカ基地防衛戦)  コツカ基地防衛戦では{ラサ・キョーカ}司令官率いるグライニア陸軍党親衛隊第3師団がヴァルエルク・グロスクロイツ両軍の約6.5倍の戦力を相手に防衛に成功。大宇宙では加盟したばかりで国家の領域が広いわけでもなく星間戦争の経験もないグライニアがヴァルエルクとグロスクロイツという大宇宙でも大国レベルの二国の圧倒的な兵力を相手に勝利したことは大宇宙の中小国の希望となった。 -&bold(){「見せてやろう、ハトリュー人の生き様と……死に様をッ!」}(チャラナギ防衛戦)  エルトリアでは&bold(){ヴロザンヴァンテ}将軍の勇敢さに感動した貴族たちが彼と戦死者の一族の叙任・格上げ請願し、ツァイヴァ女王が承認した。これは異例のケースだった。&bold(){ヴロザンヴァンテ}将軍はハトリュー人の下級貴族(士官)の出身で爵位が低いことがコンプレックスだったが、死の間際、そのコンプレックスを見事アイデンティティに昇華させたために現在でも主に階級の低い人々に人気の偉人として知られるようになった。  軍部ではエルトリア軍の旧式装備が問題視され、戦後の改革に結びついた。 -&bold(){フレンドリーファイア}(セグ強襲降下)  当時ヴァルエルク軍はアイローム、リヴァダー双方のアンドロイドを運用しており、セグ強襲降下で先に降下したファルトクノア軍に誤射したのはリヴァダー・アンドロイドであった。誤射の原因はリヴァダー・アンドロイド兵による命令無視であるとされる。  ヴァルエルク政府は後に原因を「&bold(){思考回路の誤作動である}」と発表するが、専門家たちは「&bold(){調べたけど証拠がない}」と反論した。  &bold(){ウィノスコス}中将は軍法会議で「&bold(){アンドロイド兵の導入は直前に決定されたし、そのような問題点があることを知らされていなかった}」と証言。ウィノスコスは自身の潔白を主張し、無罪となった。  その後ヴァルエルク軍は「&bold(){リヴァダー・アンドロイドがファルトクノア軍の何らかの行動に敵意を持っていた可能性がある}」と発表した。   誤作動によって兵器による乱射リスクの懸念から、ヴァルエルク政府は倫理観・道徳観によって自身を制御することができると期待して軍用アンドロイドはアイローム・アンドロイドに転換することとなり、次第に市民としてもアイローム・アンドロイドが受け入れられるようになっていく。 -&bold(){パワハラがあったという事実はございません}(セグ強襲降下)  一方兵器を大量に鹵獲されるという大失態を犯したサーヴァリア軍は記者会見で「&bold(){パワハラがあったという事実はございません}」と発表した。  まあ大嘘なんですけどね。  企業連合上層部は「&bold(){アイローム・アンドロイドが人間のための道具としては都合が悪い}」と考え、戦後はリヴァダー社製のものに順次置き換えていくことをこっそり決めた。 -&bold(){ステフトーグ将軍戦死の責任}(タニェ占領)  人望の厚かった&bold(){ステフトーグ}将軍戦死のニュースでニーネン国民は衝撃と悲しみに包まれた。一部では[[トレーミャナルチ>シャ=スナー=トレーミャナルチ]]将軍が危険地帯の進軍を助言したとされ、更迭騒動が起きた。  トレーミャナルチ将軍は社会的にもあまり知られていない人工獣人であり、さらに当時禁止されていた不死技術による不死化が政府によって行われたミュンシャ(不死化人工獣人)という珍しい境遇(政府による被検体)の将校であった。そのため国民からの嫉妬や差別意識があり彼女への風当たりをいっそう強いものにした。  ちなみに存在感の薄いハイソー将軍は文字通り一度敵を敗走させたりしている(激ウマギャグ)ので、結構頑張ってたのに注目されなくて可哀想。 -&bold(){「玉砕はするな」}(アクース占領)  更迭騒動で落ち込んでいたトレーミャナルチはアクース内戦末期、敗色濃厚の現地でどうせなら軍人らしくステフトーグ将軍のように死んでやる&footnote(当時の技術では不死化していても外傷・疾病によって死亡する)とも思ったがアランダイ軍団司令部からの撤退命令を受信する。実はこれは同じミュンシャで当時の星衛主席[[スニャールフィエ>シャ=ファウチャプガリェプネンチ=スニャールフィエ]]からの直々の命令だった &footnote(当時の星衛主席は軍隊の最高指揮監督権を有していた)のである。  二人は同じ[[74号計画]]で人工的に生み出され、[[タイユ=プノーム]]という施設で生まれ育った姉妹あるいは家族のようなの特別な間柄であるとされる。機密情報ゆえに内容は公開されてはいないが、戦地にいるトレーミャナルチにスニャールフィエから直接文書が届いたと予想される。  しかしトレーミャナルチはアランダイ軍団の自身の指揮する師団が首都から撤退する時のアクース人パルチザンの顔が忘れられないらしい。悪い夢見そう……。 *関連項目 -[[大宇宙の歴史]] -[[アクース連合]]

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