クレデリア共和国に存在する魔法少女を題材としたショート・ストーリー。

魔法少女という生態


 魔法少女という言葉を聞けば何を思い浮かべるだろうか?
 たとえば形式に則った三角帽子に紺色のローブ。いわくありげなアイテムに捻じ曲がった杖を握る魔女の見習い。
 たとえば明るい色調のロリータドレスを身に纏い、輝く宝石を埋め込んだステッキを振るう魔法の国の住人。
 たとえばそういった存在へのアンチテーゼを含む残虐、無情な理不尽の執行者。
 たとえば、そのどれにも含まれない者や、そもそも思い当たる者がないもの。

 大宇宙とは無限に広がり、無限を内包するからこそ可能性が0でない限りすでにそれは存在している。
 魔法の国。クレデリア共和国という科学で証明不可能な技術を持った国家すら当然に在るのだから。

 魔法の国で魔法少女とは何を指すのか? 国民すべてが魔法を操り、常識となった世界であるのにそれは単に幼い術者ではなく。特別な少女と呼ぶ。
 私も開発に関わった魔法少女計画だが、それでなお底は未だ知りえない。
 虚体研究機関局長。エルメン・ステイメンとしてそれを記述し、研究項目として残そう。

 ◆ ◆ ◆

 一色の青。
 飛行する少女の視界の全てはその色に塗り通された。顔を上げて見渡してそれが初めて波であると知る、それもただの波では収まらない高さを優に10mを越さんとする大波だ。
 同時に見上げた視線はその上からこぼれ落ちていく物を見る。
 木製ででき、高くマストを張り船体の小窓から多くのオールが生えたそれは絵でしか見ないようなガレー船だった。
 自分の場所など影となって迫りくる質量と、墜ちてくる質量で全部がかき消される。
 ――いや、そうではない。
 少女はその中を突き進んだ。当然のように、目に見える全ては幻だと言い張るように。
 波も船も砕かれた。当然だ、実に当然。この場所は内陸であり、水も船もあるあずがない。ここは盆地の平原でしかなく先の事など一切の関係性はない。
 少女はそれを知っていた。
 けれど視界はすぐに青に戻る。至る所に船影が浮かび、荒れ狂う波はその上を進行する少女を捕らえようと伸ばす腕のようだと。

 見た、見えた。
 一瞬の間に見通した最も青の深い場所、波の大本であり最深部。
 それこそがこれを生み出す淀み、特殊災害の核である。
 少女は初めて得物に手を掛ける。石弓には既に矢が限界にまで引き絞られいつでも撃てる状態に整えてある。
 狙えば当たる、それこそが少女の持つ力。一度視認できたならどのような障害物も意味をなさない必中を、だからこそ無造作に放つ。
 穿たれた。
 それは見なくても即座に分かる。波は薄れ、船は材木にばらけて消えてゆくから。

 安堵の息を吐く。
 ふわりと、浮いた足を地につければ草花が風を受けてたなびく。
「アディ!アディ!!」
 名を呼ぶ声の方へと向くと同じぐらいの背丈をした少女が空を駆けていた。
 アイカラク。そう呼ばれている少女は勢いのままにこちらへ抱きていくる。ドッっと重さがかかるが少女一人分は別段に重くはない、ただ驚きでこけそうになる所を今度はアイカラクが引き上げる。
「みんなは大丈夫だった?」
「安心して、かすり傷一つだってないから」
 そこでまた安堵する。
「あれ、エンピアは?一緒だったんじゃないの?」
 私と、アイカラクともう一人。エンピアーフリーディの三人で一班の魔法少女だ。もしや、まさかという妄想を生み出す前に答えは聞こえた。
「エンピアは魔女様に報告に行ったよ。私だけで十分だったから」
 なるほど。今回の災害は妙な部分も多くあったが規模も被害も小さいものだったから、災害の停止と住民の避難に1人つづで問題かった。それよりも魔女様に報告を重視するのは納得のいく。
「じゃぁ私たちもすぐに行った方がいいよね?」
「うん。あとは白服さんに任せていいって言ってたよ」
 白服さんといえば、あぁ軍人さんか。そうと知ればすぐさに飛んで向かおう。魔女様はどれも怒ると恐ろしい人だから。

 ◆ ◆ ◆

 さて、魔女殿はどう思うかな?
 1人目は実に魔女らしい、首を断たれ、身を焼き、苦痛の為の器具を受けるに相応しい完璧な悪、魔女だ。
 2人目は実に魔女に似合わない、もはや異端であるから、意に添わぬからと魔女という型に押しはめてそうだと思考を放棄した、魔女だ。
 3人目ともなれば、何故此処に居るのか不明なほどだね。君は間違いもなく分裂した個体だろう?そも目隠しといい、魔女ですらない。

 こうして同席し同じ物を食べ酒を交わすなどとは夢にも思わなかったが。
 どうせだから事の顛末から聞いておこう。どうして魔法少女などという荒唐無稽、世迷言も世迷言な少女達が現存するのか。
 21人の少女から慕われ畏怖され尊敬される魔女様だ、その辺知っているのでは?

 そうかい? そうなのかい? それでいいのかい?
 まったく面白くない話だねそれは。
 最悪の魔女という肩書はなるほど間違っていないらしい。デリテンシア、アイカラク、エンピアーフリーディの三名は戦死、それは知っている、当然だ、分相応に。
 けれど今でも彼女たちは生きているし魔法少女として機能している。
 この矛盾はどこから産み出た物なのか。当代で最も魔法に精通している三大魔女ならば知っているのだろう。

 聞かせて欲しいね。あぁ当然この食事は私の奢りだ。
 ……最悪の魔女、いきなり分厚いステーキなんて注文しだして、最悪だね君は。そのうち君が食べるステーキのような体型になればいいよ。

 ◆ ◆ ◆

 魔女様の下へと戻った時には日は傾き始め、昼過ぎから夕方へと向かいつつあった。
 3人いる魔女様の中で、私たちを師事した魔女様。
 骨の魔女というらしい。私たちと同年代の外見をした魔女様の背中を大きく開いた衣装から見える白い肌と無数の骨が翼のように伸び広がっている。
「よく来た……そう言いたいが。今儂は恋文の練習中でな。他を当たれ」
 エンピアがアンニュイな表情を浮かべていた。

 どうやらエンピアが来た時からこの様子らしい。
「これか……?心臓を掴み離さない殺し文句というのは……?私も初めてだからな、あまりこなれたような様子では軽いのではと――」
 ブツブツとよくわからない事を永遠呪怨ように口にしては紙を丸めたり破ったりと情緒不安定のそれだった。
 ここ半年前まで冷徹、血管には液体窒素が流れていると言われた骨の魔女様の威厳はない。
「あ、あのぉ……魔女様」
「んん。私は、いや儂は忙しいんだ。探せばフェンドリンだとか薔薇がいるだろうに」
「ですが、なるべく早い方がいいので……そう、私たちが手伝いますよ?だから先に……」
「お前たちがか?生娘みたいなお前たちが恋文など綴れるというのか?」
 怪訝の目だった。魔女様の目だけが冷徹な視線となって私を刺している。
「いえ、まぁ、そうですね。一応生娘ではないので……私とエンピアは」
「…………ハァ?そうだったのかお前。いや、だがそうか、フェンドリンはそういった器具も持ち込んでいたか……勝手をするものだが別にいい。
 しかしそうだな。決めつけは謝罪しよう、だが恋文はどうだ?出来るのか?」
「え、えぇ、そうですね、大の得意、ですよ……」
 嘘だった。生娘の辺りは置いておいて恋文以前に手紙もあまりか書かない身であるのだがそうでもしないと話が一向に進まない。
「ほう、意外だな。ならばパッパッと済ませるか。嘘も二言も見つけ次第骨にしてやるからな」
 ふぅと、ひとまず一歩前進したけどこれは後の方が大変そうである。

「……特殊災害の異常か」
 報告自体は単純に終わった。もともと不明な部分が多くそれを解明する為と情報共有の為であった為である。
「確かにここ数日で特殊災害の発生件数が多い。本来月に2、3回だったはずが3日前から平均して1日に2回。明らかにこの地域一帯の空間が不安定化している」
 特殊災害とは通常の天災、人災ではなく、魔力流れが淀み体積して発生する物だ。
 7つの系統に分けられ、先ほど解決したのが「追想」。土地の過去を現在に映し出し「追想」に取り込まれた者は特殊災害の消滅と共に現在からも消えてしまう。過去の者として処理され現在から追放されるのだ。
「空間が不安定になれば、特殊災害は起きやすくなり結末は空間ごと崩壊、消滅だ。厄介だな、昨日からこの辺りの魔力流に直接手を入れ怪しい場はすべて正常に戻したはず」
 特殊災害というのは淀みだけでなく、空間そのものが影響するらしい。
 淀みの発する力場によってその場の現在が周囲の現在とのズレを起こし力場の中心こそ核、特殊災害の核である。
「儂がしたようにこれは人為的だ。澄ませた流れを淀ます何者が居る、対人は魔法少女には得意じゃないだろう?軍人やら魔女共に任せておきな」
「では私達は新たに起きる特殊災害の対応と待機を?」
「そうだろうな。15年も生きてないお前たちが真っ当な殺し合いなんて無理だろうな。いくら魔法少女として強化されても不意で死ぬぞ」
 息を――呑む。刹那に背筋が凍った。細胞が一つ残らず警鐘を鳴らす。
 魔女様の目は、雑談のような最中に見せた冷たさではない。確実に視線で一度死んだと思った。
 警告だ、目はそう言っている。普段通りに過ごし一切深入りするなという。
「はい――魔女様」

 そして恋文制作は、難航熾烈を極めた。

 ◆ ◆ ◆

 随分と赤裸々だね。ほとんど恥ずべき過去だったろうに? 骨の魔女様。

 確かにそうだね、あの時期ならば君はそんな事をしていたか。
 結局ラブレターとやらは50通ほど書き上げて全てポストに入れずに燻ぶっているのかい? いやそう睨まないで欲しいかな。
 あの後君と彼とを繋ぎ合わせてみたじゃないか、私の好みではないが彼もよくモテる男だよ。魔法の才能は欠片も感じなかったがね。
 だがそうだねこの話も知っている。軍部と共に私の下にも報告と書類は回ってきた。
 神具の調整に全てに目を通せたとは言い切れないが重要な部分は確かに見て覚えたよ。
 だが君があの流れを弄っていたというのは初耳だね。あまりそういう行為は連絡だけでも寄こしてくれないかな?
 また調査するときに変に面倒くさくなってしまう。

 そこから先は最悪の魔女、君の方が詳しいだろう。実際に現場に立ったのは君だからね。
 一応私も近辺にはいたが結局少女達とは会う機会はなかった。聞かせてもらえるかな?
 あと言ってきかないだろうが少しはカロリーも考えてみてはどうだ、本当に豚でも牛にでもなるつもりか。

 ◆ ◆ ◆

 警報で目が覚めた時には、正午を過ぎていた。結局眠りについたのは夜中の4時過ぎで、見積6時間は寝ているはずなのに眠さがこらえきれない。
 大きなあくびをしつつ更衣室で着替えをすませようと習慣付いた動きで自分のバスケットに向かえば。
 誰かにぶつかった。眠気眼にはとっさに誰か分からず、反射で謝る。
「ッあ、す、すみません」
「…………」
 あれ、返事がない?
 ようやく焦点があった両目で観察すると、知らない女性が立っていた。

「だ、誰っ!?」
 驚きで、どすんと尻餅をついて余計に状況がわからなくなる。
「…………」
 な、なにも答えてくれない……。どうすればいいんだっけ? まず、通報? それとも敵とかだったら戦えばいいのかな?
 分からないままに右手を首裏に埋められた装置へと手をかけて変身するかを迷う。
 迷ってたらダメだ。え、ええいッ――!
「――!?」
 変身はされなかった。腕や指には固く白く、棒状の物が蔦のように絡めとって少しだって動かせないよに間接を固められている。
 一人じゃない……!
 勢いよく、首が強引さで痛むのも無視して振り向く。そこにいるのは二人目で、見覚えがあった。忘れるはずもない、骨の魔女である。
「あんまり勢いで変身なんてするんじゃない。それに寝る前に説明しただろう、寝起きが悪いのもデリテンシアの特性なのか?」

 骨の魔女から説明を再度受けようやく現状が飲み込めた。
「えぇぇっと……。じゃあこの女性が、2代前のデリテンシアさん? っていうことですか」
「そうだ。魔法少女というのが襲名制度を採っているのは知っているだろう? そいつは綺麗な死体で残ったから儂が死骸操術で人形にしておいた。神具との合一が多少は残っているからそれなりに使えるだろう」
 ちらりとその2代前のデリテンシアを盗み見る。
 あぁ、なんだか肌も青白いし、目も濁ってるし、不気味だなぁ……。
「そいつを今後は連れていけ。戦力でならお前より約に立つだろうし、危険になればこいつを盾にすればいい。特殊災害だって単身突っ込ませても解決できるさ、一回で潰れるだろうが」

 そんなやり取りをして現場にデリテンシアさんを連れて到着したころにはアイカラクとエンピアの二人がすでに鎮めていた。
「ちょ、ちょっとアディ? なんか後ろのオネイサン、ゾンビーみたいなんだけど」
 肘で突かれ耳打ちされた事には、私も同意するしかない。
「骨の魔女様が、護衛にと就けてくれた方なので、安心できる、はず」
 本当に、大丈夫なのだろうか……。自分で言って不安になってくる。デリテンシアさんは私達の先輩だけど死体のせいなのか声も、呼吸音すら聞こえない不気味さがどうしても消えない。
 魔法少女というには成長した体格ではあるけど、確かに衣装は私のデリテンシアと似ているのは間違いなかった。
 観察もそこそこに、また警報が知らされる。
「……、最短記録更新? 日に日に短くなってるきがするよ」
「直ぐに向かうよエンピア。アディも」
「えぇ、デリテンシアさんも付いてきて」
「…………」
 何も発さないまま最後尾について飛翔する。
 次の現場はかなり近い、北に1200mと、建築物さえなかったら十分に視認可能な距離である。
「ッ……。何、あれ」
 先頭を駆けるアイカラクが零す声を、同時に視覚で原因を見た。高度をとってすぐに現場を俯瞰できたためであるが、それは異質のそれ、現実なのではない異空間ともいうべき状況だった。
「あれは、森? それも気持ち悪い、内臓みたい」
 100mほどと小規模だが、群青の森は確かに脈動していた。嫌悪感を刺激する雰囲気をそれが放っている。
「行かなきゃ、アイ。軍人だってあんなのどうにもできないよ」
「う、うん」
 少し弱気になっている。それは私だって変わらないけど、森の端から突入する白い服を見れば何をすべきかは理解できた。
「アディは上から核を探して。私とエンピアは降りて揺さぶるから」
 上空で散会する。隣に浮くデリテンシアさんも弓の武器を持つはずだ。同じデリテンシアであるのだから、武装も似通って当然だと。
「デリテンシアさんも、核を見つけたら破壊してください!」
「…………」
 沈黙だが了解だと理解する。
 広がった森は徐々に範囲を広げてゆき、地方であるこの町を少しつづ吞み込んでゆく。石弓を引き絞り上から軍人さんや二人の援護射撃を飛ばす。
 森は衰えず、二人の周りの樹木が消し飛ばされる度にそれを上回る成長が覆う。想定外、以上だ、上からでは枝葉が邪魔をしてくる、この程度ならすぐに見通せるほど伐採されると考えたが再生速度が異常以外のなんでもない。
 これは、昨日対応した「追想」型ではない。悪魔の星、魔郷へと場を変質させる「異郷」型、過去の幻影ではないからこそ、実物として存在している。
 まずい、降りるべきか……? いや、上をとっているアドバンテージは重要だ。特に弓なら森の中では射線が通らない……ッ。
 迷う心はデリテンシアに視線を送るが彼女は何もしない。いや、自動では動かない、必ず彼女は受動的で、それが人形の証であるから。
「デ……、デリテンシアさん。二人の援護に入っってください」
 言い切りと同時に、デリテンシアは落ちた。落下した。
 それに続く。アドバンテージなんて、捨てた。これは危険だ、解決よりも先に二人が生還しなければいけない。
 死ねば、デリテンシアのように人形として残るかもしれない。私と彼女の関係のように、魔法少女の名と力は継続されるかもしれない。
 だけど私は二人に今のデリテンシアのようにはなってほしくない。自我のない人形に、よく知る二人がなってしまうのはとても、とても悲しいから。

 自然落下を自ら加速させ地面に激突した時、爆音で土が舞い上がり、デリテンシアはすでにぐちゃぐちゃだった。
 人の姿ではない。人外だ、外道の装いだ。
 腕からは8本の刃物が伸びている。
 足からは2本の刃物と、己を飛ばすバネのような作りに代わっている。声など出るはずもない、あれは正真正銘のバケモノだと。

 背中から5本が追加で生える。するすると何mにも伸び、デリテンシアが半身を廻せば刃物の軌跡が切断面となって樹木を両断する。
 回る廻る、小規模な竜巻、鎌鼬の光景は近寄れない、全てを切断する球形の場が引き起こす。
 風のように、斬撃は風切り音を鳴らして移動する。木の再生速度を上回る損失で対応し、森を突風となって道を作る。それでも森全てが刈り取られたわけではない、エンピアとアイカラクを見つけて早く立て直さなければならない。
 デリテンシアの後を全力で飛んでも置いて行かれそうな中、針の筵を裏返したような人だったモノを見る。
 なぜ、あの人はああなってしまったのだろう。そして、あれだけ力があっても助からない物があるという事が。

 気づかなかった、意識を前に集中していたからだがそれはどうしようもないことだ。そうでなければ置いて行かれるし、彼女が切り飛ばした枝が最後の抵抗にと枝を振って飛んでくる。
 だから、だからこそ天から落ちてくる光を見落とした。
 森は光に包まれたときにそれに気づいた時には既に終わっていた。

 ◆ ◆ ◆

 2代前のデリテンシア。あれはなかなかに興味深い被験者だった。
 彼女のカルテならば空で言えるほどにね。それだけ彼女の適正と能力は特殊だったわけだ。
 本名はアルイ・マーギスルイス。魔法少女は皆、力の源である神話伝承に登場する神々の武具「神具」の欠片を納めた神管を首裏に移植している。

 神具との適正、合一深度は魔法少女の力と直結し神具と深く合一し変身することは魔法少女がより力を付ける経験となるのだ。
 しかし人と神具では魔力の桁が3つは違う、初期状態では自我を持つ人がメインだが末期状態では人と神具との差はなくなってゆき結果総量の多い神具のおまけ程度に落ちてしまう。
 この転神化現象により魔法少女は魔法少女でいられなくなる、死と同義だ。より強力な魔法少女が欲しいが行き過ぎれば無能になる。
 彼女はそういった問題点を解決する道筋の一つだと思っていた。

 彼女は合一深度が一定より上昇しない。転神化現象が途中で進展しなくなる特異体質だった。
 弓の武器を持ちながら刃物を使ったのはそのせいだろうな。あれは恐らく弓矢を加工したものだろう。
 私は彼女の体質を調べるために7度、解剖を行った、その記憶がどこかららか神具の変身に作用したのだろう。

 あれは死後に8度目の解剖を行ってから骨の魔女に預けたが、やはり人形にしていたか。まぁ君ならそうすると知って渡した訳だけどね。
 君は彼女の筵を異形と呼んだが、そういうなら君の方が異形だろう? なんて言っても君は骨の魔女だ。

 ◆ ◆ ◆

 光は全てを呑んでなお強く、強く。

関連項目