メロンパン教クレデリア共和国などで信仰されている宗教である。メロンパンを神の食物とし、メロンパンを崇め、メロンパンを食す。


メロンパンを崇めよ


教義

  • メロンパン教を崇め、食し、広めること。
  • メロンパン教会に秋、一番のメロンパンを収めること。
これらにすべて集約されており、これ以外の教義は殆どない。
信者はメロンパンを他者に勧め、よりおいしいメロンパンを焼くことを目的として行動している。

また『偉大なるグムリェ』では4柱として
  • メロンパンを崇める
  • メロンパン食す
  • メロンパンを広める
  • よりメロンパンをおいしくする
ことが挙げられている。
ここにはメロンパンの奉納が含まれないが、それでも奉納を行うのが基本とされる。

メロンパンの定義

メロンパン教におけるメロンパンの定義は、「緑の球体で格子状に白の刻まれた神の食べ物」を再現したパンであり、主に格子の刻みを施したものをメロンパンとして扱う。
しかし厳密な定義を巡って意見が分かれ、多くの派閥に分かれる原因となった。

派閥

名称派
「メロンパン」と名義された物を隔てなく信仰する派閥。
現在の最大派閥であり「メロンパン」の名称ならば他の物であっても収集する志向である。
形状派
格子の刻みを施されたパンのみを信仰する派閥。
刻みを重要視し、それのない「メロンパン」は「メロンパン」ではないとし、避けやすい。
原初派
原初のメロンパンを求める派閥で原初のメロンパンのみを特に信仰する派閥。
原初のメロンパンの再現に力を入れ素材の厳選などにもこだわっている。
新革派
新たなるメロンパンを求め、開発に力を入れる派閥、ほかの派閥も同時に所属することもある。
中身に肉や魚など奇抜な物を入れたりや、麻薬物質を入れたりなどインパクトや事件に事欠かない宗派である。
昇天派
メロンパンを最後の晩餐とする事、死因にすることが最も幸せだと考える過激派派閥。
信者の自殺率が高いため非常に少量。
メロンパンに致死性の高い物質を入れるため、食べれば死に至る可能性が非常に高い。
犯罪に含まれる行為だがメロンパン教会は信仰の自由として黙認し波紋を呼んでいる。

等星

現在のメロンパン教には信者の信仰や働きに応じて等星が与えられ、それが高いほどメロンパン教の資材や資料を利用できる。
0等星
開祖であるポピエアやその父ケウベのみ。
1等星信者
歴代教皇やメロンパンにおいて大きく貢献した偉人など。
2等星信者
教皇補佐や各地の教皇代理など。
3等星信者
各地、教会代表など。
4等星信者
大司祭、司祭など。
5等星信者
一般聖職者、一般信者など。

起源

メロンパンの壁画
クレデリア語ではグムリェ教と呼ばれる。その歴史は古く、ティクト歴7年にはひな形が完成され、ティクト暦24年に成立した。
分類としては神信仰に属するが、正確な信仰対象は神の食べ物である「緑で格子状に白の線が刻まれた果物」を真似て作られたパンである。
これらの伝承はメロンパン教の正典である『偉大なるグムリェ』や『ロル書記』などに深く記されている。
ティクト歴7年に神により与えられた小麦を使い、その年最良の小麦を使ったメロンパンは、神に認められるほど美味であり、お礼として神は来年の豊作を約束した。
この時以来、年に一度秋の小麦収穫の時期には、最もよい小麦を使い神に奉納することで来年の豊作を願う習慣として確立。ティクト歴24年にメロンパン教として成立した。

歴史

ティクト歴24年、開祖ポピエアによって提唱、初期メロンパン教が誕生する。
ティクト歴7年から続く習慣を宗教として確立し、ティクト最初の宗教となる。

神話におけるメロンパン像

黄金に輝く原初のメロンパン(想像図)
後期ゼラム神話以降よりメロンパンが登場する。
これは前期ゼラム神話と後期ゼラム神話がティクト誕生によって区切られているためである。
第三次ホルセ反乱終戦時に開かれた宴には、メロンパンも並べられ人気を人気を博したとされる。

通説では『偉大なるグムリェ』の示す通り、メロンパンはティクト歴7年にテセシルがゼラムに持ち込んだとされているが、『ロル書記』ではテセシルではなくロルが持ち込んだとされている。この二つの聖典の間で議論が長く続けられたが、プロルド歴598年に神話学者ラーグズ・ラーグ=ベルトにより、14番目の神としてのロルであるという説が提唱された。

メロンパンの研究

宗教として成立してから現在に至るまで多くのメロンパンの研究がなされ、メロンパンに適した小麦や砂糖の開発に器具、かまどに至るまで様々な改良が重ねられた。
また、メロンパンに対するさまざまな根本的な思想の変革によりいくつかのメロンパン論が形作られる。

自然的メロンパン論

自然より生ずるメロンパン。
メロンパンは自然の一部であり、自然より生まれてくるという思想。
メロンパンが神の食べ物の再現ではなく、自然の恵みの一つであるとして、自然信仰を取り込んだもの。
本来の形からは大きく外れているが、れっきとしたメロンパン教の一種である。

自然的メロンパンは、純粋に素材の味を楽しむために天然素材にこだわって作られたものと、メロンパンを実として、神の食べ物そのままを再現しようとするものの大きく二つに分けられる。
双方ともに原初派に近い性質を持つため、自然的メロンパン論者の多くは原初派に属する。

宇宙的メロンパン論

宇宙より飛来するメロンパン。
空より落ちてくるメロンパンであり、宇宙の神秘の一端を担う存在。メロンパンを放射する天体を信仰し、母なる宇宙を信仰する思想だが、宇宙信仰からはかけ離れた異物のような扱いを受け、否定する者が殆どである。

特殊な信仰儀式として、夜に火を焚いた周りを取り囲み、円陣を組んで踊りや歌を歌い、メロンパンの飛来を願うメロンパン乞いを行ったりとするなど、メロンパン教から見ても特殊な位置付けである。
独創魔法として、メロンパンを空から降らす魔法や、落下するメロンパンをつぶさずに空気で受け止める魔法などを開発したりしている。

分布

クレデリア共和国 約7億3000万人(ティクトの宗教で2番目の信者数)
ニーネン=シャプチ 約5000万人(全体人口の0.00167%)
ツーンカ民主主義共和国 約3000万人
ロフィルナ連邦共同体 約1億人
その他地域 約41億1000万人(連合会議外国家も含む)
合計 約50億2000万人

クレデリア全体に多く分布し、首都ミティアではパン屋の5割が信者である。
虚体空間航路安定後には輸出としてメロンパンとメロンパン教が各国に伝わる。
サーヴァリア王国連邦エルトリア王国ミルドネジア公国ツーンカ民主主義共和国をはじめとして、ニーネン=シャプチからの租借地にも広がっている。

各国語におけるメロンパン

クレデリア語 (クレデリア共和国)
gumlie (グムリェ) メロンパン
リパライン語 (ファルトクノア共和国)
Gumlierss(グムリェース) グムリェ教、メロンパン教
ダン=ラ=ハン語 (ニーネン=シャプチ)
nialf-saniou (ニャルフ=サニョー) メロンパン
dagma sha-nialf-saniou (ダグマ・シャ=ニャルフ=サニョー) メロンパン教
エミュンス語 (ジエール帝国連邦)
guml:e (グムリェ) メロンパン
カーナ語 (ツーンカ民主主義共和国)
kumyarre (クミャーレ) メロンパン
kumyaroxe (クミャローシェ) メロンパン教
にゃう語
gumure yatima (グムレ・ヤティマ) メロンパン教
ロフィルナ語(ロフィルナ連邦共同体)
Den senðias broðæna liks meloneer (デン・センディアス・ブロデァーナ・リクス・メローネエル)メロンパン教

他宗教とのかかわり

メロンパン教では神ではなく食べ物を信仰するため、他宗教と同時に信仰することが容易である。
そのために宗教間での問題は発生しにくく、虚体空間航路安定後の異国にも定着しやすく多くの信者を獲得するに至る。しかし「神」もしくはそれに準ずるものが存在しない自然信仰や宇宙信仰とは対立せざるをえなかった。

すらんちメロンパン教

近代噂されるすらんち教と習合された宗教であるが、教皇は正式には認めておらず、一部信者の自由として放任している。
すらんち教は生体信仰であり、メロンパン教とは大きく外れたところに位置するが、形状の類似を理由にメロンパン教の一部となった。
すらんちメロンパン教の製造するメロンパンはすらんち思想が強く、倫理的問題に発展する可能性を指摘される他、形状派メロンパン教徒からは格子がないことを問題視されている。
さらに、すらんち教会及びすらんちメロンパン教会での性犯罪説が浮上して以来、メロンパン教会の視察団が巡回するようになっている。

独創魔法

メロンパンを窯なしで焼き上げる魔法。
メロンパン作る魔法。
自ら作ることに意義を置く原初派からは邪道として扱われる。
メロンパンを降らす魔法。
上に同じく邪道。しかしこの魔法は数十名で行う大型魔法で、一度に二桁の数を降らせる魔法である。
降ってくるメロンパンをつぶさずに空気で受け止める魔法。
この魔法は発表後ほかの魔法技術の研究を行っている者から評価を受け、技術が広まった結果現在多くの用途で使用されている。
これが宇宙的メロンパン派において作られた魔法であることを知る人はごく少数である。

偉人

賢者ケウベ
メロンパンの創造に関わった賢者。
神の食べ物を再現し焼き上げる事を提案した人物であり、彼とその娘ポピエアが原初のメロンパンを焼き上げたと言われている。
始祖ポピエア
現在のメロンパン教を形作ったケウベの娘。
初代教皇であり、メロンパン教の17人の星者の一人で最も偉大な星者である。
現在の奉納儀式へ整えたり、メロンパン思想の基礎を作り出した。メロンパンの加護によって200年を生きたとされる。
そのために彼女の子孫とされる人物は多く、彼らはみなメロンパン教の発展に大きく関わってきた。
星者リア・エフィ・リグナ
17人の星者の中で最も新しく星者になった。
広く交友関係を持つようになったクレデリア共和国の国軍機兵部隊エースであり、多くの国を巡ると共にメロンパンの布教を行った。
彼女の功績は多く資料に残され、近代の信仰者からの人気が高い。彼女の恩師デュークフ・グムリュ・デニスと妻クレト=リカ・アヌもまた、彼女の影響で高い人気を得ている。

文献

メロンパンを信仰せよ、メロンパンを食せよ、メロンパンを広めよ、メロンパンを極めよ、メロンパンを永遠のものとせよ(『偉大なるムグリェ』第1章第1文)
始祖ポピエアはメロンパンに愛された子である。他の民たちの4倍もの時を生きた彼女は教皇たるにふさわしく加護を受けた星者であり彼女の子は誰一人欠けることなくメロンパン教に大きな成果をもたらした。(偉大なるグムリェ第2章第53文)
7つ目の春が訪れる。人々は偉大なる神テセシルに多くの果物を捧げたが神はそれを食すことはなく、続けて言い放つ。神は食べることを必要としないと、ただ唯一例外の果実があると。偉大なる神テセシルはその右手に人の頭ほどの大きさを持つ緑に格子状に白の線が刻まれた果実を生み出した。これこそ神の食べ物である。その後偉大なる神テセシルは人々に小麦の種を作り与えた。(『ロル書記』第2巻第21章)
7つ目の秋が訪れる。人々は偉大なる神テセシルから与えられた小麦を正しく育て初の小麦を得た。その小麦は黄金に輝き人々はこれを用いたパンを焼くこととなるが、黄金の小麦の中でも特に優れた小麦だけを使用して神の食べ物を再現し、捧げる事が賢者ケウベによって提案された。(『ロル書記』第2巻第25章)
原初のメロンパンは太陽の如き輝きを放ち焼きあがった。人々は偉大なる神テセシルにこれを捧げたところ、偉大なる神テセシルは喜び原初のメロンパンを褒めたたえ、来年の豊作を約束した。(『ロル書記』第2巻第26章)
三度目の反乱も無事収まった。神に隠れ製造された兵器は天使を打ち落とすものの、神を傷つけるには至らなかった。ゼレギウスは事態収束の祝いとして宴を7日間にも渡り開き、その際にはティクトより持ち帰られたメロンパンも多く並んだ。新しさに惹かれた神々はこぞってそれを食し、かつての偉大なる神テセシルがそうしたように、褒めたたえた。(『ロル書記』第2巻第59章)
リアの活躍には目を見張るものがある。彼女は本来メロンパンを作ることが不可能な土地であっても代用品を見つけ出す才能を持ち、仕事で訪れる先々でメロンパンを焼き上げてみせた。この開放的な社会になったおかげもあって、おそらくもっとも布教を成した者であろう(『現代グムリュの新たなミカタ』6章)