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 本記事では大宇宙の歴史における軍事の編成や技術の変遷をまとめたものである。


大気圏外戦闘

 本稿では大気圏外の艦隊戦・宇宙戦闘機の戦闘について述べる。

エルミア帝国拡大の時代

 シンテーア暦1514年に勃発したラヴェルト=ボルガード戦争では、エルミア率いるラヴェルト連合が領内への侵略を目論むボルガード連合に宣戦布告された。ボルガード連合の主力艦隊はラヴェルト連合に比べ、技術、士気共に優れており、戦争序盤は大敗こそ免れたが、ラヴェルト連合は各地で撤退を繰り返した。戦争が長期化、泥沼化するにつれてラヴェルト連合の国内は混乱しはじめ、ついには軍部による政変が発生し、内側から瓦解した。
 ラヴェルト連合は辛うじて勝利を収めたが、軍事技術において大きな課題が見つかった。エルミアはこれにいち早く気づき、制度改革を行うことで軍拡を推し進めた。
 こうした影響力の向上もあり、シンテーア暦1525年にラヴェルト連合を廃止し、エルミアを頂点としたエルミア帝国を樹立した。
 この頃には、前初期型戦艦の建造が終了し、総勢200隻を超える大艦隊が編成された。
 その後、1530年に惑星ゲルデンの諸国を発見し、接触。エルミア帝国はこれを平和的に併合するために外交努力を重ねるが頓挫。1536年にエルミア=ゲルデン戦争が勃発することとなる。

エルミア帝国の黄金期

 エルミア=ゲルデン戦争では初期型戦艦が各地でゲルデン連合の巡洋艦クラスを次々と撃破し、ゲルデン艦隊を壊滅させるほどの活躍を見せた。
 エルミア帝国は更なる改良を加え、対巡洋艦クラスとの艦隊戦に特化したスモラク級戦艦を建造。そのため、ゲルデン連合は早くもシンテーア暦2年余りで降伏した。
 戦後は、ゲルデン星のパルチザンやテロリストに対抗するため、エルミア占領軍によって治安維持を目的とした中型哨戒艦が大量に建造された。

エルミア革命と艦隊戦のイノベーション

 占領時代のゲルデンではエルミア帝国に抵抗するために多くの市民が宇宙船や兵器を密造していたが、それらが次々に治安維持軍に襲撃され、大規模な造船所等はことごとく爆破された。
 そのため、エルミア帝国に占領された各地の反乱分子は密かに宇宙空間上で戦闘行動を可能にした小型の宇宙戦闘機を開発。
 しかし、この小型宇宙戦闘機はエルミア帝国の軍隊に対して非常に有効な対抗手段であった。エルミア帝国打倒を標榜に掲げたエルミア革命では各地の反乱分子がほぼ同じ設計の宇宙戦闘機を多数繰り出し、エルミアのスモラク級戦艦を次々と撃破していった。このため、エルミア帝国の艦隊は瞬く間に殲滅され、エルミア革命を達成する最大の要因になった。

エネルギーシールド技術の実用化

 1746年、マーカス連邦リヴァダー社によって開発された。マーカス連邦主力の連邦星系艦隊にいち早く実装された。
 この革新的な防御機構は各国の注目を集め、次々にライセンス生産や購入、国産化が進められた。

エネルギーシールドの概要

 電力の著しい消耗をもたらす代わりに、エネルギー粒子による荷電粒子砲やレーザー砲などの大宇宙の標準的な艦砲射撃を無効化し、吸収する球状の膜を生み出す。出力によって吸収できるエネルギー量は異なる。シールドの電力量よりも上回るエネルギーを投射した場合、上回った分だけのエネルギーがシールド面を通過する。また、この時多くの場合シールドジェネレーターが非常に高い負荷により故障する。
 シールド面は極面というプラスとマイナスの面があり、エネルギー粒子がプラス側からマイナス側に通過しようとする時には無効化するが、反対側(つまりマイナス側からプラス側に通過しようとする時)の場合全く影響を与えることなく透過する。シールド面を通過する時、人体や低出力の機材には全く影響ないか、あったとしても極めて微弱なものだと考えられている。

初期型エネルギーシールド

 各国で様々な呼び方がされているため、統一された名称は「初期型エネルギーシールド」とする。
 当時の技術では、通常の艦載バッテリー及び発電機では一般的には30分展開できれば長い方とされた。シールドの起動および停止に1シンテーア時間(およそ1時間半)ほどもかかった。
 このため、各国の軍艦は以前と同じような頑丈な装甲のままシールドジェネレーターを搭載した。戦闘の重要な場面になるタイミングでシールドが展開できるようにするため、あらかじめ戦況を予測してシールドジェネレーターを起動する必要があり、このタイミングを予測できる提督や艦隊司令官が優秀な軍人と称された。
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最終更新:2020年01月10日 09:12