サッコレ公害事件(アクース語:)はアクース連邦の鉱山惑星サッコレで発生した公害事件である。

過程

鉱山惑星サッコレ

サッコレは鉱山惑星であり、宇宙から見ても地平線がぼやけるほどの砂塵が舞っている。ラ=クー星系の一惑星であり、ゼニー=プ=ハン帝国の領土であったが現在は『ラ=クー星系間貿易』という会社に実質上占拠されている。主にチタン、モリブデン、ニッケル、サッコリャル(後述)などが輸出されている。水面積率は低く、小さな海の周辺に会社の重役が固まって住んでおり、人口の90%以上は奴隷である。

産業とサッコリャル

サッコレの主な産業としてはレアメタルがあるが、裏社会や海外の裏ルートを通して外貨元となっているものとして、サッコリャル(Sakkollar)という重金属鉱物ドラッグが存在している。サッコリャルは未精製だと白っぽい鉱物であり、そのままの粉末では効果が存在しないが、熱で分離して乾燥させる精製過程を経ることで向精神性を持つ。サッコレの住民(シャーマン)は一般的にこれを服用していた。サッコリャルのみを服用することは致死性があることはシャーマンの中で自然に理解されており、危険であるためにお茶にすることによってその致死性を低めていた。この致死性を取り除くことも可能であるが、硬度な技術が必要であり裏ルートを通した外貨産業、少なくともサッコレでは適用されなかった。基本的に流通しているものは古く、整備が行き届いていない機械によって作られた荒い抽出物であり、溶媒に汚染されたペーストはしばしば毒性を生じさせる。

サッコリャルの効能と健康被害

 サッコリャルの効能は多幸感や幻覚がある。サッコリャルを使い続けると骨髄内での造血機能、消化管や肝臓機能が低下する。最終的には心臓の負担が増幅されることで、心房細動を伴う心筋梗塞によって死に至る。しかしながら、長期間に渡って純度の高いものを利用している場合にのみこのような症状が発生するために基本的にはサッコリャルによる致死性はサッコレ内では低く抑えられていた。

シャーマンとサッコリャル

 サッコレの原住の民族シャーマンが使ってて、サッコレの主要産物となった、もともと鉱山惑星としての開拓を期待されていたがサッコリャルがすぐ見つかったからすぐに主要な産物となった、そのせいでサッコリャルの名前は『サッコレに関する』という意味を持つ。ツーンカの(著名なギャング)が扱っていることで有名であり、バカ売れしてる。サッコレを採掘している会社に『ラ=クー星系間貿易』があり、ツーンカのマフィアにのみならず†各国の政府に大規模な影響力を持っている†とかいないとか(陰謀論要素)。

サッコリャル精製と公害の始まり

 サッコリャルの精製過程では有害物質が排出されることになった。精製過程を通して発生した有害物質は秘密裏に精製している企業によって近隣河川の下流に流されたり、森林や空き地の土壌に流されて汚染した。これに関しては企業が公に産業廃棄物として処分を行うことが出来なかったことやサッコレがスラムであったことから現地企業の労働者が廃棄物の危険性を認識できなかったことがある。
 精製に基づく有害物質はまず近隣河川で有害な影響を及ぼした。

ヒーシェ・シェイン川の汚染

 サッコレの巨大河川の一つであるヒーシェ・シェイン川は最初にこの影響を被った。この時期、サッコリャルの精製企業の168の精製機構がこの川に汚染物質を垂れ流している。この川は現地語(サッコレ=ラバ語)で「ビーバーの川」を意味するヴァリュスフラと呼ばれていた。アクース語では「綺麗な川」を表すヒーシェ・シェインという名前であったが、汚染が始まって以来、シャーマンからはガジフッデ・シェイン――つまり、「祈りが無ければ死ぬ川」と呼ばれるようになった。これは彼らの歴史からも分かる汚染の拡大を示している。

川魚の汚染と地域病

 この地域においては汚染物質を川魚が食物連鎖の中で生物濃縮することになった。この川魚を食べていたヒーシェ・シェイン川の下流域に住む住民には顕著に特有の病気が現れていた。主な症状としては感覚障害、運動失調、求心性視野狭窄、聴力障害、平衡感覚障害などで、主に中枢神経に機能する事に関しての病気であった。稀に生成に必要な硫酸や過マンガン酸カリウム、廃油でさえも川にそのまま流された。この場合、上流では川に死んだ魚が浮かぶ姿が見られた。
 民間の間では地域特有の病気として重大視されていなかったが、現地では毎年数十名の死者を出していた。教育が行き届いていなかったことや不免許の医師が現地で不法な医療行為を行ってそれを現地人が支持していたことが原因で、この地域病は長年顧みられてこなかった。

初動とその反動

 シンテーア歴1703年の2月、地方医師会の医療福祉スタッフとして働いていたヴァスーリェ・シェン・アズリ医師は休暇の間に訪れたサッコレにてこれらの地域特有の病気に関して原因不明の発症であることに疑問を持ち、研究長期休暇を得て住民の生活環境などを二年間調査した。結果的にこの河川から取れる生魚から高濃度の複数の有害物質を含むことを突き止めた。これらの有害物質は自然な河川における生物濃縮のレベルを大きく超えており、何らかの人為的影響を仮定したヴァスーリェ医師は、採掘労働者労働連合に調査を訴えたが該当労働連合はこれを拒否した。
 この時点で採掘労働者連動組合は裏ルートに薬物を流している違法企業が有害物質を河川に流していることを認知していた。実際にヴァスーリェ医師の訴えの後に、河川の生魚の調査を秘密裏に行い、異常なレベルの生物濃縮を記録していた。しかしながら、この調査結果は公表もされずにもみ消された。原因として、採掘労働者労働組合が違法企業を認知しておきながら、それを政府と共に告発することの出来なかった刑事的責任を問われることと違法企業とはいえ自己に属する組合員の雇用を大量に崩壊させることになることを恐れたためであった。ここで出されたヴァスーリェ・ヴァリュスフラ建議書は「サッコレの全体的な勃興に伴い、ヴァリュスフラ川流域に於ける異常病は勢いを増している。土砂に流入する畑の作物は異常を来し、登熟を完了しない。除外施設を講ぜしめられたし。」との重要な記録を残したが、この時点では誰にも相手にされなかった。

医師たちへの訴え

採掘労働者労組の訴えの否定や地方医師会の無力さに気付いたヴァスーリェ医師は、地方医師会を通して明確に科学的な根拠を示すことによって地方病の存在を公害であると示した。また、医学部で学んでいたときからの恩師である○○○○○の力を借りて、全世界産業労働連合に対して労働者の権利の擁護を訴えた。全国の医師会はこれを追認し、研究結果の追証も行われた結果、採掘労働者労組に対する圧力が掛けられることになったが、この時点でも採掘労働者労組はデータを否定し、違法企業の操業を止めようとはしなかった。ヴァスーリェ医師や○○○○○を中心に公害事件に対して疫学的・社会学的アプローチを行い、解決を目指すために構成された「ヴァリュスフラ川異常病対策研究会議」はこの時期から採掘労働者労組への抗議や違法企業のリストアップを密かに始めていた。

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最終更新:2018年12月22日 17:50