アクース内戦
マユィ語:tar akuséś genéc
年月日:1733年11月5日-1735年3月20日
場所:アクース連邦 シャーマ星系全域
結果:旧政府資本体制派の勝利
交戦勢力
新政府産業組合派
グロスクロイツ社会主義共和国
ヴァルエルク共和国
ファルトクノア共和国
旧政府資本体制派
ウビウリ首長国共同体
ニーネン=シャプチ
指導者・指揮官
セツ・エメルダ
ゲッツァ・チャッシャーラ
カン・”ネングピル”・イェーネスコス
サグオス・ニルファイケプティス
メーパ・ペズトゥーナテイ
ラヴィル・ドゥ・エスタイティエ
スカースナ・ファルザー・エミーユ
クラウン・リン・レヴァーニ・クラリナイト
レシェール・フミーヤ・ファイユ
ナジュア・エルゲン
アニャカンチェシャルク・タルキサネシュ
ラトゥシダーチ=オルサウ
ウェスルーチ=イェシライ
ニャルカ=ダン=サナル=トルナーチェ
ラノー=イェカイユ
スナグル=ライエンテルチ=ツェフトーゲ
ニャファイユ=ニクティム=ハイソー=イ=ゲディ
シャ=スナー=トレーミャナルチ
戦力
労働組合臨時連合軍
救国市民軍
ファルトクノア空軍宇宙空間特別戦闘独立中隊
ファルトクノア空軍惑星降下独立中隊
ファルトクノア空軍ヘオサフィア特殊士官学校宙艦実習艦隊
アクース連邦軍
特別民兵隊
招民院遠星系軍救援試験教導艦隊「アランダイ」
共和親衛隊護衛艦隊「ドーチェ」
ウビウリ傭兵団
損害
新政府産業組合派 旧政府資本体制派
アクース内戦
【各地の戦場】

 アクース内戦は、シンテーア暦1733年から1735年にアクース連邦(現:アクース連合)領内で発生した内戦。セツ・エメルダ率いる産業組合派とナジュア・エルゲンを中心とした資本体制派の政府軍とが争った。


開戦経緯

 1732年、アクースは好景気を迎えた。ナジュア・ユレン・エルゲン・エムィクボフ内閣の中道左派な政治によって、最新の輸入品などの物流がかつてない高密度で動いていたのである。
 しかし1733年、アクース市民は連邦が好景気を迎えているのにも関わらず、自らの暮らしが良くならないことに怒りを覚えていた。その頃、アクース市民にはいわゆるストライキ権が与えられておらず、十分な労働権を確保しているとは言える状態ではなかった。
 1733年9月、セツ・ドヴァネクィウチュ・エメルダ・ジェンスパイチュ=ロッサ=エツを主導とする労働者の権利向上と現政府の打倒を目指す政党団体、「全世界産業労働連合総議会」(以下、労働議会と呼称)が誕生した。エメルダは以前より労働者の権利を訴えるなどの行動を大きく行なっていた人物であったが、このような団体が発足するのはアクースで初めてであった。最初期の労働議会こそは正当な選挙での勝利を訴えていたが、すぐに民衆の怒りを色濃く反映したいわゆる「暴力労働者革命」思想へと転換した。労働議会に感化された市民は、自らの会社・部署に於いて非正規の労働組合を結成、数々のストライキやサボタージュ等の抗議活動を行った。
 1733年11月、アクースで大きな影響力を持つ国営企業、「アクース星間交通」がシャーマ星系、ヅォークス星とその衛星パジラスで大規模なストライキを決行。これを境として爆発的に産業組合主義の機運が高まり、遂にエメルダは有志による民兵隊、労働組合臨時連合軍を結成し「労働者革命」と新政府樹立を宣言。アクース連邦と初の組織的な軍隊による衝突が開始する。

介入国家


戦争の経過


ヅォークスとパジラスの反乱

11月3日:首都惑星ヅォークスの工業地帯ダンルッソーで初めての大規模な衝突。

11月11日:衛星パジラスのファバスヴグ、チャラナギ、スティーバ、フルチャーン(現在のエメルダ・イェーン)など数ヶ所の工業都市で大規模な同時武装蜂起。ファバスヴグ、チャラナギでは失敗し鎮圧されるが、スティーバ、フルチャーンでは政府派の追い出しに成功。しかしスティーバに存在した大規模な宇宙港を政府軍側が爆破したために宇宙港がなく、支援物資を受け取ることができない状態になる。武装蜂起がより大規模に成功したフルチャーンで宇宙港の建設が開始される。

第一次パジラス反攻作戦

13月1日:ヴァルエルク軍が到着、ダンルッソーとフルチャーンで政府派による反攻作戦を耐え抜いた。フルチャーンで簡素な宇宙港が作られ、航宙ルートが確立される。これによりフルチャーンの物資問題は解決した。
サグオス・ニルファイケプティスヴァルエルク艦隊総司令官「武器弾薬を輸出するからこの日で頼むやぁ」

13月2日:ヴァルエルクが惑星コツカのリングに臨時補給基地の建設を開始。

13月3日:グロスクロイツ軍が到着。地上軍がダンルッソー、フルチャーンに降下する。内側小惑星帯に補給基地を建設。

13月10日:政府軍の輸送船団が次々と撃破される。諦めて星系内に輸送中継拠点を構築し始める。まさか護衛艦が撃破されるなんて…。

14月5日:サーヴァリア軍とウビウリ軍が星系内に到着。両国艦隊がアクース政府軍の輸送船団の護衛任務を務める。
 アクース政府、サーヴァリア、ウビウリ、ニーネン=シャプチによる「国際艦隊司令部」がヴェースラク宇宙港で発足。

パジラスへの護衛

14月9日:ニーネン=シャプチのアランダイ軍団が到着。そのままサーヴァリア・ウビウリ艦隊と合流してアクース政府軍輸送船団を護衛。数度にわたるヴァルエルクの宇宙戦闘機隊の強襲を撃退し、降下部隊が無事衛星パジラスに到着。

第二次パジラス反攻作戦

14月11日:スティーバ近郊の戦い。9日深夜から10日目の午前までサンディカリストや共産主義パルチザンらがゲリラ戦を展開したが、士気の低さから十分な被害を与えることができなかったため、アクース政府軍の降下部隊の集結を許してしまった。

14月19日:衛星パジラスにて第二次反攻作戦を開始。物資不足に苦しんでいたスティーバを解放する。

ヅォークス・エガ間星域の艦隊前哨戦

15月7日:ヴァルエルク軍前衛艦隊とサーヴァリア・ウビウリ主力艦隊が衝突。撤退しようとするヴァルエルク軍前衛艦隊にウビウリ艦隊が攻性粒子を射出し緊急脱出ワープを阻止。ヴァルエルク軍前衛艦隊が殲滅される。

時のヴァルエルク政府は、これ以上の損耗を抑えるため当時宇宙戦艦の建造を模索していたファルトクノアとの交渉を開始する。同国陸軍の協力を得ることが目的。

15月20日:グロスクロイツ、ヴァルエルク、アクース労組派の連合艦隊とニーネン=シャプチ、ウビウリ、アクース政府派の国際艦隊が遭遇、しかし互いが消耗戦を嫌ったために小競り合いで終了した。

フルチャーン上空哨戒

16月1日:ウビウリ・ニーネン戦闘機隊はフルチャーン上空で厳しい哨戒を開始、労組派の物資を積んだ船を攻撃するなどを行う。戦争後にこれらの軍隊は貨物船に乗船していた民間人を殺害したとして大きく罪に問われることとなった(革命人民裁判)。

翌1734年1月3日:ニーネン=シャプチ本国から誘拐列車船団が到着。スティーバの避難民を保護と偽り拉致。120万人が集団拉致される。

3月2日:グロスクロイツ地上軍の反攻。制空戦が行われるものの決着つかず。スティーバ前方で戦線が膠着状態にもつれ込む

パジラス軌道上の奇襲

3月12日:ヴァルエルク軍宇宙艦隊がスティーバへのアランダイ軍団が護衛する輸送船団を攻撃。アランダイ軍団のトラームー1隻、シュトム3隻が撃墜され宙域から離脱。

3月15日:ウビウリ傭兵艦隊がデコイの信号に誘引されて輸送船団から離脱したところをグロスクロイツ軍艦隊が奇襲。輸送船団が壊滅的損害を被る。さらに撤退しようとしたウビウリ傭兵艦隊をヴァルエルク軍が包囲。戦力の3割を損失。

5月1日:グロスクロイツがダンルッソーにてイェッジカワード主義統一労働党を設立。共産主義化が始まる。

7月20日:インテグラシオン連邦艦隊が到着。コツカの宇宙軍基地を叩く第二次反攻作戦を開始。

7月22日:インテグラシオン艦隊と合流し、国際艦隊がコツカ攻略に向けて出撃。地上軍がこれに呼応しチャラナギ制圧作戦を開始。ニーネン戦闘機隊がグロスクロイツ航空隊に撃破され劣勢に。

コツカ近傍星域の戦い

9月19日:コツカ近傍星域の戦い。前哨戦でエースパイロットニーネン人のヴァーグファルマによる活躍で勝利。

チャラナギ防衛戦

10月10日:資本派がチャラナギ防衛戦に敗北。

コツカ基地防衛戦

11月1日:コツカ補給基地防衛戦。コツカ補給基地が国際艦隊の手に落ちる。グロスクロイツ宙軍がヴァルエルク宙軍の支援要請を拒否し、自軍の防衛拠点に兵力を割いたことが明暗を分けた。

エガ強襲降下

13月9日:ヴァルエルク軍の名将メーパ・ペズトゥーナテイ司令官による強襲降下が成功し、惑星エガの要衝を次々に攻略。アクース政府軍は効果的な反攻作戦を行えずに10日以内に惑星の80%を占領される。

実際の所は、ファルトクノアにレンドリースした輸送船をもって同国軍の協力を得ていたが、合意事項であった補給を行わなかったために同国部隊は苦戦を強いられる様相となった。上記の強襲降下作戦において、囮として利用されたファルトクノア政府はこの一件に激怒し、以後長きに渡る外交問題となって尾を引いた。

エガ軌道上の戦い

14月1日:エガ軌道上の戦い。両軍の主力艦隊による艦隊戦。国際艦隊が労組派主力を打ち破り勝利した。グロスクロイツ軍とヴァルエルク軍の意思疎通不足が決定的な敗因となった。

パジラス占領

16月10日:第3次パジラス地上降下作戦を開始。捕虜になることを恐れたグロスクロイツ軍が独断で撤収し始め戦線が崩壊(パジラス事件)。そのため、進軍は予定よりも早く完了し、翌1735年1月18日には全土を占領した。

ヅォークス占領

1735年1月4日:地上の政府軍の攻勢に併せてニーネン軍・ウビウリ傭兵軍と共に政府軍が降下作戦を開始。
2月10日:ニーネン=シャプチ地上軍に軟禁されたセツ・エメルダがヴァルエルク軍に救出され、トラドヴァに亡命。軟禁生活を余儀なくされる。戦後はその傍ら、亡命政府を樹立し本国に運動を呼びかけることとなる。
3月14日:全土を占領する。

勝利宣言

3月20日:ヅォークスにて、ナジュア・エルゲンによる勝利宣言。

戦後

 インフラに打撃を受けたシャーマ星系ではインフラに打撃を受け、内戦に勝利したにも関わらず政府の求心力が増すことはなく、さらに低下する一方であった。国民は、亡命政府を樹立したセツ・エメルダの帰国を切望し、ナジュア・エルゲンに対する排斥運動が巻き起こっていた。
 勝利記念パレードにおいて、旧政府の国家指導者でありアクース資本主義体制派のリーダーであったナジュア・エルゲンが旗艦『タリッサ・ユル』艦内で毒殺されているのが発見される。資本主義体制派の秩序は崩壊し始め、産業組合派と一定の共存を望むA率いる『反戦派』と完全な産業組合派の打倒を目標とするゲツカ・『ウィッヒェシャルク』・プナーク率いる『民主派』が台頭する。

各国への影響

ニーネン=シャプチ

 アクース内戦時の与党「愛国党」によるシャプチ第一主義はシャグマ=ラゴン植民地開発とアクース内戦への戦争協力のために多くの人々への団結を促したが、次第にアンドロイドへの和解に世論の関心は傾くこととなる。そのため、マーカス内戦の時代までに「シャプチ第一主義」から「新時代エフューラフト主義思想」への転換に注力することになっていく。
 また、アクース内戦を通じてニーネン=シャプチにロフィルナ料理が定着した。ロフィルナ政府からの後方支援物資の中のロフィルナ風の携行食料が戦闘に疲弊したニーネン=シャプチ兵士に気に入られ、戦後もロフィルナ料理が食べられることになった。そこから次第に定着していき、現代(2000年代)ではロフィルナ料理は外国料理と見なされないほどメジャーな料理として知られている。

ファルトクノア共和国

 エガ強襲降下作戦の際にファルトクノア軍が囮として利用されたことにより、ヴァルエルクを警戒するようになった。自律強襲輸送艦をヴァルエルクから借りていたがこれを返却した場合、また良いように利用されることを恐れて裏切りの件を材料として先の外交カードとして保持することにした。また、燃料が得られない場合は艦船があったとしても利用できないことから、自ら安定した燃料供給のルートを開拓しなければならないとした。惑星降下部隊自体は連邦軍の軍事力の高さがあって、ある程度の無理が可能であるという政治的判断に至った。

ロフィルナ連邦共同体

 表向きアクース内戦への中立を宣言したロフィルナ政府であったが、実際のところはニーネン艦隊を後方支援しており、実質的な資本家陣営として見なされていた。このため、同内戦の終結以降もヴァルエルクを始めとする反政府陣営の追求に晒された。1736年。ヴァルエルクの爆撃機編隊が主星エールミトナの空域まで侵入する事件が発生。ZHL兵器の製造に不可欠な発電所を破壊する計画であったが、すんでのところでスクランブル発進したロフィルナ連邦宇宙軍の防空隊に阻止され、撤退した。その後もヴァルエルクによる断続的な領空侵犯を受け、危機感を深めたロフィルナ政府はニーネンの保護下に入ることを真剣に検討する流れとなった。1738年。海賊艦隊ゴルヴェドーラによる未曾有の報復を受けたことが決定打となって翌年のニーネン・ロフィルナ首脳会談に繋がる。1741年に大宇宙連合会議に加盟。国際外交を本格化させる歴史的な事象となった。

アクース内戦におけるアンドロイドの初の実戦投入

 総じてアクース内戦は大宇宙銀河においてアンドロイド兵が実戦に初めて配備された戦争となった。アイローム社(マーカス語:ALTIEGSCIRZ A'IRAUM)リヴァダー社(マーカス語:ALTIEGSCIRZ-DLIVADIR)両社の個性的なアンドロイドが両陣営に導入された。

労働者陣営(アイローム社はこっち)

アイローム社は主に労働者陣営やヴァルエルク側に対して、
  • A'IR-PT700(兵役アンドロイド)
  • A'IR-NS450(医療用アンドロイド)
  • A'IR-ZX650(工業アンドロイド)
などを導入した。これらのアンドロイドは現地の労働者陣営やヴァルエルクの司令部などの命令を聞き、それから任務をこなすという人間同然の動きをする。もちろんアンドロイドにも人権を与えようとする企業が制作しているので、死ぬときは悲鳴を上げるし消耗したら自分で考えて撤退するなど、人間味にあふれた動きをする。

資本家陣営(リヴァダー社はこっち)

リヴァダー社は主にアクース政府(資本家連合)側に対して、
  • DLIV-ENTY-OP2(実弾兵器アンドロイド)
  • DLIV-RTSR-NK9000(光学兵器アンドロイド)
などを導入した。これらのアンドロイドは命令が行われた後は冷淡に殺戮を繰り返す。もちろん道具なので悲鳴なんか上げるわけがなく、撤退を自発的に起こすこともない。ただ「殺す」ことにきわめて特化しているため、四肢にあたるパーツが破損しても、兵器が動けばできる限り相手を殺しにかかる。動作を止めたいならエネルギー機関部を破壊して動作を止めるくらいしか方法はない。

関連項目