「殺すのは愛しているから、愛しているから殺すのです」
――ブレエルカ・スカルシュナ
ブレエルカ・"ラーフェイヤ"・シャラント・ビェナビェルシャ・スカルシュナ
ミルドネジア語: Breärka "larfeija" sharənt bjenabjersha skarshna
ブレエルカ宙尉
生年月日 シンテーア歴1713年2月11日
出生地 ミルドネジア公国 ベラーリン
民族 ミルドネジア人
最終学歴 プラダル・ジャン高等学校
所属組織 ファルトクノア陸軍第619航宙技術実証研究大隊
最終階級 宙尉(Dzeparpultzas)
勲章
渾名 血の子(larfeija)、聖壇を起こす者(kjilfer klial)、チェクセル(cheksau)、現代のサフィア(novilen cafi'a)

ブレエルカ・"ラーフェイヤ"・シャラント・ビェナビェルシャ・スカルシュナ(breärka "larfeija" sharənt bjenabjersha skarshna)はファルトクノア共和国のミルドネジア人将校である。ファルトクノア陸軍第619航宙技術実証研究大隊に所属し、多方面の戦闘に参加した。市民か兵士かを問わず見境なく大量に殺戮することを好んだために味方からは「血の子」、「聖壇を起こす者」、「チェクセル(トイター教の悪魔のようなものであり、吸血鬼に似る)」、「現代のサフィア(スキュリオーティエ叙事詩の残虐な敵)」などと呼ばれ恐れられた。


名前

単語 読み 説明
breärka ブレエルカ 名前、「幸運、奇跡」の意味。
"larfeija" ラーフェイヤ 通り名、ファルトクノアに来て以降の通称から名乗るようになる。ブレエルカ・ラーフェイヤというふうに言うと厨二病的な呼び名になる。
sharənt bjenabjersha シャラント・ビェナビェルシャ 父称、シャールの娘という意味。
skarshna スカルシュナ 家名、スカルシュナ家を表す。ブレエルカ・スカルシュナは短いうちで最もフォーマルな呼び方。

経歴

出生から旅行まで

シンテーア歴1713年2月11日、ミルドネジア公の血筋を引く分家スカルシュナ家の三女として首都ベラーリンに生まれる。スカルシュナ家はミルドネジアの貴族界の中でも強い権力を持っており、ブレエルカの存在は重要視された。父であるラヴォル・シャラント・ビェナビェルシャ・スカルシュナは大公補佐官であり、また教育家でもあったため、ブレエルカは読み書きから始まって多種多様なスラーンの国語、そして貴族家の出としての優雅で美しい立ち振舞いを学ぶことになった。姉二人(ライナ、フォーラ)と兄一人(アルデーヤ)には末っ子として愛され、母シャラファからも強い愛寵を受けて育ったブレエルカはこの時点では普通のミルドネジア貴族の子供であった。1720年(7歳)、ブレエルカは小学校に入学する。小学校では一般的に皆が好む音楽の授業を嫌って逆に薬草学を好んでいたという。ブレエルカはこれに関して、「ミルドネジア音楽が黒板を引っかくような雑音にしか聞こえなかった」と語っている。1726年(12歳)、ブレエルカは両親の反対を振り切って薬草学中学校に入学する。音楽を学び、そして作品を残すことがステータスとなっていたミルドネジアにおいてブレエルカの行為は半ば階級特権を手放す行為であり、彼女がどれだけ音楽を嫌っていたのかが明確に分かる。両親はこのようなブレエルカの行動に甚だ困ったが、国内貴族としてではなく国際的に活躍できる人間として育てるべく教育方針を変更し、海外旅行に頻繁に向かうようになっていた。1729年(15歳)、プラダル・ジャン高等学校に首席合格し、入学する。プラダル・ジャンはミルドネジアにおける薬草学の権威であり、その名の通りこの学校は薬草学の高度な知識を学ぶことが出来る高等学校であった。一年間、ブレエルカは薬草学の勉強に熱中するもその熱中ぶりにラヴォルは心配を抱くようになり、翌年の1730年(16歳)に両親はブレエルカの兄弟に家を任せ、ブレエルカと共にショアン王国の西部リゾート地へと足を向けることになった。ブレエルカは残念げにその旅行を受け入れながらもショアン王国にどのような薬草があるのか興味津々に調べていた。両親二人もそんな彼女を呆れながらも感心しながら自由にさせてあげていたという。

ファルトクノア紛争の勃発

シンテーア歴1730年(16歳)、不運なことに同時期にショアン王国とユエスレオネ連邦によるファルトクノア紛争が勃発し、ブレエルカたちも市街地戦闘に巻き込まれることになった。銃撃戦が始まった際にホテルの窓際から様子を確認しようとしたブレエルカの母シャラファはショアン軍の流れ弾が首元から襟首を貫通し、頸動脈を断裂させて出血性ショックによりブレエルカの目の前で血溜まりの中でうめき、もがきながら息絶えた。混乱したブレエルカは声も出せず父親に抱きつくほかなかった。父ラヴォルはホテルからの脱出経路を探していたが抱きつかれた状態ではそれは不可能であった。それから数分経つとホテルの中に軽武装のショアン警察が突入し手当たり次第に部屋の中の人間を撃ち殺している音が聞こえ始めた。ラヴォルはもしもの時にとブレエルカに自らの護身用の自動拳銃を渡し、使い方を教えるとブレエルカを突き放してから安全な場所を探し始めた。だが、浴室内を調べていた際にショアン警察がドアを破壊して突入し、ラヴォルを壁に押さえつけていた。ラヴォルはブレエルカの存在に気づかせないために必死にもがいて抵抗していた。ブレエルカ自身は貴族の禁忌であれ父を助けるために警官を殺さなければならないと目をつむって拳銃を構えて三発銃撃した。次の瞬間に小刻みに震えながら倒れていたのはラヴォル自身であった。ブレエルカの銃弾は一発目は腕にあたり上腕動脈を破断し、二発目は脚の付け根の鎖骨下動脈を破断した。最後の一発は肝臓を直撃しており、死因は急性低血圧による循環系ショックであった。突入したショアン警察はブレエルカが囚われの身で、自らを救うために男を撃ったという解釈でブレエルカを保護した。そして、ブレエルカがミルドネジア貴族であるという身元が分かると安全地帯からミルドネジアに送還した。この間の数日間、ブレエルカはパニック障害様の発作を起こして過呼吸で倒れることが多くなり、ショアン王国のボランティア医師の診断により適応障害であるという診断が出され、これはスカルシュナ家のかかりつけ医師にも伝えられた。こうして、ブレエルカの旅は最悪の終わりを迎えた。

権力闘争とスカルシュナ家殺害事件

ブレエルカがスカルシュナ家に帰ると、権力闘争が始まっていた。兄、アルデーヤは家督を継ぐの男である自分であると主張し、姉のライナはアルデーヤより先に生まれたライナの息子ナヴァフがこの家の家督を継ぐべきであると主張した。また、姉のフォーラはこの二人は外国の傀儡であり、思想的に最も純粋な自分の息子ビェルヤこそ家督を継ぐのにふさわしいと反論した。このような論争の中ではお互いの権力を狙った駆け引きも行われており、家の資産を使った兄弟同士の事業への妨害行為や脅迫が繰り返された。この状況を見たブレエルカは酷く心を痛め、自室に引きこもり出てこなくなってしまった。兄弟たちは体調が悪いのだろうと考えて、権力闘争に集中していた。三日経つとブレエルカはいきなり嬉々として自室から飛び出して「自分の誕生日パーティーをやりましょう。兄弟とその家族は必ず出席するように」と兄弟たちに触れ回った。兄弟たちはブレエルカは両親の死で気が参ってしまっているのではなかったのかと不審に感じたものの精神的に不安定な可愛く無害な妹のためを思って一度権力闘争を止めてこれを祝おうということになった。後日、ブレエルカが招待したパーティー会場に兄弟たちは入っていった。そこには料理も何も準備がなされておらず、彼らだけが招待されているかの状況になっていた。不審に思ったアルデーヤが外を確かめようとドアを開けようとすると「家督継承権問題を抹殺する!」と叫びながらブレエルカが銃を乱射し、アルデーヤと射線上に居たライナは銃撃により即死した。フォーラはフォーラの息子ビェルヤを守るために射線を遮る形でブレエルカの前に出て撃たれ倒れた。そして、出血多量の状態であるが治療すれば回復するであろう容態のフォーラをブレエルカは殺しきれていないと認識して腰元につけていた鉈で頭を切り落とした。ビェルヤはフォーラの献身で逃げられるはずであったが、ブレエルカが入ってきた出入り口以外に鍵が掛けられているということを知らずに袋小路に陥り、ブレエルカに目の前から切り付けられて倒れた。トイレに行ってから向かうと言っていたライナの息子ナヴァフは尋常でない悲鳴から非常事態であることに気付き、親族の軍関係者に連絡を取っていたが後ろから近づくブレエルカに気づけず右腕を切り落とされ、大量出血で昏睡状態となった。軍は連絡後直ぐに到着し、ブレエルカは一応逮捕された。ビェルヤは意識が戻らず三日後に、ナヴァフは傷口からの感染症によって六日後に死亡した。

第二の事件からファルトクノアへ

ブレエルカは即刻裁判に掛けられることになったが、ミルドネジア貴族の子女であることからこの事実は内密にするように公からの直接命令が下ったためブレエルカは証拠十分が認められていたにもかかわらず不起訴となり、解放された。ブレエルカは大量殺人の後から言動に異常なところが見られており、使用人達は彼女から危険物を離したり、外出を制限するようにしていた。軍人や警察の視察もあり、ブレエルカは監視の中で生活を続けていた。しかし、三日後に外出を静止していた使用人達の目をかいくぐってベラーリン市街地に出ていってしまう。手持ちのお金で市場にある鉈を購入して直ぐに手当たり次第に市場に集まるミルドネジア人たちを斬殺していった。このベラーリン無差別殺人事件では23人が殺害され、35人が負傷して病院で手当を受けた。軍は再度出動して、ブレエルカを逮捕した。軍上層部はミルドネジア公の命令が原因で第二の事件が発生したと非難をして、側近会議を開くことを要望した。公は側近会議によってブレエルカが裁かれることとする条件付きでこれを容認した。側近会議ではブレエルカは「親族も臣民も好きだから殺すのです、でなければ私は嘘をついたことになる。父上に偽証をしたことになってしまうのが嫌なのです」などと発言をして公の側近を混乱させた。この後に処遇は全員一致でブレエルカを国外追放とすることに決定し、ブレエルカは1731年(17歳)にファルトクノアに秘密裏に送られて追放されることになった。ガンセリア県に漂着したブレエルカの正体をファルトクノア軍の情報部は掴んでおり、直ぐにブレエルカを拉致してその殺人欲求を軍事利用できないかと研究を続けた。ブレエルカは持ち前の語学力で直ぐにリパライン語を習得し、ターフ・ヴァヤフという偽名で生活を始めることとなった。軍からは常に監視を受け、殺人欲求がいきなり発現しないように定期的に精神安定剤が打たれた。平日は高校に通いながら、休日には軍の訓練を受ける日々が続いた。

619部隊に編入

大学生活が始まろうとしていた1733年(18歳)のときにアクース内戦が勃発、国内での軍の緊張度が高まり監視が緩くなった途端に行方不明になってしまう。ファルトクノア軍及び内務警察庁が必死で捜索を行ったが1734年まで発見されなかった。ファルトクノア空軍によるエガ強襲降下作戦の支援時にブレエルカは発見された。クラウン・リン・レヴァーニ・クラリナイト宙尉率いる降下部隊に保護されたブレエルカはどうしてそんな戦地に居たのかと尋ねられると何故居たのか、どうやって行ったのかは分からないとしながらも「父上と一緒に行っていた旅が好きだったのかも知れない」とこぼすなど精神的な不安定さが否めなかった。後にアクース労組派はこの内戦では敗戦を喫した。国内情勢が悪化して国内がラヴィル派とリュイユ派に分裂し、ラヴィル派がファルトクノア陸軍第619航宙技術実証研究大隊を成立させると不安定で責任問題になる可能性があるブレエルカの管理を619部隊(のコネクション)に投げることにした。当時、上層部からは619部隊は特に危険な存在であると思われておらず、彼女は最も死亡率の高い使い捨て部隊である第一降下中隊『アントカルキェッタシュ』の隊長としてすんなりと宙尉に昇進した。軍の上層部は危険な彼女をさっさと処分してしまいたいと考えていたため、619部隊のマーカス内戦への介入を後押しした。ブレエルカは解放されると独断専行で軍人か民間かに関わらず殺戮を繰り返したためにフィラン・ド・リーリエ宙尉に幾度となく注意を受けた。しかしながら、部隊の士気が向上していくために督戦中隊がブレエルカを撃ち殺すわけにも行かずにマーカス内戦では暴れまわり、一人で数千人もの死者を出した。

人物

  • 普段は鎮静剤や精神安定剤の影響でふんわりおっとりとした人格だが、これが切れたり、モードに入るなどすると性格が豹変し殺人衝動を丸出しにしながら殺戮を始める。本人自身この状態は体力を異常に使ってしまうと話しており、出来るだけ薬を切らさない努力をしている。
  • 失踪することが多い。失踪したブレエルカはどのように失踪して、何故失踪したのかを覚えていないものの遠くに行っている場合が多い。
  • 督戦中隊のフィラン・ド・リーリエ宙尉に「君は何故、敵であろうファルトクノアの軍で国のために戦っているのだ?」と訊かれると「嫌いな人間は殺しませんもの、そうすれば私は父上に偽証を働くことになりますから。私が殺すのは好きな人だけです」と答えた。
    • それに対するフィランの感想も「まるで、現代に来たサフィアのようだ」というもので彼女らしさとしては完璧であった。サフィアとはスキュリオーティエ叙事詩の主人公ユフィアの敵であり、ユフィア章同胞の死編あたりを読むとそのイメージが重なることが良くわかる。
  • 戦闘中に「好き!好き!好き!好き!」と叫びながら殺戮を繰り返すことが気味悪すぎてノイローゼになる下士官が続出した。精神安定剤と鎮静剤を追加投与出来るようにランダムな下士官に常備させているもののブレエルカがモードに入るとそういった注射も跳ね飛ばしてしまうので意味がないのであった。
  • 18XX年にレッコー・サーメリオンと共に戦艦イェスカの臨時業務に就いた際に誤って鎮静剤や精神安定剤を持参するのを忘れたため、錯乱して当時のウェールフープ専門長ターフ・アルヴェクトゥザフ・アルヴェイユを殺害した。軍法裁判に掛けられるもロフィルナ・ヴァルエルク戦争に向けて準備していたイェスカ内では人員に問題があるためにレッコーと共にこの職につくことになった。

余談

  • CHARON氏制作のメンヘラフレシア中に登場する一人のヒロインのBADエンドが非常に彼女に似ているらしい……

ギャラリー

元参考画像
2022/07/16, fafs falira sashimi
2022/07/18, あきさめ

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最終更新:2022年11月16日 02:59