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サクトマンク主義(-しゅぎ、檀語saktmangk-shutourr)とは、国家の究極的な目標を影響力の拡大や経済成長に求めるものではなく、福利厚生のみに留まらない人民の幸福や充足した生活の達成とする主義・思想。日本語では感性主義反形式主義ともいう。対義語は権威主義など。


語源

 「サクトマンク(saktmangk)」の語源は「大臣」を意味するタルニ語のサクトゥー(saktuo)と「組み合わせるもの」という意味のガールン=ダン=ラ=ハン語のマヌーク(meanulk)に由来しており、「大臣を組み合わせること」の直訳になる。実際の意味は「閣僚改革」に近い意味を持っていると考えられる。サクトマンク主義の主張と名称が乖離しているのは、シンテーア暦1680年代の時点では提唱者であるタシ=ネ=ナチェン=シチャインピルチらが政治思想犯に問われる危険性があったため、主張をごまかすためにあえて異なる名称をつけたことにちなんでいる。

概要


 サクトマンク主義は感性主義とも言うように、旧来の社会構造システムや権威に囚われず、物質的・拝金的な要因のみで成立する幸福を否定する。
 このため、シチャインピルチらが提唱した原サクトマンク主義では物質的幸福と精神的幸福が均衡している場合を最も幸福度の高い状態(サクトマンク=ヌーチ)と定義し、それを達成するためのあらゆる改革を行うことを主義の達成、すなわち「サクトマンク秩序の達成である」とした。
 現代サクトマンク主義では以下の定義がある。また、それについての一般的な解釈をドロップダウンで示す。

  • 1.サクトマンクは、あらゆる文明構造にある対人関係を説いた思想である。
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 サクトマンク主義はどの時代においても、どの国家においても適用することができる。例えば、まだ物質的に豊かでない国に適用すると「精神的幸福を維持しつつ物質的幸福を向上することができる」とされ、精神的に豊かでない国に適用すると「物質的幸福を維持しつつ精神的幸福を向上することができる」とされる。
 また、外交は「マクロ的な対人関係である」と定義することができるため、外交に対する改善努力を行うことで、相手国次第ではあるものの外交関係の正常化を達成できる可能性がある。

  • 2.サクトマンクは、全ての人民に対して彼ら同士の定数的比較を与えない。
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 サクトマンク主義では「誰が誰に対して100数値だけ偉い」という文脈を用いない。また、権威の競い合いを廃止し、個性の尊重を重視する。ここでいう個性とは、「特定の技能・容姿・性格などのこと」を指す。それによる相互理解を個性の尊重と表現し、これについて、権威・優位性を説いてはならない。
 このような発言を社会に向けて発信・発言した場合、サクトマンク主義違反として個人に対する評判を下げるだけでなく、風評罪に問われる恐れがある(詳しくは第7項を参照)。

  • 3.サクトマンクは、全ての人民が自己を愛する権利を持ち、それを推奨する。
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 サクトマンク主義では、スナエード教派(拝男教類の一宗教派)などに見られる自己愛を推奨する。これはつまり、前項の権威・優位性を比較しないことを自己と他者に向けたものである。自己愛の喪失は精神的幸福を著しく失う主原因になりうるためである。
 しかしながら、第4項及び第5項に反して、自己愛ばかりで他者への寛容・貢献を怠ると傲慢となり、俗悪に陥る恐れがある。

  • 4.サクトマンクは、全ての人民が他者への受容、期待、信頼の権利を持ち、それを推奨する。
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 サクトマンク主義では、「対人関係はギブ&テイクの相互関係である」と考えられている。そのため、一方的な搾取、一方的な献上は対人関係ではなく、「奴隷関係」または「寄生」と呼ばれ、俗悪とされる。サクトマンク主義における対人関係では、何人も他者に心を委ね、そして見返りを求めることを推奨する。対人関係を続けることで他者は第6項の「自分にとってよりよい友」になりうる。
 しかしながら、第3項及び第5項に反して、他者に要求のみを行う者は依存となり、他者の言いなりになって自分の意見を言わない者はまたは衆愚となり、俗悪に陥る恐れがある。

  • 5.サクトマンクは、全ての人民が他者に貢献する権利を持ち、それを推奨する。
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 第4項が対人関係の「テイク」であるのに対し、本項は「ギブ」である。貢献は自己愛を助ける自己承認欲求を満たす一つの要因となりうるし、人によっては貢献していないのにも関わらず救済が得られてしまうことによる罪悪感を解消することができる。また、社会は通常人民に対して貢献を要求する。この要求に対して、自分に見合った貢献を行うことのできる社会を見つけることもまたこれに含まれる。
 しかしながら、第3項及び第4項の記載に反して他者貢献のみで自己愛も他者受容も満たせないと奴隷(または拝金奴隷)となり、俗悪に陥る恐れがある。

  • 6.サクトマンクは、全ての人民が自分にとってより善い友を選ぶ権利を持ち、それを妨害しない。
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 サクトマンク主義では、前時代的定義でいう善人であれ、あるいは悪人であれ、自分にとってより善い友を選ぶ権利を保障する。またこれは恋人・配偶者であっても同様である。自分にとってより善い友とは、自分を甘やかせてあらゆる融通を利かせてくれる者でもなく、かといって、自分の都合だけを押し付ける者ではない。自分のことをまるで生き神のように崇める者でもなく、かといって、動物以下の扱いをする者でもない。お互いに、第3項第4項第5項を満たす、すなわち「互いに自己愛を持ち」、「互いに互いを受け入れ、期待し、信頼し」、「互いに互いを求める」ことのできる対人関係を指す。時にはこれらのうちいずれかが欠落することもありうるが、長期的にこれらのうちいずれかない状態が続く対人関係は「自分にとってより善い友である」とは言えない。
 サクトマンク主義では、これらを満たす人物と対人関係を持つことを推奨するし、それを満たさない人物と友人関係を持つことを推奨しない。

  • 7.サクトマンクは、全ての人民が自己の感性を持つ義務を与える。この感性を道徳・倫理的に反する目的によって扇動することを禁じる。
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 詳しくは風評罪を参照
 サクトマンク主義では、「全人民的表現」、すなわち一般常識や社会通念を不当根拠として発言することを禁じ、そのような文脈においては「個人的な感想である」ことを明示するなどの主観性に対する配慮が必要である。
 このような配慮を怠った場合、サクトマンク主義に反するばかりか、他者の感性を道徳・倫理的に反する目的によって扇動したとして風評罪に問われる恐れがある。
 例えば、「常識的に考えて、政治家Aは無能である」と発言した場合などがそうである。この場合、発言者は自分の意見としてではなく、あたかも人民総体の意見として「政治家Aは無能である」と思わせるような発言している。
 このような発言や思想、行動原理などは差別であるとして、俗悪だけでなく、三悪にも該当する恐れがある。

改革

 シチャインピルチらの原サクトマンク主義に基づいて行われた数々の改革は、ニーネン=シャプチのエフューラフト政府の抱えるいくつかの問題を解決した。とりわけ、シャグマ=ラゴン戦争の直接的原因になった富裕層と貧困層の深刻な対立を是正するきっかけになった点で評価されている。

国営ソーシャルネットワーキングサービスの開設

 マルチディスク(脳内埋込型多機能電脳装置)に自分によってより善い友を見つける、または増やすことを主目的としたソーシャルネットワーキングサービスを開設した。
 サクトマンク主義社会下では、自らの感性に従ってできたに自分によってより善い友たちとの対人関係によって、定額的・機械的な商品を購入する必要がなくなり、自己の判断に基づいてより柔軟な経済活動を行うことを可能にした。
 また、招民院直轄の組織人民の友によって、相性の良さそうな人の紹介や斡旋なども行っており、社会的孤立を防ぐための対策が執られている。人民の友はただ紹介・斡旋を行うだけでなく、担当者がそのまま友人や恋人になるケースもある。

新貨幣制度の実施

 ニーネン=シャプチの通貨、サウ檀語sau)及びニッカ檀語nigka)を電脳通貨化し、マルチディスク取引に仮想通貨を用いることを廃止し、これらの新貨幣にガールン暦1年の通貨期限を設定した。通貨期限によって通貨が1年ごとに価値を失うことで、金銭的財産の貯蓄を廃止させた。
 それに伴って、国内の全ての国営銀行の機能を停止し、それらを統合した更新銀行を設置。更新銀行はチャグマ=ダプラ星にある中央更新銀行と居住星につき1ヶ所ずつ設置した地方更新銀行があり、その役目は「国営組織に集められた期限切れ通貨を収集し、更新すること」と「更新した通貨を国営組織の申請に基づいてそこに従事する労働者に給料を支払うこと」である。
 更新銀行が労働者に給料を支払うことで、更新済みの通貨を国営組織が不正に貯蓄するすることを防止する働きがある。

不動産取引の廃止

 ニーネン=シャプチではそれまで不動産取引が行われており、また不動産に対しての税金を課していた。しかし、土地を所有することは富裕層のみができることであり、移住もまた金銭的余裕によって制限されていた。
 これは、エフューラフト思想に対する重大な違反であり、国民の主権の侵害であるとみなされていた。
 そこで不動産取引を廃止し、ニーネン=シャプチ領内の土地を全て国有地にすることで人民に自由居住権を与えた。サクトマンク主義社会下では、希望する土地に希望する建築物がなかった場合、国営建設組織に勤めている知り合いや人民の友によって紹介された人物を通じて建築物を建てることができる。

歴史

 サクトマンク主義の下地になった主義・思想は古く、ダン=ラ=ハン帝国の時代から存在していたが、それらはカルト(悪徳宗教)や危険政治思想を持った人々によって生み出された異端狂信的な考えであるとしてタブー視されてきた。
 例えば、双月神秘論者(そうげつしんぴろんじゃ、檀語sagnaie^sh)の過激派が衛星プダージの辺境で展開した理想郷「超越王国」などがその典型である。彼らは無政府主義を信条に掲げ、競争のない社会を理想としてパイエの第3地区に立てこもった。彼らは「人類は生まれながらに自然であり、権威や差別、競争、破壊を禁じ、人類として全ての欲求に従う。文明的生活を放棄する
」などを実践したが、女性に対する性暴力、殺人、食人、強盗、集団的迫害などが横行し、わずかガールン暦2年で崩壊した。それ以来、感性主義は危険思想として扱われてきた。
 しかし、ニーネン=シャプチ成立後、宗教改革家モニエ=フタウ=チェディシの登場によって、人種、民族の平等が説かれるようになり、スワーシャカーチェ集約神教が成立すると、宗教的道徳観が見直され始める。チェディシ教及びチェディシ=エフューラフト思想の拡大によって、人民倫理が確立されるようになった。ところが、この人民倫理の確立によって、富の分配に対する不平等に目が向けられるようになる。
 この時代からしばらくしてニーネン=シャプチは大宇宙各国と接触するようになると、富国強兵が行われるようになり、貧富の格差が拡大するという、皮肉にもチェディシの望んだ未来とは正反対の姿になってゆく。
 シンテーア暦1640年代。ゴルギアによってニーネン=シャプチ国内でテロ行為が頻発するようになると、国内の思想家が街頭で演説を行う「思想の時代」に突入する。
 この中で一人の思想家が後のサクトマンク主義に強い影響を与えた。思想の時代で最も有名なカリスマ思想家○○○○(名前未定)である。彼はジエール帝国連邦管理主義に影響を受けて「実社会における金銭・地位・名誉・物質的に理由付けされるあらゆる社会的ステータスはどんな場合においても俗悪である社会俗悪論を展開し、宗教的道徳観の見直しを求めるとともに、一握りの者が膨大な富を握っている社会を痛烈に批判した。
 彼はシンテーア暦1648年の演説中に暗殺されるが、社会俗悪論はその後のシンテーア暦1660年に、カーリチ教の司祭△△△△(名前未定)によって幸福飢餓論へと発展した。この幸福飢餓論とは「エシュトは本来的に生を得た時点で幸福であり、拝金主義者の根源的な俗悪性はこれが欠如したために起きる幸福の飢餓である」として「足るを知る」ことの重要性を説いた。
 1700年代になってチェディシ教神学者□□□□(名称未定)によって説かれた隣人論は「エシュトは根源的に友人や恋人を求めており、社会生活における対人関係においても同様である」というものである。これに登場する「自分によってより善い友」という文言は現代サクトマンク主義の主義でも継承されている。
 このようにして、サクトマンク主義は多数の主義・主張・思想の融合によって成り立っている。