行政警察官執務心得

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行政警察官執務心得 (明治八年三月 太政官二十九号行政警察規則参照) 一 行政警察の目的は人民の凶害を予防し安寧を保全するにあり。故に其職務は大要左の範囲を出でず  一、人民の妨害を防護し  二、健康を看護し  三、放蕩淫逸を制止し  四、国法を犯さんとするものを隠密中に捜索警防す 二 されは行政警察の力及ばずして法律に背く者あるとき其犯人を捜索逮捕するは司法警察の職務たり 三 警察官は一般に公共の利益を計り一家隠微の小悪を発くへからず。且一巳の功を貪り警察一般の目的を愆るべからず。 四 各府県長官(東京府知事を除く)其事務を提掌し警部をして之をせしめ、便宜各所に出張し、巡査をして各部に分派し、巡○(一字不明)査察せしむ。          警部執務心得 五 書く出張所に派出せる警部は時々本庁に○(一字不明)会し、事務を商議し、処分異動なきを要す。 六 法律命令は其旨○を巡査に教示し、誤解する者なきを期すべし 七 時々区内を巡視し、其景況並巡査の勤怠正否を察すべし。区内の戸数職業等は成る可く詳細に知悉するを要す 八 区内の○○は月報を以て長官に報知すべく若し非常緊急事件は速に報知せざるべからず 又時機に因り直に警務長報ずるを得べし 九 警察の事務に付直○他府県の警察官に報知若くは照会を為すを得 一○ 告達又は○問の必要ある時は勅奏任官及び華族井ニ有位の者は家令家扶執事を呼出すべし。判任官以下士族平民は直に本人を呼出すことを得るなり           巡査勤務心得 一一 持区内の居民並に道路行人より困難の事情を○へ救護を乞う時は何時にても乞に応じ、或は救護を乞はざるも見聞次第力をこと○くして防護すべし、但街路其外にて人命に係る危難有之節は瞬速救護し最寄の医師を○み治療の手続懇切に取扱うべし。 一ニ 老幼廃疾婦人等は就中注意して保護すべし 一三 持区内の大小道路及び市外村落の位置市町村長の居宅等詳細に知悉するを要す 一四 持区内の戸口男女老幼及び其職業平生の人と為りに至るまでを注意し若し無資産者の集合するか又は挙動怪しむべき者と認むるときは常に其注意を怠るべからず 一五 持区内の他より移り来る者あらば前条に随て速に之を探知を遂げざるべからず。但し権威を以て其人を呼出す等の処置を為すべからず。只力めて其者を覚知せざる様隠密に探偵すべし 若し已むを得ざる事情あるときは自ら行て尋問することを忌るべからず 一六 新に法令の出ずる時は之に付き人心の信否を考察し警部に報知せざるべからず 一七 巡回中職務に関する大小の事故は逐一其手帳に記て警部へ報知すべきものとす 一八 非番たりとも合○あるか又は臨時呼出を受くれば早速其場に○付くべし 一九 往来の妨害となる物あるを見るときは速に之を取除かしむるを要す ニ○ 道路の荒蕪溝渠の○○及び不潔物あれば之を市町村長に告げ掃除の手続を為すべし ニ一 官舎橋梁道路其他公有建造物破損するときは之を警部に報知すべきものとす ニニ 行人に道路或は其他の事を尋問せらるる時は鄭事に教示すべし ニ三 稚児道に迷うあらば之を保護し其居所不分明なるものは之を其他市町村長に預け、之を警部に報知すべし。若し其居所分明にして持区内ならば直に之を送致し、他の区ならば其地の市町村長に掛合い送致の手続を為すべし ニ四 芝居其他群集の所には出張して乱雑を防制すべし ニ五 放れ牛馬あれば之を便宜の場所に留め置き其主分明なるものは之を付与し、否らざれば警部の指揮を受くべきものとす ニ六 路上酒に酔い失心する者は之を注意し、又は最寄人民に介抱せしめ其○動する者は取押えて其地の市町村長に引渡す可し ニ七 路上狂○人あれば○に之を介抱し、其暴動者は取押えて其地の市町村長に引渡す可し ニ八 路上に狂犬あれば打殺し市町村役場の衛生係に告げ埋葬の手続を為すべし ニ九 道路河渠に死屍あるときは、其模様を検し、警部に報知し指揮を受けざるべからず 三○ 獣畜の死骸あるときは速に市町村役場に告げ、之を取除く方法を○(講?)ずべし 三一 鳥獣魚類其他飲食を販売する店に贋造腐敗の品あるやを常に検査せざるべからず 三ニ 人家夜間戸締不十分の者あれば速に之を管理者に注意すべし 三三 怪しき者を見○る時は之を○問し、其様子に○○持区内の派出所に連行き又は警察署に○(密?)報して指揮を乞うべし 三四 失火の節は○査失火の合図を為し、一般に知らしむ。其燃火に罹る家は其家人を○け且消防の事に勤むべし。消防夫已に集るに至れば勉めて乱雑及び盗を防ぐ事に留意すべし 三五 失火の節は第一に人を救い次に書類金銭等を取出すべし。又官庁其他市町村長等官吏の居宅は第一に文書を取出すべきものとす 三六 往来の者は取扱うては柔和を旨とし、弁へなき者は殊更穏に取扱い決して凌辱を加え手荒き処置を為すべからず 三七 取調の為め人家に至る節は接対筋総て懇篤に致すべし。但公私の分を守り○(狎?)々○(敷?)すべからず 三八 巡回中私に人家に立寄候儀は勿論、徒に市店を詠め職務を怠るべからず 三九 出勤中○○(酔態?)を○はし又は婦女等に対し戯るることを得ず 四○ 職務上の秘密を洩すべからず 四一 巡回中は傍人の嘲弄するありと雖も必ず恥辱と思うべからず。能く忍耐して相当の処置を為し、決して憤怒の色を○さざるを要す 国立国会図書館デジタル化資料 - 警官志願並勤務全書 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/785226

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