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①行動経済学とは? ---- 今までの経済学において、人々は全知全能の未来のスパコンの如く、全ての情報に基づいて完全に合理的な経済行動をするという前提で作られていました。 行動経済学はその仮定を緩めます。「人々が完全に合理的な行動するわけねーじゃん。それじゃギャンブルにはまったり、損切り出来ずに塩漬けしている投資家のことを説明できねーだろJK。」という訳で、そういう実際の経済行動を人間心理に基づいて分析していこうというのが行動経済学です。 行動経済学はまだ発展途上の学問です。行動経済学はカーネマン=トベルスキーのプロスペクト理論の発表によって始まりました。最近の行動経済学では、主に心理学に重点をおいて経済行動を分析する分野と、今までの「合理的」という仮定をはずして非合理的な人間をモデリングして数式で分析したり実証研究する(どちらかというと経済学寄り)分野があります。(著者の主観的な考えですが。) 行動経済学の巷に溢れている行動経済学の本のほとんどは前者で、かなり食傷気味です。 プロスペクト理論 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%AF%E3%83%88%E7%90%86%E8%AB%96 ほかの書評 [[ランダムウォークと行動ファインナンス]] 最新 行動ファイナンス入門 ノフシンガー,ジョン・R. 【概要】 100ページ程度で、主に認知心理学の観点から投資行動について解説した本。数式等の前提知識を必要とせず、誰でも簡単に読める入門書。終章に心理的バイアスを克服するセルフコントロールの手法が書かれている。 ただし、認知心理学に比重を置きすぎてマクロ的な観点、つまり市場全体の動向についてはあまり説明されてない。 第1章 心理学とファイナンス 伝統的ファイナンス ・ 合理的に行動する ・ 人の予測・行動には偏りがない ・ 偏りがあってもランダムで相殺される 行動ファイナンス ・ 投資判断に影響を与えるような心理的バイアスを研究 ・ 誤った投資行動の実証 ・上記の二点を踏まえた上で、どのように心理的なバイアスを避けるか? 人は正しく情報を処理出来るか? 目の錯視の例。心理的バイアスが働くので出来ない。 LTCMの失敗 ⇒ノーベル経済学賞受賞者等の頭脳集団のヘッジファンドの破綻 第二章 自信過剰 質問:あなたは優秀なドライバーか? 道で見かけるドライバーと比べて、平均以上ですか?以下ですか? 82%の大学生が、平均以上と回答。 ベンチャー企業家に、自分の会社が成功する確率を答えてもらうと、70%以上が成功すると答える(実際は39%) ●自信過剰による投資行動の影響 情報の正確性の過信⇒分析能力の過信⇒誤った意思決定と自分の戦略に過度の信頼⇒過度の取引と高いリスク負担をしてしまう。 ●自信過剰を増幅させる要因 ① 知識の幻想 情報が増えれば予測が正確になると考える。 Ex.さいころが3回連続4の目が出た。ある人は4が出る確率が高いと考え、ある人は4が出る確率が低いと考えた。 当然4が出る確率は1/6で変わらない。 つまり、不正確な情報に正しい判断が下せない。 Stale information(ガラクタの情報)に反応してしまう。 ② コントロールの幻想 コントロールできない結果について、自分は結果に対して影響を及ぼすことが出来ると考える。 1、選択 宝くじの番号を選ぶ行為。当然ランダムに選んでも結果は変わらない。 2、結果の連続 バブルで儲けた投資家が、上昇基調でたまたま利益が出ただけだったのにも関わらず、自分の力で利益を出したと考えること 3、慣れ 多くの投資家は、自社株や自分の地域の企業を買う。自分の会社や地域の方が情報を持っているからか?リスク分散の観点から言うと非合理である。 4、情報 多くの情報を得るほどコントロールできると考える 5、積極的関与 積極的に関与する程、コントロールの幻想に陥りやすい。 インターネットでのオンライン投資、BBS、チャット。 これまでは証券マンのアドバイス等を受けて投資するスタイルだったのが、オンライン投資は全て自分で投資計画を立案し、手続きをし、情報を集めて取引するため手間がかかる。そして、掲示板やチャットでの書き込みや閲覧等、作業時間の増大がパフォーマンスの向上に繋がると考えてしまう。 ●オンライン投資への警鐘¥ オンライン投資に切り替えた投資家は取引回数を非常に増やす傾向がある(便利さ故の甘えか?)。インターネットの情報はほとんどプロが流した情報はなく、もしあったとしても素人が正確に解釈できないために正しい投資行動が出来ない。 ただし、オンライン投資は取引コストが少ない利点がある。 第三章 後悔への恐怖とプライド 後悔・・・以前の意思決定が悪かった場合に発生 プライド・以前の意思決定が良かった場合に発生 Ex. 宝くじを同じ番号で買い続ける。友達に違う番号を進められる。 ① 買い続けて友人の言った違う番号があたる。・・・不作為の後悔 ② 番号を変えたら以前の番号が当たる・・・作為の後悔 ②の負効用の方が1より大きい。 ・ 気質効果 後悔を避け、自分のプライドを保とうとする 間違いを認めたがらない。 後悔の恐怖より、パフォーマンスの良い株を売ってしまう。 パフォーマンスの悪い方を売った方が税金は安くなる。 個別の良いニュースになると売る。 経済のニュースは反応しない。(あきらめ?) リファレンスポイント 第四章  ハウスマネー効果 [[行動ファイナンス理論 - Wikipedia>>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%82%B9%E7%90%86%E8%AB%96]] *人間は超自制的か?(行動経済学入門第六章まとめ) ●現実の人間はどのように現在と将来を選好するか? 実証的な選好 短期的には高い割引をする(その場の快楽を優先する) 長期的には低い割引をする(長期では忍耐強い) ●経済学の割引関数 人々は効用を合理的に計算し、時間に整合的な行動を行う。 u'(Ct)=δ(1+r)u'(Ct+1)と関数を定義する 割引率=-{D(t+1)-D(t)}/D(t)=-{δ^t+1-δ^t}/δ^t=1-δ ●双曲的割引モデル 実証的な人間に近づけたモデル。最初は高い割引をし、時間が立つにつれ段々割引率が低くなる。心理学側の提唱。 D(t)=(1+αt)^(-γ/α) 割引率=-{D(t)/dt/D(t)}=γ/α(1+αt) ●準双曲的割引モデル 1期目に余分に割引く。 D(0)=1, D(t)=βδ^tと関数を定義 割引率=-{D(t)-D(t-1)}/D(t-1) t=1の時、1-βδ t>1の時、1-δ ●3つのパターン ①コミットメントが存在する テストの勉強をしないと学校が退学になる、会社がクビになる等。 →当初の計画通りに実行する ②洗練された人 計画通りに実行しないことを織り込んで将来の行動の意思決定を行う 例:3日後のテスト対策に、直ちに勉強する。 理由:先延ばし行動をすることを知っているため、初日より2日目に先延ばしし、2日目は3日目に先延ばしして、3日目も先延ばし、つまり結局はやらないことを「事前に知っている」ため、今日やることが最適な行動なため。 ③将来自分が計画通りに行うと「誤って」信じている人 テスト対策を計画通りにやると思っていて、結局やらない。 実際は②と③の中間的な人間だと思われる。 ●習慣形成 過去の行動が将来の行動(決定)に影響を与える 能力が向上(コストが低下)するため ●本能効果 いつ本能が出るか分からない →計画と行動にずれが起こる 例:ダイエットをしていたのに、ケーキを目の前に出されると、つい食べてしまった。 ●記憶の不正確さ (意思の強さは記憶の強さでもある) *行動経済学2chスレ 行動経済学 http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/economics/1098505114/l50 友野典男『行動経済学』光文社新書 http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/economics/1157808971/l50 -[[行動経済学おもしれええwwwwww - チラ速>>http://pack4news.blog57.fc2.com/blog-entry-266.html]]
①行動経済学とは? ---- 今までの経済学において、人々は全知全能の未来のスパコンの如く、全ての情報に基づいて完全に合理的な経済行動をするという前提で作られていました。 行動経済学はその仮定を緩めます。「人々が完全に合理的な行動するわけねーじゃん。それじゃギャンブルにはまったり、損切り出来ずに塩漬けしている投資家のことを説明できねーだろJK。」という訳で、そういう実際の経済行動を人間心理に基づいて分析していこうというのが行動経済学です。 行動経済学はまだ発展途上の学問です。行動経済学はカーネマン=トベルスキーのプロスペクト理論の発表によって始まりました。最近の行動経済学では、主に心理学に重点をおいて経済行動を分析する分野と、今までの「合理的」という仮定をはずして非合理的な人間をモデリングして数式で分析したり実証研究する(どちらかというと経済学寄り)分野があります。(著者の主観的な考えですが。) 行動経済学の巷に溢れている行動経済学の本のほとんどは前者で、かなり食傷気味です。 プロスペクト理論 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%AF%E3%83%88%E7%90%86%E8%AB%96 ほかの書評 [[ランダムウォークと行動ファインナンス]] #amazon(489471650X,left)  #amazon(4894716526,left)  最新 行動ファイナンス入門 ノフシンガー,ジョン・R. 【概要】 100ページ程度で、主に認知心理学の観点から投資行動について解説した本。数式等の前提知識を必要とせず、誰でも簡単に読める入門書。終章に心理的バイアスを克服するセルフコントロールの手法が書かれている。 ただし、認知心理学に比重を置きすぎてマクロ的な観点、つまり市場全体の動向についてはあまり説明されてない。 第1章 心理学とファイナンス 伝統的ファイナンス ・ 合理的に行動する ・ 人の予測・行動には偏りがない ・ 偏りがあってもランダムで相殺される 行動ファイナンス ・ 投資判断に影響を与えるような心理的バイアスを研究 ・ 誤った投資行動の実証 ・上記の二点を踏まえた上で、どのように心理的なバイアスを避けるか? 人は正しく情報を処理出来るか? 目の錯視の例。心理的バイアスが働くので出来ない。 LTCMの失敗 ⇒ノーベル経済学賞受賞者等の頭脳集団のヘッジファンドの破綻 第二章 自信過剰 質問:あなたは優秀なドライバーか? 道で見かけるドライバーと比べて、平均以上ですか?以下ですか? 82%の大学生が、平均以上と回答。 ベンチャー企業家に、自分の会社が成功する確率を答えてもらうと、70%以上が成功すると答える(実際は39%) ●自信過剰による投資行動の影響 情報の正確性の過信⇒分析能力の過信⇒誤った意思決定と自分の戦略に過度の信頼⇒過度の取引と高いリスク負担をしてしまう。 ●自信過剰を増幅させる要因 ① 知識の幻想 情報が増えれば予測が正確になると考える。 Ex.さいころが3回連続4の目が出た。ある人は4が出る確率が高いと考え、ある人は4が出る確率が低いと考えた。 当然4が出る確率は1/6で変わらない。 つまり、不正確な情報に正しい判断が下せない。 Stale information(ガラクタの情報)に反応してしまう。 ② コントロールの幻想 コントロールできない結果について、自分は結果に対して影響を及ぼすことが出来ると考える。 1、選択 宝くじの番号を選ぶ行為。当然ランダムに選んでも結果は変わらない。 2、結果の連続 バブルで儲けた投資家が、上昇基調でたまたま利益が出ただけだったのにも関わらず、自分の力で利益を出したと考えること 3、慣れ 多くの投資家は、自社株や自分の地域の企業を買う。自分の会社や地域の方が情報を持っているからか?リスク分散の観点から言うと非合理である。 4、情報 多くの情報を得るほどコントロールできると考える 5、積極的関与 積極的に関与する程、コントロールの幻想に陥りやすい。 インターネットでのオンライン投資、BBS、チャット。 これまでは証券マンのアドバイス等を受けて投資するスタイルだったのが、オンライン投資は全て自分で投資計画を立案し、手続きをし、情報を集めて取引するため手間がかかる。そして、掲示板やチャットでの書き込みや閲覧等、作業時間の増大がパフォーマンスの向上に繋がると考えてしまう。 ●オンライン投資への警鐘¥ オンライン投資に切り替えた投資家は取引回数を非常に増やす傾向がある(便利さ故の甘えか?)。インターネットの情報はほとんどプロが流した情報はなく、もしあったとしても素人が正確に解釈できないために正しい投資行動が出来ない。 ただし、オンライン投資は取引コストが少ない利点がある。 第三章 後悔への恐怖とプライド 後悔・・・以前の意思決定が悪かった場合に発生 プライド・以前の意思決定が良かった場合に発生 Ex. 宝くじを同じ番号で買い続ける。友達に違う番号を進められる。 ① 買い続けて友人の言った違う番号があたる。・・・不作為の後悔 ② 番号を変えたら以前の番号が当たる・・・作為の後悔 ②の負効用の方が1より大きい。 ・ 気質効果 後悔を避け、自分のプライドを保とうとする 間違いを認めたがらない。 後悔の恐怖より、パフォーマンスの良い株を売ってしまう。 パフォーマンスの悪い方を売った方が税金は安くなる。 個別の良いニュースになると売る。 経済のニュースは反応しない。(あきらめ?) リファレンスポイント 第四章  ハウスマネー効果 [[行動ファイナンス理論 - Wikipedia>>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%82%B9%E7%90%86%E8%AB%96]] *人間は超自制的か?(行動経済学入門第六章まとめ) #amazon(4532113156,left)  ●現実の人間はどのように現在と将来を選好するか? 実証的な選好 短期的には高い割引をする(その場の快楽を優先する) 長期的には低い割引をする(長期では忍耐強い) ●経済学の割引関数 人々は効用を合理的に計算し、時間に整合的な行動を行う。 u'(Ct)=δ(1+r)u'(Ct+1)と関数を定義する 割引率=-{D(t+1)-D(t)}/D(t)=-{δ^t+1-δ^t}/δ^t=1-δ ●双曲的割引モデル 実証的な人間に近づけたモデル。最初は高い割引をし、時間が立つにつれ段々割引率が低くなる。心理学側の提唱。 D(t)=(1+αt)^(-γ/α) 割引率=-{D(t)/dt/D(t)}=γ/α(1+αt) ●準双曲的割引モデル 1期目に余分に割引く。 D(0)=1, D(t)=βδ^tと関数を定義 割引率=-{D(t)-D(t-1)}/D(t-1) t=1の時、1-βδ t>1の時、1-δ ●3つのパターン ①コミットメントが存在する テストの勉強をしないと学校が退学になる、会社がクビになる等。 →当初の計画通りに実行する ②洗練された人 計画通りに実行しないことを織り込んで将来の行動の意思決定を行う 例:3日後のテスト対策に、直ちに勉強する。 理由:先延ばし行動をすることを知っているため、初日より2日目に先延ばしし、2日目は3日目に先延ばしして、3日目も先延ばし、つまり結局はやらないことを「事前に知っている」ため、今日やることが最適な行動なため。 ③将来自分が計画通りに行うと「誤って」信じている人 テスト対策を計画通りにやると思っていて、結局やらない。 実際は②と③の中間的な人間だと思われる。 ●習慣形成 過去の行動が将来の行動(決定)に影響を与える 能力が向上(コストが低下)するため ●本能効果 いつ本能が出るか分からない →計画と行動にずれが起こる 例:ダイエットをしていたのに、ケーキを目の前に出されると、つい食べてしまった。 ●記憶の不正確さ (意思の強さは記憶の強さでもある) *行動経済学2chスレ 行動経済学 http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/economics/1098505114/l50 友野典男『行動経済学』光文社新書 http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/economics/1157808971/l50 -[[行動経済学おもしれええwwwwww - チラ速>>http://pack4news.blog57.fc2.com/blog-entry-266.html]]

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