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資金繰りの基本

勘定合って銭足らずは何故起こるのか

利益とお金の出入りは違う。理由はタイムラグが発生するから。

タイムラグの発生は何故起こるのか?

それは現代の会計は発生主義だから

発生主義とは

お金の出入りに関係なく収益と費用の「発生」に基づいて計算する方法

⇒つまり、利益と現金の動きは別物

 

損益と収支のズレの具体例

 

①現金商売・・・現金で仕入れ、現金で売り上げる

現金で商品を10,000千円仕入れ、商品を現金で15,000千円売った

この場合、お金の出入りと損益は一致する

               
 

 

収支

 

 

損益

   
 

収入

15

 

売上高

15

   
 

支出

10

 

仕入高

10

   
 

 

5

 

 

5

   
               

 

②現金で仕入、掛けで売り上げるケース

現金で商品を10,000千円仕入れ、商品を掛けでで15,000千円売った

 

 

 

収支

 

 

損益

 

収入

0

 

売上高

15

 

支出

10

 

仕入高

10

 

 

△ 10

 

 

5

利益は出ているが、△10M資金不足となる。

売掛金として10M増加する。

売掛金が回収された段階ではじめて、収支と損益が一致する

 

収支

繰越

△ 5

売掛金回収

15

 

5





 

③掛けで仕入れ、現金売上の場合

掛けでで商品を10,000千円仕入れ、商品を現金で15,000千円売った

 

 

収支

 

 

損益

 
 

収入

15

 

売上高

15

 
 

支出

0

 

仕入高

△ 10

 
 

 

15

 

 

5

 

この場合、掛けで仕入れているので支出は0になるのに対して、現金で販売したので資金負担は全くない。現金商売といわれる飲食業等に多い。

 

④掛けで仕入れ、売掛の場合

掛けで商品を10,000千円仕入れ、商品を掛けで15,000千円売った

 

 

収支

 

 

損益

 
 

収入

0

 

売上高

15

 
 

支出

0

 

仕入高

△ 10

 
 

 

15

 

 

5

 

どちらも掛けで販売し、仕入れているので資金負担の発生はない。

問題はどちらが掛けの「期間」が長いかによって資金負担の発生が異なってくる。

通常、仕入債務の期間の方が短い(つまり早くお金が出て行く)。

 

収支

繰越

0

買掛支払

10

 

△10

次回 財務3級財務2級 比較貸借対照表・簡易資金運用表(オリジナル)

 

最終更新:2019年10月09日 20:13