行動経済学入門 多田 洋介













人間は超自制的か?(行動経済学入門第六章まとめ)

●現実の人間はどのように現在と将来を選好するか?
実証的な選好
短期的には高い割引をする(その場の快楽を優先する)
長期的には低い割引をする(長期では忍耐強い)

●経済学の割引関数
人々は効用を合理的に計算し、時間に整合的な行動を行う。
u'(Ct)=δ(1+r)u'(Ct+1)と関数を定義する
割引率=-{D(t+1)-D(t)}/D(t)=-{δ^t+1-δ^t}/δ^t=1-δ

●双曲的割引モデル
実証的な人間に近づけたモデル。最初は高い割引をし、時間が立つにつれ段々割引率が低くなる。心理学側の提唱。
D(t)=(1+αt)^(-γ/α)
割引率=-{D(t)/dt/D(t)}=γ/α(1+αt)

●準双曲的割引モデル
1期目に余分に割引く。
D(0)=1, D(t)=βδ^tと関数を定義
割引率=-{D(t)-D(t-1)}/D(t-1)
t=1の時、1-βδ
t>1の時、1-δ


●3つのパターン
①コミットメントが存在する
テストの勉強をしないと学校が退学になる、会社がクビになる等。
→当初の計画通りに実行する

②洗練された人
計画通りに実行しないことを織り込んで将来の行動の意思決定を行う
例:3日後のテスト対策に、直ちに勉強する。
理由:先延ばし行動をすることを知っているため、初日より2日目に先延ばしし、2日目は3日目に先延ばしして、3日目も先延ばし、つまり結局はやらないことを「事前に知っている」ため、今日やることが最適な行動なため。

③将来自分が計画通りに行うと「誤って」信じている人
テスト対策を計画通りにやると思っていて、結局やらない。

実際は②と③の中間的な人間だと思われる。

●習慣形成
過去の行動が将来の行動(決定)に影響を与える
能力が向上(コストが低下)するため

●本能効果
いつ本能が出るか分からない
→計画と行動にずれが起こる
例:ダイエットをしていたのに、ケーキを目の前に出されると、つい食べてしまった。

●記憶の不正確さ
(意思の強さは記憶の強さでもある)
最終更新:2018年07月29日 00:07