[書評]通貨の未来

(kindle版)通貨の未来 円・ドル・元 (文春e-book) Kindle版 2016/4

(単行本)通貨の未来 円・ドル・元


第一章
アメリカは世界GDP23%だが、60%はドル圏という基軸通貨で、経済的な実力と金融面の影響力のギャップが拡大しつつある。

第二章
アメリカはGDP16%(ppp比)
中国は香港入れて17%(ppp)と拮抗している。
(あくまでppp、購買力平価)
ドルの支配はより強まりつつある

第三章
  • アメリカも孤立主義、自国中心の考え、ポピュリズムが台頭
  • IMFも弱いし、アジア通貨危機以降、新興国はIMFを良く思っておらず頼りたくない
  • アメリカ人の保護貿易的考えが蔓延
  • アメリカのまね論規制で、金融システムのアメリカ離れが起きつつある?

第四章
世界の経常収支不均衡
最後の貸し手がいない
多くの国は危機に備えアメリカ国債を持っている。
このままでは2035年には米国債不足が発生する

第五章
ニューヨークに人民元取引をする場がない
→作ればいいのでは?

第六章
人民元が国際化するには市場を全面開放、法の支配を確立させる必要がある

第七章
人民元の貿易取引は広がっていない
資本市場は閉鎖的
政府が解放を嫌がっている
(自由な資本移動に耐えられないと考えているから?資本流出の惧れている。)

第八章
中国経済原則

第九章
中国は万能で市場を自由に動かせられると思われていたが、その力を失いつつある
急速な高齢化、不動産高 就職難・環境悪化
民主化なくして先進国入りなし


管理人書評
2016年刊行。閉鎖的な市場である中国が市場開放を進め、米国と中国が資本市場も開放すれば米国(だけでなく世界も)も中国も経済的メリットがある、という結論だったのだが、どうやら(2019年8月現在)アメリカと中国は市場の相互開放ではなく、米中経済戦争に向かいつつある。

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最終更新:2019年08月05日 20:38