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マクロ経済学関連項目



ざっくりいえば日銀が通貨発行しまくればそのうちインフレになるというもの。

インフレになれば、経験的に短期フィリップス曲線で物価上昇率と失業率は反比例の関係にあることは、
期間のとり方に議論はあるが大体受け入れられているので失業率は減り、
実質金利(=名目金利-インフレ期待率)は下がり投資が増えることや
将来通貨価値下落予想により消費が増えることで景気回復になるという考え方。


参考:貨幣数量説 (大雑把に把握するためのモデル、開放経済に適用可かどうかは不明)
 仮定1:数量方程式MV=PYの流通速度Vを一定とする
 意味:貨幣量Mが増えれば名目GDP(PY)は増加する
 更に、下記の仮定をおく
 ⅰ.Mは中央銀行が管理できるとする
 ⅱ.Vは一定
 ⅲ.Pは名目GDPであるPYと生産水準Yの比
 ⅳ.Yは生産要素と技術水準に依存する。
  つまり、Yは外生変数で一定。
貨幣数量説の意味:マネーサプライが変化すれば物価水準Pも比例して変化する。


反リフレでは池田信夫(メディア論専攻)らが下記の理由で無意味といっている。


リフレへの反論①ベースマネーを増やしてもマネーサプライは増えない。

日銀がマネタリーベースを増加したところでマネーサプライは増えない。なぜなら、銀行はもう貸せる先がないから。現状でも預金があまりあまっていて、これ以上マネタリーベースを増やしたところで効果はない。
詳しくは下記のURL参照
アゴラ : 日銀がお札を刷ると「儲かる」のか? - 磯崎哲也
http://agora-web.jp/archives/954692.html


上記の反論(①-2)ベースマネーより期待インフレ(インフレ予想)の方が大事。

 日銀が将来も金融緩和政策を続けると信認させるようなアナウンスメントをとれば、リフレは可能。
 詳しくは下記URL
 インフレ・ターゲット(1):中央銀行の仕事と「期待」の仕組み: マーケットの馬車馬
 http://workhorse.cocolog-nifty.com/blog/2006/02/1_867c.html ----



(①-2)への反論:(①-3)インフレ予想はコントロール可能か?


日銀はインフレ予想をコントロールできるのか - 池田信夫 : アゴラ
http://agora-web.jp/archives/943851.html

上記のの反論

バブルを潰した時のようにすれば可能。実証は90年代にある。中央銀行は金融緩和よりも引き締めの方が得意。
また、インフレターゲット国はほぼコントロールしている。

下の方にあるイギリスのデータを見るかぎり、インフレ率や為替下落の率は、M4の上昇率と比較して非常に緩やか
もし仮に、デフレ派が言うように お金を印刷した額<インフレ率 となるなら、イギリスは今ごろ20%を越えるようなインフレになってないといけない。
それゆえ、お金を印刷したらハイパーガー て馬鹿は相手にする必要さえない。

下のイギリスのデータから考察として、

  1、 イギリスは十分すぎるほど金融緩和は行っている
  2、 1にも関わらず、失業率は大きく上昇している
  3、 M4上昇率に比べ、インフレ率の増加ははるかに緩やか。(平時で1/5ほど)

これらの考察から考えるに、失業率の低下の為には金融政策のみならず財政政策が必要で
M4の増加によるインフレ加速は過度に恐れる必要が無いとも考えられる。
ただここで一つの疑問が生じる。
貨幣数量式は、M×V=P×Yで示される。
しかしイギリスのケースを上式に当てはめると、左辺に対して右辺が全く追い付いてない。
他の各国も同様だろう。これをどう説明しるか?




リフレへの反論②インフレになったら逆に財政破綻加速?

インフレ率が1%、実質経済成長率1%、名目経済成長率2%だと仮定する。
また名目利子率と名目経済成長が同率だとする。
租税弾性値(経済成長率の変化率に対する税収の変化率の割合)を甘めに1.2くらいに見込んでも、
税収の増加額は4~5000億円程度である。
名目利子率1%と仮定すると、国債利払費は1年目で1年目には1兆円強増加になる。
つまり、税収増加<利払い費増加となってしまい、財政収支はかえって悪化する。
参考URL
デフレ脱却は信用できる確約か--池尾和人 : アゴラ
http://agora-web.jp/archives/973827.html

上記の反論

まず租税弾性値は線形関数ではない。(単純比例でなく、経済成長率に非線形比例する(税収弾性値1.1))
かつ、国債はインフレ率連動債は少なく、固定金利債が多い。
また、完全雇用状態でもなく、流動性の罠が指摘されている現在においては、金利はインフレ率と直接的に連動しない。
よってこの屁理屈は成り立たない。
まず最初にデフレ解消をした上での経済成長の増収が無くて財政再建などありえない。




日銀の国債引き受け⇒国債暴落?

日銀が国債を引き受ける日 - 池田信夫 : アゴラ
http://agora-web.jp/archives/946893.html

上記の反論

イギリスは既に国債を中央銀行が税収以上に直接引き受けしているが特に今のところ、暴落はしていない。
日本も既に短期国債は引き受けているが特に暴落などしていない。同じように長期国債でも、引き受け量にもよるが基本同じだろう。
さらにインフレ率を長期国債利率以下にすればある程度国債は売られるかもしれないが、暴落は無い。(パニックになれば100%無いとはいえないが)
むしろ国債を手放して、国内や国外に投資が向かった方が景気も回復するだろうし、為替が円安になり国内向けや輸出企業が業績を上げていいぐらいだ。
よって、池田信夫は間違い。



問6-4の回答の疑問①

キャピタルフライトは固定相場制特有の現象だということは分かった。
では、仮定の話として日本国民が海外へ資本流出したとしたらどうなるのか?
国際収支式:経常収支(CA)+資本収支(KA)-外貨準備高増減(ΔFR)=0より
1.円安になる。
2.資本流出の分だけ経常収支黒字となる。


イギリスの金融緩和

イギリス(U.K.)はなんか資料探すのが大変だ。

http://seekingalpha.com/article/271598-precious-metals-monitor-gold-on-upswing-as-debt-fears-overshadow-rallying-dollar
まずCPI
2000-2007年にかけて1%から3%までゆるやかに上昇
2008年ぐらいから大きくゆらいで最大5%まで推移
その後もぶれ幅が大きい

次にコアCPI
こちらは2000年は0%
2001年に1.5%になって2009年まで 1-2%で推移
2010年から3%程度に上昇

こうなってくると為替変動とマネーサプライが気になる
http://mediaserver.fxstreet.com/Reports/6079201e-b918-4abe-b257-18c57b51a9ca/7_20100118135339.jpg
M4成長率は青いラインの左軸目盛。
2000年以降、10%程度づつ成長しているが、金融危機には20%まで上昇
http://fxdata.ehoh.net/gbp.html
GBP/JPY(ポンド/円) は2000年180円程度 2007年に250円程度をピークに現在120円まで下降。

イギリスはかなりの金融緩和国だな。

UK unemployment-rate(失業率)
http://www.macrobusiness.com.au/2011/04/lessons-from-the-uk-housing-crash/uk-unemployment-rate/
まず最初に日本の失業率はめちゃくちゃな基準の為、海外の失業率は必然的に日本よりレートが高くなる。
その上で失業率の傾向として見て欲しい。

1990年は10%を超える悪夢の失業率。
その後減少を続け、2000-2008年は5%程度に留まる。
金融危機以降急上昇を遂げ、現在8%程度の失業率となる。

税率のグラフは見つからなかった。ただ2010年に 17.5%→20% となったというニュースは見つかった。





問6-4:リフレ策を採用すると円の信認が失われて、キャピタルフライトが起きてしまうのでは?

(BI@K:writings:余は如何にして利富禮主義者となりし乎(参考:頻出問對)
http://bewaad.sakura.ne.jp/archives/themebased/reflationfaq.html#q64より)

答:

デフレは財に対する通貨価値の過剰な上昇であり、日本であれば円の価値が下がることによってデフレが解消することになるので、過剰な信認が適正なレベルに落ち着くことは当然に予想される。 日本は恒常的に大規模なプラスの貯蓄投資差額を抱えており、一定規模の対外投資が生ずることは不可避(国内民間部門の投資で吸収しきれない貯蓄は、政府部門の投資で吸収(=財政赤字に裏打ちされた民間部門から政府への財・サービスの移動)するか、海外部門に対する投資(=資本収支赤字に裏打ちされた国内部門から海外部門への財・サービスの移動)で吸収するよりほかない)。

いわゆるキャピタルフライトは、単なる資本収支赤字ではなく、固定為替相場制(=中央銀行が損だとわかっていてもレート維持のため売買に応じてくれる)を前提とした一方的な資本流出であり、変動為替相場制である円において生じることはあり得ない。


頻出問對 問6-8回答の疑問(というか知識不足で理解できなかったところ)

完全雇用でなければインフレ率ほど名目利子率が上昇しないという意味がわからない

上記の回答
スタグフレーションを意味しています。
スタグフレーションは、物価上昇にも関わらず、景気は低迷し、非自発的失業が増加します。
景気が低迷すれば、将来物価下落の予想が市場において支配的になり、債券需要が上昇し、債券価格が上昇して債券利回りが下落します。
スタグフレーションのように非自発的失業が多ければ、インフレにも関わらず、非自発的失業が多いので将来物価下落の予想が市場において支配的になり、債券利回りが下落します。
つまり、名目利子率がインフレ率と同じように上昇しない事を意味しています。


フィッシャー方程式は完全雇用を前提としているが、現在の日本が完全雇用ではない

ことは明らかであり、従ってフィッシャー方程式は成立しないので効果がないというのは誤り(すなわち、物価上昇率の増加ほどには名目金利は上昇せず、実質金利の低下につながる)。



2chスレ

インフレターゲット支持こそ経済学の本流その155
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/eco/1172903179/
インフレターゲット支持こそ経済学の本流in経済学板
http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/economics/1093874091/
インタゲ、デフレ、インフレ、リフレ、日銀
http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/economics/1155091710/
★リフレ宣伝員★会議室★3@経済/経済学@ichigobbs
http://www.ichigobbs.org/cgi/15bbs/economy/1539/
リフレーション リフレ派とかって
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/eco/1236710463/
インフレはマネーの発行量では決定されない(かも)?
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/eco/1241962325/
インフレ到来の日までage続けるスレ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/eco/1150314111/
インフレターゲットを主張している政治家って誰?
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/eco/1035108309/
長い目で見てインフレになるのかデフレになるのか?
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/eco/1251207325/
【★】岩田規久男〓インフレターゲット【★】
http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/economics/1147714987/
ハイパーインフレから資産も守る方法を考えるスレ
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/market/1261923909/
小泉政権のリフレ政策で景気回復したよ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/eco/1168325108/
【インタゲ】もう不況には飽きた【リフレ】
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/eco/1078883839/
リフレを実現する為にロビー活動をするスレ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/eco/1260615272/
リフレを広める会
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/eco/1255808595/


参考リンク

BI@K:writings:余は如何にして利富禮主義者となりし乎(参考:頻出問對)
http://bewaad.sakura.ne.jp/archives/themebased/reflationfaq.html#q64
anti_deflation @ ウィキ - トップページ
http://www31.atwiki.jp/anti_deflation/
リフレ政策ポータルWiki - livedoor Wiki(ウィキ)
http://wiki.livedoor.jp/reflation/
デフレFAQ(リフレ派版)|増田にゃんねるβ
http://masuda.livedoor.biz/archives/51343245.html
インフレ・ターゲット(1):中央銀行の仕事と「期待」の仕組み: マーケットの馬車馬
http://workhorse.cocolog-nifty.com/blog/2006/02/1_867c.html
徒然なる数学な日々 at FC2
http://mathdays.blog67.fc2.com/
道草

http://econdays.net/
参考
クルーグマン「不況期にはインフラ投資がおすすめ」(2011年12月29日)
ttp://econdays.net/?p=5599
クルーグマン「円の熱望:デフレの罠」(2011年12月30日)
ttp://econdays.net/?p=5605
クルーグマン「ケインズは正しかった」(NYT,2011年12月29日)
ttp://econdays.net/?p=5590
日本のQEが機能しなかった理由 BY SCOTT SUMNER(25. MARCH 2011)
ttp://econdays.net/?p=3538
実質ショックと名目ショック(日本の失業率を例にして) BY SCOTT SUMNER
ttp://econdays.net/?p=5530
クルーグマン「インフレなんて怖くない」(2009年5月29日)
ttp://econdays.net/?p=5524
クルーグマン「落ち着いてきたインフレ」(時計回りのスパイラルシリーズ)
ttp://econdays.net/?p=5425
クルーグマン「収束するイギリスのインフレ」(ブログエントリ,2011年12月13日)
ttp://econdays.net/?p=5483





参考リンク(リフレ反対派)

アゴラ : 日銀がお札を刷ると「儲かる」のか? - 磯崎哲也
http://agora-web.jp/archives/954692.html
アゴラ : 貨幣数量説の敗北と勝利 - 池田信夫
http://agora-web.jp/archives/955775.html
ツイッター討論「デフレと相対価格」 #defle : アゴラ
http://agora-web.jp/archives/973802.html
デフレ脱却は信用できる確約か--池尾和人 : アゴラ
http://agora-web.jp/archives/973827.html
最終更新:2019年09月16日 20:25