資金使途別貸出

運転資金


仕入→在庫→販売(売掛金+受手)→回収の循環にかかる資金需要のこと。
 
1.経常運転資金(正味営業運転資金)=売上債権(売掛金+受取手形)+棚卸資産-買入債務(買掛金+支払手形)
資産
負債
売上債権
A
買入債務
C
棚卸資産
B
経常運資
A+B-C
 
 
B/S上の残高で計算する在高方式と、平均月商で計算する方法がある。
B/S上で計算すると、あくまで一時点での残高なので、恣意的または一時的な残高の増減を見過ごすことになるため平均月商で計算する方法がある。。
 
    在高方式による運転資金所要額の計算
 
運転資金所要額=売上債権+棚卸資産-買入債務
売上債権:受取手形残高=平均月商×売上原価率×手形回収率×受取手形サイト
売掛金=平均月商×平均売掛サイト
棚卸資産:商品残高=平均月商×売上原価率×商品在庫期間
買入債務:支払手形残高=平均月商×売上原価率×手形支払率×手形支払サイト
        買掛金残高=平均月商×売上原価率×平均買掛サイト
 
製造業の棚卸資産
原材料残高=月商×売上高原材料比率×原材料手持機関
仕掛品残高=月商×(売上高原材料比率×売上原価率÷2)×仕掛品回転機関
製品残高=月商×売上原価率×製品在庫機関
 
製造業支手=月商×売上高原材料比率×手形支払率×支手サイト
 
平均滞留期間(平均サイト)
25日締月末払
最長の滞留期間が26日、26日から翌月末前日までの24日間
最短の滞留期間が25日、25日から今月末前日までの5日間
24日間+5日間÷2=19.5日間
 
②回転期間方式
運転資金所要額=平均月商×(売上債権回転期間+棚卸資産回転期間-買入債務回転期間)
収支ズレ(収支差立替期間)=(売上債権回転期間+棚卸資産回転期間-買入債務回転期間)
 
売掛債権+棚卸資産<買入債務・・現金商売等の運転資金不要先が多い。なぜなら現金商売では仕入は買掛で行い、売上は現金だから。
売掛債権+棚卸資産>買入債務・・自己資本や借入以外の負債で賄っている場合は不要。
 
 
 
2.増加運転資金
  ①売上増加に伴う売掛金、棚卸の増加(回転期間は不変)
   増加運転資金=売上増加後の運転資金-売上増加前の運転資金
   増加運転資金所要額=月商増加分×(売上債権回転期間+棚卸資産回転期間-買入債務回転期間)
  ②回転期間の変化
 
3.減少運転資金(減産資金)

  ①売掛金+棚卸資産>買掛金の時で、売掛金回転期間が長期化する場合

   売上回復すれば全額償還

   商手割引で資金調達
   不足運転資金所要額=平均月商×(売上債権回転期間延長分+棚卸資産回転期間延長分-買入債務回転期間延長分)
  ②売掛金+棚卸資産<買掛金の時で、売り上げ減少した場合
運用
調達
買入債務減少
A
 
売上債権減少
B
棚卸資産減少
C
資金需要
A-B-C
 
必要額=減産後運転資金-減産前運転資金
業況悪化のおそれがあるため慎重に検討する必要あり。(減産→滞貨→赤字となるパターン)
 
売上減少→運資減少→短期借入金余剰→現預金
                   ↓(ハネ資金)
売上減少→利益減少→長期借入金返済財源不足
 
4.滞貨資金
滞貨(デッドストック):販売不振から来る過剰在庫
必要金額:滞貨数量×単価
滞貨発生理由
    欠陥商品
    市況不振・需要後退による販売不振及び値崩れ防止のため販売抑制手段を取ったとき等
 
5.赤字資金
赤字から資金不足に陥ったときに発生する資金
赤字資金発生額
経常収支=経常収入-経常支出
    =経常利益+減価償却費等-退職給付引当金等-運転資金増加額
 
6.決算資金・納税資金

  決算の配当や納税のための借入。

 

7.賞与資金

  賞与支払のための資金。通常一年ぐらいで収益償還。

 

8.金繰り資金(ハネ資金)

  借入返済の不足分を新たな借入で補填する資金。

  本来ならリスケを検討すべきだが、開示債権になってしまう・手間等が非常にかかるため、ハネ資金を出す場合が多い。
 
 
 

設備資金


 

1、設備資金

  ・設備資金の返済原資=留保利益+減価償却費+増資払込金-既存長期借入金返済額

  ・留保利益=当期純利益-支払配当金

2、つなぎ資金

  名前の通り本件実行前のつなぎ資金。

3、固定資産見合資金(固定資産補填資金)

  固定資産(+繰延資産)>固定負債+自己資本の時で、固定資金の調達不足を短期で賄っている場合、その不足分を補う資金のこと。
  必要金額:約弁-償却前利益

  本来なら条件緩和すべきだが、開示債権になってしまうので出来ない場合の補填資金。

 

 

 

 

正味運転資本


 

正味運転資本=流動資産-流動負債 

特に流動負債>流動資産のとき、流動ギャップ(流動アンバラ)という。

運転資金と名前は似ているが別物。


 
資産
負債
流動資産
A
 
流動負債
B
正味運転資本
A-B