LANケーブルの屋内外配線のDIY・工事、及び無線LAN中継機やPLCについて




LAN配線の前にLANについて


LANとはLocal Area Network(ローカル・エリア・ネットワーク)の頭文字を合わせた略語です。ローカルエリア(宅内/事務所内)の有線LAN・無線LAN・中継機・子機(ルーターのブリッジモード/アクセスポイントモードを含む)等について良く分からないという方は最初に下記3つを良く読んで下さい。ルーターとハブの違い、接続方法、無線LAN等について分かりやすくて解説されているので参考になると思います。(ルーターのブリッジモードとアクセスポイントモードは同じ機能です、メーカーによって呼称が違うだけ)




子機用としてオススメな無線LANルーターってある?


以前に使っていた無線LANルーターが手元にあればそれを子機(BR or AP)として再利用することをオススメします。本体側面にルーター機能を無効にする切り替えスイッチ(ブリッジモード or アクセスポイントモード)が付いているはずです。機種によって表記が異なります。Auto/On/OFFならOFF、Auto/RT/BRならBR、Auto/RT/APならAPにしてください。

低予算ならばWSR-1166DHP3(無線LANが866Mbps+300Mbps)がオススメです。無線LANルーターですが中継機モードに切替可能で有線LAN 1Gbps対応です。
似た型番のWHR系(WHR-1166DHP4など)は間違っても購入しないでください。有線LANが100Mbps、更に無線LANの電波出力を極端に下げてあり近くでも速度が出ないとのレビューが多いです。

更に低予算で抑えたければWEX-G300(据置型中継機)をお奨めします。ルーター機能はありませんが中継機として人気であり、子機として(親機とLANケーブルで接続して)使うことも可能です。
中継機(WB)や子機(BR or AP)として利用した場合、無線LANの最大速度(理論値)は300Mbpsと記載されていますので、近くでの実効速度(スループット)は約半分の150Mbps出れば良い方です。といっても、実際は電波が届きにくい場所へ中継機(WB)として設置される場合が多いと思われるため有線(100%)と比較して10~20%程度出ればいい方でしょう。実際に設置してみないとどの程度速度が出るか分かりません、場合によっては電波状況が悪くなることもあります。中継器(WB)として電波状態が悪化するような場所なら子機(BR or AP)としての利用を推奨します。後述する(最後の方にある)「無線LANの中継機について」も参考にしてください。

空港の近くにお住まいの方、または無線LAN(Wi-Fi)を5Ghz帯で接続してるときに時々切断されて1分程度しないと接続できない症状を経験したことがある方は気象・航空レーダーによるDFS発動の可能性があるため こちら にも目を通しておいてください。



IPoE IPv6+IPv4(IPv4 over IPv6)対応ルーターでオススメってある?


IPoE IPv6+IPv4(v6プラス、ds-lite、IPv6オプション、IPv6高速ハイブリッド)を検討されている方は対応ルーターを購入、またはレンタルしてください。

【 v6プラス、ds-lite、IPv6オプション 対応 】
  • WN-AX1167GR2
    • WN-AX1167GR2は対応ルーターの中では安価です。
    • v6プラスのIPv4のポート転送に未対応です。
    • IPoE接続時のスループットが200Mbps程度です。200Mbpsも出ていれば支障を感じることはないと思います。PPPoE接続時やLAN内のスループットは一般的なルーターと同程度です。
  • WXR-1751DHP2
    • BiglobeのIPv6オプションは2017年11月1日以降のファームウェアで対応
  • WXR-1901DHP3
    • BiglobeのIPv6オプションは2017年11月1日以降のファームウェアで対応
  • WXR-2533DHP2
    • BiglobeのIPv6オプションは2018年5月10日以降のファームウェアで対応
  • プロバイダーによっては対応ルーターのレンタルが有ります。
  • v6プラスとIPv6オプションはIPv4の一部のポート転送が可能です。詳細
  • ds-lite方式はIPv4のポート転送に未対応です。詳細

【 v6プラス 対応 】
  • ひかり電話契約にてNTTから貸し出されるHGW(300シリーズ、400シリーズ、500シリーズ)はv6プラスとIPv6オプションに対応しています。ds-liteには未対応です。
  • 契約時に200シリーズが送られてくる場合があります。v6プラスを利用する場合、NTTフレッツ光(非コラボ)では300シリーズ以降へ無償で交換(※)してくれるようですが、光コラボでは有償(1万円)で300シリーズ以降へ交換してくれるようです。
    • ※NTT東西で対応が違う場合があります。

【 IPv6高速ハイブリッド 対応 】
  • レンタルの光BBユニット(月額504円)のみです。
    • SBやYmobileのスマホ割引に必要な「おうち割セット(月額540円)」には光BBユニットが含まれています。
    • 契約者情報等が設定済の光BBユニットが送られてくるため、ヤフオクやメルカリなどで光BBユニットを入手してもIPv6高速ハイブリッドは使えません。
  • IPv4の全てのポート転送が可能です。詳細



屋内のLAN配線を1本で済ませたいけどオススメある?


中継コネクタや隙間を通すこととか考えるのが面倒くさい、何でもいいから隙間を通せて1階から2階までこれ1本で引けるようなLANケーブルって無いの?という方にオススメなのがミヨシ カテゴリ-6Gigabit対応フラットLANケ-ブル 厚さ1mm 幅4mmです。長さも1m、2m、3m、5m、7m、10m、15m、20m、30mと種類が豊富です。

LANケーブルは機器間(パソコン、ルーター、スイッチングハブ等)の最大長が100メートルまでなら通信が保障されています。



屋内のLAN配線を直角に曲げたいんだけど?


ドアの隙間を通すにはフラットLANケーブルがあります。
フラットケーブルの多くは直角曲げ不可なのですが、以下に紹介するものは直角に曲げても大丈夫です。


窓の隙間から屋外に出すのに便利
隙間用LANケーブル0.5m
隙間用LANケーブル1.0~2.0m

窓の隙間用LANケーブルを直角に曲げたあと、失敗したからといって元(真っ直ぐ)に戻すと断線することがあるため慎重に加工してください。
あとは必用に応じてLANケーブルを何本か用意し、LANケーブル中継用コネクタで接続してください。屋内のLANケーブルはカテゴリ5e(1Gbpsまで対応)以上なら何でもいいです。(カテゴリ6aは10Gbpsまで対応)
LANケーブルは機器間(パソコン、ルーター、スイッチングハブ等)の最大長が100メートルまでなら通信が保障されています(速度低下は無いに等しい)。例えば以下のように接続した場合は 100m x 3 = 300m の通信が保障されるということです。
ルーター == sw hub == sw hub == パソコン
※ == はLANケーブルです。

機器間を保障外の100mより長くした場合(150mや200mなど)、速度は低下するけど通信は出来るらしいです。どの程度遅くなるのか、または通信が正常に行えるかどうかについて私は試したことがないので分かりません。特殊な環境でもない限り100m以下のものを利用してください。保障外の長さにする場合は自己責任で行ってください。



屋内LAN配線の固定方法について


低コストで簡易で良いなら押しピン(摘めるタイプ)フック付き押しピンを頭よりちょっと高め(ドアの高さ辺り)に1メートル間隔で挿して、それにLANケーブルを載せればいいです。載せるだけだと落ちてくるので結束バンド(インシュロック)で縛ればいいです。押しピンと結束バンドはダイソーに売っているので安く済みます。邪魔になって撤去した場合も穴が小さいので目立ちません。※押しピンでLANケーブルを刺さないで下さい、刺したら通信できなくなります。

低コストでシッカリ固定したいなら絶縁ステップルを使うのが一般的です。LANケーブルを軽く押さえる程度に金槌で打ち込んでください。打ち込みすぎてLANケーブルを断線させないように注意してください。

壁に穴を開けたくないということであれば3M コマンド フック コードクリップがオススメです。但し、壁紙がタバコのヤニ等で汚れていたり、木材の場合は不向きです。綺麗な壁紙やプラスチック、及び金属製の平面には良く引っ付きます。M コマンド タブ系は剥がし方に注意が必用です。説明通りに壁と水平方向にゆっくり引っ張らないと壁紙が剥がれます。接着する面に油分があると直ぐに剥がれてくるのでキッチン周辺に貼り付ける場合はベンジンで拭き上げてから貼り付けた方がいいです。固定する間隔は1メートル以下を推奨します。間隔が広すぎると時間が経ってから剥がれる恐れがあるためです。利用するLANケーブルは通常のタイプだと重いので出来ればミヨシ カテゴリ-6Gigabit対応フラットLANケ-ブル 厚さ1mm 幅4mmを推奨します。
同商品系にクリップ付きの3M コマンド コードクリップという商品があるのですが接着面が小さいので使えるかどうかは環境(壁)次第といったところでしょうか。

もう少し予算を掛けて良ければ、ケーブルモール(1m×10本セット、LANケーブル1本用、両面テープ有)を壁に貼り付け、その中にLANケーブルを通してみては如何でしょうか。見栄えは押しピンよりはいいです。
※ケーブルモールにLANケーブルを2~3本通すならこちらです。
※中継コネクタを収めたいならこちらですが、価格が1本用の倍程度します。1本用を利用する場合はケーブルモールをノコギリ等でカットして中継コネクタ部分だけケーブルモール外に出すような工夫が必用です。
※天井にモールを固定する場合はネジ止めしてください。天井に両面テープで貼り付けるとしばらくして落ちてきます。



屋内の電話線用配管を使ったLAN配線について


2~3階建ての場合、全ての階にモジュラージャック(電話用配線の接続口)が設けられている場合があります。1F~3Fのモジュラージャックの垂直位置が同じなら上階のモジュラジャックのカバー(化粧カバー)を外してLANケーブルを通せる余裕があるか確認してみてください。上階(または下階)からライトを照らし、下階(または上階)でライトの光が見えるなら通せる可能性が高いです。



引き戸の部屋に通したら隙間が気になるんだけど?


ホームセンター等で隙間用テープが販売されています。隙間用テープを貼り、LANケーブルを通す部分だけ少しカットすれば隙間が気にならなくなると思います。



屋外LAN配線について


前述した窓の隙間を通すLANケーブル(その1その2)と屋外用LANケーブルを利用するのが簡単ではあるのですが、年数が経つと屋外の中継用コネクタ部分等の劣化(環境によりますが早ければ4~5年で劣化)によって通信速度が落ちたり通信が出来なくなる場合があります。その都度交換すればいいのですが面倒なことに違いはありません。出来れば屋外で中継コネクタを経由をしないように配線したほうが良いのですが、屋外用LANケーブルは硬いので曲げるのが大変だったりします。どちらの方法が良いのかは環境や好みによります。それと隙間用LANケーブルを直角に曲げたあと、失敗したからといって元(真っ直ぐ)に戻すと断線することがあるため慎重に加工してください。

屋内用LANケーブルを屋外で利用する場合はPF管 16(内径16mm)で保護することを推奨します。LANケーブルを2本通す場合はPF管 22を利用してください。(PF管16でも屋内LANケーブルを2本分通せる余裕はありますがLANコネクタ<RJ45コネクタ>が通りません)

中継コネクタを利用しなければならない場合は防水をしっかりと行ってください。そうすることで長持ちさせることが出来ます。オススメはブチルゴムテープです。このテープはビニールテープ等とは違い、使い方に気をつける必用があります。粘着力が無いので通常のテープのようにただグルグル巻いただけでは全く効果がありません。テープを伸ばしながら巻きます。大体3~5倍程度に伸びます。水が入り込まないよう両側のLAN端子と中継コネクタを包み込むようにシッカリと1往復~1往復半程度巻きつけます。あとは付属のビニールテープで補強して作業完了です。ブチルゴムテープは時間が経てば自然に融着します。

エアコン用の穴を利用する場合、エアコン未設置だと穴を金属製のカバーで塞いであることがあります。ドライバー等で簡単に外せるのですが、金属製だと穴開けが難しいので別途エアコン穴用カバーを購入してそちらに穴を開ければいいでしょう。防水が必用なら住宅用防水シリコンコーキングガンで気になるところを塞げば(コーキングすれば)いいです。防水用シリコンはネット通販で買うよりホームセンターで買ったほうが安いです。

エアコンが設置済の場合はエアコンのカバーを外せば穴が見えるようになるはずです。エアコンのカバーの外し方は基本的にどのメーカーも殆ど同じなので下記動画を参考に外すといいでしょう。穴を通したらLANケーブルが押し潰されないようにエアコンの電源コードと同じ穴を通せばいいです。穴が小さければニッパー等で穴を広げればいいです。エアコン配管用のパテ(粘土)が必用ならホームセンター等で売っています。

エアコンカバーの外し方



屋外用LANケーブルにPF管などは不要です


屋外用LANケーブルは高耐久の防水加工が施されていますのでLANケーブル用の配管、及び保護カバー等で覆う必用はありません。無駄にコストが掛かるだけです。
晴れの日に地面がある程度乾く場所なら地面の上に野ざらしでもいいです。LANケーブルが常に水に浸かるようなところは避けてください。

埋設する場合は注意が必要です。そのまま埋設すると微生物によって被覆が分解されてしまうのでやめてください。「配線 埋設」などでググって適切な方法で埋設してください。



3階建ての屋外配線について


エアコンの設置場所によっては、エアコン用穴の外側にベランダが無い場合があります。例えば2階に中継地点(ルーター子機)を設置した場合、3階のエアコン用穴からLANケーブルを外に出すのは苦にならないと思いますが、3階からのLANケーブルを2階で引き込もうとするとベランダ等が無いと引き込みが難しくなります(危険)。この場合、2階を中継地点にするのではなく1階を中継地点にすれば解決します。つまり3階から1階へ、2階から1階へと屋外LANケーブルを配線し、1階のルーター(またはスイッチングハブ)を中継地点にすると良いです。

 2F中継の場合          1F中継の場合
  3F ルーター子機 ━┓      3F 子機 ━┓
  2F ルーター子機 ━┫      2F 子機 ┓┃
  1F ルーター親機 ━┛      1F 親機 ┻┛



PLC(電源コンセントを使った通信機器)について


導入コストについて(2018年1月)
2個セットで5000円~となっており約3年前(2015年)と比較して半額以下になっています。

導入コストについて(2015年)
最低でも2つ以上のPLC(2個で約1万5千円~)が必要なため、ノイズフィルター等を含めると初期費用だけで2万円程度のコストが掛かります。NTTフレッツ系を利用中なら1万円程度でLANケーブル1本を配線工事してくれるので工事を依頼した方が低コストです。また、LANケーブル接続だと速度が低下しないメリットもあります。NTT以外の回線を利用中なら配線工事日は約2万円です。近所の電気工事屋さんに依頼すれば1万5千円~2万円程度です。詳しくは最後の方の「LAN配線の工事を依頼した場合の費用等」を参照してください。

PLCは電線状態(新旧)や配電方法や接続している家電品のノイズの影響を受けます。詳しくは下記のPanasonicのサイトを参照してください。
分電盤の種類や宅内環境がPLC通信に及ぼす影響と対処方法について

分電盤の状況による影響について
理論値は90~240Mbpsと書いてありますが、実際には異相間通信になると有線接続で5~10Mbps程度です(PS4などのゲーム機なら上下5Mbpsも出ていればオンラインを快適に遊べます、重要なのは応答速度=pingです)。状況によっては通信が確立しないことがあります。同相間通信でノイズなどが無ければ30~40Mbps程度を期待できます。各家庭の環境が違いますので実際に試してみないとどれくらいの速度が出るのか解りません。異相が違っていて速度が出ない場合は分電盤の工事を依頼して同相にすることが可能です。

家電品のノイズによる影響について
インバーター付き照明、エアコン、扇風機、ドライヤー、掃除機、携帯電話の充電器(は結構ノイズが酷いです)等のノイズが影響し、ノイズが無い時と比較して半分程度の速度になります。仮に設置時は調子が良くても家電品を買い換えたらノイズが酷くて速度が遅くなる可能性もあります。そういったノイズの影響を抑えるためにコンセントとノイズ発生源(携帯の充電器等)の間にノイズフィルーター挟めばいいです。例えばELECOM 電源タップ 雷サージ対応 KT-180を利用すればノイズによる速度低下を10%程度に抑えることが出来ます。ノイズフィルター付きPLCも効果は同程度です。

コンセント = ノイズフィルター = 携帯の充電器
というように接続します。
PLCはそのままコンセントに差し込みます。
コンセント = ノイズフィルター = PLC という接続は間違いです。

しばらく使っていると安定しなくなる現象について
一部の環境でしばらく(半年程)経つと通信が安定せず、切断されることがあるようです。原因は解りませんが、PLCをコンセントから抜いて1分程して差しなおせば改善されるようです。

オススメは以下のPLCとノイズフィルターです。


PLC
TP-Link TL-PA4010 2個セット
高さ 6.5 x 横幅 5.2 x 奥行き 3.0 cm なので横幅はクレカとほぼ同じで高さは3/4程度です。

PLC
TRENDnet TPL-406E2K 2個セット
高さ 7.0 x 横幅 5.0 x 奥行き 3.0 cm なのでTP-Link とほぼ同じ大きさです。

PLC
I-O DATA PLC-HP240EA-S 2個セット
高さ 10.2 x 横幅 6.2 x 奥行き 2.7 cm なのでTP-Link TL-PA4010より大きいです。

Panasonic BL-PA310KT 2個セット 販売終了
Panasonic BL-PA310 増設用(1個) 販売終了
高さ 20.2 x 横幅 14.8 x 奥行き 6.4 cm なので結構大きいです。

PLC - ノイズフィルター付き
Panasonic BL-PA510 増設用(1個) 販売終了
高さ 23.2 x 横幅 15.4 x 奥行き 7.8 cm なのでかなり大きいです。
このPLCはLAN端子が1つなのでLANケーブルを複数接続するためにはLAN端子接続口の多い(無線LAN)ルーター、もしくはスイッチングハブが必用です。

PLC - ルーターと無線LAN機能付き
BUFFALO WPL-05G300/2 11n/g/b 無線LAN親機 2個セット 販売終了
BUFFALO WPL-05G300 11n/g/b 無線LAN親機 増設用(1個) 販売終了
高さ 11.2 x 横幅 7.7 x 奥行き 5.4 cm なのでPanasonicのPLCと比べたら1/4程度ですが、それでもやっぱり大きいです。
子機として利用する場合はブリッジモードに切り替えて使用してください。



TLC(TV用同軸ケーブルを使った通信機器)について


導入コストについて(2019年4月)
2個セットで2万円~となっておりPLCの約4倍のコストが掛かります。

ここで紹介するTLCは2台(親機と子機)で実効値が60~70Mbps程度出るようです。台数が増えると遅くなるようです(3台だと40Mbps前後?)。
更に高価(1台2万円~)なTLCになると実効値で300Mbps程度出るものがあるようです。

戸建向け
EOC10C01
  • 子機通信可能 自動登録
  • 自動登録なので接続するだけで簡単に使えます。

集合住宅(マンション、アパート)向け
EOC11C01
  • 子機通信不可 手動登録
  • 手動登録なのでEOC11C01同士を同軸ケーブルで接続して数秒間ボタンを押し続ける(手動登録する)必要があります。
  • 子機通信不可なので他のEOC11C01に接続しているパソコンやスマホへのファイル移動(コピー)などが出来ません。

集合住宅(マンション、アパート)向け
EOC12C01
  • 子機通信不可 自動登録
  • 自動登録なので接続するだけで簡単に使えます。
  • 子機通信不可なので他のEOC11C01に接続しているパソコンやスマホへのファイル移動(コピー)などが出来ません。
  • 集合住宅内の他の家庭でEOC12C01を利用された場合はこちらの親機に繋がる可能性があり、もしかしたらインターネットにタダ乗りされる可能性があります。



無線LANの中継機について



電波を100%中継することは出来ません。

個人的には中継機をあまりお勧めしません(但し、無線LANルーター[親機]と中継器をLANケーブルで接続し、中継機を子機として利用した場合を除く)。理由としては無線は万能ではなく周囲からの影響を受けやすいからです。ゲーム機でオンラインプレイ中(マルチプレイ中)は無線LANによるラグ(遅延)や切断がストレスになります。

もし、親機の直ぐ近くで通信速度が1~5Mbpsしか出ない状況なら、どんなに良い機器を使ってもそれ(1~5Mbps)以上は出ません。そのような状況なら先にIPoE接続が利用可能なプロバイダーへの乗り換え、もしくは他の回線業者への乗り換え等を検討してください。

以上を踏まえた上で中継器を利用する場合の注意点などを説明します。

先ずは親機の設置場所を変更してみてください。親機が1階にあるなら台の上に載せて高い位置(出来れば目線の高さ程度)に設置、または家の中央付近に移動させてください。注意点としては親機を金属製のケース内(棚など)に設置するとと電波が飛ばなくなるので気をつけてください。これだけで改善される場合があります。

電波が届きにくい部屋に中継器を設置しても殆ど効果はありません。逆に電波状況が悪化する可能性の方が高いです。「中継器」という名の通り「無線LANルーター(親機)」と「電波が届きにくい部屋」の中間に設置するのが好ましい機器です。

親機とWi-Fi端末(スマホやパソコン)の間に水回り(台所、トイレ、風呂場、洗面所など)があると金属製の水道管に電波が吸収されるので水回りを迂回する位置に中継機を置くのが好ましいです。場合によっては親機の位置を移動させる必要があります。

中継機の効果を最も発揮できるのは無線LANルーター親機と中継機がお互いに見通せる場合です(それでも減衰します)。どうしても見通せる場所に設置出来ない場合はなるべく間に障害物が少ない位置に設置してください。また、親機と異なる階数に中継機を設置する場合は親機の真上(真下)に設置してください。何故かと言うと無線LANルーターの電波は斜め上や斜め下方向に弱いからです。

電波の飛びやすさは
障害物なし >>>>> 木造 >>> 鉄筋構造
という感じです。電波は鉄に吸収されてしまうため、鉄筋構造の建物は電波が届きにくいです。

集合住宅(マンションやアパート等)や住宅街では無線LANルーターを利用している家庭が増え、ある日を境に速度が低下したり、切断されるようなことがあります。酷い場合は無線LANルーターが設置してある隣の部屋ですら頻繁に切断されるようになります。そのような環境で安易に中継機を設置すると更に電波状況が悪化して繋がりにくくなるのでご注意を。そのような場合でも中継機と親機をLANケーブルで接続することにより、子機として利用できます。

無線の規格は2.4Ghzの802.11 b/g/nと5Ghzの802.11 n/a/acなどがあり、最高速度は5Ghzの11a/acが速いのですが(2.4Ghzと比較して5Ghzの方が)障害物に弱いので無線LANルーターが設置されている部屋以外では2.4Ghzの11nの方が安定して速い場合が多いです。但し、周囲(近所)の2.4Ghzの利用者が多くて混信している場合は5Ghzの方が安定することがあります。よって無線LANの通信が安定しなくなったら2.4Ghzから5Ghzへ、または逆へ変更してみてください。

無線LANの理論値が600Mbpsと表示されている機器なら、ルーターの近くで測定した実効値(スループット)は半分(300Mbps)も出れば良い方です。

前にも少し触れましたが、中継器の設置前より電波状況が悪くなることがあります。例えば親機の近くで無線LAN接続した速度を100%として離れた部屋が10%だった場合、中継機を設置することで離れた部屋の速度が15~20%になることが理想です。しかし、中継器は親機の無線LAN設定を継承するため、親機の近くで接続してから中継器の近くに移動したりすると親機の電波が届いていれば中継器に切り替わらず(中継器をスルーするので)、逆に中継器の電波干渉(混信)を受けてしまい以前より電波状態が悪くなる(5%以下になる)ことがあります。この場合、無線LANを切断して10秒程待ってから接続しなおせば中継器に繋がることが多いのですが、環境によっては親機に接続しにいってしまい、中継器の設置場所を変更しても思ったような効果が得られず、前の状態に戻したほうが良い場合があります。

中継器設置前
無線LANルーター親機(100%)~~ スマホ(10%)
※~~は無線です。

中継器設置後1(中継器を経由出来た場合)
無線LANルーター親機(100%)~~ 中継機(50%)~~ スマホ(15~20%)
※設置前より良くなる

中継器設置後2(中継器をスルーした場合)
無線LANルーター親機(100%)~~ 中継機(スルー)~~ スマホ(2~5%)
※設置前より悪くなる


以下は5000円前後の中継器です。



メッシュネットワーク(次世代中継機)について


2017年頃からメッシュネットワークを採用した無線LANルーターが登場してきています。(2018年3月時点で)メッシュネットワークで代表的なのがAsusのAiMeshです。AsusのAiMesh対応機器でしかAiMeshを構築できませんが、シームレスなWi-Fi環境を構築することに優れています。また、AiMesh対応ルーター2台(メイン機とサブ機)をLANケーブルで接続すれば更に安定度は高くなります。

無線LAN中継器の説明でも書きましたが、メイン機とサブ機をLANケーブルで接続せずに(無線LAN中継器のような)AiMeshを構築する場合はサブ機を電波が届きにくい部屋に設置しても効果はありません。寧ろ電波状況が悪化することがあります。「メイン機」と「電波が届きにくい部屋」の中間辺りにサブ機を設置するのが好ましいです。設置場所の階数が異なる場合はメイン機の真上(真下)の部屋にサブ機を設置するのが好ましいです。環境によって良好な設置場所は異なるので色々と試してください。

メイン機とサブ機をLANケーブルで接続する場合は一般家庭環境ならどこに設置しても概ね問題ないと思います。

※2018年5月に異なるベンダー間で通信可能になる「Wi-Fi CERTIFIED EasyMesh」が発表されました(詳細は後述)。
※ASUSにはメッシュネットワークに対応しているLyra mini(Lyraシリーズ)がありますがAiMeshとの互換性はありません。
※Lyraシリーズが2018年年末にAimeshに対応しました。

AiMeshにはRouter Mode(RT)、AP Mode(AP)、Repeater Mode、Media Bridge、AiMesh Node(AiN)の5つのモードがあり、RT ModeとAP ModeのどちらかをAiMeshのメイン機にすることが可能です。サブ機はAiMesh Nodeにしてください。

IPoE IPv6+IPv4(IPv6高速ハイブリッド、v6プラス、Transixサービス、IPv6オプション)環境でも専用ルーターの配下にAiMeshを簡単に構築出来ます。例えば光BBユニット(IPv6高速ハイブリッド対応ルーター)とAiMesh対応ルーター2台(RT-AC86UとRT-AC68U)の場合は
光BBユニット ー RT-AC86U(AP) ー RT-AC68U(AiN)
今まで通り、光BBユニット設定のDMZで配下のルーター(RT)を指定すればルーター機能の全てを配下のルーター(下記の接続例ではRT-AC86U(RT))に任せることが出来ます。(IPv6高速ハイブリッドでの接続例
光BBユニット ー RT-AC86U(RT) ー RT-AC68U(AiN)
もちろん、IPoE接続とPPPoE接続の併用接続(同時接続)でAiMeshを利用することが可能です。(例:IPv6高速ハイブリッドとPPPoE接続を併用するには

2018年2月時点のAiMesh対応ルーターは8機種です
※RT-AC67UとRT-AC68Uのスペック(CPUやメモリ等)は同じであり、大きな違いは横置き(RT-AC67U)と縦置き(RT-AC68U)です。日本国内の最大送信出力は200mWまでと法律で定められています。RT-AC68Uは標準80mWで最大200mWまで設定可能です(InternetWatchの記事参照)。新しいFirmware(Bios)では送信出力設定がmWではなく%になっているものがあります。

ASUS公式ルーター製品比較
この製品比較一覧にはAiMesh非対応機種が含まれています。


  • 個人的な意見ですが、対応製品が発売されたとしても最初の2~3年は相性問題が発生すると思われるので、安定して使うには同じメーカーのものが好ましいと思います。異なるベンダー間で安定して使えるようになるのは5年後(2023年以降)かもしれません。場合によってはこの技術が広まらずに縮小し、別の技術が台頭してくる場合があるかもしれません。



ブリッジ(アクセスポイント)モードと中継器モードとメッシュネットワークについて


どれが良いかは環境と好みと予算次第です。

【 ブリッジ(アクセスポイント)モード 】
親機と子機(ブリッジモード)のそれぞれと無線LAN(Wi-Fi)接続設定を行う必要があり、接続先切替を手動で行わなければなりませんが(親機、または子機の電波が届かない場合は自動で切り替わる)、意図的に快適な方へ接続するため通信の安定度は高くなります。接続先の切替方法はこちらを参考にしてください。リンク先はパソコン(Windows)のプライベートIPアドレスを固定して切り替える方法ですが、プライベートIPアドレスの自動取得で切り替えも出来ます。パソコン設定の後にスマホの設定方法があります。

【 中継器モード 】
親機の無線LAN設定を引き継ぐため意図的に接続先を変更する必要はありませんが、中継器の近くに居ても親機の電波が届いていると親機の方と通信してしまい速度が出なかったり、ラグが発生する場合があります。

【 メッシュネットワーク 】
2018年3月時点でメッシュネットワークを採用したものがいくつかありますが、その一つがAsusのAiMesh(アイメッシュ)です。シームレスなWi-Fi接続を実現しているので次世代型中継機ネットワークだと思います。



LAN配線の工事を依頼した場合の費用等


以下は一般的な家庭でLANケーブル1本を配線した場合の費用です。2本以上の配線については直接問い合わせてください。

LAN配線工事費用を安くする HOW TO (リンク先)を先ず見て下さい。

もし、予算があるのであれば電気工事屋さんにLAN配線工事を依頼してみては如何でしょうか?ネット(Web)見積もりだと3~4万円ですが、ご自分で近所の電気工事屋さん(2~3件)に電話で問い合わせ、見積もってもらうと材料費込みで1万2千円~2万円くらいです。近所なので融通が効くこともメリットです。簡単な配線工事なので見積りだけなら費用は掛かりません。全部屋にLANケーブルを引く場合は大掛かりになるのでその場合はこの限りではありません。

回線業者によってはLANケーブルの配線工事を請けているところがあります。「”回線業者名” 追加工事」や「”回線業者名” LANケーブル 配線工事」などでググれば概ね見つかります。以下はNTTとauひかりとNURO光の例です。

NTTフレッツを利用中ならNTTに工事を依頼すればLAN配線工事で約1万円のようです。但し、固定方法がモールではなく絶縁ステップルで行うらしいのでモールを指定するなら別途費用が掛かるかもしれません。フレッツサービスやひかり電話などに関するお申し込み・お問い合わせ 0120-116116

auひかりを利用中でauに工事を依頼する場合は工事内容:auひかり ホーム1ギガの「配線工事メニュー」(リンク先の半分過ぎ辺り)を参考にしてください。例えばLanケーブル10mの屋内配線工事を行った場合は約1.4万円です。内訳は 訪問費3600円+LANケーブル配線工事費10mまで7800円+LANモジュラージャック取り付け1800円=13,200円(消費8%で14,256円)。穴開け工事が必要な場合は1箇所に付き別途2300円(税別)が掛かります。天井裏を通したりモールが必要な場合は別途費用が掛かる可能性があります。費用は2018年末時点のものです。

NURO光を利用中でNUROに工事を依頼する場合は追加工事を参考にしてください。例えばLANケーブル1本なら7,980円(消費税8%で8,618円)。穴開け工事や天井裏などを通す場合やモールが必要な場合は別途費用が掛かる可能性があります。費用は2018年末時点のものです。



その他LAN配線工事に関する注意点


LANケーブルを指定しないと100Mbps(カテゴリ5)のケーブルを配線される場合があるので、1Gbpsに対応したLANケーブル(カテゴリ5e以上)を指定してください。可能ならカテゴリ6以上(10Gbpsに対応)を指定してください。

一戸建て住宅の天井裏LAN配線(またはケーブルモールを使ったLAN配線)は比較的簡単なので1~3時間程度で工事が終わると思いますが、鉄筋コンクリートの物件(賃貸マンションなど)は天井裏に仕切り等があり簡単に配線出来ません。無理に天井裏を通そうとすると工事に丸一日を要したり、工事費用(見積もり)が跳ね上がる場合があります。よって、マンションではケーブルモールを使った配線工事を依頼した方が時間的に短く済みます(一戸建てと変わらない程度で済みます)。一戸建てでも天井裏の構造によっては配線が難しい場合があり、見積り(工事費)が高くなることがあります。

賃貸物件で工事を行う場合は管理会社の許可が必用です。
マンションを購入されている場合は管理組合への事前連絡(遅くとも10日前までに)をしておいてください。工事の騒音等で迷惑を掛けるかもしれないので、マンション住民(特に上下や両隣の部屋)にチラシ等で事前通知をしておく必用があるためです。



有線LANや無線LANで切断される場合の対処方


インターネットが切断される場合の対処法についてに纏めていますので参考にしてください。



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最終更新:2019年07月08日 00:48