AH-1S

こぶら

日本国陸上自衛隊が運用する攻撃ヘリコプター。実在する。

※出典:陸上自衛隊ホームページ(https://www.mod.go.jp/gsdf/equipment/air/index.html

乗員 2名
全長 16.16m(胴体長13.59m)
全幅 13.4m(ウイングスパン幅3.28m)
全高 4.19m
全備重量 4.536t
発動機 川崎 T53-L-703 ターボシャフトエンジン
出力 約1800SHP
最高速度 約231km/h
巡行速度 約228km/h
武装 M197旋回式3銃身20mm機関砲
70mmロケットポッド(ハイドラ70ロケット弾×38発)
BGM-71 TOW対戦車ミサイル×8(最大)
保有数 44機(2023年3月時点)

AH-1コブラは、アメリカのベル・エアクラフト社が開発した世界初の本格的攻撃ヘリコプターである。
当初は最初から攻撃ヘリとして開発されたAH-56シャイアンが完成するまでの暫定攻撃ヘリという扱いだったが、そのAH-56が技術的問題を克服できない等の理由で採用が取りやめられたため、主力攻撃ヘリとしてアメリカのみならず西側各国に多数採用された。

AH-1の主力兵装であるTOWは、ベトナム戦争から世界で最も使われている対戦車ミサイルで、威力は申し分ないものの有線式であるため着弾まで目標をロックし続ける必要があり、有効射程内に留まってホバリングしていなければ目標に命中させることができない。
固定武装として機首に旋回式3銃身M197 20mm機関砲を装備しており、左右のスタブウイングにはミサイルやロケット弾を搭載するためのパイロンが4か所ある。

攻撃ヘリの成り立ち

攻撃ヘリの発想は50年代から存在し、ベル社でも試験を行っていたが、技術的な問題も多く、本格的に開発が始まるのはベトナム戦争が始まってからである。

ベトナム戦争では、本格的に配備されたヘリコプターが兵員輸送で大活躍したものの、これらのヘリは輸送用であるため被弾に弱く、兵員降下時を狙った待ち伏せ攻撃を受けて撃墜される事例が多数見られた。
このため、アメリカ陸軍では戦闘に特化したヘリを開発しようとしたものの、空軍の反対を受けて計画が頓挫してしまったため、UH-1に装甲とロケット弾、機関銃を追加したガンシップ型をとりあえず開発・配備している。
これは一定の成果があったものの重量増加のため速度が低下してしまい、護衛対象である輸送ヘリコプターに追従する事が困難になってしまった。
そこで、上記の経緯を経て採用されたのがAH-1である。

日本での採用


1977年から調達開始し、1979年から2000年までに90機が導入された。導入当初の数機を除き、富士重工でのライセンス生産機。
陸上自衛隊が採用したAH-1Sは、TOW搭載による重量増加の対策としてエンジンを換装した再設計型である。
…のだが、実際には近代化改修によって、レーザー測距システム・FCSコンピュータ・赤外線ジャマー・HUDなどの多数の電子装備が追加または換装されており、近代化改修されたAH-1FAH-1SステップIIIと同レベルの性能を持っている。
近代化改修によって生存率が大きく向上している一方で重量も増加しており、燃料と弾薬を満載すると離陸すら出来なくなっている。

後継型


米海兵隊用として、エンジンを双発化したAH-1W「スーパーコブラ」、そしてその発展型として最新型のAH-1Z「ヴァイパー」が開発されている。
ローターブレードが折畳機構付きの4翅に変更、グラスコクピット化、スタブウイング大型化等の改修が施された結果、AH-1ZはAH-1Wと比較してもコクピット周辺を除く機体構造の95%が変更されており、AH-1シリーズに分類されてはいるもののほぼ別物とも言える。

AH-1ZはAH-64Eと並ぶ陸上自衛隊次期戦闘ヘリコプターの有力候補とされている。
開発元のベル社は、ローターブレードの折畳機構や防錆·密閉措置が施された海兵隊仕様であるためDDH等の海自艦艇からも運用可能であり、島嶼防衛に有利であると売り込みをかけているが、2022年12月16日制定の「防衛力整備計画」において攻撃ヘリは偵察ヘリと共に廃止される事になったため、採用される可能性は極めて低い。

作中での活躍


陸上自衛隊の主力攻撃ヘリだけあって、その活躍の幅はかなり広い。

初登場はロデニウス沖大海戦で、「いずも」から発艦した5機が、ハイドラ70ロケット弾と20mm機関砲を用いてロウリア王国海軍船を多数撃沈している。
エジェイでは、エルフ避難民を救援するためにホーク騎士団を攻撃し、団長の赤目のジョーヴもロケット弾の直撃で四散させている。
ジン・ハーク攻城戦では、沖合で待機中の「いずも」から7機が出撃、1機がワイバーンの奇襲で小破したものの、ロウリア王都防衛隊を壊滅に追い込んでいる。
ハーク・ロウリア34世捕縛の空挺作戦には参加していない。

パーパルディア皇国戦では、エストシラント沖大海戦において「いせ」からAH-64Dと合わせて計7機が出撃(内訳不明)。
皇都エストシラント前面に密集して展開する皇国海軍第1,2艦隊に穴をあけて皇都に突入するため、艦隊後方の戦列艦に攻撃を加えてパーパルディア皇国艦隊に混乱を起こさせ、パーパルディア皇国海軍本部に対する攻撃を成功に導く。

竜の伝説では、訓練も兼ねて「いずも」に5機搭載して出発。
しかし、マウリ・ハンマンの反乱により外交官が危機に陥ったため、AH-64DとOH-1と共に出撃。魔炎駆動式戦車を対戦車ミサイルで撃破し、ジオビーモスを始めとする魔獣軍団をロケット弾や20mm機関砲を用いて一掃した。

グラ・バルカス帝国戦では、空洞山脈の戦いにおいて5機が投入され、第4機甲師団の戦車に対してTOWやハイドラ70ロケット弾を用いて攻撃を加えている。

現実世界では後継のAH-64Dの導入が打ち切られ、先述の用に攻撃ヘリは偵察ヘリと共に廃止し、攻撃型または多用途型UAVで更新される事になった。
これは少子化による人員不足の他に、ロシアによるウクライナ進攻において正規軍との戦闘における攻撃ヘリの脆弱性が改めて明らかになった事が影響していると思われる。
尤も、転移世界では攻撃ヘリの脅威となる兵器を保有する国が限られているため、攻撃ヘリの有効性は維持されていると判断されて引き続き運用される可能性が高い*1
但し海外からの導入が不可能になっているため、OH-1辺りを原型とした国産攻撃ヘリを開発することになるのではないかと推測される。

随時加筆願います。
関連項目
兵器AH-64D自衛隊

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過去のコメント
  • ついに描かれたか - 名無しさん (2019-07-16 06:28:13)
  • ヘリのメインローターやテールローターをワイ版オーバーロードやワイバーンロードの火炎弾で狙い撃ちにすれば本体は無事でも撃墜できないかな - 名無しさん (2020-03-16 17:19:07)
    • 粘着質のナパームとのことらしいから、火がついていなくても粘液で回転力が低下して、実質墜落しかねないな。そもそもヘリのローターは急所なのだから、制空権を取らないと積極的に運用できない。 - 名無しさん (2020-03-25 17:41:06)

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〔最終更新日:2023年10月25日〕

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最終更新:2023年10月25日 23:31
添付ファイル

*1 現実世界でも攻撃ヘリをUAV母機として運用する可能性もある