DDG こんごう型護衛艦


日本国海上自衛隊所属のミサイル護衛艦。実在する。

※出典:海上自衛隊ホームページ (http://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/ships/dd/kongou/173.html
建造期間 1990年~1998年
就役期間 1993年~現在
前級 はたかぜ型
次級 あたご型
全長 161 m
全幅 21 m
吃水 6.2 m
深さ 12 m
機関 COGAG方式
LM2500ガスタービンエンジン
(25,000馬力)
4基
可変ピッチ・プロペラ 2軸
電源 アリソン501-K34ガスタービン主発電機
(2,500 kW)
3基
速力 最大30ノット
燃料 1,785トン
航続距離 6,000海里
(20kt巡航時)
乗員 300人
兵装 54口径127mm単装速射砲 1基
高性能20mm機関砲(CIWS) 2基
Mk.41 mod.6 VLS (29+61セル)
• SM-2 SAM
• SM-3 ABM
• VLA SUM
を発射可能
2基
ハープーンSSM 4連装発射筒 2基
68式3連装短魚雷発射管 2基
艦載機 ヘリコプター甲板のみ
FCS Mk.99 SAM用 3基
FCS-2-21G 主砲用 1基
C4I AN/WSC-3衛星通信装置
(AN/USC-42に後日換装)
NORA-1衛星通信装置
NORQ-1衛星通信装置
海軍戦術情報システム
(リンク11/14、リンク16にも後日対応)
イージス武器システム
OYQ-102対潜情報処理装置
レーダー AN/SPY-1D 多機能型 (4面) 1基
OPS-28D 対水上捜索用 1基
OPS-20 航海用 1基
ソナー OQS-102 艦首装備式 1基
OQR-2 曳航式 1基
電子戦
対抗手段
NOLQ-2電波探知妨害装置
Mk.137 6連装デコイ発射機 4基
AN/SLQ-25 対魚雷デコイ 1組

概要


海上自衛隊の第4世代のミサイル搭載護衛艦(DDG)で、海上自衛隊に配備された初のイージス艦(イージスシステム搭載護衛艦)であり、アメリカ合衆国海軍以外においても世界で初めて配備されたイージス艦である。また日本の護衛艦では初のVLS搭載艦でもある。

4艦建造されいずれも現役。4個護衛隊群に1隻ずつ配備されている。

特徴


海自の艦隊防空の要であるとともに、弾道ミサイル防衛の要でもある。
石油や食料を輸入に頼る日本では海上交通路の安全確保が重要なのは本作の読者はよく理解していると思う。

海上自衛隊と防衛庁(当時)にとっての最大の敵は「相手が対処できないくらいたくさんミサイル撃ち込めばいいじゃない」という「飽和攻撃」を、盾となる空母艦載機を強行突破してアメリカ空母に通じるレベルまで磨き上げたソ連軍である。
その為、防空は最優先強化案件であった。
しかしながら、当時の防空システムでは射撃指揮装置レーダー1基が誘導できるミサイルは1発。
当時のDDGであるたちかぜ型・はたかぜ型の同時交戦数は2。どう考えても足りない。
その為、イージス艦導入決定までは軽空母にハリアー2を載せる案が大真面目に検討されていたぐらいである。

しかし、イージスシステム搭載艦の方が防空能力強化に有利という判断のもとに建造されたのが、海上自衛隊初にしてアメリカ以外初のイージス艦である「こんごう型護衛艦」である。
高度な艦隊防空能力を有する本型の就役により、それまで太平洋戦争の教訓から対潜水艦戦闘に特化していた海上自衛隊は、艦隊防空能力の大幅な向上を果たした。

こんごう型護衛艦は、アメリカ海軍のイージス艦アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦フライトⅠを基に設計されている。
日本独自の要求として、艦橋を2層高くして艦隊旗艦能力を追加しており、アーレイ・バーク級に比べて指揮・通信機能が大幅に強化されている。
また、ダメージコントロールや艦体強度向上等を考慮して、艦体に高張力鋼などの特殊鋼を採用、艦体も一回り大きくしてタイコンデロガ級巡洋艦に匹敵する排水量になっている。

建造当初、こんごう型のイージスシステムは1番艦「こんごう」、2番艦「きりしま」、3番艦「みょうこう」がベースライン4、4番艦の「ちょうかい」のみベースライン5の日本仕様である「J1」だったが、現在は全艦BMD対応改修を受けた結果、ベースライン5.2へとアップデートされている。

このイージスシステムは、アメリカからブラックボックスで輸入されているため、核心技術に関する情報を日本は一切関知しておらず、さらにイージスシステムと同等の機密を有する対潜システムと電子戦システムがオミットされた輸出仕様である。
ただし、これらの装備品は両方とも同等以上の性能をもつ国産装備を開発することで解決している。

近代化と後継艦の問題


2020年現在、1番艦「こんごう」の艦齢は26年に達しており、近代化に限界が生じている。
こんごう型のイージスシステムは1980年代の古い基盤計算機を中核にしているため、COTSを多用した新型艦と比べると近代化が難しい。

アメリカ海軍は「こんごう」より古いタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦を無理やりベースライン9に改修しているが、防衛省および海上自衛隊にそれほどの予算的余裕はない。

更にこんごう型に搭載されているBMDシステムのバージョンは3.6だが、本家アメリカ海軍では4.0ないし5.0に逐次移行している。
システムだけでなく、弾道弾迎撃ミサイルの更新も進んでおり、従来のSM-3Block1Aの供給にも不安がある。

まだある。こんごう型の代艦建造計画である。
護衛艦の平均運用寿命は35年なので、2028年にはネームシップ「こんごう」は除籍される可能性がある。
こんごう型は比較的ハイペースで配備されたため、一度に代艦を建造しなければならない。
どのような形で4隻更新するのかが、注目されている。

日本国召喚における特殊事情


今作において、こんごう型はBMD能力を持ったテスト済みの唯一の艦艇となっている。
在日米軍のイージス艦からイージスシステムを解析し、あたご型をアップデート、まや型搭載のシステムに採用していない限り、他に弾道ミサイルの迎撃能力を持った艦艇が存在しない。*1

よって、その重要度が凄まじい事になっている。
が、それはそれとして艦齢はどうにもならない。

本作においては多少どころでない無理をしてでも延命。
最悪、戦艦「三笠」のようなコンクリート埋め立て状態にして、イージス・アショアの代用として利用してでも残す必要があるといえるだろう。

日本に弾道ミサイルが降ってくるともなれば、本作の在日米軍も迎撃に参加してくれると信じたいところである。
流石にこの辺ぐらいは在日米軍と協議して確認しているはずなので、そこは作中でこんごう型がどうなるかで見れることだろう。
こんごう型が普通に退役するのであれば、在日米軍からあたご型以降のイージスシステムのコピーがされ、退役出来なければ参加してくれないということになる。

ただ、みのろう氏の筆の速度次第では、そろそろ本作は現実より未来の時間を描くことになりそうなので、その辺りをどう調整するのかにも依る。

作中での活躍


DDG-173 こんごう

第1護衛隊群第5護衛隊所属
司令部:横須賀基地
定係港:佐世保基地

※出典:海上自衛隊ホームページ (http://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/ships/dd/kongou/173.html

ニシノミヤコ沖の海戦にて初登場。
本艦の攻撃から本海戦は始まった。圧倒的な長距離からの砲撃により、多くの敵艦を撃沈。将軍シウス率いる艦隊に何もさせることなく、一方的に勝利を収めた。

レイフォル攻略の前哨戦のムー大陸西側海域の制海権を巡る戦いで、グラ・バルカス帝国海軍中央第2艦隊空母機動部隊の残存艦10隻の掃討に、神聖ミリシアル帝国海軍混成魔導艦隊デス・バール司令部からの要請で戦闘には参加せず、オリハルコン級魔導戦艦コスモ」の攻撃で残存艦の全滅を目撃する。

DDG-174 きりしま

第2護衛隊群第6護衛隊 横須賀基地所属

※出典:海上自衛隊ホームページ (http://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/ships/dd/kongou/173.html

アルタラス島の戦いにて初登場。
アルタラス王国首都ル・ブリアス北東上空を哨戒中のワイバーンロードを「あたご」と共に主砲で砲撃、竜騎士アビスに報告の暇すら与えず撃墜した。

エストシラント沖大海戦では第4護衛隊群の「しまかぜ」と共に第2護衛隊群の先頭に配置された。
艦対艦ミサイルで竜母群を撃沈した後、砲撃で敵艦アディスを撃沈。
竜母より発艦済みだった竜騎士団約250騎が本艦を狙うも、護衛艦隊群の艦対空ミサイルにて全機撃墜。
この後、更に多数の敵艦を撃沈した。

DDG-175 みょうこう

転移当日:第3護衛隊群第7護衛隊 舞鶴基地所属
2016年10月11日~:第3護衛隊群第3護衛隊 舞鶴基地所属

※出典:海上自衛隊ホームページ (http://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/ships/dd/kongou/173.html

一番登場回数の多い護衛艦。
ロデニウス沖大海戦では1発の火矢を受けるも、多数のワイバーンと敵艦を撃沈した。
この時に写真が撮影され、ムーは日本の護衛艦がどのようなものなのかを初めて知った。
レーダーがまだ存在しておらず、第一次世界大戦時の軍艦が最新鋭であるムーにとっては、主砲を1門しか持たない本艦の設計思想は全く理解できなかった。
ムーが観戦武官を派遣する際、軍部を説得する資料としてこの写真が使用されている。

フェン王国軍祭に第3護衛隊群と共に登場。
フェン王国海軍の廃艦4隻を主砲で撃沈。襲来した皇国監査軍所属のワイバーンロード10騎が巡視船「いなさ」を攻撃したため、「みょうこう」以下4隻が発砲。全機を撃墜して同祭参加国を驚愕させる。

この時の攻撃で「いなさ」はエンジン故障。撃沈処分も曳航も出来ず、進撃してくる皇国監査軍東洋艦隊と戦うことになる。
発光信号で停船を呼びかけるも通じず、主砲で半数のマストを折り、不殺の勝利をおさめた。

本世界にレーダー波を使用する存在があることに最初に気づいたのも本艦である。

DDG-176 ちょうかい

第4護衛隊群第8護衛隊所属
司令部:呉基地
定係港:佐世保基地

※出典:海上自衛隊ホームページ (http://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/ships/dd/kongou/173.html

エストシラント沖大海戦においては第4護衛艦隊群の最後尾に配置された。
ただ、具体的な活躍は記載されていない。
竜母より発艦済みだった竜騎士団約250騎を撃墜しているものと思われる。

ナハナート沖大海戦では、グラ・バルカス帝国海軍連合艦隊旗艦「グレードアトラスター」の主砲・副砲の砲撃をSAMで迎撃。「グレードアトラスター」が127mm速射砲の射程距離に入ると、「すずつき」「しまかぜ」「さざなみ」らと砲撃を開始。合計235発の命中弾を与えるが装甲に阻まれ、有効打を得ることはできなかった。

クルセイリース大聖王国戦では、SM-2で飛空艦隊を撃退、さらにセキトメイ基地にSSM-1B改による攻撃を仕掛け、同基地と停泊中の飛空艦隊に大打撃を与えた。
攻撃後にクルセイリースが打診した会談のため、シルカーク王国の外交団警護でワカス―カルト7km沖に待機。そのままクルセイリースの騙し撃ちに巻き込まれたが、山の砲撃陣地を艦砲射撃で壊滅させ、続いて襲撃してきた聖帝ガウザ―をSM-2とSSM-1B改で撃墜した。

随時加筆可

関連項目
兵器自衛隊海原千月日高

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  • ワイバーンが250騎で攻めてくるこの世界では絶対に必要な艦隊の守護神です。 -- 名無しさん (2018-01-09 00:30:22)
  • 詳しく無いが非開示技術のイージスシステムを解析してバージョンアップするより、次世代イージスを新規開発した方が楽そう。ベースライン9相当のができるまで何年かかるか…… -- 名無しさん (2018-01-09 02:05:51)
    • 作中では空前の好景気だし金はあるからそうして欲しいものですね。なお現実… - 名無しさん (2022-04-03 16:25:02)
  • SM‐3が撃てる貴重な戦力だから防衛用に第3文明圏と文明外圏にうろついているだけでいいから(愚帝が日本に奇襲する可能性がありえるから人工衛星とイージス艦があれば返り討ち(愚帝の主力艦を)できるからあんま動かさなくていい) -- 名無しさん (2018-01-16 21:09:31)
  • そもそもSM‐3は僕の星(魔帝版人工衛星)撃ち落とすくらいしか出番なさそう(ムーへレンドリースし始めるならあきずき型とあさひ型が活躍するかもイージスにも出番〈もっぱら敵の監視など〉あるかも) -- SIG 516 (2018-01-16 21:22:54)
  • ロウリア、パ皇戦中はちょうかいとあたご型2隻で日本全域をカバーしてそうですね -- AGM-88 (2018-01-16 21:34:16)
  • 「SM‐3は僕の星を撃ち落とすくらいしか出番無さそう」って……。もし、復活した魔帝が、問答無用でいきなりコア魔法を撃ってきたらどうするんですか。他に迎撃手段が無いでしょう。それにもう一つ。おそらくSM‐3は、衛星軌道までは届きませんよ。 -- にしなさとる (2018-01-16 22:10:58)
  • >2018-01-16 22:10:58 公表スペックの最高高度で見るとISSの衛星軌道までなら余裕で届く -- 名無しさん (2018-01-29 17:48:01)
    • ISSは地表スレスレの低軌道(宇宙スケールで)を飛んでるけど、僕の星はそれより遥か高高度の静止軌道を飛んでるだろうから、H-2ロケットクラスでないと届かないと思う… - 名無しさん (2018-05-01 21:19:45)
  • あたご型の次である8200トン型イージス護衛艦(1番艦は今年の10、11月頃に進水するから)ベースライン9C相当になるから楽しみ(こんごう型の代わり?に就役させんのか見もの) -- HG.85手榴弾 (2018-01-29 18:08:22)
  • 8200トンイージスは増強要員だから、古くなった汎用護衛艦(艦寿命がやばいやつから退役させるかも)増やしてもあんま効果がないからイージスショワも2台(青森と山口)配置するからどうなることやら。 -- AGM-88 (2018-01-29 18:34:21)
  • てか、こんごう型って一番艦は建造されてからもう25年以上経ってるんだよな…対魔帝戦が始まり頃には立派な老朽艦だよな… -- 名無しさん (2018-01-30 16:15:14)
    • ボロくはあるが、今時の戦闘艦は手直し&アプデしつつ40年ぐらいは使うの前提だそうだし、まだまだいける。“大物”を作るのが優先されてるだろうから、代艦・後継は後回しにされてると見ていいし - 名無しさん (2020-05-09 20:42:44)
  • →HG.85手榴弾さん・AGM-88さん -- 名無しさん (2018-01-30 16:18:33)
  • →HG.85手榴弾さん・AGM-88さん お二人共、はたかぜ型ミサイル護衛艦が現役であることをお忘れでない? -- 名無しさん (2018-01-30 16:20:21)
  • はたかぜ型は27DDG(8200トンイージス)ができたら練習艦にでもなるから汎用護衛艦のどれかになるでしょ(適当) -- HG.85手榴弾 (2018-01-30 22:31:39)
    • まやが就役ひs - 名無しさん (2021-08-05 19:18:18)
      • 途中で送信した。まやが就役後にはたがぜが、はぐろが就役後にしまかぜがそれぞれ練習艦に変更になったよ。 - 名無しさん (2021-08-05 19:19:55)
  • はたかぜ型の運用に必要な人員数を見るに、先に退役させられそうな気がする… -- 名無しさん (2018-01-31 01:10:43)
  • 地味に思ったけど、みょうこうって映画にも小説にも良く出るよね。亡国のイージス、バトルシップ、宣戦布告とか。一部は代役か逆に代役してるかだけど - 名無しさん (2019-01-22 21:34:43)
  • イージスシステムはブラックボックス化されてるのか…そして対潜システムと電子戦システムも外されたの輸入か…って同等性能のシステム作ったんかい!現実の日本も充分やべえな! - 名無しさん (2021-10-27 00:58:11)
    • 同等とは書いてるけど少なくとも対潜システム(と多分電子戦システムも)米国以下やね。日本の技術が低かったというのもあるし、単にアメリカが凄すぎるだけっていうのもある。 - 名無しさん (2021-12-30 16:38:55)
      • ソナーや電子戦システム単体の性能はそんなに大差ないよ。問題はそれらがイージスシステムと上手く連結できない点。OTOメララの127mm砲をあたご型に搭載しなかったのもFCSの連結がこんごう型であまり上手くいかなかったからだし。あたご型やまや型はほぼ米軍仕様と同じ構成だから、対空戦闘だけじゃなくて対潜も電子戦もイージスシステムが全自動で最適な判断を示してくれる。 - 名無しさん (2022-01-02 09:31:11)
  • 先代の戦艦[金剛]も、ずいぶん長いこと現役だったけど、こちらの[こんごう]もベテランになってきたなあ。 - 名無しさん (2021-10-27 02:22:35)
  • こんごう級の更新 どうするんだろうね - 名無しさん (2021-12-08 00:57:27)
  • 「このイージスシステムは、アメリカからブラックボックスで輸入されているため、核心技術に関する情報を日本は一切関知しておらず、さらにイージスシステムと同等の機密を有する対潜システムと電子戦システムがオミットされた輸出仕様である」←仕方無いわな同盟国に輸出するとはいえ機密の塊だし。「ただし、これらの装備品は両方とも同等以上の性能をもつ国産装備を開発することで解決している」←ファッ!? - 名無しさん (2023-03-29 18:34:24)

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最終更新:2023年09月05日 22:07

*1 日本が独自にイージスシステムのブラックボックスを解析してアップデートは、模擬弾すら無い現状では流石に現実的ではない。