10式戦車

ひとまるしきせんしゃ

陸上自衛隊の最新主力戦車。実在する。

※出典:陸上自衛隊ホームページ (https://www.mod.go.jp/gsdf/equipment/ve/index.html
全長 9.42m
全幅 3.24m
全高 2.30m
重量 約44t(全備重量)
懸架方式 油気圧式
速度 70km/h(前進・後進速度)
主砲 10式戦車砲(44口径120mm滑腔砲)
副武装 12.7mm重機関銃M2(砲塔上面)
74式車載7.62mm機関銃(主砲同軸)
装甲 複合装甲(正面要部)
増加装甲(砲塔側面)
エンジン 水冷4サイクルV型8気筒ディーゼル
1,200ps/2,300rpm
乗員 3名
開発費 約484億円
単価 約9.5億円(平成22年度)

+ 旧概要
2010年に制式化された陸上自衛隊の4世代目の主力戦車。
世界初の第四世代戦車とも呼ばれた(現在は第四世代戦車の定義が定まってないので第三世代扱い)。

10式戦車が登場するまで陸自最新戦車だった90式戦車は、重量の問題で富士教導団以外は北海道の部隊に集中配備されている。
そのため、本州や九州、四国における主力戦車は一世代前の74式戦車であり、これに代わる40tクラスの軽量戦車が待ち望まれていた。
これに加えて、C4Iシステムによる情報共有および指揮統制能力の付加、火力・防護力・機動力の向上、そして従来の対機甲戦闘・機動打撃に加えてゲリラ・コマンド攻撃対処能力が必要とされていたのである。

各国の戦車が重量化していく中、10式戦車は全備重量43.3tと戦車としては極めて軽量化されている。
これは73式特大型セミトレーラや有事に数を揃えやすい民間の大型トレーラーでの輸送が可能なほどで、全国の主要国道にある橋のうち10式戦車が通過できる箇所は84%に及ぶ。
因みに90式戦車でも65%、M1など60t級の戦車では40%程度であり、全国での運用に注意を払ったかがわかる。

この43.3tという重量を実現するため、90式戦車より一回り小型化し、新開発の複合装甲を用いる事で、防御力を下げることなく軽量化を実現している。
メーカーによると、90式戦車より防御力は向上しており、現在の主要国のあらゆる戦車砲弾に抗堪できるとの事。
90式戦車に採用されている複合装甲が開発されてから20年近く経過した現在、 当時と同じ材質を用いた場合70%、最新の理論と素材を用いた場合30%の重量で90式戦車と同じ防御能力が得られるとのことである。
以上の様に「軽量化に伴って防御力が大きく低下した紙装甲戦車」と言われることもあるが、真っ赤な嘘である*1

実際問題として、10式戦車は世界最強戦車の一角であり、評価基準で上下動することはあるが、低くともベスト10には入る。
そして、このベスト10に入るような戦車は10式戦車より重い。
本土防衛の最後の盾という点で考えてみると、河川だらけの日本において通過できる橋が多いことは、侵攻してきた敵戦車に対してどれほど有利かは言うまでもないだろう。攻め込むなら判らないが。
同じく最強候補のレオパルト2は70tであり、10式より30tも重いあたりよくわかると思う。

10式戦車には、C4Iによる車両間用のデータリンクシステムが陸自車両として初めて搭載されている。
これは自車の位置や味方の位置を野外コンピューター・ネットワークにより情報共有することで、車内モニターのデジタルマップにリアルタイムに敵味方情報が表示されるというものである。
将来的にはOH-1観測ヘリコプターやAH-64D攻撃ヘリコプターともデータリンク出来るようになり、戦車部隊は作戦環境をほぼリアルタイムで受けながら行動が可能になる。

このメリットははかりしれない。
従来までの戦車の意思伝達方法は基本的には音声通信、あるいは簡単な敵味方識別情報等の信号等であったものが、相互にネットワーク化され様々な情報が自動的にやり取りされることになる。
それまで基本的に単独で戦ってきた戦車が、チームプレイを可能としたのだ。

この機能をフル活用する事で、10式の試作車が戦車教導隊を相手にした模擬戦で、圧倒的な結果を残したと言われている。
なんと90式戦車との模擬戦では、3対14という圧倒的に不利な状況にもかかわらず、10式は1両が撃破判定になったのみで90式戦車は全滅という結果となった。
74式とはどうなったかは言うまでもない*2
こういったシステムは戦車間だけで成立するわけではなく、部隊レベル、連隊レベル、師団レベル、と規模を大きくさせたC4Iネットワークの構築が必要となる。
陸上自衛隊においては、基幹連隊指揮統制システム(ReCs)が前線部隊のネットワーク・指揮統制を行い、その上位システムとして師団等指揮システム(FiCs)、方面隊規模として方面隊指揮システムが存在する。
特科部隊向けのC4Iシステムとは、野外通信システムを介して連接される。
現在、陸上自衛隊北部方面隊第2師団がこのReCsを導入しC4Iネットワークのテスト中。

ちなみに、10式戦車は変態戦車とも呼ばれているが、これはスラローム走行しながらの射撃でも動いている目標に対して高い命中率を実現しているためである。
これは走行中も目標に主砲の照準を合わせ続ける自動追尾機能付きの指揮・射撃管制装置と「走行中も主砲の先端においたワイングラスのワインが零れない」ほどの優れた姿勢安定システムによるものである。
更に小隊長の指示で、同士討ちや重複射撃する事なく目標を射撃する自動割り振り機能も有している。

主砲も軽量化しつつ高威力化し、90式戦車も採用した自動装填装置を装備した国産の44口径120mm滑腔砲を採用している。
因みに、90式戦車までは海外で開発された戦車砲のライセンス生産またはその独自改良型を搭載している。


が、問題発生。

防衛大綱の改正により、戦車定数が激減してしまった。
90式だけでほぼ定数を満たしている状況では、10式の大量配備はもはや夢物語である。
防衛省は16式機動戦闘車にて火力を補う一方、生産ラインを維持できる最低限の生産数である年6両を維持する計画になっている。
しかし、戦車定数を圧迫してる74式戦車が退役すれば、10式の大量配備が実現されるだろう。

序文


自在に移動しつつ敵に対応する射撃力。時速70kmで疾走する44tの巨体。
それが陸上自衛隊の最新鋭戦車、10式戦車である。

極限まで合理化、効率化された車体設計。
戦車に初めて搭載された最新のトランスミッションが初めて可能にした軽快な可動性。
軽量かつ、高い威力を持つ新開発の主砲。
1km先にある5cmの標的を狙える照準性能。
画像認識技術を駆使した自動追尾機能は捉えた敵を決して逃さない。
特殊な装甲により、防御力は従来の戦車から飛躍的に上昇。
国産戦車初のネットワークシステムは、多様な戦闘隊形に対応する。

これが、10式戦車のシステム。すべて国産技術によって成し遂げたものである。
日本の国力を結集し、世界に先駆けて完成した次世代戦車。
これは資料も新たに書き直した10式の解説。そのVersion2である。

概要


10式は1996年から開発が始まり、2010年に制式化された。
全長9.4m、重量44t。
乗員は、車長、砲手、操縦手の三名。

とりあえず戦車製造能力のある各国の主力と比較してみよう。
10式戦車 M1A2 SEPv3 T-14 チャレンジャー2 ルクレール AZUR アリエテ レオパルト2A7 メルカバMk4 99A式戦車
生産国 日本 アメリカ ロシア イギリス フランス イタリア ドイツ イスラエル 中国
全長 9.42m 9.83m 10.8m 11.55m 9.87m 9.67m 10.93m 9.04m 11.0m
全幅 3.24m 3.66m 3.5m 3.52m 3.71m 3.61m 3.74m 3.72m 3.40m
全高 2.30m 2.37m 3.3m 3.04m 2.92m 2.50m 3.03m 2.70 m 2.40m
重量 44t 66.8t 49t 62.5t 56.5t 54.0t 67.0t 65t 54.0t
主砲 44口径120mm滑腔砲 44口径120mm滑腔砲M256 125mm滑腔砲2A82-1M L30A1 55口径120mmライフル砲 52口径120mm滑腔砲 CN120-26 OTOメラーラ44口径120mm滑腔砲 55口径120mm滑腔砲L55 44口径120mm滑腔砲MG253 50口径125mm滑腔砲ZPT-98式

他国の戦車と比較すると小柄で軽い戦車だが、これは日本の国土地形に合わせて限界まで機能を凝集した結果である。

戦車にとって重要な要素は、火力、機動力、防御力の3点である。

10式の火力には、射程距離約3,000mを誇る新規開発の44口径120mm滑腔砲。
74式戦車等に使われているライフル砲では、砲身内に溝が掘られている。
これは発射する砲弾に回転を加えることで弾道を安定させるためだ。
出典:ウィキペディアコモンズ(https://commons.wikimedia.org/wiki/File:MO120RT_rifling.png?uselang=ja
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だが10式戦車砲は滑腔砲の名の通り、砲身内は平滑である。摩擦を少なくして、より速いスピードで砲弾を発射するためだ。
出典:ウィキペディアコモンズ(https://ja.wikipedia.org/wiki/滑腔砲#/media/ファイル:L16_smoothbore.png)
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砲弾は主砲に合わせて新規開発された貫通性能の高いAPFSDSとHEATが使用される。
APFSDSは矢のような形をしており、弾芯の後方の羽によって砲弾を安定させ、一点集中で装甲を貫く。
HEATは爆発の圧力によって生じる化学エネルギーによって金属の噴流を生み出し総甲を貫通する。

副武装としては、砲塔上に12.7mm重機関銃を装備。
出典:ウィキペディアコモンズ(https://commons.wikimedia.org/wiki/File:M2E2_Quick_Change_Barrel_(QCB).jpg?uselang=ja)
この画像ファイルはアメリカ合衆国陸軍に属する者が職務上作成したものです。これはアメリカ合衆国連邦政府が業務上作成した著作物と見做されるため、この画像ファイルもパブリックドメインとなります。

機動力は、極限まで小型軽量化が図られた1,200馬力のディーゼルエンジンを搭載。
世界で初めて戦車に採用された最新のトランスミッション、HMT(無段変速トランスミッション)はより俊敏で安定した走行を可能にした。
走行性能を大きく左右する履帯にも新型を採用。

そして防御力の面では、砲塔側面に取り外し交換可能なモジュール装甲を採用。
たとえ破壊されても交換が容易で、防御性に優れた新素材が開発されれば、すぐに置き換えが可能。

出典:ウィキペディアコモンズ(https://commons.wikimedia.org/wiki/File:JGSDF_type10_Tank_Gun_Turret.JPG?uselang=ja
このファイルはクリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際ライセンスのもとに利用を許諾されています。

被弾率の高い車体前面と砲塔には、防御力の高い複合装甲として、装甲板の間に複数の素材を挟み込んだ特殊な装甲が施されている。
防弾鋼板のみの通常の装甲では、HEATなどの攻撃を受けると容易に貫通してしまうのだ。
しかし複合装甲は、APFSDSやHEATの運動エネルギー、化学エネルギーを吸収分散させる効果を持ち、貫通を防ぐのだ。

限界まで戦車の性能を高めつつ日本の国土に適合させた10式は、日本の技術力を世に示す究極の戦車と言えるであろう。

さらに10式戦車の実力は、これだけにはとどまらない。
10式には驚異の射撃能力が搭載されている。
一回狙うと狙ったところを外さない機能がついている。車体がどこを向いても、狙ったところをずっと向いている。

撃たれないようにしながら相手を撃つには、運動しながら撃つ方がよい。動き続ければ、相手から撃たれづらい。
スラローム射撃と呼ばれる、蛇行走行で車体がぶれても、主砲が目標物を自動追尾し続け、正確に射撃し続ける機能である。
世界中の戦車で10式にしか出来ない攻撃方法である。
この自動追尾機能は民間でも利用される画像認識技術を高度化したものであり、たとえ相手が動こうとも主砲は自動追尾し続ける。

高い機械性能を誇る10式、その真の実力はIT技術を元にネットワークシステムを国産戦車に初めて用いた点にあると、開発を担当した技術者は言う。
10式には三次元で探査するGPSが搭載され、C4Iと呼ばれるネットワークシステムによって戦車間で情報共有が出来る初めての本格IT戦車である。

車内には、タッチパネル式モニターが搭載され、敵味方の位置関係が表示される。
従来は無線で行われていた小隊長の指示が、10式はこのタッチパネル上で行われる。
ちなみに青と赤で別れ、青が陸自で中央に自分の車両が表示される。

仮に目標配分が偏っていたら、小隊長が脅威度に応じて目標配分を指示出来、そこにはヘリコプター等も含まれる。
自動追尾させるロックオンも指一本。

一言で言うならば、指揮官の感覚を拡大するものである。
指揮官が状況を判断して行動を決断、それを迅速に正確に。それがC4Iである。
これによって戦車運用はより迅速かつ確実に成功させられるようになったのだ。

陸戦兵器の王者こそ戦車である。

火力と機動力と防御力。ここに情報力を加え凝縮することに成功した戦車。それが10式戦車。
これは高い技術によって成し遂げたことであり、技術を磨くことでそれは抑止力へとつながる。
だから日本を攻めようという国がなくなるなら良いのではあるが……あるんだが……

試製一号戦車から10式へ続く日本戦車 2

まず2である理由だが、1という事実上前編はチハ書くときについてきます。
というわけでまだない。そっちも執筆中。といってもこの部分自体はもう完成してるんだが。

それはさておき。
最新世代ということで、それまでの歴史、どのようにして10式に至ったのかを書かねばならない。

兵器の歴史に戦車が登場してからおよそ百年。
その間、世界中で時代ごとに異なる脅威に対応するため、常により高い性能を求められてきた戦車。
日本ではどのような歴史をたどってきたのか。簡単に解説しよう。

大正末に第一戦車隊が久留米に作られました。これが日本初の戦車隊である。当時の戦車はルノーNC軽戦車。

撮影 1932年
日本を本国とするこの写真画像は、以下の条件のいずれかに合致するため、日本の旧著作権法(明治32年法律第39号)第23条及び著作権法(昭和45年5月6日法律第48号)附則第2条の規定により、日本での著作権の保護期間が満了しています。
1956年(昭和31年)12月31日までに公表(発行)された。
1946年(昭和21年)以前に撮影(製作)された。

ここから国産戦車開発が始まりまして、昭和2年に試製一号戦車が作られました。

撮影 1927年
日本を本国とするこの写真画像は、以下の条件のいずれかに合致するため、日本の旧著作権法(明治32年法律第39号)第23条及び著作権法(昭和45年5月6日法律第48号)附則第2条の規定により、日本での著作権の保護期間が満了しています。
1956年(昭和31年)12月31日までに公表(発行)された。
1946年(昭和21年)以前に撮影(製作)された。

国産戦車の幕開けはこの試製一号戦車。
これはイギリス製の戦車を参考に作られたが、それを上回る性能を示した。

その後、日本初の国産戦車。89式中戦車が誕生。
出典:ウィキペディアコモンズ(https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Type_89_Yi-Go_at_Tsuchira.jpg?uselang=ja
本画像はパブリックドメインです

日本は、世界でも数少ない戦車生産国としての地位を確立。その後、新型戦車の開発が次々と行われた。
中でも日本軍の主力戦車として活躍したのが、九五式軽戦車と九七式中戦車である。

撮影 1940年
日本を本国とするこの写真画像は、以下の条件のいずれかに合致するため、日本の旧著作権法(明治32年法律第39号)第23条及び著作権法(昭和45年5月6日法律第48号)附則第2条の規定により、日本での著作権の保護期間が満了しています。
1956年(昭和31年)12月31日までに公表(発行)された。
1946年(昭和21年)以前に撮影(製作)された。

マレー電撃戦として語り継がれる日本軍のマレー半島での快進撃。
このとき、イギリスとの戦闘で大進撃を果たしたのが九五式と九七式であった。
ジットラ・ラインと呼ばれるイギリス軍の強固な防御線を、たったの一日で突破。
わずか55日間で1,100kmの進軍を果たした。
シンガポール攻略の主力を担った日本の戦車部隊。
国産戦車の当時としては高い機動性を示した戦闘であった。

しかし、日本の戦車は大きな弱点を抱えていた。
それは、敵の戦車への攻撃力も防御力も足りていなかったという点である。

九五式と九七式は日本陸軍が主力として大東亜戦争の全般に渡って活躍して、バランスが良く非常に実用性の高いものでありましたが、対戦車戦闘に問題があったのだ。
その問題点が浮き彫りになったのが日ソ国境紛争で最大の戦闘であったノモンハン事件である。

このとき、日本の戦車部隊はソ連軍の戦車に大敗を期した*3

その根本的原因は、戦車の運用思想にあった。
日本軍にとっての戦車は、主に歩兵の盾としての存在である。
つまり、敵の戦車を撃破するといった攻撃をする目的では作られてはいなかったと。
戦車は、歩兵を支援するもの。その考え方を改める時間がないままに、日本は終戦を迎えた。

1950年、朝鮮戦争を機に自衛隊の前身である警察予備隊が設置。
GHQによって兵器の開発を禁止された日本は、米軍から供与された戦車の使用に甘んじる時代が続いた。
「M24 チャーフィー」「M41 ウォーカー・ブルドック」である。
出典:ウィキペディアコモンズ(https://commons.wikimedia.org/wiki/File:M24-Chaffee-latrun-1.jpg?uselang=ja
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この2つについては省略するが、朝鮮戦争でT-34やT-85に対抗できてないまま退役した戦車であり、それが日本に来てたのである。
つまり日本にこれ使ってる時に攻めて来られてたら大変なことになってた。
いや旧軍時代の戦車だともっと大変だったわけだが。来られるだけでも大変か。
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1954年、陸上自衛隊が発足。このとき初めて、戦車大隊が編成されたが、まだ戦車の開発は許されなかった。

しかし翌年の1955年、日米共同声明によって兵器の国産化が可能になり、国産戦車は再び息を吹き返した。
まだ、アメリカ戦車である「M47 パットン」を導入する声もあるにはあったのだが、上の通り全然戦車の性能が劣ってたもんだから更新に追われてて日本に供与する余裕なんてなかった。

この画像ファイルはアメリカ合衆国陸軍に属する者が職務上作成したものです。これはアメリカ合衆国連邦政府が業務上作成した著作物と見做されるため、この画像ファイルもパブリックドメインとなります。

そんな訳で国内メーカーは長く途絶えていた戦車開発を再開、戦時中の反省を踏まえ、高い対戦車能力を持つ国産戦車の開発を始めた。
一応、朝鮮戦争中に半島から後送された奴の修理やらオーバーホールやらで技術の蓄積はあったのだ。

そして1961年に戦後初の国産戦車。61式が制式化された。終戦から16年後。ようやく日本の戦車が甦った記念すべき存在。
この戦車から、10式までの4世代に渡って国産戦車の歴史が始まる。

61式の主砲は国産の90mmライフル砲。初めて砲撃力の高い大口径の主砲を搭載した意欲的な戦車となった。
しかし、61式は大きな制約のもとに作られている。
鉄道輸送を前提にしたための車体幅制限。
国土地形的に、鉄道輸送を考慮せざるを得ず、在来線貨車の幅3m以内である必要があった。

国産戦車を復活させた61式の開発だが、同時期の他国の戦車と比べると、火力も防御力も共に非力であった。

そんな61式の詳細を簡単に述べてみよう。出てこないだろうし。
戦前のはチハ辺りを書く時にやる。というかもう書いてある。長くなりすぎたので削った。

61式戦車

出典:ウィキペディアコモンズ(https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Japanese_Type_61_tank_-_1.jpg?uselang=ja
本画像はパブリックドメインです。

1961年に制式化された61式戦車。
某宇宙世紀の作品に同名の連装砲を搭載してる戦車があるがあれは関係ない。

それまで使われていた米軍供与の戦車の更新のために、三菱重工と日本製鋼所が中心となって開発した第1世代戦車である。

ずいぶん丸くて可愛いが、それはこの頃は鋳造砲塔が主流だからである。整形の都合で丸みのある形が多い。もちろん車体を含めてちゃんと避弾経始を考慮してる。
避弾経始とは装甲が傾斜してると敵弾をはじきやすくなるのと、垂直の装甲と比べて見かけ上の厚みが増すため、その分防御力が増す仕様の事を言う。ソ連のT-34が本格的に取り入れたので当時有名だった。上のやつである。
61式は第1世代としては標準的な90mmライフル砲を積んでいるが、アメリカで使われていた同世代のM48パットンよりも砲身の長い52口径砲だったので砲の威力は高かったと言われてる。
……まぁすぐに105mmライフル砲を搭載した第2世代のM60が開発されているわけだが、そこは戦後初の国産戦車だしねうん。
出典:ウィキペディアコモンズ(https://commons.wikimedia.org/wiki/File:M60a1_lesany.jpg?uselang=ja
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日本の戦車開発は悲しい事に、その予算規模と国内専用ゆえの高価格からどうしても戦車先進国の後手を踏むことが多かった。

エンジンは戦前からの伝統の空冷ディーゼルエンジン。
後部エンジン前輪駆動という戦時主流だった古いレイアウトを採用しているため、ドライブシャフトが邪魔で車高を低くできなかった。戦闘車両として車高の高さは問題だった。
これを教訓に、次の74式では車高を低くした上に、油圧による姿勢制御で攻撃時の露出面積を最小限に抑える工夫がされる。

この61式当初計画では重量25トン、火砲90mm砲と強力なエンジンと低接地圧、装甲は以上を実現する範囲で忍ぶという、当たらなければどうということはないという……どこかの赤い少佐のような仕様であった。実際、ボフォース40mm機関砲までしか耐久試験してない。砲塔の旋回も油圧式だから火災の危険もあったし。
ちなみにだが、開発当時まだ日本陸軍の戦車派閥が残ってまして、76mm砲の25t軽戦車を求める声もあった。もう軽戦車の時代じゃないでしょうに……今はともかく。採用されてしまっていたらどうなってたんだろう。

対戦車火器の発達により、防御を固めるよりも機動力で回避しようという考え方なんだけど、現在の戦車開発を見れば普及したか否かはわかってもらえると思う。ただ誤解のないように言っておくが、機動力は戦車にとって重要な要素の一つであるのは間違いない。
機動力を軽視した超重戦車なんてのが現代に生き残ってないあたり、そのへんわかると思う。マウスみたいな陸上戦艦の再現とか作られる気配ないし。
出典:ウィキペディアコモンズ(https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Metro-maus1.jpg?uselang=ja
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61式はこれだけ機動力にこだわっただけあって、加速性能が現代の第3世代戦車と引けを取らない。日本だと90式相当。
砲は小さく装甲も薄いとはいえ、パワーウェイトレシオから考えると相当加速重視な設計だった。素早い加速で敵の攻撃から逃れるのを目指した。

この61式は全部で560輛が生産され全国に配備。長く国防の任に就いた後、90式が配備されるに従って退役していき、2000年に全車退役した。
全車が実戦を経験することなく退役できたのは、国防の要たる戦車として誇るべきことである。が、砲火力など色々と遅れていたのは事実。

61式が想定していた相手は東宝の怪獣王……ではなくT-34とかT-34/85とかである。
が……当時はソ連全盛期。T-54やら55やらが大量配備されて、それに90mm砲の35t戦車では……
出典:ウィキペディアコモンズ(https://commons.wikimedia.org/wiki/File:T-54-.jpg
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このため、61式の開発から間をあけずに新戦車の開発が始められた。そして13年後に74式が誕生。
現在は陸上自衛隊の全国駐屯地に展示されている車両が少数という状態。が、2019年8月5日にこの戦車に動きがあった。

なんでもヨルダン王国のアブドゥッラー2世の要請に応え、滝ケ原駐屯地に展示してあった1輌に再塗装を施し、ヨルダン王立戦車博物館へ無償貸与されることが決定した。
ヨルダンは、イラクとシリアとエジプトとサウジアラビアとイスラエルに囲まれた位置にある。国王はヨルダンの特殊部隊の司令官をやっていた人である。
この要請、なんと王様の趣味……アブドゥッラー王は戦車やら航空機やらを操縦できる上に、上記の通り特殊部隊上がりで、陸自の特殊作戦群の演習も視察してたりする。で、貸与先の博物館も王様の趣味の産物……だが王様だけあってここには120輛も時代背景に法ったジオラマ形式で展示されている。博物館としてはかなりハイレベルな場所である。

ちなみにこれ、事実上の日本戦車初の中東派遣でもある。広報任務だね。
なんで貸与なのかというと、日本は今まで展示であっても戦車の輸出なんかしたことなかったから。だから外務省と防衛省と首相官邸でなんか一悶着あったんだとか。
でもヨルダンって中東の親日国だったりするわけで、あっちの国王のたってのお願いだからね。外交上のメリットも大きいということで、結局貸与という形になった。一応形式上はまだ日本の物ということになってます。
日本戦車は輸出しないわ、国内外で戦わないわなので、実は日本に戦車開発能力があることは世界であまり知られてなかったりする。
これを機に有名になれば良いね。まぁ10式売ってくれとか言われても売れないんだろうけど。

返礼で「アブドッラー2世王立設計開発局(KADDB)」が設計開発した「アル・サーテル(Al-Sater)」という装甲車を貰いました。
出典:防衛装備庁(https://www.mod.go.jp/atla/

この車両はいわば「装甲フォークリフト」のようなもので、防弾装甲が施され小銃で射撃することができる銃眼を2か所設けたキャビンを、フォークリフトのように上下できるようにしたものです。ブルドーザーのようなゴム製履帯を装備して静粛性に優れ、最高速度は12km/h。軍用というより、対テロ制圧用の特殊部隊の装備と言えそうです。
参考先によって、フォークリフトだったりブルトーザーだったりでどっちだよと思うのだが筆者にはわからない。自衛隊で使えるの……?とかそういう事も考えてはいけない。輸送費とか全部あっち持ちなんだし、防衛装備庁としても色々検討しているそうな。

簡単に説明しておくと、あっちはテロで頭を悩まされてきた事もあってね。これ対策のプロ集団の軍隊だから、そういうの用だったら使えるんじゃないかな、きっと。特殊作戦群やSATが、この手の実績がある装備を外国から積極的に買ってはいる。向こうも売り込みに来てるね。
ただ、これの数を揃えなければならない事態は来てほしくないものである……あとコレをどのように使うのかとかは聞かないでください。答えられません。

74式戦車

出典:第6師団公式HP(https://www.mod.go.jp/gsdf/neae/6d/equipment/74tk.html

自衛隊の2代目主力戦車である。その名の通り1974年度に制式化された戦車で、61式の後継として、日本全国に配備された。避弾経始を重視したデザインの第2世代主力戦車である。

74式は、アメリカの「M60パットン」やドイツの「レオパルト1」などと同様に当時西側諸国の標準装備だった105mmライフル砲を搭載。ようやく国産戦車の火力が、列強各国と肩を並べるに至った。防御では、避弾経始と呼ばれるあたった弾を逸らすための流線型の車体設計がなされている。
また、74式には他国の戦車には無い能力が与えられた。それは、油気圧懸架と呼ばれる車体の姿勢を自由に変えられる機能である。これにより、敵に見つからないように山の稜線に隠れながら射撃を行うことが出来る。山がちな地形の多い日本ならではの独特な機能は、10式にも引き継がれている。国産戦車の伝統的な機能になりました。

上記の通り、61式の制式採用日から3年後の1964年には開発が開始されているため、かなり性急な印象を受けるが、これにはいかんともしがたい理由があった。
61式戦車が制式化された当時、すでに西側諸国ではソ連の「T-54」や「T-55」などといった100mmクラスの大口径砲と避弾経始を備えた厚い装甲を持つ戦車に対抗すべく、主砲口径105mmの戦車の開発を進めており、前述のパットンやレオパルトは60年代半ばにはすでに配備が開始されていた。
そこで当初は61式の主砲を換装した改良型も検討されたものの、走行時のバランスが崩壊する可能性を危惧され、新規設計されることになった。
主砲を変えて攻撃力を上げてもエンジンがそのままなら重量増で速度は低下。装甲も攻撃力と比べ相対的に弱くなるわけだし、全面改修レベルの改良をすると考えたら新規開発は妥当だと思う。

そんなわけで開発開始されたわけだが、防御面においては国産複合装甲がまだ研究段階だったため、砲塔は避弾経始を重視した防弾鋳鋼。車体は、圧延鋼板で構成される第2世代としてはオーソドックスな作りとなった。その点では、ソ連やイギリスに一日の長があったみたいである。
ソ連はともかく、イギリスは予算の都合で正面全体を複合装甲で構成した戦車は作られなかった。イギリス製複合装甲の別名、チョバムアーマーなんてその筋には有名なのにね。

さて74式に戻るが、試作車には随分と贅沢に装備を持たせたらしい。半自動とはいえ、砲弾の装填装置や遠隔式の対空機銃もあった。費用対効果や有用性の問題で、量産車ではオミットされた。コストは無視できないから仕方ない。
逆に試作車から一貫して載っている装備もある。それが74式最大の特徴というべき、独立型油気圧サスペンションである。こいつは標準姿勢から車高を20cm上下できるほか、前後左右のサスペンションを独立して動かせるため、前後に6度ずつ左右に9度ずつ傾けられる。上下20cmや6度というと大したことないんじゃと思うかもしれないけど、戦車くらいのサイズになるとその効果のほどは侮れない。


と、こんな具合に車高や前後左右の傾斜を変えられるのは、スウェーデンの「Strv.103」通称「Sタンク」を参考にしたらしい。
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なにこれって思ったことだろう。これ主力戦車なんです。駆逐戦車でも突撃砲でもなく。
これは無砲塔の自走砲みたいな戦車で、しかも砲は完全固定。上下左右に一切動きません。代わりに油気圧で車体の前後角度を変えられるようにしたそうである。ついでに言うと左右旋回も高速らしい。なぜそこまでして砲固定したんだ。

ソ連の脅威に対するスウェーデン陸軍の回答な訳なんだが、これが撃って隠れて逃げるの究極系なのかもしれない。その場で穴掘ってそこにすっぽり収まれるし。まぁこれの詳しいことは、この動画見てください。

なおSタンクの後継に全世界の軍事関係やミリオタは結構な注目をしていたが、冷戦終結によりソ連の脅威がなくなったため、現在スウェーデン陸軍はドイツのレオパルト2をStrv.121及びStrv.122として採用しており、Strv.103は全車退役している。ロマンの塊のようなあの形状で進化してほしかった。
ちなみにこれ海外に輸出しようとしてたようなのだが、どこも買いませんでした。

「Sタンク」はこの辺にしておき、74式に戻ろう。
「Sタンク」では低シルエットのために無砲塔とし、その照準動作のために油気圧サスペンションを使うというのに対し、砲塔を有した上で広い仰俯角と地形に合わせて車体の暴露面積を抑えるために使うというのが74式。左右の傾斜まで制御できる能動的な使い方は74式が初。
どちらもアンブッシュを基本戦術とするため、全高が低いのは共通してる。

ちなみにイスラエル軍の武官が見て「これじゃ砂漠で戦えない」的なこと言ったらしいが、砂漠で戦うことは想定してないので関係ないね*4。行くのはヤキマ演習場ぐらいである。というわけで、防塵フィルターとかは付いてない。

第二世代戦車の中では「Sタンク」は例外としても、74式は1位2位を争うくらいに車高が低い。避弾経始で弾を反らす以前に、被弾そのものを避けることを目指した結果である。
そして低車高化の分被弾面積が小さくなり、他国戦車より軽量に出来た。その分中は狭いけど*5
そう言うと装甲が犠牲になってるように聞こえるが、装甲厚は当時の他国戦車と比べ見劣りするようなものではなく、前述の西側戦車と比べてもそんなに大きな差はなかった。

どのくらい狭かったのかというとだ。61式と比べて大型化したにもかかわらず、見学に来た米将校が「車長席どこ?」と聞いて、今座ってるとこと回答するくらい。
米将校が砲手席だと思っていたところが車長席で、砲手席はその足先。大柄なアメリカ人だから狭いというわけではなく、日本人の体格でも余裕のない狭さである。

当時すでに対戦車火器の主流となっていた成形炸薬弾に対しては分厚い装甲で防ぐのではなく、61式の時と同様に避弾経始と加速性能による機動力での回避を目指したそうである。
そのためエンジンは瞬間的な加速に優れる2サイクル……しかもツインターボの空冷V型10気筒というディーゼルエンジンを使用し、加速性能は0-200mに限定すれば第3世代に比肩するほど。これは車重とエンジン出力のおかげ。

操縦に関してはマニュアルだった61式に対してセミオートマチックになってる。当時はまだ大出力エンジンをオートマにできるだけの技術がなかった。ヘッドセットでエンジン音はあまり聞こえないわ、タコメーターなんて見てる余裕もないわであり、シフトタイミングに慣れるまで大変なようである。これ以降の自衛隊の戦車はすべてオートマになっている。

次は攻撃力。
主砲は英国のロイヤルオードナンス社製51口径105mmライフル砲L7A1を日本製鋼所がライセンス生産したものである。
弾種は当初APDS(装弾筒付徹甲弾)とHEP(粘着榴弾)だったけど、現在はAPFSDS(93式105mm装弾筒付翼安定徹甲弾とHEAT-MP(91式105mm多目的対戦車榴弾)が開発、配備されてる。

また74式からはさまざまな電子装置が搭載された。ルビーレーザーを使用したレーザー測距儀やアナログ式の弾道コンピューター、砲安定化装置等。
世界的に見ても先進的なシステムであり、主砲発射速度は初弾がレーザー測距による照準後で3秒、次弾がその発射後4秒とされる。
当時としては高度な射撃精度を誇り、現在でも測距装置や火器管制装置の改修などにより、総合火力演習などでは90式に引けを取らない命中精度を誇る。ただ停止射撃ないし躍進射撃での話。
測距装置の更新のほかにも、車内に高分子素材のライナーを追加するなど、見た目には分からない改良がかなりされている。正面装備以外にもやってほしいものであるが、残念ながら予算は無限ではない。

攻撃力に関してもう一つ。
74式にはアクティブ式の暗視装置が量産の途中から採用されており、砲塔正面の向かって右側に装着されてるのがその近赤外線投光器。
試作車ではパッシブ式だったけどコスト的に難があり、採用は見送られたそうである。これは強力なキセノンランプで、照らされれば夜間2500メートル離れた所で本が読めるほどの光量と言われる。
おおむね74式戦車1個小隊につき1台の割合で装着されてる。探照灯のシャッターのような短冊状の赤外線フィルター内蔵で、通常のライトと赤外線ライトを使い分けている。
これ、フィルター使用中は不可視光となるのでついてるのか消えてるのか見た目には分からず、不用意にライトの前に立つと火傷したり被服が熱でダメになったりするらしい。現在ではパッシブ式どころか熱赤外線画像なども使用されるため、だいぶ旧式な暗視装置。

さてこの74式は運用期間が長いこともあり、現在まで大小様々な改修がされている。
初期生産型からかの有名なG型まで簡単に紹介する。

初期型量産の途中から先ほどのアクティブ式照準用暗視装置が追加され、夜間戦闘能力が付与されたりドーザーブレード付きの車両も開発された。
ドーザーブレード付きと言えば、東日本大震災で福島第1原発事故が起こった際、NBC対策がされ装甲による放射線遮断能力も高いため、原発までの車両通路開設に2輌投入される予定だったそうである。遠隔操作のできる車両の手配がついて、派遣はされたけど使用されなかったが。

次はB型の初期型で使用できた装弾筒付徹甲弾と粘着榴弾に加え、装弾筒付翼安定徹甲弾が運用できるよう火器管制装置や砲弾のラックが改良された型である。また初期型も同様にすべて改修された。

その次はC型。B型までオリーブドラブ一色だった塗装が現在使用されている2色迷彩に変更された。B型とC型が混在してた時期もあったりして。

D型は射撃時の熱で砲身が歪むのを防ぐためサーマルスリーブが取り付けられた型である。C型以前の型もすべてD型に改修された。ちなみに着脱可能。

E型は、火器管制装置の改良で91式105ミリ多目的対戦車榴弾に対応した。
8割程度が良い方へと改修。
あとはレア度が高い存在なので、74式が本編に登場するまでおいておく。

一つ有名……と思う話ではあるが、実は74式用の爆発反応装甲が開発されていたりした。
部隊運用まで考慮し、経年テストまで行われた実在するものである。

ただし、自衛隊の戦車運用思想は普通科隊員との連携を重視したものであり、車重アップに加え、味方も殺傷しかねない爆発反応装甲は開発したものの採用はされなかった。
同様の理由で90式にも10式にも、トロフィーみたいな対戦車弾を迎撃するアクティブ防御も採用してない。
特に10式は市街地における対ゲリラコマンドも視野に開発したというくらいだから、敵の制圧のために連携必須の普通科隊員を殺傷しかねない装備はまずい。

世界の趨勢にようやく追いついたかにも思えた日本の戦車だが、しかし世界ではより攻撃力にも防御力にも優れた戦車が開発されていた。
更に東西冷戦の激しさが増し、ソ連による北海道侵攻が現実味を帯び始め、その驚異に対抗する戦車の開発が求められた。
こうした背景の中で生まれたのが90式戦車だ。

90式と比較する10式戦車

出典:ウィキペディアコモンズ(https://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:JGSDF_MBT_Type_90_at_JGSDF_PI_center_2.jpg)
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重量50tは、国産戦車の中では最大である。
90式はすでに詳細な記事があるので比較を多様する。書いた人はこの記事と同一人物です。

主砲は120mm滑空砲。10式と同じ口径である。
90式には高度な射撃管制装置が搭載され、走行しながらでも精度の高い射撃管制が可能になった。
砲塔と車体前面には国産戦車初の複合装甲が施され、デビュー当時の正面防御力は世界最強と評された。
74式の倍以上の1,500馬力の高出力ディーゼルエンジンを搭載したことで高い機動性を実現した。
90式に至って、火力、機動力、防御力を兼ね備えた列強国の戦車を超える事になったのだ。

しかし、冷戦終結するとソ連の脅威は遠のき、変わってゲリラやテロリストの脅威が急増。街中での交戦、都市型戦闘に対抗できる戦車が求められ、そうした脅威に対応するために、10式が誕生した。
見通しが悪く、隠れる場所が多い都市部での戦闘には、C4Iによる情報共有が大きな力を発揮する。90式よりも全長が1m短くなった10式は、回転半径が半減し、市街地での行動が格段に容易になった。

90式と同等の火力と防御力を持ちながら、高い戦略機動性と、C4I機能を持つ10式戦車。
世界に先駆けて、唯一日本だけが実現させた次世代戦車といえる。

日本が生んだハイテク戦車、10式は1200社以上の民間企業の力を結集して作られた。そこにはどのような技術が用いられているのか。

戦車にとって最も重要な主砲。90式の主砲はドイツのラインメタル社のライセンス生産品だったが、10式には純国産品が採用された。
10式の主砲開発を行ったのは、東京都品川区大崎に本社を置く日本製鋼所。
日本製鋼所は戦前から、戦艦の主砲などの重厚な鉄鋼製品の開発を得意とする鋼を知り尽くした会社である。陸奥とか。
諸外国で砲身の素材から自社で作ってるところは無い。だいたい素材メーカーに発注してそれを加工してるところばかり。素材の鋼から砲身システムまでを一貫製造できるのは世界でも日本製鋼所のみで、自社で鋼を調合するところからやってる。
10式戦車の鋼の部分は世界で最高レベルのものを準備し、それに合わせて軽量化とか自由に調整することが出来るのだ。

10式の主砲は、如何にして作られたのか。中を高速で弾丸が飛んでいくわけですから、当然まっすぐ、そして円形であることが求められる砲身。これ、完全に職人技で削りながら調整して作っております。

主砲から放たれる弾は、秒速約1,600mというとてつもないスピードを持っている。このとき、主砲内部には約5,400気圧という凄まじい圧力がかかる。砲身は、射撃のたびに非常に高い内部の圧力に耐えなければならず、そのため特殊な鋼材が必要とされる。
その圧力というのが、一般的な機械ではかからないような圧力がかかるので、通常の材料にはないような強度の高さと粘り強さ。その両方を併せ持つ材料が求められた。

砲身の素材が作られている日本製鋼所の室蘭製作所。ここの一角で、なんと日本刀作ってたりする。日本刀製造は伝統が重要であり、なんでその方法が良いのかが最近ようやく解明された。
鋼の純度を高め、鍛錬し、緻密に加工する技術の追求は、千年経とうが変わらない鉄鋼製品の本質といえる。世界史上、最も鋭い刃物を作った日本。ハイテクと伝統の融合が、10式を生んだといえる。

上記の通り、戦時中には戦艦長門の主砲、陸奥の砲身、大和の装甲板など錚々たる物を製造している。
戦時中に陸軍の視察を断ったこともあるくらい海軍の最高機密に属するわけだが、そんなところが時を経て陸自の装備を作っていると思うと胸が熱い。
視察しようとしたのは東条英機内閣総理大臣なんだけどね。
出典:ウィキペディアコモンズ(https://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:41_cm_Mutsu_gun_Yamato_Museum.jpg)
戦艦陸奥の砲身
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ここで作ってる刀についてはこちらのリンクへお飛びください。
権利上の都合、画像を貼れません。

目標物を自動追尾するスラローム射撃。これを可能にするには、非常に高い精密な主砲角度の制御機能が要求される。

長野県飯田市にある多摩川精機ではスラローム射撃の大きな一翼を担うセンサーを製造している。
実は、戦車用の角度用センサーと同様の機能は、その精度こそ違うがハイブリッドカーの動力であるモーターとエンジンの回転数を同期させるためにも使われている。多摩川精機は、ハイブリッドカー用の角度センサーで世界的に有名な企業であったりするのだ。
戦車用の角度センサーとは別の場所で作られる。驚くことに、戦車の角度センサーは手作業で作られている。しかも精密な作業を行っているのは全員女性。戦車用の角度センサーは機械任せでは出来ない緻密な作業で、1つ作るのに1週間ほどかかる。
この超精密な角度センサーが10式戦車の正確な射撃を実現している。その精度は1km先にあるわずか5cmの的を狙える驚異的な性能である。
戦車の角度センサーはハイブリッドカー用の約1,800倍の精度を持っている。戦車技術は波及効果が高く、意外に我々の身近に存在しているのだ。
ちなみに、多摩川精機はP-1C-2も一部生産担当している。

国内の高度な技術が神奈川県にある三菱重工業の相模原製作所に集約され、10式戦車が誕生する。
日本の国土事情から、日本の戦車は常に小型軽量化を要求された。戦車とは、本土防衛に必要不可欠な兵器なのだ。

試製一号戦車から始まった戦車開発。多くの問題を乗り越え、ついにシステムすべてが国産技術という次世代戦車の開発。
伝統技術と、ハイテクを融合させ、戦車史上類を見ない性能を高めた戦車、10式。
日本の戦車は、試製一号から始まり、ここまで進化したのだ。日本の国力を結集したその力は抑止力となり、日本の平和を守っている。

各部詳細

出典:陸自調査団(https://rikuzi-chousadan.com/soubihin/sensya/10mbt/10mbt_6.jpg
さて、ざっと10式への流れを語ったところで、本格的に10式について語っていこう。
10式戦車は陸上自衛隊が配備を進めている、61式戦車、74式戦車、90式戦車に次ぐ第4世代の戦車である。この戦車は市街戦や非対称戦を強く意識した自衛隊初の戦車で、開発は防衛省技術本部が担当、試作量産は三菱重工が担当。
非対称戦というのは、相手が正規軍以外との戦闘を言う。ゲリラとか。

そのほかにも上記の通り、90式戦車のとき同様に日本産業界の名だたる面々が参加しております。10式戦車は90式戦車並の攻撃力・防御力・機動力を有しつつも、日本全土で運用できる小型軽量な戦車を目的に開発。
そうして完成した10式戦車は、44tという破格の軽さに90式戦車以上の戦闘力を詰め込んだ、なんとも変態的な戦車として完成。
しかもコストカットにも成功。他所の国の戦車は大体10億超えの価格なのに対し、こちらは9.5億円。調達年によって変動するものの比較的安価である。しかも日本でしか使わず他国にも売らないのにも関わらず。

また、10式戦車では西側戦車の標準的な装備となりつつあるC4Iシステムを搭載。C4Iシステムとは、とても高度な指揮統制システムである。これによって、それまで音声で行っていた命令や位置情報の伝達をデータ端末を使って視覚的かつ正確に伝達できるようになった。
これに関しては後で詳しく。

国産技術の粋を集めて開発された最新鋭の10式戦車。その開発経緯を解説していこう。

開発経緯

2000年代、防衛省は悩んでおりました。当時、数の上で主力だった74式戦車はそれはもう足回りの損傷がひどくて……
2010年頃には退役が始まるのは予想できていたのです。
で、この時の最新鋭戦車だった90式は性能を追い求めた結果として、重量は38tの74式より12tも重い50t。
これでは北海道以外じゃ使いづらい。

10式 90式 74式 61式
全長(m) 9.42 9.80 9.41 8.19
全幅(m) 3.24 3.40 3.18 2.95
全高(m) 2.30 2.30 2.25 2.49
重量(t) 約44 約50 約38 約35
装甲 複合 複合 圧延防弾甲 圧延防弾甲
値段(億円) 約9.5 約8 約4 約1

大きいとか重いとか超重戦車と言われることが多い90式だが、各国の同世代戦車と比較するならば、かなり小型軽量な部類に入る。
28tの軽量戦車を米軍が新規で作るのが話題になる程度には、各国の戦車は重量級。

それは置いといて、90式戦車は小型軽量に作られた代償として、拡張性を犠牲にしている。そんなわけで各国が整備を進めていたC4Iシステムの搭載は厳しかった。小さく作っといてあとで拡張性がーとか言われても困るよね。
それとは別の問題もあって、当時は冷戦終結直後、どの国も軍事予算は削られる方針にあって、日本も例外にはならなかった。更にバブル崩壊して不景気という。
こんなわけで、「90式戦車の改修」という名目では予算がつかない可能性が高かった。冷戦終結したのに何に使うのって話になるしな。

……そんなわけで、今回も海外戦車購入が検討されることに。
当時の戦車を今度は簡単にもう一度見てみよう。

M1A2 SEP v3エイブラムス 66.8t
レオパルト2A7+ 67.0t
ルクレール 56.6t

全部輸出価格で10億円オーバー。
これに加えてC4Iシステムを自衛隊仕様に改修する必要性かある。あとで改修が必要になったとき、自由に出来るかどうかはまた別問題。
そんなわけで輸入案も没。新型戦車の新規開発が決定し、以下のように開発要求がまとめられた。

1:90式戦車と同等の攻撃力+防御力+機動力。
2:C4Iシステム搭載。
3:90式戦車より小型軽量。
4:将来の改修に対応できる拡張性。
5:生産コストも運用コストも安価であること。

簡単に要求をまとめると、強くてC4I積んでて小さくて拡張性もあるやつを安くしろと。
本当にこの国は技術者に無茶を要求する国である。特型駆逐艦もこんな感じに生まれたし。

そして、またやってのけてしまった日本の技術者達。全部満たした戦車を作ってしまったのです。
10式戦車の開発は2002年から始まって、2008年までに5つの試作車両が完成。
2008年に4号試作車が報道陣に公開されて記者会見もやってる。


2009年12月には防衛省装備審査会議にて、部隊の使用に供することを認める評価がなされ制式化が決定。翌2010年には10式戦車として制式化。
それから2年後の2012年に量産初号車が富士教導団戦車教導隊に引き渡されて、10年に及ぶ10式戦車の開発は終了しました。

火力編

主砲は西側の標準戦車砲である44口径120mm滑腔砲を日本製鋼所が新規開発したもので、90式戦車に搭載されていたドイツからライセンス生産してたのより高腔圧に対応させつつ約13%の軽量化に成功。砲の精度は1km先の5cm四方の的に命中させるレベル。これがどの程度すごいかと言うとだ。74式戦車の砲精度が±12cmだったわけなので、ものすごい進歩であると言うことがわかるだろう。

10式戦車は90式戦車同様に自動装填装置が搭載されていて、給弾方式も90式と同じベルト給弾である。
10式戦車の自動装填装置は非常に良く出来ていて、他の自動装填装置を搭載している戦車は装填の時に一旦装填用の砲角度にする必要があったりするのだが、10式のはある程度角度がついてても装填可能である。
つまり装填速度上昇……してると思われる。推測だけどねこれは。手順が減ってる分、多少は短縮されてるのではないだろうか。

10式戦車の貫徹力が上昇した新型の10式APFSDSやHEAT-MPに00式120mm戦車砲演習弾の他、空砲や90式戦車用の砲弾にNATO弾も使用可能。



出典:陸自調査団(https://rikuzi-chousadan.com/soubihin/sensya/type10.html

NATO弾を一応解説しておくと、NATOは北大西洋条約機構の略でものすごく簡単に言うとアメリカとヨーロッパの軍事同盟。
NATO加盟国の弾丸を共通化しておいて各国で弾丸の融通が効くようにしている。もし戦争になった時にフランスとイギリスで弾丸の規格が違ったら面倒じゃない?それを共通化した奴をNATO弾という。
これをそのまま使えるようにしておけば、アメリカの弾丸を日本で使えるわけで。日本とアメリカは同盟国なわけで。つまり重要で便利と。最近はイギリスとかとも仲良いし。

10式戦車は、設計段階で主砲を55口径の120mm砲に換装することも考慮されている。つまり、より高い火力が必要になったら即対応可能。
口径が上がると火力が上がるのか?というか口径なんだ?って人のために解説しよう。
ぶっちゃけQ&Aにリンク飛ばせばよいのだが、書きたいのでここで説明する。口径とは、砲身の長さの単位である。

その砲の弾の直径を1口径として、弾の直径何個分かで砲身の長さを表す方法である。例えば、55口径120mm砲だと砲身の長さは6,600mmとなる。
つまり、弾の直径によって1口径は変動する。同じ55口径であっても、105mm砲と120mm砲では違うと。

具体的に計算式にするとこう。

  • 55口径105mm砲
105×55=5,775mm

  • 55口径120mm砲
120×55=6,600mm

注意点だが、これは大砲に限る話であり、小銃や拳銃だとまた別ね。

次に、口径が大きくなると威力が上がるのか?という点だが、大きくなる。
理由はとてもわかり易い。砲身が伸びれば伸びるほど、弾は装薬の爆発エネルギーを長く受けることができるから。エネルギーを受け取る時間が長くなるから、弾の初速も早くなるから、徹甲弾とかの貫徹力が増す。
あと初速が早くなるから、弾の飛翔距離も延びて、射程も長くなると。よって、口径が大きくなれば威力が高くなるのである。

じゃあなんで最初から55口径で作らんのよ。という話になるわけだが。理由は、口径が大きくなると重くなる。コストも増えるよ。長いんだもん、当然だよね。使う金属の量増えるわけだし。
あと砲身が長くなる分たけ小回りが効かなくなる。屋内で殺陣やるとき、刀と槍どちらが有利ですか?と考えるとわかりやすいと思う。特に10式は市街戦や非対称戦を想定している戦車なので、小回りはとても重要なのである。
つまり55口径搭載の余裕というのは保険である。155mm砲搭載戦車とかも出てきてるし、そういうの抜けないと困る。
10式戦車に搭載されている弾の数は、14発から40発までと、まぁ書籍によって幅が広い……どれだよ。

一応参考もここで一緒に書きますと
「軍事研究」ジャパン・ミリタリー・レビュー2008年14発
「PANZER」アルゴノート2008年22発
「丸」潮書房2013年40発
という具合。

まぁ上2つは制式化前の資料なので、多分40発じゃないかなーと筆者は思う。「丸」だし。
不確定だが、日本国召喚に登場している10式戦車はグラ・バルカス帝国の戦車撃破数から「丸」に近い40発前後の砲弾を搭載しているものと思われる。

そして10式は副武装として砲塔上部に12.7mm重機関銃と主砲同軸に7.62mm機銃が搭載されている。
あと乗員携帯火器で折り畳み銃床の89式小銃が支給されている。


射撃管制装置

10式戦車に搭載されている射撃管制装置の性能は世界トップクラスであり、スラローム走行中での射撃を世界で初めて実現。
これはとてもすごいことであり、上で書いたようなとても高精度な射撃管制装置があってようやく実現した。
10式には自動索敵機能が搭載されており、目標の探知、識別、脅威度判定を全自動で行うことが可能である。探知した敵はC4Iシステムを搭載した味方のすべてで共有される。車長席に搭載されている液晶ディスプレイに色やアイコンとかで視覚的に表示される。

10式戦車で小隊行動をした場合、小隊長が目標指示を行うと自動で指示された目標に照準して、目標の弱点をデータベースから割り出し、自動で弱点に照準する機能を有している。
そして5センチ四方の的に当てる砲精度で弱点を正確に撃ち抜く。自動で照準してあとは砲手が引き金を引くだけ。射撃後は自動的に撃破判定を行い、撃破不確実と判断した場合は乗員に次弾射撃をリコメンドする機能まで搭載してある。
つまり10式戦車は

目標の探知
識別
脅威度判定
照準
撃破判定

と、ここまで出来ると。
10式は90式が出来た行進間射撃は当然として、上で書いたスラローム射撃に急速後退しながら射撃する後退行進射撃も可能であり、とにかく高い評価がなされている。
ハイテク戦車ここに極まれり。隊員の間では「走るコンピューター」と呼ばれている。ネットとかで変態戦車っていう単語が出てきたら、だいたい10式を指してると思って良い。

次にC4Iシステムだが、C4Iシステムとは、各国で整備が進んでいる指揮システムで、データリンクの一種と思って良い。敵の位置とか種類とかの情報の共有を自動で行えると。ただC4Iだと戦車のステータスや命令などの共有もやる。

10式戦車では、このC4Iシステム経由で得た情報を液晶ディスプレイに色やアイコンなどで視覚的に表示する。小隊長はこのディスプレイに表示された目標をタッチパネルを使って、小隊車に振り分けることが出来るから、オーバーキルや同士討ちを避けることが可能。
10式戦車はこのC4Iシステムによって、集団での戦闘力を格段に向上させていて、10式戦車を装備した戦車小隊は自衛隊のアグレッサー部隊を打ち負かしたのだとか。このアグレッサー部隊は自衛隊創設以来、数回しか負けたことがないので、とてもすごいことである。

このC4Iシステムは将来的に陸上自衛隊の偵察ヘリコプターや戦闘ヘリコプターにも搭載予定なので、ヘリコプターで発見した戦車を10式戦車が撃破する……なんてことも将来的には可能である。

もちろん10式戦車に対戦車ミサイルを発射した敵に対して、戦闘ヘリコプターが機銃掃射するなんてことも可能になる。空と陸での連携が強化されると。
このC4Iシステムが本格的に陸上自衛隊に整備されたら、陸自の戦闘力は格段に向上することだろう。


射撃映像

防御力

10式戦車は新型素材の採用によって、90式戦車と同等の防御力を有しながらも軽量化に成功しているとされている。正面装甲は新型のAPFSDS弾の250mの距離からの射撃に耐えるとされており、それなりの防御力があると思われる。
10式戦車は外装式のモジュール装甲を採用しており、装甲の増減によって40tから48tまで重量が変化する。
但し、外装式とは言ってもロシア戦車の追加装甲の様な剥き出しではなく、脱着可能な外装ブロックに内蔵する方式が採用されている。このため追加装甲の種類や有無によって外装ブロックの形状が変化しない限り、外見からの判別は困難と考えられる。

10式戦車は、軽量化した分だけ防御力が低い……なんて話もあるにはある。実際、イスラエルのメルカバとかアメリカのエイブラムスとかを引き合いに出して、防御力が低くなってるとか批判されることは多いです。
確かにそうかも知れないんだが、真相は防衛機密の為不明である。ただし最近の冶金技術の向上により、軽量ながらも強度が上がっている事は留意しておくといいだろう。

上で40tから48tまで重量変更が可能と書いたが、フル装備の48tは公開されたことがありません。
少なくとも筆者は見たこと無いし、調べた限り見つけることが出来なかった。結構ちょくちょく情報誌もチェックしてるつもりだが、それでも筆者は見たこと無い。よって、どれくらいの防御力があるのかすらも推測できない。つまりフル装備の状態がわからないから防御力不明と。
……まぁねうん、メルカバとかエイブラムスとか想定してる戦場が違いすぎますからね。比べるのがまず間違っているのよ。
というか日本じゃあの重量は使えん。つまり攻め込まれたとき、敵は大きな制約化での活動を余儀なくされる。

ちなみに10式戦車にはクーラーがないもんだから、夏は行動可能時間が30分程度しかないなんて話もある。
まず、クーラーがないのは本当である。なんでつけないのかというと、コストカットである。乗員用のクーラーつけるってことは、発電用のエンジンの出力をあげないといけなくなる。よってコストが跳ね上がる。おまけにNBC防護の観点から見ても、設置は難しいだろう。

では行動時間が30分というのは本当なのかというと、実際はコンピューター冷却用のクーラーの冷気が多少乗員にも当たるように設計されているので、ある程度は大丈夫らしい。
しかし、本格的な乗員用のクーラーがついていないのも事実。乗員の快適性向上のためにも追加すべき物ではあると思う。どの程度暑いのかは実際に乗ったことがないため不明なので有識者の編集を待つ。とりあえず扇風機程度はあるんだな―と思えば良いのではないだろうか。

なお、内部はこんな感じである。結構うるさい。


機動力

10式戦車は小型・軽量な1,200馬力水冷4サイクルV型8気筒ディーゼル機関を採用、燃費向上や黒煙軽減などが図られている。
10式戦車は変速比を最適に制御できる油圧機械式無段階自動変速操向機という革新的な変速機を戦車に初めて採用した。これのどのへんがすごいのかと言うとだ。

まず変速機には段階的に変速するものと、無段階に変速できる無段変速機の2つに大別される。段階的に変速する変速機は、機構が比較的単純で安価なので自転車や自動車なんかに多用されている。ちなみに90式戦車に搭載されてるのはこっち。
対して無段変速機は機構が複雑な分、変速機を自在に制御できるから、滑らかな発進ができて、スポーツカーや黒塗りの高級車なんかに搭載されている。この無段変速機にはたくさん方式が存在するわけだが、その中で戦車のような高出力なものに対応した方式として静油圧式と機械油圧式というのがある。この2つの違いを説明しよう。

静油圧式とは、エンジンで油圧ポンプを作動させてその油圧で油圧モーターを作動させることで変速する。
つまり
動力→油圧→出力
である。
ただし、全部動力を油圧に変換してる分伝達効率は良くないという弱点を抱えている。

次に機械油圧式だが、
これは静油圧式に加えて、機械的な伝達を加えることで静油圧式の弱点である伝達効率の低さをカバーしようとするものである。

つまり
エンジン 油圧ポンプ 油圧モーター 駆動輪
機械的な伝達機構
(ギアとかベルトとか)

という感じ
が、もうこの時点でなんとなくわかると思うが設計が複雑で非常に難しいものでもある。技術者の後日談でも、この変速機とエンジンをユニット化したパワーパックの小型化が非常に大変だったと話している。相当難易度が高かったのだろう。

あまり注目されていない変速機にも、技術者の苦労が詰まっているのがわかる。この無段変速機によって、10式の機動力は90式を凌駕するものであるという評価を得ている。
10式戦車はサスペンションに油気圧サスペンションを採用していて、74式同様の車体を上下左右に傾斜させることが出来る。
もはや日本戦車の伝統であるなこの仕様。山がちな日本だと必須の機能である。

運用


最後に自衛隊での運用だが、2012年から配備が始まった10式は74式の後継として北海道を除く全土に配備され、400両以上を生産し、量産効果で1輌あたりの単価も7億円まで減少。
と、なるはずでした。
10式戦車の開発が終了した直後に2009年に政権が交代。これに伴い防衛計画の大網も見直され、戦車の定数をそれまでの600輌から400輌に大幅削減する方針が打ち出された。政権が自民党に戻ってからも戦車の定数削減は撤回されることはなく…一度やっちゃうと難しいのよね、こう言うの戻すの。
この3年後、更に戦車定数が400輌から300輌に削減。まさかの半分である。
本州と四国の戦車部隊を廃止し、代わりに新開発の装輪戦闘車(後の16式機動戦闘車)を配備し、戦車は九州と北海道にのみ配備する方針が打ち出された。

300輌という数は90式だけで満たしてしまうため、10式はどうなるのかという議論が起きました。ちなみに2023年現在、90式341輌に対して10式約100輌*6である。
90式を廃棄するのか10式の調達を中止するのかという問題は、未だに公式には決定されていない。尤もその後も10式の調達数は減ってはいても中止には至っていない*7
2014年に打ち出された戦車定数300輌は、2023年現在になっても実現する目処すら立っておらず、退役する74式を除くと約440輌の戦車が運用されている。但し、北海道と九州への戦車集中配備は実現しており、90式は北海道のみの配備だが、10式は両方に配備されている。
なんというか決断しないでそのままにするのは日本の悪い癖だが、これに関してはまぁよかったんじゃないかなーと思う。16式で10式の代わりはどうなのよって思うし。

で、肝心の戦車減らして国防大丈夫なのかという点であるが……これに関しては賛否両論である。本州にも戦車を配備すべきだという意見もあれば、戦車よりもっと優先すべき装備があるから、お金のかかる戦車の定数削減は賛成という意見もある。
確かに、中国の台頭で諸島防衛が急務になっているので、そちらに予算を回すための戦車削減というのは仕方がないような気もする。寂しい。こればっかりは人によって意見が分かれるので自分で意見持ってください。筆者は戦車増やせ派である。

ちなみに参考だが、日本の周辺諸国の戦車保有数は、ロシアが約2,800輌*8、韓国は約2,300輌、中国は約9,000輌となっています。平成30年度「防衛白書」にはそう書いてある。保管状態のやつまで含めた場合は知らん。
大陸国家と島国という違いもあるので、これがどの程度危惧する必要があるのかは、読者にお任せする。

そもそも戦車要るの?

日本という国は海に囲まれた島国であり、どこかと陸地で繋がっている訳ではありません。あと専守防衛を基本方針にしているので他国に攻め入ることを想定していません。
よって、他国との戦争において陸自の戦車が戦闘する場面というのは、敵がすでに制海権や制空権を握り、敵地上部隊が日本本土への上陸を開始したあとという状況くらいではないかという見方もあります。

当然制海権や制空権の争いを繰り広げているなかで、敵の地上部隊が日本に上陸を強行してくる場合も考えられるわけだが。
海と空の防衛が崩壊寸前とかもはや敗戦間近だが、それでも本当に戦車を持つ必要があるのでしょうか。あるのです。
よーく考えてほしい。
自衛隊が戦車を持ってなくて、装甲車程度の装備品しか持っていないとだ。
日本を侵略しようとする敵は、装甲車を撃破することができる程度の戦車を持ってくる。これだと自衛隊の部隊は、敵の戦車にどう対抗するのよと。応援を呼んだとしても、その応援部隊が駆けつけた頃には、すでに全滅しているかも。

だが自衛隊が戦車を持っている場合、敵は自衛隊が持つ戦車と同等以上の戦車を持ってくるでしょう。
よって、自衛隊の戦車の能力が高くなれば、敵は更に強力な戦車を開発せざるを得なくなり、結果としてそれが抑止力として働くということです。

例えるならば……鍵はかかってないわセキュリティーサービスの類にも入ってないわの家に忍び込むのは簡単よね。窃盗ラクラクです。
でも鍵が掛かっていれば、その鍵を破る道具が必要になります。警備会社のセキュリティシステムが入っていれば、更に高度なセキュリティ解除技術が必要になり、目標の家に侵入することがより難しくなります。

これなら侵入そのものを諦める。抑止力とは、そのようにして発生し、機能する。核の抑止力ってあるじゃない。アレの小規模版である。

陸上自衛隊は高度な射撃統制装置と、軽量化された車体で機動性に優れる10式戦車を導入しました。
2017年にはそれらの能力を更に向上させた、装輪タイプの16式機動戦闘車も配備されている。
こうした能力の向上は敵に対しても、様々な能力の向上を強制させるもので、日本が独自の戦闘車両を作らなくなってしまったら、周辺国による侵略の脅威に常に晒されることになるでしょう。

現代の国際社会において、他国が日本を侵略するというのは、あり得ないわけではありません。というか、筆者が生きてるうちに起きても驚くに値しないのではないかとすら思える。
そうした動きを抑止し、日本が平和と独立を維持し続けるためにも、戦車をはじめとした様々な防衛装備品の充実を図ることが必要になります。日本侵略を狙う敵から舐められないためにも、日本には戦車が必要なのです。
防衛出動など発動しないで済むならそのほうが良いのである。61式戦車は一度も実戦を経験することなく全車退役しました。残念ながら本作では90式と10式が実戦を経験しております。
出来ることならば、せめて現実では10式戦車も実戦を経験することなく全車退役まで日本を守ってほしいものである。

第一参考資料

戦車戦入門 世界篇―シャーマン対ティーゲル木俣 滋郎
世界戦車戦史木俣 滋郎
世界戦車戦史 part 2木俣 滋郎
帝国陸軍兵器考 (1974年)木俣 滋郎
世界戦車戦史木俣 滋郎
日本陸軍の戦車
戦車マガジン増刊・世界の精鋭兵器 No.561式主力戦闘戦車戦車マガジン
1980年9月増刊号 61式主力戦闘戦車戦車マガジン
世界の戦車・装甲車学習研究社
陸上自衛隊 機甲科全史 (戦後日本の戦車部隊65年の道程)イカロス出版
Japan Military Review『軍事研究』2007年12月号別冊
自衛隊兵器大全 国防兵器の60年史竹書房文庫
体験的機甲史 自衛隊の戦車
丸2012年3月号
丸2013年7月号
丸2019年12月号
10式戦車パーフェクトガイド


61式戦車のヨルダン王立戦車博物館への無償貸付及びヨルダンからの装甲車の寄付の受領https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_007679.html
三菱重工公式HP防衛装備https://www.mhi.com/jp/products/

海外現役戦車はWikipedia参考。

編集参考資料



※出典:陸上自衛隊ホームページ 富士総合火力演習・そうかえん (https://get.google.com/albumarchive/115305223408918522377/album/AF1QipNWPWoW1M1lAF0uPsUM5Mfyn_7xfI_bOw40DIiP

作中での活躍


番外編「辺境の魔王」にて登場。陸上自衛隊トーパ王国特別派遣部隊先遣小隊の持ち込んだ装備として1両派遣された。
トーパ王国兵に「深緑色の鉄の魔獣」「鉄竜」等と呼ばれる。鉄竜は他の戦車も同様。

魔王ノスグーラが、エンシェントカイザーゴーレムを操って世界の扉に攻め寄せた時、まずゴーレムを主砲にて撃破。*9これを見た魔王は、自衛隊を太陽神の使いと誤認する。魔王自身も、主砲にて一撃で撃破された。
その戦闘を神聖ミリシアル帝国ライドルカが一般人を装い目撃。帝国ではこの戦車を作れないと、持ち込まれた他の兵器共々情報を本国へ持ち帰る。最初は疑われたものの対パーパルディア皇国戦において信憑性有りとされ、日本の実力を図らずも示すこととなった。

本編ではムー国本土に攻め込んできたグラ・バルカス帝国陸軍を排除すべく参戦。
キールセキの街を通る汽車で輸送されているところを住人が目撃。グ帝戦車と比べ車体も砲も大型であるその姿は、かつてイルネティア王国海軍に所属していて、グ帝海軍に蹂躙された元兵士に希望を与えた。

その後、空洞山脈の戦いにてグラ・バルカス帝国陸軍唯一の機械化師団と衝突し、一方的に殲滅してその力を見せつけた。この時現実の10式と同じようにAPFSDSとHEAT-MPを使用しているのだが、何故か書籍版では本来配備されていないHEAT弾と通常弾(描写からして榴弾)に変更されていた。しかもAPFSDSの効果とごちゃ混ぜになっているのかHEAT弾で過貫通が起きている。公式曰くミスだったらしい。

関連項目
兵器自衛隊90式戦車

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過去のコメント
  • 国土防衛に必要な戦車の定数は70年代にソ連極東軍の鉄のローラーに対抗するには最低でも1200両と当時の防衛庁は試算してたが大蔵省に押し切られて800両に妥協してた、当時と同様規模の中国軍の脅威下で300両は如何にも少なすぎるよ - 名無しさん (2020-06-06 02:34:35)
  • いい加減バカ政府はクーラー付けろよ。 - 名無しさん (2020-09-05 19:03:49)
    • お前はキヨタニか - 名無しさん (2020-09-05 19:07:49)
  • 解説に愛が籠ってて草 - 名無しさん (2020-10-10 22:11:18)
  • 戦車という以上強いんだろうけど解説にたしかに愛が込められすぎているな。しょせんはカタログスペックで褒めてるだけで兵器の性能は実戦でしか分からんだろうな。アメリカの大きな演習場で90式10台が古く性能の劣る外国戦車20数台と模擬戦したが相手は全滅出来たけど1台しか生き残り判定もらわなかった。戦車数で外国に劣る日本でこれは厳しいよな。 - 名無しさん (2020-11-20 00:49:30)
    • 古く性能の劣る外国の戦車ってなんだよ - 名無しさん (2021-01-22 19:15:23)
    • 愛も何も事実だし、自国の最新兵器なんだから濃くなるのは当たり前じゃん。別に他国の兵器を扱き下ろしてる訳でもないし、自国の兵器の印象を下げようとする必要もないよね。てか演習に旧式戦車云々って何処ソース?旧式戦車は何と言う戦車?君の場合は愛じゃなく敵意が籠ってるね。 - 名無しさん (2021-01-23 10:17:46)
    • カタログスペックがどうとか言い出したら何も評価できんやんけ - 名無しさん (2021-01-23 17:42:46)
    • その90式戦車13両を10式4両が非撃破1で全滅させてたりするので - 名無しさん (2021-04-19 15:52:25)
    • 愛が云々とか何言ってんの?てか - 名無しさん (2021-04-20 16:08:04)
    • 今までの開発シト - 名無しさん (2021-04-20 16:08:29)
    • そのアメリカの演習場の結果を適当に抜き打ちして書くんじゃ無い、あれはアメリカの頑強な守備線をぶち抜いてきた敵である精鋭機動戦闘車両部隊の猛攻を10両だけの損失で排除し、守備目標都市を守り切ったと言う成果だぞ、その際に米軍教官から戦車集団で固まらない様にと言う指導をうけたっだけだぞ、別に日本の戦車が劣ってた訳では決してない。NHKスペシャルをもっとキチンと見る様に - g100 (2023-10-24 22:39:11)
  • NBC防護機能に乗員室冷却とあるがあれはクーラーとして見做されないのかな?まぁ常時使う様なものじゃないだろうけど。 - 名無しさん (2021-01-19 00:13:01)
  • t-14アルマタ「ほーんwww」 - 名無しさん (2021-01-20 12:31:22)
  • 10式のC4Iがどれくらい凄いかと言うと、第3世代MBT(90式とかM1A2)のデータリンクは自分の位置や状態はリアルタイムで共有されるけど、敵の位置は車長が『手作業で』地図上に「このあたりに敵戦車、多分T-72がいる」という感じに共有する。当然更新も手動なので分単位レベル。そんなレベルなん?と思うかもしれないが、これでも戦場では敵戦力の把握や、同士討ちの防止には随分と役立つ。 - 名無しさん (2021-04-19 15:37:25)
    • 一方の10式はFCSや各種センサーと接続されているので、解説の通り索敵~追跡、撃破判定までを全自動かつリアルタイムで共有してくれる上、味方や敵が誰を狙ってるとかも分かる。 - 名無しさん (2021-04-19 15:44:21)
    • この情報を利用して、観測担当が敵を発見→攻撃担当が見えない敵をロックオン→見える位置に移動した瞬間攻撃みたいなことも可能。更に、小隊長が小隊内戦車のFCSをオーバーライド(味方のFCSを乗っ取るイメージ)して、攻撃なんて芸当も…… - 名無しさん (2021-04-19 15:51:27)
  • 召喚日本の10式戦車の後継はどんな戦車になるんだろうか - 名無しさん (2021-07-27 20:45:32)
    • 西暦換算2050年ぐらいまで後継機無しじゃね? まずは数だし その頃になれば魔導工学学んだ人が増えてハイブリッド化しそう - 名無しさん (2022-08-03 20:04:15)
  • これ書き換える必要性あったん? - 名無しさん (2021-08-01 02:31:51)
  • 運用のところで、10式は74式の口径として~ってなってるけど、後継の誤字ですかな? - 名無しさん (2021-09-16 19:53:08)
  • 最近清谷信一の防衛問題の真相を見てみたんだがこれ反論できる、もしくは否定できる人いる?随分ネットやこのページでは神格化されてるけど? - 名無しさん (2022-03-26 22:04:49)
    • それのURLここに乗せれる?気になるけど清谷の他の記事読みたくないのよ(直リン禁止なら諦めるが) - 名無しさん (2022-03-26 23:02:00)
      • 1ヵ月以上も待ってるんだが、まだ? まさか清谷の記事最初から無かったん? - 名無しさん (2022-05-01 19:39:28)
    • 神格化されてるってどこで?そっちのが気になる。お笑い方面なら納得するが、また何かやらかしたの?(笑) - 名無しさん (2023-12-24 22:20:05)
  • なげーよ にしてもリアル世界では90式のマイナーチェンジ令和版が必要なんじゃ? - 名無しさん (2022-07-28 14:42:05)
    • 生産ライン的に、これをそのまま量産した方が良いと思うよ。攻撃力同じだし軽量だしで扱いやすいし。軽戦車を作りたいなら99式155mmの車体に16式の砲塔でも載せれば良い - 名無しさん (2022-07-28 19:24:42)
  • 清谷信一とか論外。あいつは軍事評論家の皮を被った財務省のゴミでしかない - 名無しさん (2022-08-03 18:13:33)
    • 財務省みたいなエリート官僚と繋がりなんてないよ、ミリタリー系輸入雑貨屋を経営しているから円高でないと機嫌が悪いだけバカだしw - 名無しさん (2023-01-16 22:15:21)
    • あいつは自称しないと軍事研究家と名乗れないただの翻訳家。しかも得意の英訳も間違いが多くて勘違いした記事が多いという(笑) - 名無しさん (2023-12-24 22:18:34)
  • あんまり長い上主観の入った不自然な文体を削除しました - 名無しさん (2022-09-07 20:37:29)
  • いきなり削除するのも考えものだが、せめて短縮か折り畳みしてくれないかね。長すぎて読み辛い……作中の活躍とコメント欄が遠すぎて困る…… - 名無しさん (2022-09-07 22:47:09)
  • スペック表の下にある見出しのリンクをクリックすれば作中の活躍まで飛べます - kani (2022-09-08 23:55:47)
  • 改行を少し減らしました。 - kani (2022-09-13 21:46:11)
  • 61式を25トンにしようとしていたのは予算を抑えたい内局で、公職追放で旧軍人が再軍備の初期段階で警察予備隊や保安隊に入れない中でのちの自衛隊を牛耳ったのは、戦争に負けて解体されたけど公職追放にはならなかった元内務官僚。警察庁経由で軍隊を見下すために送り込まれた連中で、海原治を筆頭に小さな軍隊を志向することで古巣に貢献した。61式が25トンから36トンになったのを大失敗と言って次期戦車(74式)のための欧州調査団が出発するときは「二度とこのような(まともな戦車をつくる)ことが無いように」と出発直前に派遣される幹部呼びつけて説教しているし、日本の主力戦闘機をF-5にしろと喚いていた。防衛庁の天皇(自衛隊ではないわけだw)として長年…官僚としての任期を無視して君臨したけど海原下ろしを食らって左遷、後輩だけど議員になった中曽根に「(権限のない官僚としての事務局長である海原は)茶坊主」とプゲラされて辞表を書いたw - 名無しさん (2023-01-16 22:12:40)
    • その海原と言う売国奴に海自の初のヘリ空母は撃沈され、F-4は爆撃装置を外され、危うくT-2/F-1が流産する所だった。失脚してなによだよ - 名無しさん (2023-10-24 22:42:16)
      • 失脚してなによりだった、途中送信してしまったよ - 名無しさん (2023-10-24 22:42:57)
  • ちな戦前からの戦車思想が受け継がれてるのは74式まで。戦時中の戦車開発者が存命で彼らの意見が重視されたから。排気系とか日本戦車の伝統を受け継いでるのがわかる -   (2023-12-24 22:16:36)
  • 防衛白書から戦車定数と言う言葉自体が廃止された模様なので、今後の戦車は自衛隊が必要と思われるだけの数量が調達、維持されると言う事になりそう、まあ装輪装甲車自体が兵員輸送型だけで810両も調達される予定ですから戦車もそれなりに調達されるのでしょうね - 名無しさん (2024-02-20 21:25:36)
    • 隣が軍拡してる中で定数定数喚いて戦車減らしてたのがイカれてたからなあ…台湾とか韓国とか狭い国土なのに戦車戦力はとてつもなく大きい。領土が2国よりも広大な分増やすのは良いのだが今度は人数の問題が出てくる…兵役制度復活とか無いもんかね。 - 名無しさん (2024-04-01 22:27:49)
      • 人員は時間さえあれば育成出来なくないけど、もうほとんどが水機団に回されたからなぁ…… - 名無しさん (2024-04-07 14:39:19)

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最終更新:2024年02月09日 13:01

*1 一部の評論家も勘違いしているが重量=装甲と言う関係は複合装甲では成り立たない。また海外では重い戦車が多い事が誤解に拍車をかけている。ちなみに重い戦車筆頭であるM1は運用に支障が出て怠ってきたため、軽量化しようと必死になってるとか。

*2 3対36にも関わらず、損害0で74式戦車が全滅

*3 正確には投入した戦車隊が壊滅した日本側がそう認識していただけ。これにはソ連側が冷戦終結まで損害の実態を隠蔽していたことも影響しており、投入した戦車数に1:5もの開きがあったものの戦車戦での撃破もちゃんとあり、全体での撃破数に差はない。戦車砲に性能差があったのは事実で、この後新型砲の開発にも取り組んでいるが、太平洋戦争では航空機の生産が優先されたため、新型戦車の開発は遅れることになる

*4 メルカバを見て「重すぎて日本では戦えない」と言っている様なものである

*5 この考え方は、ソ連/ロシア戦車の考え方と類似するところが多い

*6 同年度までの総調達数は126輌

*7 16式機動戦闘車の調達が始まった2016年度から10式戦車の調達数はそれまでの約半数にあたる6輌(生産ラインをギリギリ維持できる数と言われる)となっていた。しかし、74式が全車退役する2023年度に16式の調達数が200輌を超えてある程度目処が立ち(16式の予定配備数は200〜300輌とされる)、更に防衛予算の増額もあって10式の調達数も9輌に増加している

*8 2022年2月24日のウクライナ侵攻開始から1年半余りで約2,000輌を喪失、1万輌とも言われる予備保管車輌を現役復帰させて前線に配備している

*9 コミカライズ版ではその前に頭部に一撃裂弾を加えたが、影響はほとんどなく、破損部分も再生されてしまっている