「疾走する本能」
【あらすじ】
西暦2003年。
九州で一人旅をしていた青年、乾巧は居合わせた女性「園田真理」と共に、謎の怪人「オルフェノク」に襲われる。
真理は持っていたベルトを巧に強引に着け、超戦士ファイズに変身させてオルフェノク(スティングフィッシュオルフェノク)を撃退。目の前の出来事に混乱する巧であったが、どうやらオルフェノク達はベルトを狙って真理を襲ったらしい。
2人はクリーニング屋の菊池啓太郎と出逢い、事情を知った啓太郎の勧めで東京にある家で3人の共同生活を始める事になる。
一方、東京で暮らしていた青年、木場勇治(ホースオルフェノク)は2年前の交通事故によって両親を失い、自らも2年間の昏睡状態を経て死亡したかに見えた。
だが、勇治は謎の蘇生を遂げ、周囲を混乱させる。
自らも混乱したまま帰宅する勇治だったが、自宅は既に他人のものとなっていた。
実は叔父一家が自分が眠っている間に財産を根こそぎ利用していた事実を知った勇治は異形の怪物に変身し、自分を裏切った恋人と従兄弟を手にかけてしまう。
肉体の変貌と自らの罪に絶望する勇治の前に「スマートレディ」という女性が現れ、事の真相を告げる。一度目の死亡により、オルフェノクとして覚醒した事であった。
オルフェノクの組織スマートブレイン社に囲い込まれた勇治は同じようにオルフェノクとして覚醒した長田結花(クレインオルフェノク)、海堂直也(スネークオルフェノク)の二人と行動を共にするうちに、人類を敵視するスマートブレインに反発、人類とオルフェノクの融和を考えるようになる。
乾巧と木場勇治。2人の男の物語を中心に、ベルトをひいては人類の未来を巡って、オルフェノクと人類の戦いが幕を開けた。
平成仮面ライダー第4作目。
怪人側のドラマがライダーでは初めて重点的に描かれた作品。
悪の心を持つライダーや良心をもつ怪人なども描かれ、「人間と怪人の共存」をテーマとしているため、大変複雑なストーリーとなっている。
その上、主人公=乾巧ですらも怪人だと言う今までには考えられなかった設定も使用される。
また、『仮面ライダー龍騎』から外付けの変身アイテムを受け継いだが、同じく誰でも変身できるわけでもなく、従来の設定を活かしたところも見られる。
変身アイテムには最新機器の携帯電話が採用され、後にUSBメモリを使う『仮面ライダーW』へと受け継がれていく。
カイザフォンのモチーフとなったスライド回転式リボルバー型携帯電話は本作の放送後に一般発売が開始された。
父親と同様に井上敏樹氏が全話脚本を担当している事でも有名、最終回でゲスト出演している。
怪人モチーフには『仮面ライダーX』や『キカイダー01』からのオマージュが多い。
最終更新:2017年08月01日 09:00