メインコミュ

話数 タイトル メイン 登場
第6話 そして少女達は立ち上がった 七尾百合子 北沢志保、高山紗代子、望月杏奈
第14話 だって大好きだから! 矢吹可奈 北沢志保、ジュリア
第15話 飾らない言葉 飾れない心 北沢志保 矢吹可奈、野々原茜、高槻やよい、水瀬伊織


第6話「そして少女達は立ち上がった」

・劇場

+ ...
劇場
七尾百合子 紗代子さん、杏奈ちゃん!
今日はとっておきのオススメを
持ってきたんだけど、どうかな?
高山紗代子 百合子のオススメ?
それって、もしかして……。
七尾百合子 はい、ファンタジー小説です!
主人公が強くて優しくて、
すっ…ごく素敵なんですよ!
最強の敵を倒すため、本心を
隠す主人公……本当は優しくて
臆病なのに、誰にも見せず……
孤独だったはずの戦いが、
仲間との絆で意味を変える……
本当にオススメなんです!!
望月杏奈 百合子、さん……。
このままだと、エンディングまで、
話しちゃいそう……。
高山紗代子 ふふっ。百合子は本のことに
なると、本当に
止まらなくなっちゃうんだね!

・プロローグ

+ ...
プロローグ
P みんな、話の途中に悪いな。
……百合子、ちょっといいか?
百合子 あっ、プロデューサーさん!?
お、お疲れさまです。あの、何か……?
P 実は、次の公演のセンターを、
百合子にやってもらおうと思ってるんだけど。
百合子 次の公演の、センター……
私が、センター……って。
百合子 え、えええええっ!!?
P いや、そんなに驚かなくても……。
百合子 だだだ、だって、センターですよ!?
私が、しゅ、主人公みたいなものってことで……!
紗代子 えっ……センター!? すごい!
おめでとう、百合子!
杏奈 ん……百合子さん、すごい……ね。
おめでとう、ございます……。
紗代子 先に越されちゃったのは、ちょっと悔しいけど……
私に強力できることがあったら、なんでも言ってね!
杏奈 杏奈も……応援、する……。
百合子 杏奈ちゃん、紗代子さん……。
ふたりとも、ありがとうございます!
プロデューサーさん……
私、覚悟を決めました!
次の公演……主人公の名に恥じないように、
精いっぱい頑張りますね!
P 主人公とはちょっと違うんだが……まぁいいか。
それじゃ、頼んだぞ!
百合子 はいっ♪
P (小夜子も杏奈も、力になってくれるみたいだし。
百合子のセンター公演、いいものになりそうだ!)

・メインコミュ

+ ...
メインコミュ
P (次の公演に向けてのレッスンが始まった。百合子は
……紗代子と杏奈と、何かそうだんしてるみたいだな)
紗代子 センターをやるなら、自分でも苦手だと思っている
ところは、ちゃんと克服した方がいいと思うんだ!
たしか百合子は、ダンスが
あんまり得意じゃなかったよね?
杏奈 そういえば……レッスンの、時……
百合子さん……いつも、つまずいてる……ね……。
百合子 うっ。そ、それは……ダンスというか、
そもそも運動自体があんまり得意じゃなくて……。
紗代子 だったら、なおさら克服しなきゃ!
公演までまだ時間があるし、特訓しよう!
百合子 と、特訓……。
プロデューサーさんも、そう思いますか……?
P そうだな。今後のためにも、
苦手なことを克服しておいて損はないと思うけど。
紗代子 そうですよね!、プロデューサー!
そうと決まれば、さっそく始めよう、百合子!
百合子 わ、わかりました……主人公なのに、苦手なことから逃げてちゃ、ダメですもんね!
紗代子 その意気だよ、百合子!
大丈夫、私達も協力するから。ねっ、杏奈ちゃん!
杏奈 え……杏奈は、別に…………。
百合子 杏奈ちゃん……!
杏奈 ……………………。
……わかった……。
杏奈……頑張る……。
百合子 紗代子さん、杏奈ちゃん、ありがとう!
私……必ず、この地獄のような特訓に耐えて、
苦手なダンスを克服してみせますっ!
杏奈 え……? じ、地獄……なの……?
紗代子 頑張ろうね、百合子、杏奈ちゃん!
それじゃあ早速、レッスンルームに行くよ!
百合子 はいっ!
P (一体どんな特訓を……。
念のため、様子を見に行くか)

百合子 けど、紗代子さん。
特訓って、具体的にどんなことをするんですか?
志保 ちょっと待ってください。その前に、どうして私まで、
一緒に特訓することになってるんですか?
私、次の公演の振り付けを
練習している最中だったんですけど……。
杏奈 強力……する人……。
多い方が、いい……と、思う……。
紗代子 うん! その方が、いろんな意見が出て、
きっと特訓も捗ると思うんだ!
百合子 志保、練習の邪魔しちゃってごめんね。
少しの間、付き合ってもらえないかな……?
P 志保、俺からも頼む。
百合子達に力を貸してやってくれないか?
志保 プロデューサーさん……。いたんですか。
はぁ。プロデューサーさんが言うなら、
仕方ないですね。わかりました。
でも、私にとって意味がない特訓だったら、すぐに
抜けさせてもらいます。そのつもりでお願いします。
百合子 あ、ありがとう、志保……!
紗代子 それじゃあ、特訓の内容についてだけど……
私はやっぱり、ダンスには体力が必須だと思う。
志保 ……? そうでしょうか。私は、そうは思いません。
振り付けを完璧に覚える方が、先じゃないですか?
振り付けを完璧にすれば、ミスがなくなります。
苦手意識をなくすには、一番効率的だと思いますけど。
百合子 体力づくり? それとも、振り付けを覚える?
どっちも、レッスンの基本中の基本だけど……。
同時に、ふたつのことをやるだなんて……
わ、私、ついていけるかな~……?
志保 杏奈、あなたはどう? 何か思いついた?
杏奈 えっと……ダンスゲームで、感覚……掴む、とか……?
最近のは……よく、できてる……から……。
百合子 ダンスゲームかぁ……。
あんまりやったことないけど、面白そうかも?
あの、プロデューサーさん!
プロデューサーさんは、何か意見ありますか?
P 必要ない。
意見なら、たくさん出てるじゃないか。
俺が付け足す必要はないかな。
あとは百合子がみんなと話して、
思うようにやってみるのが一番いいと思う。
百合子 思うように、ですか……うぅ……。
志保 ……それって要するに、
何も考えてないってことですよね。
P い、いやいや。みんなが真剣に考えてるなら、
俺が口を出さないほうがいいかなと……。
紗代子 わかりました! それじゃあ……
今出てきた案、全部試してみよう!!
百合子 えっ。ぜ、全部!?
紗代子 特訓だし、主人公にはこれくらい必要だと思う!
それじゃあみんな、行くよーっ!
百合子 主人公……そ、そうでした!
わかりました! 私、頑張ります!
そうして、百合子達の特訓が始まった……
百合子 はぁっ、はぁっ、はぁっ……!
紗代子 百合子! 走り込み、あと10往復だよ!
百合子 は、はぃぃ……! って、まだそんなに!?
ピコン、ピコン、……ブブー!
百合子 ああっ、ま、またミスしちゃった……!
ね、ねぇ、杏奈ちゃん。1回くらいは許し……。
杏奈 ダメ……。特訓……だから……
フルコン……しないと……。
百合子 フルコンっていっても、
この曲、難しすぎるよ~!?
志保 百合子さん。
今度は、サビの部分のステップが間違ってます。
百合子 えええっ!? ひ、ひとつ覚えたと思ったら、
また違うところを間違えるだなんて……。
志保 でも、そうやってひとつずつミスを潰していけば、
最終的にミスはなくなります。
百合子 わかってるけど……。
うう、気が遠くなるよ~……。
紗代子 うーん。
少しずつ、よくなってきてるとは思うんだけど……。
志保 まだ、完璧とは言えませんね。
あと一歩、足りない気がします。
杏奈 ……? 百合子さん……?
えっと、大丈夫……?
百合子 はぁ……はぁ……はぁ……。うう……。
しゅ、主人公に……主人公に、ならなきゃ……。
P 百合子、いいから少し落ち着こう。
……大丈夫か?
百合子 はぁ……はぁ……。
プロデューサーさん……は、はい……。
P ちょっと、頑張りすぎちゃったみたいだな。
みんな、休憩にしようか。
百合子 ご、ごめんね、みんな……
私のせいで、特訓を止めちゃって……。
紗代子 ううん。それより私達こそ、
百合子のペースをちゃんと見てなくて、ごめんね……。
志保 レッスン中の休憩は大事なのに、
それを忘れてしまうなんて……すみませんでした。
百合子 謝らないで、志保、紗代子さんも…。
みんな私に協力してくれてるんですから。
はぁ……
杏奈 百合子さん……?
百合子 こんなに強力してもらってるのに、ちっとも
成果が出ないなんて。なんか落ち込んじゃうなぁ……。
やっぱり、私みたいな平凡な子に、主人公は
難しかったのかな?なんて。あはは……。
P 百合子、それは……。
志保 それは、違うんじゃないですか?
百合子 えっ? し、志保……?
志保 すごい主人公なんて、結果論だと思います。だって
主人公って、最初はだいたい弱いじゃないですか。
百合子さんなら、よく知ってるんじゃないですか。
そういう、お決まりのパターンみたいなのとか。
百合子 あっ……う、うん。
そうだけど……。
志保 だったら、弱音をはくのは早いと思います。
主人公を目指してるんじゃなかったんですか?
百合子 あ……。
杏奈 ……百合子さん……ゲームも、同じ……だよ……。
最初は、みんな……レベル1……。
百合子さんは、まだ……ゲームオーバー、に……
なってないと……杏奈、思い……ます……。
百合子 志保……杏奈ちゃん……。
P そうだな。
百合子、この前、みんなと小説の話をしてただろ?
百合子は、今回の公演の主人公なんだ。
与えられた使命を、乗り越えなくていいのか?
百合子 …………。
私……まだ、自信なんかありません。
でも、ひとつだけ、思い出したことがあります。
どんな困難が襲ってきても……私の好きな主人公は、
最後まで絶対に諦めなかったっていうことです!
P そうだな。
だから主人公は、主人公なんだ。
百合子 はい。主人公が諦めたら、物語が終わってしまいます。
だから私は、絶対に諦めちゃダメなんです。
紗代子 百合子……!
杏奈 百合子、さん……。うん……!
百合子 みんな! 私、もう弱音なんかはきません!
だから次の公演、絶対に成功させようね!
あのっ……私のこと、助けてくれますか?
プロデューサーさん!
P ああ、もちろん。
百合子が主人公のステージを、みんなに見せよう!
百合子 はい! みなさんの元に、届けてみせます!
私が描くステージ……私の、物語を……!
あっ。で、でも! 私ひとりの力じゃ、
公演を成功させるなんて絶対に無理だから……。
紗代子さん、杏奈ちゃん、志保……
どうか私に、力を貸してください!
紗代子 もちろんだよ! 私は百合子だ諦めないなら、
どこまでだって強力するよっ!
志保 そうですね。乗りかかった船って言いますし……
ここでやめても、なんだか居心地が悪いですから。
杏奈 杏奈も……頑張る……。
百合子さん……一緒に、頑張ろう……!
百合子 みんな……ありがとう!
P (物語の主人公に仲間がいるように、
百合子にも、こんなに頼もしい仲間がいる)
(公演の先に、百合子が何を見つけるのか……
次の章を楽しみに、ページをめくろう!)

・エピローグ

+ ...
エピローグ
P (百合子のセンター公演が、無事終了した。
拍手と歓声が、ここまで聞こえてくる……)
百合子 あ、プロデューサーさん!
P 百合子、お疲れさま。
初センター公演、どうだった?
百合子 お、お疲れさまです!
あの、わ、私……うまく、行けないんですけどっ。
すごく……すごく、楽しかったです!
ステージもみんなも、キラキラ眩しくって……!
本当に、今さらかもしれないんですけど。
私、本当にアイドルになったんだ……って思って……。
P そうだな。百合子はアイドルになった。
そして今日、立派にセンターを務めたんだ。
百合子 ~~……はいっ!
杏奈 あ……いた……。
百合子さん……。
百合子 あっ、杏奈ちゃん!
紗代子さん、志保も……。
杏奈 百合子さんの、ダンス……
すごく……かっこよかった……。
紗代子 うん! 特訓の成果がちゃんと出てたと思う!
百合子、すっごくキラキラしてたよ!
志保 会場の盛り上がり方を見れば、
成功じゃないですか。よかったですね。
百合子 本当? お客さん達、喜んでくれてた?
……よかったぁ~……。
P 聞こえてくるあの声援が、今回の百合子の成果だ。
そう思うと、新しい力がわいてくるだろ?
百合子 はいっ!
……あの、プロデューサーさん。
私、ちゃんとアイドルになれていましたか?
私が憧れていた、物語の主人公みたいに……。
キラキラして、眩しくて……
みんなが希望を抱くような、そんな、アイドルに。
P もちろん! ファンのみんなが、百合子を見て、
幸せな気持ちになれる……そんなアイドルだったよ。
百合子 プロデューサーさん……
ありがとうございます! 私、いつか……
ファンの人達だけでなく、大勢の人が希望を抱く……
そんな、主人公みたいなアイドルになりたいです!
P そうか。
それが百合子の見つけた、最高のアイドルなんだな。
百合子 はいっ!
杏奈 ……百合子さん、カッコイイ……。
志保 主人公……それなら私も、負けていられません。
百合子さん以上のステージを目指します。
紗代子 うん……私も! 私がセンターになる時は、
百合子より、もっともっと頑張らなくちゃだね!
杏奈 ん……杏奈も……。
……きっと……フルコン、してみせる……。
百合子 お、終わった後に言うなんて……
みんな、ズルいなぁ……。
志保達 ふふっ。
百合子 私だって、今日よりももっと、ダンスも歌も
上手になってみせます! 負けませんよ!
P 百合子……さっそく、強力なライバルの登場だな!
百合子 そうですね。でも、私が本当の主人公なら、
ライバルがいるのは当然ですから。望むところです!
プロデューサーさん!
私のこと、これからもよろしくお願いしますね!
P (百合子の物語は、まだ始まったばかりだ。
これからアイドルとして、どんな道を歩のか……)
(最後の1ページまで、目が離せないな!)


第14話「だって大好きだから!」

・劇場

+ ...
劇場
矢吹 可奈 ジュリアさん!
この間はギターを弾かせてくれて、
ありがとうございました!
ジュリア ははっ、いいよ、お礼なんて。
代わりにイイ音、
聴かせてもらったしな。
なかなかスジがよかったと思うぜ?
矢吹 可奈 本当ですか!? わ~い!
嬉しいな~♪ ギュンギュン~って
ギター、楽しいな~♪
ジュリア はは、そんなに気に入ったんなら、
あたしと一緒にバンド組むか?
なんならボーカルでもいいしな♪
矢吹 可奈 えっ、いいんですか!?
でも、私にできるかな~?

・プロローグ

+ ...
プロローグ
P 可奈、ここにいたのか。
ちょっと話が……。
可奈 あ、プロデューサーさん!
私、バンドのボーカルできると思いますか?
P バンドのボーカル?
いきなりなんでそんなことを……。
ジュリア 可奈とギターの話をしてたんだ。
そこからバンドを組もうって話しになってさ。
志保 おはようございます。
可奈 志保ちゃん!
ねえねえ私、バンドのボーカル、できるかな?
志保 突然、なんの話……?
矢吹さん、バンドを組むの?
可奈 もしかしたら!
ねぇねぇ、どう思うっ?
志保 そうね……。
別に、やるのは自由だと思うけど。
可奈 自由かぁ~。そうだよねっ。
やりたいって思う気持ちが、大切だよねっ!
志保 ……。
可奈 えへへっ、プロデューサーさん。私、バンドのボーカルやりたいです!
P ちょうどよかった。バンドじゃないけど、可奈には
次の公演のセンターをやってもらおうと思ってたんだ。
可奈 え…………。
ええええ~~~~~!?
私が、センターって……。
はっ! もしかして、これって夢なのかも?
P 大丈夫、夢じゃないよ。俺はセンターを、
可奈に任せたいんだ。……やってくれるか?
可奈 は……、はいっ!
私、力いっぱい頑張ります!
ジュリア やったな、可奈! 悔しいけど、今回は譲るよ。
ボーカルレッスン、とことん付き合うぜ!
可奈 ありがとうジュリアさん! 可奈はセンター♪
燃えているんだ~♪ 絶対、成功させるんだ~♪
志保 そうですか。
矢吹さんをセンターに……。
P ん? どうした志保。
志保 ……まあ、いいです。
それじゃ、失礼します。

・メインコミュ

+ ...
メインコミュ
P (……よし、舞台監督とPAに渡す書類は
こんな感じでいいかな)
(さて、肝心の可奈たちの様子は……)
可奈 ジュリアさん!
今のターンどうでしたかっ?
ジュリア ああ、完ぺきだ!
これで振り付けは、全部覚えたんじゃないか?
可奈 えへへ、やった~! 早く本番来ないかな~♪
センターで踊る矢吹可奈~♪
P ふたりとも、お疲れさま。
どうやら調子いいみたいだな。
可奈 プロデューサーさん!
はいっ。もう振り付けを全部覚えたんですよっ。
P おっ、すごいじゃないか!
可奈 えへ♪ あとは歌の特訓だけです!
楽しみだな~。
とっくん、とっくん、猛特訓~♪
ばっちりたっぷり歌っちゃうぞ、お~♪
ジュリア ははっ、なんか、
レッスンが楽しみになってくる歌だな?
志保 お疲れ様です。
二人とも……、もう来ていたんですね。
可奈 あ、ボーカルレッスン、志保ちゃんも一緒だよね。
よろしくね、志保ちゃん!
ジュリア シホ、お互い気合入れていこうぜ。
うかうかしてると、可奈に置いていかれるからな!
志保 …………。
あ、先生、来ましたよ。
可奈達 ありがとうございました!
ジュリア ふぅ~……。
さすがに一時間みっちりは、ハードだな……。
可奈 歌のレッスン~♪ 大成功~♪
来週までの~宿題もいっぱい~♪
志保 大成功……?
ジュリア って、まだ歌いたりないのかな。こってり
絞られたってのに、可奈はホント元気だな!
可奈 はい! たくさん怒られちゃいましたけど、
そのぶん、上手になれたかな~って。
プロデューサーさん、どうですか?
少しは千早さんみたいに、上手く歌えそうですか?
P はは、そうだな。少なくとも、練習量なら千早に
負けてないぞ。だから、いつかきっと上手くなる。
可奈 本当ですか!? わぁい!
いつか~、千早さんと一緒に、ライブしたいな~♪
志保 …………。
どうして誰もはっきり言わないんですか?
可奈 え?
ジュリア シホ……?
志保 矢吹さん。あなたの歌は、ほとんど音程が合って
ないわ。ただ元気がいいだけで、リズムもバラバラ。
今のままじゃ、センターなんて務まらないと思う。
千早さんとは、比べる以前の問題じゃないかしら。
ジュリア お、おい、シホ!
可奈 も、もちろん、千早さんみたいに、
歌えるはずないけど……。
そ……そっか~。
私、そんなにダメだったんだ~。
えへへ、ごめんなさい。
ちょっと外で休憩してきますね。
P 可奈……。
ジュリア シホ。なんだって、あんなこと言ったんだ?
志保 なんでって……。今のままじゃ全然ダメってことが、
矢吹さんには伝わってないみたいでしたから。
ハッキリ言わないのは、
本人のためにもならないと思いますけど。
ジュリア いや、それにしたってさ。
もう少し言い方ってものがあるだろ?
それに……あたしは好きだよ、可奈の歌。
たしかに、音程もリズムもまだまだだけどさ。
でも、耳に残る。……いや、歌ってる可奈が、
心に残る。そんな歌だと思うんだ。
志保 …………。
だからって、今のままステージに出たら、
矢吹さん自身が一番困るんじゃないですか。
ジュリア はは、そりゃまあそうだな!
でもさ、あれだけ前向きなんだ。なんとかなるって♪
志保 前向きなのはいいですけど。
前に進めてないことは、ちゃんと……。
P つまり、志保も可奈のために言ってくれたんだよな。
ありがとう、志保。
志保 …………。
そういうわけじゃないですけど。
P おせっかいついでに、今から一緒に可奈を探しに
行かないか? 俺は、志保にも感じて欲しいんだ。
ジュリアが好きだっていう可奈の歌の魅力。
きっと参考になると思う。
志保 プロデューサーさんがそういうなら……。
わかりました。
可奈 …………。
ジュリア っと、見つけた!
可奈、こんなところにいたのか。
可奈 ジュリアさん……?
ジュリア プロデューサー、こっちこっち!
可奈 プロデューサーさんも、志保ちゃんも……。
志保 …………。
P 可奈、大丈夫か?
可奈 ? あ、はい!
休憩したから、もう疲れてませんっ!
ジュリア は? 疲れって……?
可奈 あの……私、
ここで、ちょっと考えてたんですけど……。
ダメなら、ダメじゃなくなるまで、
練習すればいいんですよね?
志保 矢吹さん……?
可奈 千早さんと同じくらい……ううん、
とにかく、できるまでいっぱい練習すれば……。
きっと、みんながびっくりして、わぁ~!っていう
くらい、歌えるようになりますよね、きっと♪
志保 ああ、そうだな!
可奈はとにかく、歌が大好きなんだよな?
可奈 はいっ、大好きです!
だから、ちゃんと歌えるまで~、いっぱい歌いま~す♪
ジュリア ぷっ……あはははっ! さすがだよ、可奈。
心配することなかったみたいだな。
可奈 あっ、志保ちゃん、さっきはありがとね!
アドバイス、とっても参考になったよ!
志保 そ、そう……。
可奈 だから、ほかにも何かあったら、また教えてね。
いつでもいいから!
志保 え、ええ、わかったわ……。
…………。
お腹から声を出すイメージで歌うと、
音程が取りやすくなると思う。
可奈 本当!? ありがとう、志保ちゃん!
今度、試してみるね!
志保 そう……頑張って。
それじゃあ、私は振り付けの確認に戻るから。
可奈 あっ、志保ちゃん、もうちょっと一緒にレッスン
しない? みんなで頑張ったら、きっと楽しいよ!
志保 別に、レッスンは楽しくなくていいと思うけど。
ジュリア ふ~ん?
可奈の歌の魅力、参考にするんじゃなかったのか?
志保 それは……。
P ま、いいじゃないか。いい息抜きになって、
振り付けの確認もはかどるかもしれないぞ?
志保 …………。
志保 わかりました。まぁ、矢吹さんにはもう少し上手に
歌ってもらわないと、私も困りますから。
ジュリア オッケー、そうこなくっちゃな!
可奈 やった~! かなとジュリアさんと志保ちゃんで、
チーム結成~♪ 3人一緒にゴーゴゴー♪
P (歌うことの楽しさを、誰よりも伝えられる。
可奈には、そういう力があるのかもしれない)
(思いきり、届けてもらおう。客席のファンたちには
もちろん、隣にいる仲間たちにも……)

可奈 プロデューサーさ~ん!
私のステージ、どうでした!?
P 待て待て、まだお客さんの手拍子が鳴ってるだろ?
アンコールの準備しないと!
可奈 はれっ!? そ、そうでした!
じゃあ、行ってきまーす!
P あっ、まだそのタイミングじゃ……!
アンコール後……
可奈 お疲れ様でーす! ライブが終わったあとも、
たくさん歌わせてもらっちゃった♪ うれしいな~♪
ジュリア みんな、最後まで帰ろうとしなかったもんな。
ホント、いいライブだったよ。な、シホ!
志保 …………。
あ、そう、ですね。
可奈 私、ステージで歌ってるだけなのに、なんだか……
お客さんとお喋りしてるみたいだったかもっ。
あのっ、プロデューサーさん!
私、とってもウキウキで楽しかったです♪
P ああ、俺もウキウキしながら見ていたよ。
いいステージだったぞ!
可奈 やったー! えへ、ありがとうござまーす♪
あっ、志保ちゃんもありがとう!
志保ちゃんのアドバイスのおかげで、上手に歌えたよ!
志保 …………。
可奈 ? 志保ちゃん?
志保 ううん、なんでも。
役に立ったのなら良かったわ。
可奈 ジュリアさんも! いっぱい教えてくれたり、
励ましてくれたり……うれしかったです! えへ♪
ジュリア あはは。最初はそのつもりだったんだけど……
どうも、逆だったみたいだな。
可奈 はい?
ジュリア ウチらの方が、可奈に教えられて、
励まされたってことだよ!
プロデューサー。あんた、もしかして
そこまで見通して、可奈をセンターに?
志保 ……。
P どうかな?
まあ、理由はいろいろだよ。
ジュリア ふふっ、なるほど。ま、いいけどね!
可奈 あの~。……何の話ですか?
ジュリア いいのいいの、こっちの話! それより可奈、
さっきのライブで、思いついたんだけど……。
ウチらのバンド、志保もメンバーに入れないか?
可奈 わぁ、いいですねっ!
志保ちゃん、今度は一緒にバンドやろうよ~!
志保 な、なに言ってるの? どうして私が……。
ジュリア センターの座は、可奈に咲きを越されたからな。
シホ、バンドのボーカルの座を奪うってのはどうだ?
可奈 ええっ、そんな!? あの、ベ、ベースとかどうかな、
志保ちゃん? ……あれ、ベースってなんだっけ?
P それより、早く着替えないと、汗が冷えて風邪ひくぞ。
続きは打ち上げでやろうか、みんな。
可奈 はーい! ジュリアさん志保ちゃん、早く行こっ?
うっれしいな~♪ みんなで打ち上げ~♪
ジュリア ははっ、やれやれ。ぐいぐい引っ張ってくれちゃって。
さすがセンター、ってとこか!
志保 …………。
次は、負けませんから。
ジュリア おっ、バンドに参戦決定か?
志保 その話じゃありません。
ジュリア ふふっ、いいね、ああいうの。
さ、あたし達もいこうぜ!
P (センターにとって必要な才能は、
周りを引っ張ることだけじゃない)
(むしろ、周りを盛り上げ、巻き込んでいく力……。
可奈の今後の成長に期待だな!)

・ブログ

+ ...
+ ...
矢吹可奈でーす
ライブに来てくれたみなさん!
ありがとうございました
私の歌、どうでしたか?

じつはですね……。
私、最初のころのレッスンでは、ぜんっぜん、
上手に歌えなかったんです!
レッスンの先生もビックリ!するくらい

でも、一緒にレッスンした
志保ちゃんがアドバイスしてくれたり♪
ジュリアさんが励ましてくれたり
みんながいっぱい、
練習につきあってくれたおかげで!

しかも本番では、みなさんが
たくさん応援してくれたおかげで!!
とっても、とっても、楽しく歌えました~

これからもいっぱいがんばりますから、
よろしくおねがいしますねっ
えへ♪

・エピローグ

+ ...
エピローグ
可奈 あっ、プロデューサーさん! ブログの更新、
大丈夫でした? 遅れてごめんなさい~。
書きたいことがいっぱいあって、
何度も書き直してたら、うとうとしちゃって……。
P 大丈夫だよ、可奈。楽しいっていう気持ちが
伝わってくる、いい内容だった。
可奈 ほんとですかっ? えへっ、よかったぁ♪
書いてるうちに公演のことを思い出して、それで……。
ブログを書くのは楽しいな~♪
みんな、読んでくれるといいな~♪
P むしろ、楽しみに待ってくれてるんじゃないかな。
ところで、バンドの話は進んでるのか?
可奈 へ? あっ、そういえば……!
ブログに夢中で忘れてました!
ジュリアさんと志保ちゃんと相談しなきゃ……。
ああっ、もしかして!?
P な、なんだ? 今度はどうした?
可奈 プロデューサーさんも、
ボーカル希望……ですか?
P (……!)


第15話「飾らない言葉 飾れない心」

・劇場

+ ...
劇場
野々原 茜 ねえねえ、しほりん!
最近みんな、どんどんセンターに
選ばれていってるじゃん?
杏奈ちゃん、可奈ちゃんと
きて……。そろそろ茜ちゃんの
出番だと思わないかにゃ??
北沢 志保 さあ、どうでしょうか。
私に言われても、わかりません。
野々原 茜 そっか~。ん~、茜ちゃんが思うに
プロちゃんは、
きっとこう思ってるハズだよ!
「次のセンターは茜ちゃん!
そう、茜ちゃんしかいない!」
ってね♪
ところで、しほりんはセンター
やりたくないの?いやいや、
やりたいよね? 絶対やりたいよね?
北沢 志保 私の意思は、関係ありませんよね?
全部プロデューサーさんが
決めることですから。
前回のセンターが誰とか、
気にしても仕方ないじゃないですか。
そんなの時間のムダです。

・プロローグ

+ ...
プロローグ
P (次の劇場定期公演、センターは誰にしようか。
候補は何人かいるが、そうだな。そろそろ……)
おおっと、ウワサをしてたら、ご本人登場~!
ついに茜ちゃんをセンターに選びに来たんだね!
わかってた、茜ちゃんにはわかってたよ! さあさあ、
遠慮なく発表したまえ! さあさあさあ……わっ!
どがしゃーん!!
P はっ! だ、大丈夫か、茜?
うう、大丈夫だけど、ちょっとおしり
打ったよ……い、痛い……。
ちょっと茜ちゃん休憩するね……。しょうがない、
今回のセンターは、しほりんに任せた!
志保 なっ。……急に何を言いだすんですか?
P 志保がセンター……。そうだな!
志保 プロデューサーさんまで! そんな大事な
ことを適当に決めるなんて、不真面目です。
可奈 今日も元気にレッスンレッスン~♪
猪突も~しん♪ も~も~しん♪
あ、プロデューサーさん達、こんにちわ!
みんなでなんの話をしてるんですか?
P ああ、次の公演のセンターを
志保にお願いしてたんだ。
可奈 志保ちゃんがセンター! すごいすご~い!
おめでとう、志保ちゃん♪
P 志保、やってくれるか? 言っておくが、適当に決めた
んじゃないぞ。元々、そろそろ志保にと思ってたんだ。
そうだよ、茜ちゃんがおしりを打ったことが
プロちゃんの心を動かしたんだよ?
P いや、それは関係ないが。
志保 そ、そうですか。プロデューサーさんが
ちゃんと考えてくれたのなら……。
わかりました。よろしくお願いします。
可奈 やったー! 一緒に頑張ろうね!!
志保ちゃんを~♪ 全力でサポートするぞ~♪ おー!
志保 別にサポートなんて必要ないわ。
矢吹さんは自分のレッスンに集中して。
おしりは、ちょっと打っただけだから、
茜ちゃんも、すぐ復活するから安心してね!
しほりん、ついてるよ! 劇場の最終兵器アイドル、
茜ちゃんと一緒にレッスンできるなんて~!
志保 いえ、私はひとりで練習します。
……今まで以上に、集中してやらなきゃならないし。
それでは、失礼します。
可奈 志保ちゃん……。
ん~、しほりんは、恥ずかしがり屋さんだね!
P (志保は、ひとりきりでレッスンをするつもりか。
……少し様子を見てみるかな)


・メインコミュ

+ ...
メインコミュ
P (志保にセンターを頼んでから数日が経った。
公演に向けて、レッスンをしてるはずだけど……)
志保 はぁ、はぁ、……ふぅ。
今の感じね。忘れないうちにもう1回……。
P 志保、ダンスの振り付け確認か?
……今日も、誰とも一緒じゃないんだな。
志保 はい。ひとりで練習した方が効率がいいので。
プロデューサーさん、何か用ですか?
P いや、ちょっと様子を見に来ただけなんだが……。
(センターに決まってから、志保は前にも増して
ひとりで練習るようになった気がする)
やよい うっうー! おはようございまーっす!
伊織 ちょっと、やよい! そんなに急がなくても……。
あら、プロデューサーと志保じゃない。
志保 お疲れさまです。
P お疲れさま。やよいと伊織も、自主練か?
やよい はいっ! 今度のライブで、伊織ちゃんとふたりで
ペアになって踊るダンスの練習です~。
伊織 目立つパートだから、みっともないのは絶対イヤだし、
さすがに少しは練習しておかないとね。
ま、今日は他の仕事もあるから、軽く合わせるぐらい
しかできないけど。はあ~、人気者ってツライわ♪
やよい えへへっ、伊織ちゃん! ふたりでダンスするの、
今からす~っごく楽しみだねっ!
でも振り付けがむずかしいから、
私、ちゃんと出来るか、ちょっと心配だけど……。
伊織 なに弱気なこと言ってるのよ、らしくないわね。
ちゃんと出来るようになるために練習するんじゃない。
それに……あんたなら大丈夫よ。頑張り屋だし……
わ、私もついているんだから。そうでしょ?
やよい 伊織ちゃん……。
うんっ、ありがとう! えへへっ♪
志保 …………。
P 志保、休憩がてら、
伊織達の練習を見学してみたらどうだ?
志保 え? ……いえ。まだ自分の振り付けを
確認してる最中なので、やめておきます。
P まあ、そう言わないで。何か気づくことも
あるかもしれないし。……ふたりも別にいいよな?
伊織 ええ、構わないわよ?
観客がいた方が、やりがいがあるくらい♪
やよい じゃあ、今からやってみますね。えへへ、ドキドキ
するけど頑張りまーす! 志保ちゃんも応援してね!
志保 ……わかりました。
それじゃあ、見学させてもらいます。
やよい 1、2、3、4……それで、最後にキメポーズ!
いぇい!!
志保 …………!
伊織 ふぅ、お疲れ様! ……まあ、こんなものかしら?
初めてにしては、なかなかよかったんじゃない?
P 確かに踊れてはいたな。
でも、まだミスが多いぞ?
伊織 わかってるわよっ。仕方ないでしょ、振り付けが
決まったばかりなんだから。細かいトコはこれから!
志保 ミスって……ほとんど気づかなかった。
自然で、キレイで……これで初めてだなんて……。
伊織 あら、志保。もしかして、
私達のレベルの高さに驚いちゃったかしら?
志保 っ、別に……。
伊織 ふん、素直じゃないわねー。他の子をよーく見て、
いいとこを参考にしなきゃ、成長できないわよ。
あんた、次の定期公演のセンターなんでしょ?
そんな調子じゃ、先が思いやられるわね。
やよい もう、伊織ちゃん、そういう言い方したらダメだよっ!
志保ちゃんは一生懸命なんだから……めっ!
伊織 な、なによ、私はただ、ちょっとハッパをかけて
やらなきゃって思っただけで……。
やよい ごめんね、志保ちゃん。伊織ちゃんは、
「頑張ってね」って言いたかっただけだって。
伊織 ちょっと!?
そんなこと、ひとことも言ってないでしょ!?
P ……あ、そういえばふたりとも、次の仕事は?
時間無いって言ってたよな、さっき。
やよい あっ、そうでしたっ! ありがとうございます、
プロデューサー! 伊織ちゃん、行こっ?
伊織 そ……、そうね。それは言ったわね……。
それじゃあ志保、しっかりしなさいよ?
志保 …………。
P 志保、ふたりのダンスは参考になったか?
ずっと食い入るように見てたけど。
志保 ……はい。
正直、すごいと思いました。出だしからひきこまれて、
ミスがあったことにも気づかなかった……。
どうして、そう感じたのかはわかりませんけど……。
ふたりの実力が、すごいから……なのか……?
P それだけじゃないはず……って顔だな。
俺も、実力やレベルは関係ないと思う。
秘訣は、わりと単純なことじゃないかな。
あのふたりは、ただ……。
ライバル関係なだけだ。それだけだよ。
志保 ……なに言ってるんですか?
あんなに仲がよさそうなのに。
P 仲がいいから、お互いに相手がまぶしいんだよ。
認め合えている友達だから、楽しく高め合える。
だからふたりのダンスは、観ている人がつい
引きこまれるほど、輝いて見えるんじゃないかな。
志保 友達だから……。
P それに、一緒にいる時間が長いと息も合ってくる。
お互いの動きのクセも、わかってくるだろうし……。
志保 ああ……。だから、ひとりだけ頑張ってもムダだって、
言いたいんですね。
P ムダってことはない。センターは目立つから、
ミスしないよう、きっちりと覚えることも大事だ。
ただお客さんが観てるのは、センターひとりじゃ
ないからな。メンバー全員で作るステージだ。
見た人をひきこむ、一体感のあるステージを作るよう
働きかけるのも、センターの大事な仕事だと思うよ。
志保 センターのしごと………………。
それでも、やっぱり私は、
個々のレベルを上げる必要はあると思います。
レベルが低ければ、そもそも
人と合わせることすら、できませんから。
P ああ、ひとりひとりの技術も大切だぞ。
文字通り、切磋琢磨してほしいな。
志保 …………。
とにかく……プロデューサーさんの
言いたいことはわかりました。
なので、これからは個人の練習と並行して、
矢吹さん達とも練習したいと思います。
ガチャッ!
可奈 志保ちゃん!
ホントに一緒に練習していいの!?
志保 ……!
じゃじゃん! しほりんのことが気になって、レッスン
ルームを覗いてた茜ちゃんと愉快な仲間たち登場ー!
ねえねえ驚いた? ジャストタイミングでの
フレンズ登場に驚いちゃった!?
可奈 それで志保ちゃんっ!
一緒に練習していいってホント? ホントにホント!?
志保 え、ええ……そうね、矢吹さん。仕事のために
必要なことをするのは、当たり前でしょ。
可奈 やった~! 志保ちゃんと茜さんとレッスンだ~♪
みんなでレッスン~♪ うきうきレッスン~♪
も~。だから、茜ちゃんは最初から言ってたのに~。
プロちゃんに言われるまで
気づかないなんて、しほりん遅いよ~。
志保 気づかないって……何にですか?
一緒にレッスンする大切さだよ! 茜ちゃんと一緒に
レッスンできるなんてついてるねって言ったんでしょ?
志保 あれって、そういう意味だったんですか。
……わかりづらいですよ。
そこは頑張って読み取ろうよ! そのくらい出来る
ようにならないと、茜ちゃんみたいになれないゾ?
P はは、みんな仲いいな。
俺が心配することもなかったか?
志保 いえ、仲は別に……。でも、参考にはなりました。
ありがとうございます、プロデューサーさん。
可奈 もー! 別に……ってなに、志保ちゃん!?
「別にルンルンです」? 「別にランランです」?
ねえねえっ!?
志保 別に、どっちでもないわ。
ふたりだけでイチャイチャするなんてズルいぞ!
茜ちゃんも混ぜろ~! ぎゅぅ~!!
志保 ちょっ、ふたりとも、あまり……くっつかないでっ。
P (仲間とわかり合えたら、志保の輝きは、
きっと格段に増すことだろう)
(今度のセンター公演は、志保が見られる番。
仲間と一緒に、見ている人を魅了する番だ!)
(ライブ後)
P (志保が初めてセンターを務めた公演は、無事に幕を
おろした……のだが、歓声がいまだに鳴り止まない!)
可奈 茜さん、志保ちゃん、お疲れさま! お客さんも
すっごく喜んでくれて、すっごーく楽しかったね~♪
にゃーはははははっ!
茜ちゃんにかかれば、当然の結果なのだー!
しほりん、可奈ちゃん! 最後までよく茜ちゃんに
ついてきたね! あとでナデナデしてあげるよ~!
P みんな、お疲れさま! 練習の成果がバッチリ出た、
いい公演だったな。息もピッタリだったぞ!
志保 確かに上手くいきましたが、それは言いすぎです。
細かいズレがいくつもありましたし。
小さなミスもたくさんありました。
P なんだ、もう反省会か?
もちろん、まだまだ課題はあると思うけど。
そうだね~。しほりん、ターンの時、コケそうに
なってたしね! 茜ちゃんの目はごまかせないのだ!
志保 そういう茜さんこそ、高くジャンプしすぎて
タイミングがズレてたじゃないですか。
なんとっ!? まさか、気づかれていたとは……。
しほりんの目も、ごまかせないのだ!
志保 あと、可奈もステージの前に出る時につまづいて、
練習の時と同じミスしてたわ。
にゃ?
可奈 え? ……あ、ごめんね志保ちゃん。
誰の話?
志保 ? 可奈の話に決まってるじゃない。
可奈 私……そっか!
えへへっ、ありがとう!
あれ? あれれれれ~? しほりんって、
可奈ちゃんのこと名前で呼んでたっけ??
志保 え? あ……!
可奈 志保ちゃん……!
志保 ち、違います。今のは、その……。
可奈 いいの志保ちゃん! これからも可奈って呼んでね?
私も志保ちゃんって呼ぶから! もう呼んでるけど!
志保 そ……そう……。
可奈 やった~! えへへっ、うれちいな~♪
今日から可奈は、可奈かな~?
志保 ……。
プロちゃん、聞いた聞いた?
今しほりんがデレたよね? デレりん現るの巻だよね?
志保 聞こえてますよ。よくわかりませんけど……。
たぶん、全然違いますからっ。
P あはは、わかったわかった。ほら、3人とも、
そろそろ片付けが始まるから、控え室に戻るぞ。
志保 そ、そうですよね。わかりました。
可奈 え~。なんだか、今はもっと……
いっぱい、おしゃべりしたいな~。
そうだね可奈ちゃん! 茜ちゃんも超しゃべり足りない
から、みんなでプリン食べに行こう! レッツゴー!!
志保 私は遠慮します。
家で弟が待っていますから。
可奈 え~、まだお昼ちょっと過ぎだよ~?
志保ちゃんも一緒に行こうよ~。友達でしょ?
志保 と……っ。
そうだよ! みんな美味しいプリンを食べるのだ~!
よっ、プロちゃんの太っ腹!
P (え……っ)
志保 そんなこと言われても……困ります。
茜達 じろじろじー……。
志保 ジロジロ見られても困ります!
P (手を取りあえる仲間に、友達に囲まれるほど……
志保は新たなステージに進めるだろう)
(ひとりのアイドルとして……。
ひとりの、少女として)

・ブログ

+ ...
+ ...
ありがとうございました
北沢志保です。
先日、初めて私がセンターを務めた公演が、
無事に終わりました。

今回は、私なりに「一体感のあるステージ」を
目指したつもりです。
少しでも、そういうのを感じてもらえていたら……
いいなと思います。
来てくださったみなさん、本当にありがとうございました。

でも、私にはまだまだ、
足りないものがたくさんあると思います。
すぐに何でもできるようには
ならないと思いますけど、でも……。
できるようになるまで努力していきます。
私も。

これからも、よろしくお願いします。

・エピローグ

+ ...
エピローグ
志保 プロデューサーさん、お疲れさまです。
P 志保、お疲れさま。
あ、公演のブログ、読んだぞ。
いいメッセージだったな。
最近の公演があったからこそ、というか……。
志保 ありがとうございます。
それでは、今日はこれで……。
P あれ。……そ、そうか、わかった。
それにしても、今日はいつにも増して早いんだな?
志保 はい、これから可奈と茜さんと、
プリンを食べに行かなくてはいけないので。
あ、その、公演の後には行けなかったから、
ふたりにしつこく誘われて、それで……。
じゃあ……すみません。
そろそろ待ち合わせ時間なので、行きます。
P ああ、引き止めて悪かったな。
楽しんで来いよ!
志保 楽しめるかどうかはわかりませんけど……
失礼します。では、また。

最終更新:2018年01月18日 21:29