障壁の魔法使い(盟約魔法版)

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障壁の魔法使い(盟約魔法版) - (2017/12/04 (月) 20:43:27) のソース

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#contents

*部品構造

-大部品: 障壁の魔法使い RD:31 評価値:8
--部品: 障壁を操る魔法使い
--部品: 赤の赤と盟約を結ぶ
--部品: 障壁に使用する膨大な魔力の運用
--部品: 複数人での行動の基本
--大部品: 魔法使い(玄霧藩国T22版) RD:22 評価値:7
---部品: 魔法の専門家
---部品: 盟約を結ぶ事で使える魔法とは
---部品: 魔法の危険性と禁じられた魔法について
---大部品: 魔法使いという生き方(T22登録版) RD:19 評価値:7
----大部品: 幼少期の魔法教育(T22版) RD:10 評価値:5
-----部品: 生活のための魔法知識の習得
-----大部品: 理力・魔力の扱い(T22登録版) RD:3 評価値:3
------部品: 魔法のある生活
------部品: 信仰のもとにある魔法
------部品: 科学技術と距離を置く
-----大部品: 魔法の基礎修行(T22登録版) RD:6 評価値:4
------部品: 一の教え:魔法を使う事の責任
------部品: 二の教え:魔力とそれを取り巻く世界についての理解
------部品: 魔法の盟約を結ぶ時期
------部品: 三の教え:呪文詠唱の構造と意味
------部品: 四の教え:詠唱と魔法の発動を伴わない練習
------部品: 五の教え:健やかな体と穏やかな心
----大部品: 高度な魔法の修行(T22登録版) RD:8 評価値:5
-----部品: 修行を受けられるかどうか
-----部品: 魔法の修行と技術伝承
-----大部品: 伝承制限のある魔法修行(T22登録版) RD:6 評価値:4
------部品: 真伝一の教え:善き魔法使いであろうとする心
------部品: 真伝二の教え:適量の魔力を扱う技術
------部品: 真伝三の教え:魔法効果調整能力の熟達
------部品: 真伝四の教え:長い呪文の詠唱能力
------部品: 真伝五の教え:魔法を使うものの身体
------部品: 真伝六の教え:世界の多面性を知る
----部品: 魔法使いとしての義務と権利、活動内容
--大部品: 魔法投射技術 RD:5 評価値:4
---部品: 周辺状況の正しい把握
---部品: 投射対象の認識と指定
---部品: 魔法の効果設定調整
---部品: 呪文の素早い詠唱
---部品: 魔法の発動と後処理



*部品定義

**部品: 障壁を操る魔法使い
玄霧藩国に所属する魔法使いのうち、障壁魔法を駆使し自他を守ることに長けた魔法使いを、障壁の魔法使いと呼ぶ。
もともと魔法的な壁を生み出し、使用者を危険から守る魔法技術は藩国に存在しており、これまで護符等の形で活用されてきた。
しかしその魔法技術を発展させ、詠唱と術式により、より強固な障壁を自在に生み出す魔法が編み出された。
医療魔法の発展が著しい玄霧藩国では、怪我などの治療から「怪我を最低限に抑える」方法にも意識が向けられ、障壁の魔法が研究されるのはごく自然なことであった。
その後これまでの魔法体系が誤っていたことが判明し、正しい魔法の定義が行われ、
赤の赤との盟約を交わした盟約者だけがこの魔法を使うことが出来ることとなった。
この魔法の扱いに長けた魔法使いは、誰かを守るために己の力を振り絞ることが出来る、優しさと勇気に溢れる人物が多い。

**部品: 赤の赤と盟約を結ぶ
障壁の魔法使いは、赤の赤と盟約を結ぶ。防御障壁魔法は赤の赤に由来する魔法であり、盟約に基づいて赤の赤の力を借り、初めて使用することができる。
玄霧藩国における魔法の盟約の条件を満たさなければ赤の赤との盟約を結ぶことができない。
障壁の魔法使いは日頃から赤の赤を信仰し、誰かを守ることを良しとし、誰かを助けたいと願い、またそのために行動するような人物であることを心掛ける。

**部品: 障壁に使用する膨大な魔力の運用
障壁の展開、維持には膨大な魔力を使用する。
そのため障壁の魔法使いは魔力媒体を常に携帯し、状況に合わせた障壁の展開が行えるように備え、魔力の運用を行う。
特に攻撃に備えて恒常的に、または長い時間展開する場合や、敵の集中砲火に合わせて障壁に非常に強い強度を持たせる場合などには
複数、または強力な魔力媒体からの魔力供給、加えて複数人の障壁の魔法使いの協力が必要となる。
今必要な障壁のスペックを把握し、正しく効果をイメージし、魔力を無駄にすることなく最大限役割を果たすことは
障壁の魔法使いに取ってなくてはならない技術である。

**部品: 複数人での行動の基本
障壁を展開している間、術者である魔法使いはほぼ他の動作を行うことが出来ない。
敵からの攻撃を防ぐことはできるが、窮地を脱することは出来ないのである。やがて攻撃を受け続ければ障壁も破壊され、打つ手は無くなる。
そのため障壁の魔法使いは危険が予測される場合、1人になることを避け、常にだれかと行動を共にするように心がけている。


**部品: 魔法の専門家
魔法使いとは、魔法の運用技術を一定以上まで習得した専門家レベルの技術者に与えられる称号である。
魔法を運用可能であるというのは、神やオーマの長といった力ある存在に信仰を寄せ、力ある存在との盟約を結ぶことによって、魔法の発動を代替してもらう事ができるようになった者という事も意味する。
森国国家において、魔法とは生活に根付いた技術であり文化であり、魔法が使えるか否かで言えば、使える国民は多い。
子供たちは、生まれ育つ中で魔法を使うものを身近に感じながら育ち、魔法を身に着けようとするものであれば幼少期からそのための修行を行って生きる。
そんな中で、魔法を正しく教え、誤った使い方がないよう人々を導き、また必要に応じた魔法の利用を担う人物たちを指して魔法使いと呼ぶ。
玄霧藩国においては、国家に中位魔法とされる規模の盟約魔法を使えるようになった人員を魔法使いであるとして登録を受け付けており、魔法使いという公的な身分を与えている。


**部品: 盟約を結ぶ事で使える魔法とは
魔法を使うには対価の一つとして魔力を消費する必要がある。魔力とは高密度情報(例えば宝石に描かれたごく細かい模様など)をエネルギーに変換して運用可能な状態にしたもののことであるが、
魔力として用意された触媒の密度が高く情報量が多いかどうかは、それを観測によって判断する他者がいなければならない。
例えば、細かい模様の複雑さを誰かが観測して「これは細かくて複雑な模様だ! 情報量が多い!」と認識することで、初めて情報の量は意味を持ち始めるのであるし、観測を受けてなお得られる魔力はほんのごくわずかである。
加えて、その情報を観測する対象の影響力が大きくなければ、情報の密度は正しく魔力に変換されない。
つまり、魔法を使うには、その魔法を使うのに消費する魔力を得られるだけの情報密度をもった触媒を用意した上で、その触媒の持つ情報を『影響力のある存在に』観測してもらわなければいけないということになる。
神やオーマの長といった力ある存在との盟約が必要なのはこのためで、魔法使いは魔力と盟約対象の求める在り様を守るという対価を払って、『魔法を発動してもらう』ことで魔法の効果を得る。
魔法の発動自体を魔法使いが行っているわけではない事と、発動した魔法をどう使うかの方向性を指定する事そのものは魔法使いが行えるという点は重要であるだろう。
なお、盟約対象となる存在ごとに、扱える魔法の性質は決まっており、かつ玄霧藩国では一人の国民が複数の神などと盟約を結ぶことは認められていないので、
一人が万能の魔法使いでいられる時代は終わっている。


**部品: 魔法の危険性と禁じられた魔法について
力ある存在によって発動が行われる魔法は総じて効果が大きめであり、危険も大きい。
特に強力な魔法は世界に与える影響も強く、また歴史上、魔法の強大化によって悲劇が起きた事も多いため、魔法の使用は常に、世界のバランスと周囲の安全を考慮して行われなければならない。
私利私欲のために魔法を使うことが危険とされるのはこのためであり、魔法を使う時は自分の感情の影響を遮断出来ている事が重要とされる。
特に、禁じられた魔法として指定されるものは世界を滅ぼすほどのものとして知られており、
空間転移、時間移動、増殖、自律稼動、共通夢の操作などの魔法は法律や国家規模での制限が掛かっているほか、倫理面においても忌避される対象となる。


**部品: 生活のための魔法知識の習得
森国に生まれた子が魔法を覚える時は、まず周囲に住んでいる魔法使いに教えを受ける事から始める。この魔法使いは基本的に同じ存在を信仰している者である。
魔法使いは周辺に生まれた子らにまとめて魔法がどういうものであるのかの基礎理論を教え、盟約を結ぶまでの筋道と神殿と神(など)との関係性と規則、魔法の使い道、その危険性についてよく教え聞かせ、
子らが魔法というものを正しく理解できるよう教え育てる。
これは、魔法を使うためというよりは魔法のある環境の中で適切な生き方を選ぶためのものであり、魔法を使う隣人と如何にして付き合うか、などといった要素も含まれる。
(もちろん学校に通うなどの日常生活を送りながら)おおよそ4年ほどの魔法学習過程を経て、子らは魔法文明において生活していくための基礎知識を身に着け、
魔法の盟約を結ぶことを望む場合は、神殿に師の推薦をもって送り出され、信仰対象である神などとの盟約を結ぶ事に挑戦する。
無事に盟約を結び、魔法の力を借りられるようになった場合は、魔法の力を人々のために役立てる事となる。


**部品: 魔法のある生活
高物理域国家に住む者には想像しにくいかもしれないが、当たり前に魔法のある世界において、それは日常のひとつである。
足が速い人と遅い人がいるように、理力や魔力の扱いが出来る人と出来ない人、上手い人と下手な人がいる。
力ある存在との盟約によって魔法が使える者、というのは(国や情勢によるが)さほど特別な存在というわけでもないので、
効果の弱い魔法などを日常生活の中で目にすることはなくもないだろう。
魔法でできることはそれ以外の手段でも代替できることが多いが、魔法があればそれだけで大きく助かるということもある。
低物理域国家で暮らすということは、魔法の存在を近しく感じ、それと馴染みを持つという事でもある。


**部品: 信仰のもとにある魔法
理力や魔力が当たり前にあると言っても、それは誰もが簡単に魔法行使を行える、という意味ではもちろんない。
魔法を使うためには魔力を消費する必要があるし、魔力を消費するためには力ある存在と盟約を結ばなければいけない。
今のニューワールドでは、この盟約によってのみ魔法が使われるため、魔法を使う文化に生きるものは、
盟約対象となる力ある存在(主に神やオーマの長)のうちどれかを信仰して生きる事となる。
暮らしている国で信仰されている神がどのようなものであるか、またどういった種類のものであるかはまちまちであるが、
力ある存在への信仰の中で、それらとの盟約による魔法が人々に与えられる、という文化のありようが魔法の存在を支えている。


**部品: 科学技術と距離を置く
魔法を扱う素養を持つ者は、みな科学技術とは距離を置くようにして生活している傾向が強い。これは歴史的にみて魔法と科学を一緒に使うとろくなことにならない、と広く知られていることがひとつの理由である。
それはそれとして、ボタンを押すだけで火が出るとか、鉄の塊が空を飛ぶとかなんとなう胡散臭いと思っている者もそこそこにいるようだ。


**部品: 一の教え:魔法を使う事の責任
どんなに初歩的な魔法であっても、それを学ぶ前には必ず魔法の危険性を教えられる。
魔法は人を簡単に傷つける事のできる力である事を忘れてはならない。

子が痛みを知った時、その痛みが引き起こす辛さと不安な気持ちの正体を教えられる。
人は痛いと苦しみ、苦しむと辛く、辛いと痛く、そしてそれらによって心が乱れるのだと。
そこで子は、失う事、死の恐怖を実感する。

そして痛みを癒された時、救われる喜びと安心を教えられる。
痛み、苦しみ、辛さから助けられると安心し、嬉しくなり、救われるという事、生の喜びを知るのだ。
人が健やかに生きているだけでそれは喜びであり、人が健やかに生きているというのはそれだけで誰かに助けられている事も理解する。

痛みと生の喜びを知った頃に、師が魔法を使う姿を見せられる。
その魔法の強大さに直面したとき、恐怖を思う事で魔法の危険性が心に刻まれるのだ。
そして、その力が人を生を救える事も理解し、子は魔法を知る。

**部品: 二の教え:魔力とそれを取り巻く世界についての理解
世界に宿る無形の力、魔力がどういったものであるかを教えられる。
魔法とは魔力によって世界に変化を起こす技術なので、魔力の理解はその基礎であると言えるだろう。

魔力とは密度の高い情報量を持つもの、とされている。
非常に細かく描かれた模様であったり、そういった複雑な形状を備えた物品に魔力が宿るとされ、
人間の体内に魔力を蓄える手段の一つとして、複雑な模様を構成物の中に含んだ食用物(魔力ヨモギや桃などである)を食べるといった手段がある。
(正しくは、それら情報量のあるとされる物品が観測され『情報量が多い』と強く認識される事で発生するエネルギーが魔力と考えられる)
何に魔力が宿っており、それが力として扱われるのはどういう時なのか。これが魔力を知るという事だ。

そして、魔力を知るという事は世界を知るという事でもある。
繰り返しになるが、魔力は(情報であると考えるならば)万物に宿る力であるので、魔力を知るにはより多くの物に触れ、それを知らなければならない。
自分の身の回りだけが世界の全てである幼少期の子供にとって、多くを知るとは世界を広げる事を意味する。
知識は翼であり、理解は喜びである。多くを知り、世界を知っていくのが魔法を使うものとしてとても大切な事なのだ。
蓄えた知識は子に想像力を与え、想像力が魔法を形作る術式をイメージすることを助ける。

**部品: 魔法の盟約を結ぶ時期
子が魔法を使おうと望み、かつ魔法を得るための下地となる情操教育と知識教育が済んだと考えられた場合、
神殿にて魔法の盟約を結ぶ儀式を執り行う事となる。
通常、魔法使いの師とその教え子は同じ神(やそれに類する存在)を信仰しているので、自身らの信仰する存在を祀った神殿には縁があり、
教え子が盟約を結ぼうとする際には、師による推薦状を持たされることが多い。
師が推薦するという事は、教え子がその信仰対象の求めるあり方を正しく学び、理解し、実践できているという事のある程度の証明ともなり、
教え子は師の名誉を背負った上で盟約の儀式に臨むこととなる。
盟約の際、
『盟約を結ぶに足ると信じられる人格を持つこと』
『魔法を扱うに耐える能力と技術を持つと認められること』
『他の神などとの盟約を結んでおらず、1人につき1柱(または1人)の間でしか盟約を結ばないこと』
という条件を満たし、魔法の力を得る対価として
『信仰対象の望む、喜ぶ生き方や振る舞いをよく考え、その意に反する行いがないよう気を配ること』
『信仰対象が魔法の発動を拒否する場合、必ずその旨に従うこと』
というあり方を受け入れなければ盟約を結ぶことはできず、また盟約を結ぶには藩国への届け出も必要となる。
もちろん、信仰対象の性質によっては、気まぐれで盟約を許してくれない、などといった事態も起きないとは言い切れないのだが。
なお、使えるのはこの時に盟約を結んだ魔法のみであるので、自分で新しく魔法を創造したり、盟約を結んだ魔法を改造するといった事はできない。


**部品: 三の教え:呪文詠唱の構造と意味
無事に魔法の盟約が結べたならば、子は魔法が使えるようになる。
魔法を使う場合、盟約相手に向けて魔力(触媒または触媒を体内に取り込んだ術者の状態)を捧げて魔法の発動を代替してもらわなければならない。
この時に盟約相手へと魔法発動を願う意思を伝えるのが呪文の詠唱であり、呪文詠唱は望む魔法の形を正しく盟約相手に伝えるための手段のうちの大きな一つである。

通常の場合、呪文の冒頭は魔法発動を願う盟約相手の名前を呼ぶ形をとり、魔力として捧げる高密度情報を盟約相手に観測してエネルギーに変換してもらうために構成されている。
情報を魔力というエネルギーに変換する際には膨大なロスが発生し、得られる魔力はとても小さいが、正しい形での魔力使用のためには避け得ないロスでもある。

これに続いて、使いたい魔法に求める効果とその詳細を述べる呪文が入り、最後に魔法の名前を呼ぶことで詠唱は完成する。
魔法の詳細を呪文として詠唱しなければならないのは、その効果が具体化されていなければ発動者たる盟約相手に正しく意図が伝わらないからであり、
誤った結果を魔法で招いてしまう事がないよう、発動に関する定義づけを正しく細かく行っていくことが適切な魔法使用に繋がる。


**部品: 四の教え:詠唱と魔法の発動を伴わない練習
基礎的な魔法は呪文の詠唱と使用も比較的簡単になるが、それでも要領をつかむまでは時間がかかるのが普通であり、
魔法行使ができるようになった後も、その魔法を正しく制御できるようになるまでには更なる時間を要する。

この期間は『魔法の発動を伴わない形での』練習を繰り返し、上手く出来た体験をよく覚えておくことを教え込まれることになる。
一回の練習ごとに、イメージしたもの、呪文詠唱の仕方を細かく意識し、その手順と結果を関連付けて覚える。
確かな実感と共に蓄積される経験は、ただ繰り返すだけの練習よりもはるかに大きな価値を持ち、子の成長を助ける。
子がやがて魔法を使わなくなる日がくるとしても、自分が何かの技術を身に着けたこと、そのために何をしたか、という成功体験は絶対に助けになるのだ。
なお、練習の際に使われる呪文詠唱が誰かに届いたり魔法の発動を起こさないよう、使われる文言は厳しく管理され、魔力触媒の扱いも慎重に行われる。


**部品: 五の教え:健やかな体と穏やかな心
魔法の使い方を覚えた事と、魔法を使えるようになったという事は似ているが同じではない。
正しく魔法の効果を理解し、目的に合わせて使う魔法を選び、その魔法を不足なく起動し、狙い通りに制御する。
そこまでできて初めて、魔法を使えるようになったと言える。

そのためには知識と技量だけでは足りない。
魔法の利用によって体力の消耗があるので身体の育成も大事であるし、魔法や呪文の選択を行うには波立っていない穏やかで冷静な心が必要となる。
魔法の基礎を教えられる時、子らはよく動きよく食べて体を鍛え、師や友との交友から心を育てつつ、必要な際には感情を遮断する事を覚えこまされる。
心技体のバランスよい成長が魔法の活用を助ける事を、育ちつつある子は経験として学んでいく。

**部品: 修行を受けられるかどうか
子らの中で魔法の才に秀でた者、あるいは魔法に強い興味を示す者は、より高度な魔法を学ぶ事を希望する事もできる。
ただし高度な魔法は危険も大きく、習得には多大な責任を伴うため、師はそれまでの子の行いや言動、学習態度などからその資質を判断し、
高度な魔法の修行を認めるか認めないかを判断しなければならない。
判断基準として『善き魔法使いであるための心得』が参考となる。

**部品: 魔法の修行と技術伝承
高度な魔法の修行を認められると、そこで子は初めて魔法の弟子なり、一日の中の多くの時間を魔法の修行に費やす事となる。
魔法の修行には学問(知識の獲得)と精神(倫理面の育成)の修行および体を使った訓練も含まれているため、魔法使いとして成熟した際の社会性においては他の道で成長した子らと大きな差は生まれない。
師はまず高度な魔法を扱えるだけの下地を弟子に身に付けさせ、心技体において求める水準へと弟子が達した事を認めた時、初めて高度な魔法(中位クラスの魔法)の盟約を結ぶのを許される事となる。
信仰対象との間に高度な魔法の盟約が結ばれる事で、弟子は魔法使いとなる資格を得、師と共に国に新しい魔法使いとしての登録を申請できる(これは盟約を結ぶ際の登録とは別で、魔法使いという資格の取得申請というべきものである)。
申請が受理されれば弟子は正式に魔法使いとなり、魔法教育や研究を行う上での資金援助を含めた多くの権利と、人々のために活動する事、有事に国の力となる事を含めた多くの義務を負う。
魔法使いとしての登録を行わない事もできるが、その際は魔法の行使に対する法的制限が多く存在するため、野に隠れて細々と暮らすか、治安が悪ければ裏社会へと流れていくかという道を選ぶことになる。魔法の悪用は重罪である。


**部品: 真伝一の教え:善き魔法使いであろうとする心
魔法の危険性を知り、人を助ける事の大事さを知るだけでは、高度な魔法を持つには足りないと教えられる。
魔法使いとは専門性の高い技術者の側面も持つので、そういった立場の存在が守るべき倫理をよく理解しておかなければならないのだ。
信仰する神の性質などによって求められる倫理や規範はやや異なるものの、共用できるものとして玄霧藩国が提唱している魔法使い倫理である『善き魔法使いであろうとする心』には、守るべき倫理として以下のように記されている。

一.天下万民のためにあるべし
一.その力の大きさを忘れざるべし
一.自らの心を偽らざるべし
一.正しき行いと信じるならば勇気をもってこれを行うべし
一.正しきを知るためにまず多くの事を知るべし
一.考えの異なる者の存在を認めるべし
一.常に世界を広く見るべし
一.権威の内にあってはこれの正当性を見極めるべし
一.数多き人の中にあって自分を忘れざるべし

これらは絶対の法律ではなく、守る事を推奨される倫理に過ぎない。
また、弟子もその意味を最初はよく理解できないだろう。
しかし、師としての魔法使いは弟子にこの意味を良く教え、弟子の疑問や悩みに答え、教え導いて育てていく。

弟子は師の信頼に応え、その教えを学び、考え、噛みしめ、経験と共に理解して自分の血肉へと変えていく。
すぐに善き魔法使いになることはできないが、時間をかけてそこにたどり着けるよう、日々進むのである。

**部品: 真伝二の教え:適量の魔力を扱う技術
高度な魔法を覚えるにあたって、まず上手く扱える魔力の量を増やしていく修行を行う。
主に魔力触媒から引き出す魔力の量を適切に調節できることが大事なので、求める結果に応じた魔力の消費量を詠唱における定義ないようごとに正しく理解し
細かい仕様状況に応じた魔力の必要量をより細かく正しく覚えていく。
魔力の必要量を測る『感覚のものさし』をより細かいものへと入れ替え、想定した魔法使用状況ごとに合わせた必要魔力量の計算を何度も何度も反復して行う事で、
必要なときに一々意識して魔力量を計算する事もなく、即座に回答を導き出して行動に移せるように身につけていく。


**部品: 真伝三の教え:魔法効果調整能力の熟達
魔力計算訓練と同時並行で、より高度な魔法使用技術の習得も進めていく。
魔法の効力を抑える、魔法の効果範囲を広げる、縮める、魔法の投射軌道を曲げる、投射後の発動位置を前に、後ろに。
狙った効果を狙ったタイミングで狙った場所に発揮できるよう、魔法効果の定義を正しく理解し、組み合わせを覚えていくことで、
『魔法を上手く使う技術』と呼べるもの全般を時間をかけて鍛えていく。
効果調整能力に長じれば、それは魔法を上手く使う技術を伸ばすことにもつながり、
使い方に長じれば、基礎魔法と少ない魔力で、沢山の魔力を使った中位魔法を越える結果(効果ではない)を生み出すことすら可能になる。
道の先は長いが、歩み続ける事でしかたどり着けないのだ。

**部品: 真伝四の教え:長い呪文の詠唱能力
高度な魔法の呪文は、当然ながら簡単な魔法の呪文よりも長くて難しい。
使う魔法によっては、呪文詠唱がまるで早口言葉のようになる事もあるため、判断力や集中力といった能力とは全く別の能力、すなわち滑舌の良さが必要になってくる。
魔法使いがいざと言う時に呪文を噛んで失敗するというのでは目も当てられないので、
発音をよくするための発声の修行、スムーズに呪文を唱えるための早口言葉の修行も行われることとなる。
長じた魔法使いは、深い知識と優れた滑舌により、それなりに優れた弁士たりうると言えなくもない。

**部品: 真伝五の教え:魔法を使うものの身体
高度な魔法を扱うということは、その魔法が求められる環境に出向く可能性があるということでもある。
効果の高い魔法を求める環境は大抵の場合問題が大きく、危険がある事も少なくないため、自らと、そして周囲の色々なものを守るために、
しっかりと身体を動かせるよう、体力を鍛えておかなければならない。
修行場の周りを毎日走り、薪を割り、水を汲み、山を登りそして降り、呪文詠唱の修行として大きく声を出し、時間をかけて身体をたくましいものへと育てていく。
魔法を使う土台となる肉体が強固であれば、魔法使用時の対応の幅と選択肢も広くなるのだ。
修行のさなか、体術や杖術を身に着けるものもいる。

**部品: 真伝六の教え:世界の多面性を知る
長い修行の中、心を鍛える事も怠ってはならない。

物事のうち、何が正しくて何が間違っているのかを判断するには、まず状況を理解するための知識がいる。
そのため魔法の修行時間の中の少なくない割合は勉学に使われており、魔法に関係のあることもないことも、
広い世界についてより多くの知識を学んでいき、そしてそれらバラバラだった知識達が、実は繋がっているという事に考え至る。
言語も、歴史も、軍事も、経済も、数学も、全ての知識は相互に繋がっていて、世界という大きな枠組みの中の一つの欠片なのだという事、
自分自身もその欠片の一つであり、同時に自己があるからこそ世界を認識できるのだという事を知る。

広い世界の中の自分、という視点で客観性を意識出来るようになると、物事を多面的に見る習慣が根付いてくる。
これは感情に身を任せて冷静さを失うのを避ける事に繋がるし、自分と相手の考え方の違いを認識するためのクッションにもなり、問題を解決するために必要な道筋を見つける思考にも役立つ。
同時に、本当に正しいと思う事をより高精度に判断できるようにもなるため、『なんとなく』周囲や権威に流されるといった事も減る。
正しいと信じるやり方を通す上で、知識も冷静さも立派な武器になり、勇気の後押しをしてくれるのだ。

常に新しきを知り、それについて考え、別の方向性からも考え、出た結論を別の知識と並べてもう一度考える。
その繰り返しが、心を育てる事にも繋がっていき、育った心はいつしか『善き魔法使い』たるにふさわしいものへと形を変えている。


**部品: 魔法使いとしての義務と権利、活動内容
魔法使いとして認められた者は、自身の魔法を研鑽してより高度かつ安全な魔法の在り方を求めると共に、かつて自分が受けたように、周囲の子らが魔法を正しく扱えるよう育成する教育者としても活動する。
教育者としてのノウハウは魔法使いたちにとって(伝承者の確保や人材の質の向上のため)重要であるため、魔法使い同士で共有され、よりよい教え方が模索されていく。
いずれ優れた弟子を育て、一人前の善き魔法使いとすることが魔法使いの目標の一つとされる。
自身の研究を弟子に伝承し、世界との調和を保ちながらより効果的な魔法を使っていける魔法使いが育っていくことを目指すのである。

また、有事に魔法が求められた際は、国の要請に従って問題の解決に力を提供する事が義務とされている。
それは戦力としてであったり、知恵と知識に優れた助言者であったりと、形は様々。
なお、軍務に魔法使いが就く事となる場合、統率のとれた活動のためや殺傷を伴う活動のための追加訓練が(給与対象の職務として)行われ、
軍事行動のプロとしての責任を果たせる能力が認められてから実戦に赴くこととなる。



**部品: 周辺状況の正しい把握
魔法の発動を行い、狙った効果を得ようと思う際、怠るべきではないのが周辺状況の把握である。
人や物などがどのように配置されている状況で、対象との距離はどれくらいで、間に遮蔽物などは存在するか、また、それは本当に魔法を必要とするのか。
魔法の使用は危険を伴うため、使用の是非を判断する材料を素早くそして正しく認識し、理解しなければならない。
時間をかけてもよい状況であれば丁寧な観察と思考によってこれを行えるが、緊急時や戦闘時などにこれを正しく行うためには、
予め想定状況に合わせた訓練を行っておかなければならない。


**部品: 投射対象の認識と指定
魔法が必要だと判断されたならば、次は魔法の投射対象を正しく認識する事が重要となる。
魔法の発動には呪文詠唱以外に正しいイメージが求められるので、限られた情報から対象の位置や状態を明確化して脳裏に描く。


**部品: 魔法の効果設定調整
発動する魔法にどういった効果調整や挙動制御のコマンド呪文を付加するかを素早く判断しなければならない。
とりわけ軍用に使われる魔法の発動には素早さを求められる事から、使用する制御コマンドは用途の多いものごとに組み合わせておくことが重要となる。
術式の挙動を安定化させたり、事故を防ぐための安全装置的な機能を果たす制御コマンドは原則として常時使われるが、
オプションとして付加する制御コマンドの組み合わせの例としては以下のようなものがある。

『射程5/100』+『効果量90/100』+『持続性90/100』=すぐ近くの対象に大きい効果を与える(魔法治療など)
『射程70/100』+『弾頭速度80/100』+『弾頭分割2*2*2』=射撃レンジの対象に多弾頭化(8発)した魔法を投射して命中精度を上げる(攻撃魔法など)
『軌道変化一回』+『範囲80/100』=曲射および範囲を対象とした魔法効果を付加する(範囲攻撃魔法化)
『射程15/100』+『効果量20/100』+『持続性15/100』+『範囲2/100』=狙った箇所に対してピンポイントにだけ魔法の効果を発揮させる(精密作業など)

※射程、効果量、持続性、魔法弾頭速度、効果範囲といったパラメータを1~100の範囲で指定し(指定がなければ50として扱われる)調整する他、追加の挙動を魔法に付加できる。効果が大きければ大きいだけ魔力の消費は大きい。
※使う魔法の種類によって数値50時の効果設定は異なるが、基本的に射程は設定値をそのままm換算、持続性は『設定値/60』秒とされる。範囲や効果量、速度は魔法の種類や規模によって大きく変動する。

組み合わせごとによく使う状況があるため、訓練によって習熟すれば、同じ魔法であっても多種多様な効果を得られうる。


**部品: 呪文の素早い詠唱
使う魔法とその制御設定が決まったならば、その呪文を素早く詠唱して発動までにかかる時間を減らさなければならない。
通常、魔法使いとして公的に認定された術者であれば、基礎魔法の詠唱に平均して3秒、中位魔法の詠唱は15秒程度の詠唱で可能とする。
実践でこれだけの速度を維持できるとしても、詠唱が素早くなればそれだけ時間や状況のロスを防ぐ事ができるため、呪文詠唱の修行は魔法使いの日常である。


**部品: 魔法の発動と後処理
確かなイメージと共に詠唱を完了させれば、魔法は設定した通りに発動して効果を発揮する。
正しく魔法が使えたのであれば、後はその結果に合わせて次の行動に移り(攻撃後に遮蔽を取る、治療後に患者の経過を観察する等)、
目的を果たすために活動を続ければよい。魔法は目的ではなく手段の一つなので、魔法の発動が狙った通り成功する事が当然にならなければ、魔法使いと呼べないだろう。

もし万が一、魔法の発動に失敗し、誤った効果を発揮させてしまった場合、魔法使いは周囲の魔法使いから協力を得て、誤った効果の魔法が事故を起こさないよう対処する必要がある。
効果が霧散するだけならばよし、周辺に被害を引き起こそうとするならば、解呪して効果を打ち消さなければならない。
この時、失敗によって冷静さを失う事のないよう、心を鍛えておくのも魔法使いの修行の大切な一つだ。



*提出書式

  大部品: 障壁の魔法使い RD:31 評価値:8
  -部品: 障壁を操る魔法使い
  -部品: 赤の赤と盟約を結ぶ
  -部品: 障壁に使用する膨大な魔力の運用
  -部品: 複数人での行動の基本
  -大部品: 魔法使い(玄霧藩国T22版) RD:22 評価値:7
  --部品: 魔法の専門家
  --部品: 盟約を結ぶ事で使える魔法とは
  --部品: 魔法の危険性と禁じられた魔法について
  --大部品: 魔法使いという生き方(T22登録版) RD:19 評価値:7
  ---大部品: 幼少期の魔法教育(T22版) RD:10 評価値:5
  ----部品: 生活のための魔法知識の習得
  ----大部品: 理力・魔力の扱い(T22登録版) RD:3 評価値:3
  -----部品: 魔法のある生活
  -----部品: 信仰のもとにある魔法
  -----部品: 科学技術と距離を置く
  ----大部品: 魔法の基礎修行(T22登録版) RD:6 評価値:4
  -----部品: 一の教え:魔法を使う事の責任
  -----部品: 二の教え:魔力とそれを取り巻く世界についての理解
  -----部品: 魔法の盟約を結ぶ時期
  -----部品: 三の教え:呪文詠唱の構造と意味
  -----部品: 四の教え:詠唱と魔法の発動を伴わない練習
  -----部品: 五の教え:健やかな体と穏やかな心
  ---大部品: 高度な魔法の修行(T22登録版) RD:8 評価値:5
  ----部品: 修行を受けられるかどうか
  ----部品: 魔法の修行と技術伝承
  ----大部品: 伝承制限のある魔法修行(T22登録版) RD:6 評価値:4
  -----部品: 真伝一の教え:善き魔法使いであろうとする心
  -----部品: 真伝二の教え:適量の魔力を扱う技術
  -----部品: 真伝三の教え:魔法効果調整能力の熟達
  -----部品: 真伝四の教え:長い呪文の詠唱能力
  -----部品: 真伝五の教え:魔法を使うものの身体
  -----部品: 真伝六の教え:世界の多面性を知る
  ---部品: 魔法使いとしての義務と権利、活動内容
  -大部品: 魔法投射技術 RD:5 評価値:4
  --部品: 周辺状況の正しい把握
  --部品: 投射対象の認識と指定
  --部品: 魔法の効果設定調整
  --部品: 呪文の素早い詠唱
  --部品: 魔法の発動と後処理
  
  
  部品: 障壁を操る魔法使い
  玄霧藩国に所属する魔法使いのうち、障壁魔法を駆使し自他を守ることに長けた魔法使いを、障壁の魔法使いと呼ぶ。
  もともと魔法的な壁を生み出し、使用者を危険から守る魔法技術は藩国に存在しており、これまで護符等の形で活用されてきた。
  しかしその魔法技術を発展させ、詠唱と術式により、より強固な障壁を自在に生み出す魔法が編み出された。
  医療魔法の発展が著しい玄霧藩国では、怪我などの治療から「怪我を最低限に抑える」方法にも意識が向けられ、障壁の魔法が研究されるのはごく自然なことであった。
  その後これまでの魔法体系が誤っていたことが判明し、正しい魔法の定義が行われ、
  赤の赤との盟約を交わした盟約者だけがこの魔法を使うことが出来ることとなった。
  この魔法の扱いに長けた魔法使いは、誰かを守るために己の力を振り絞ることが出来る、優しさと勇気に溢れる人物が多い。
  
  部品: 赤の赤と盟約を結ぶ
  障壁の魔法使いは、赤の赤と盟約を結ぶ。防御障壁魔法は赤の赤に由来する魔法であり、盟約に基づいて赤の赤の力を借り、初めて使用することができる。
  玄霧藩国における魔法の盟約の条件を満たさなければ赤の赤との盟約を結ぶことができない。
  障壁の魔法使いは日頃から赤の赤を信仰し、誰かを守ることを良しとし、誰かを助けたいと願い、またそのために行動するような人物であることを心掛ける。
  
  部品: 障壁に使用する膨大な魔力の運用
  障壁の展開、維持には膨大な魔力を使用する。
  そのため障壁の魔法使いは魔力媒体を常に携帯し、状況に合わせた障壁の展開が行えるように備え、魔力の運用を行う。
  特に攻撃に備えて恒常的に、または長い時間展開する場合や、敵の集中砲火に合わせて障壁に非常に強い強度を持たせる場合などには
  複数、または強力な魔力媒体からの魔力供給、加えて複数人の障壁の魔法使いの協力が必要となる。
  今必要な障壁のスペックを把握し、正しく効果をイメージし、魔力を無駄にすることなく最大限役割を果たすことは
  障壁の魔法使いに取ってなくてはならない技術である。
  
  部品: 複数人での行動の基本
  障壁を展開している間、術者である魔法使いはほぼ他の動作を行うことが出来ない。
  敵からの攻撃を防ぐことはできるが、窮地を脱することは出来ないのである。やがて攻撃を受け続ければ障壁も破壊され、打つ手は無くなる。
  そのため障壁の魔法使いは危険が予測される場合、1人になることを避け、常にだれかと行動を共にするように心がけている。
  
  
  部品: 魔法の専門家
  魔法使いとは、魔法の運用技術を一定以上まで習得した専門家レベルの技術者に与えられる称号である。
  魔法を運用可能であるというのは、神やオーマの長といった力ある存在に信仰を寄せ、力ある存在との盟約を結ぶことによって、魔法の発動を代替してもらう事ができるようになった者という事も意味する。
  森国国家において、魔法とは生活に根付いた技術であり文化であり、魔法が使えるか否かで言えば、使える国民は多い。
  子供たちは、生まれ育つ中で魔法を使うものを身近に感じながら育ち、魔法を身に着けようとするものであれば幼少期からそのための修行を行って生きる。
  そんな中で、魔法を正しく教え、誤った使い方がないよう人々を導き、また必要に応じた魔法の利用を担う人物たちを指して魔法使いと呼ぶ。
  玄霧藩国においては、国家に中位魔法とされる規模の盟約魔法を使えるようになった人員を魔法使いであるとして登録を受け付けており、魔法使いという公的な身分を与えている。
  
  
  部品: 盟約を結ぶ事で使える魔法とは
  魔法を使うには対価の一つとして魔力を消費する必要がある。魔力とは高密度情報(例えば宝石に描かれたごく細かい模様など)をエネルギーに変換して運用可能な状態にしたもののことであるが、
  魔力として用意された触媒の密度が高く情報量が多いかどうかは、それを観測によって判断する他者がいなければならない。
  例えば、細かい模様の複雑さを誰かが観測して「これは細かくて複雑な模様だ! 情報量が多い!」と認識することで、初めて情報の量は意味を持ち始めるのであるし、観測を受けてなお得られる魔力はほんのごくわずかである。
  加えて、その情報を観測する対象の影響力が大きくなければ、情報の密度は正しく魔力に変換されない。
  つまり、魔法を使うには、その魔法を使うのに消費する魔力を得られるだけの情報密度をもった触媒を用意した上で、その触媒の持つ情報を『影響力のある存在に』観測してもらわなければいけないということになる。
  神やオーマの長といった力ある存在との盟約が必要なのはこのためで、魔法使いは魔力と盟約対象の求める在り様を守るという対価を払って、『魔法を発動してもらう』ことで魔法の効果を得る。
  魔法の発動自体を魔法使いが行っているわけではない事と、発動した魔法をどう使うかの方向性を指定する事そのものは魔法使いが行えるという点は重要であるだろう。
  なお、盟約対象となる存在ごとに、扱える魔法の性質は決まっており、かつ玄霧藩国では一人の国民が複数の神などと盟約を結ぶことは認められていないので、
  一人が万能の魔法使いでいられる時代は終わっている。
  
  
  部品: 魔法の危険性と禁じられた魔法について
  力ある存在によって発動が行われる魔法は総じて効果が大きめであり、危険も大きい。
  特に強力な魔法は世界に与える影響も強く、また歴史上、魔法の強大化によって悲劇が起きた事も多いため、魔法の使用は常に、世界のバランスと周囲の安全を考慮して行われなければならない。
  私利私欲のために魔法を使うことが危険とされるのはこのためであり、魔法を使う時は自分の感情の影響を遮断出来ている事が重要とされる。
  特に、禁じられた魔法として指定されるものは世界を滅ぼすほどのものとして知られており、
  空間転移、時間移動、増殖、自律稼動、共通夢の操作などの魔法は法律や国家規模での制限が掛かっているほか、倫理面においても忌避される対象となる。
  
  
  部品: 生活のための魔法知識の習得
  森国に生まれた子が魔法を覚える時は、まず周囲に住んでいる魔法使いに教えを受ける事から始める。この魔法使いは基本的に同じ存在を信仰している者である。
  魔法使いは周辺に生まれた子らにまとめて魔法がどういうものであるのかの基礎理論を教え、盟約を結ぶまでの筋道と神殿と神(など)との関係性と規則、魔法の使い道、その危険性についてよく教え聞かせ、
  子らが魔法というものを正しく理解できるよう教え育てる。
  これは、魔法を使うためというよりは魔法のある環境の中で適切な生き方を選ぶためのものであり、魔法を使う隣人と如何にして付き合うか、などといった要素も含まれる。
  (もちろん学校に通うなどの日常生活を送りながら)おおよそ4年ほどの魔法学習過程を経て、子らは魔法文明において生活していくための基礎知識を身に着け、
  魔法の盟約を結ぶことを望む場合は、神殿に師の推薦をもって送り出され、信仰対象である神などとの盟約を結ぶ事に挑戦する。
  無事に盟約を結び、魔法の力を借りられるようになった場合は、魔法の力を人々のために役立てる事となる。
  
  
  部品: 魔法のある生活
  高物理域国家に住む者には想像しにくいかもしれないが、当たり前に魔法のある世界において、それは日常のひとつである。
  足が速い人と遅い人がいるように、理力や魔力の扱いが出来る人と出来ない人、上手い人と下手な人がいる。
  力ある存在との盟約によって魔法が使える者、というのは(国や情勢によるが)さほど特別な存在というわけでもないので、
  効果の弱い魔法などを日常生活の中で目にすることはなくもないだろう。
  魔法でできることはそれ以外の手段でも代替できることが多いが、魔法があればそれだけで大きく助かるということもある。
  低物理域国家で暮らすということは、魔法の存在を近しく感じ、それと馴染みを持つという事でもある。
  
  
  部品: 信仰のもとにある魔法
  理力や魔力が当たり前にあると言っても、それは誰もが簡単に魔法行使を行える、という意味ではもちろんない。
  魔法を使うためには魔力を消費する必要があるし、魔力を消費するためには力ある存在と盟約を結ばなければいけない。
  今のニューワールドでは、この盟約によってのみ魔法が使われるため、魔法を使う文化に生きるものは、
  盟約対象となる力ある存在(主に神やオーマの長)のうちどれかを信仰して生きる事となる。
  暮らしている国で信仰されている神がどのようなものであるか、またどういった種類のものであるかはまちまちであるが、
  力ある存在への信仰の中で、それらとの盟約による魔法が人々に与えられる、という文化のありようが魔法の存在を支えている。
  
  
  部品: 科学技術と距離を置く
  魔法を扱う素養を持つ者は、みな科学技術とは距離を置くようにして生活している傾向が強い。これは歴史的にみて魔法と科学を一緒に使うとろくなことにならない、と広く知られていることがひとつの理由である。
  それはそれとして、ボタンを押すだけで火が出るとか、鉄の塊が空を飛ぶとかなんとなう胡散臭いと思っている者もそこそこにいるようだ。
  
  
  部品: 一の教え:魔法を使う事の責任
  どんなに初歩的な魔法であっても、それを学ぶ前には必ず魔法の危険性を教えられる。
  魔法は人を簡単に傷つける事のできる力である事を忘れてはならない。
  
  子が痛みを知った時、その痛みが引き起こす辛さと不安な気持ちの正体を教えられる。
  人は痛いと苦しみ、苦しむと辛く、辛いと痛く、そしてそれらによって心が乱れるのだと。
  そこで子は、失う事、死の恐怖を実感する。
  
  そして痛みを癒された時、救われる喜びと安心を教えられる。
  痛み、苦しみ、辛さから助けられると安心し、嬉しくなり、救われるという事、生の喜びを知るのだ。
  人が健やかに生きているだけでそれは喜びであり、人が健やかに生きているというのはそれだけで誰かに助けられている事も理解する。
  
  痛みと生の喜びを知った頃に、師が魔法を使う姿を見せられる。
  その魔法の強大さに直面したとき、恐怖を思う事で魔法の危険性が心に刻まれるのだ。
  そして、その力が人を生を救える事も理解し、子は魔法を知る。
  
  部品: 二の教え:魔力とそれを取り巻く世界についての理解
  世界に宿る無形の力、魔力がどういったものであるかを教えられる。
  魔法とは魔力によって世界に変化を起こす技術なので、魔力の理解はその基礎であると言えるだろう。
  
  魔力とは密度の高い情報量を持つもの、とされている。
  非常に細かく描かれた模様であったり、そういった複雑な形状を備えた物品に魔力が宿るとされ、
  人間の体内に魔力を蓄える手段の一つとして、複雑な模様を構成物の中に含んだ食用物(魔力ヨモギや桃などである)を食べるといった手段がある。
  (正しくは、それら情報量のあるとされる物品が観測され『情報量が多い』と強く認識される事で発生するエネルギーが魔力と考えられる)
  何に魔力が宿っており、それが力として扱われるのはどういう時なのか。これが魔力を知るという事だ。
  
  そして、魔力を知るという事は世界を知るという事でもある。
  繰り返しになるが、魔力は(情報であると考えるならば)万物に宿る力であるので、魔力を知るにはより多くの物に触れ、それを知らなければならない。
  自分の身の回りだけが世界の全てである幼少期の子供にとって、多くを知るとは世界を広げる事を意味する。
  知識は翼であり、理解は喜びである。多くを知り、世界を知っていくのが魔法を使うものとしてとても大切な事なのだ。
  蓄えた知識は子に想像力を与え、想像力が魔法を形作る術式をイメージすることを助ける。
  
  部品: 魔法の盟約を結ぶ時期
  子が魔法を使おうと望み、かつ魔法を得るための下地となる情操教育と知識教育が済んだと考えられた場合、
  神殿にて魔法の盟約を結ぶ儀式を執り行う事となる。
  通常、魔法使いの師とその教え子は同じ神(やそれに類する存在)を信仰しているので、自身らの信仰する存在を祀った神殿には縁があり、
  教え子が盟約を結ぼうとする際には、師による推薦状を持たされることが多い。
  師が推薦するという事は、教え子がその信仰対象の求めるあり方を正しく学び、理解し、実践できているという事のある程度の証明ともなり、
  教え子は師の名誉を背負った上で盟約の儀式に臨むこととなる。
  盟約の際、
  『盟約を結ぶに足ると信じられる人格を持つこと』
  『魔法を扱うに耐える能力と技術を持つと認められること』
  『他の神などとの盟約を結んでおらず、1人につき1柱(または1人)の間でしか盟約を結ばないこと』
  という条件を満たし、魔法の力を得る対価として
  『信仰対象の望む、喜ぶ生き方や振る舞いをよく考え、その意に反する行いがないよう気を配ること』
  『信仰対象が魔法の発動を拒否する場合、必ずその旨に従うこと』
  というあり方を受け入れなければ盟約を結ぶことはできず、また盟約を結ぶには藩国への届け出も必要となる。
  もちろん、信仰対象の性質によっては、気まぐれで盟約を許してくれない、などといった事態も起きないとは言い切れないのだが。
  なお、使えるのはこの時に盟約を結んだ魔法のみであるので、自分で新しく魔法を創造したり、盟約を結んだ魔法を改造するといった事はできない。
  
  
  部品: 三の教え:呪文詠唱の構造と意味
  無事に魔法の盟約が結べたならば、子は魔法が使えるようになる。
  魔法を使う場合、盟約相手に向けて魔力(触媒または触媒を体内に取り込んだ術者の状態)を捧げて魔法の発動を代替してもらわなければならない。
  この時に盟約相手へと魔法発動を願う意思を伝えるのが呪文の詠唱であり、呪文詠唱は望む魔法の形を正しく盟約相手に伝えるための手段のうちの大きな一つである。
  
  通常の場合、呪文の冒頭は魔法発動を願う盟約相手の名前を呼ぶ形をとり、魔力として捧げる高密度情報を盟約相手に観測してエネルギーに変換してもらうために構成されている。
  情報を魔力というエネルギーに変換する際には膨大なロスが発生し、得られる魔力はとても小さいが、正しい形での魔力使用のためには避け得ないロスでもある。
  
  これに続いて、使いたい魔法に求める効果とその詳細を述べる呪文が入り、最後に魔法の名前を呼ぶことで詠唱は完成する。
  魔法の詳細を呪文として詠唱しなければならないのは、その効果が具体化されていなければ発動者たる盟約相手に正しく意図が伝わらないからであり、
  誤った結果を魔法で招いてしまう事がないよう、発動に関する定義づけを正しく細かく行っていくことが適切な魔法使用に繋がる。
  
  
  部品: 四の教え:詠唱と魔法の発動を伴わない練習
  基礎的な魔法は呪文の詠唱と使用も比較的簡単になるが、それでも要領をつかむまでは時間がかかるのが普通であり、
  魔法行使ができるようになった後も、その魔法を正しく制御できるようになるまでには更なる時間を要する。
  
  この期間は『魔法の発動を伴わない形での』練習を繰り返し、上手く出来た体験をよく覚えておくことを教え込まれることになる。
  一回の練習ごとに、イメージしたもの、呪文詠唱の仕方を細かく意識し、その手順と結果を関連付けて覚える。
  確かな実感と共に蓄積される経験は、ただ繰り返すだけの練習よりもはるかに大きな価値を持ち、子の成長を助ける。
  子がやがて魔法を使わなくなる日がくるとしても、自分が何かの技術を身に着けたこと、そのために何をしたか、という成功体験は絶対に助けになるのだ。
  なお、練習の際に使われる呪文詠唱が誰かに届いたり魔法の発動を起こさないよう、使われる文言は厳しく管理され、魔力触媒の扱いも慎重に行われる。
  
  
  部品: 五の教え:健やかな体と穏やかな心
  魔法の使い方を覚えた事と、魔法を使えるようになったという事は似ているが同じではない。
  正しく魔法の効果を理解し、目的に合わせて使う魔法を選び、その魔法を不足なく起動し、狙い通りに制御する。
  そこまでできて初めて、魔法を使えるようになったと言える。
  
  そのためには知識と技量だけでは足りない。
  魔法の利用によって体力の消耗があるので身体の育成も大事であるし、魔法や呪文の選択を行うには波立っていない穏やかで冷静な心が必要となる。
  魔法の基礎を教えられる時、子らはよく動きよく食べて体を鍛え、師や友との交友から心を育てつつ、必要な際には感情を遮断する事を覚えこまされる。
  心技体のバランスよい成長が魔法の活用を助ける事を、育ちつつある子は経験として学んでいく。
  
  部品: 修行を受けられるかどうか
  子らの中で魔法の才に秀でた者、あるいは魔法に強い興味を示す者は、より高度な魔法を学ぶ事を希望する事もできる。
  ただし高度な魔法は危険も大きく、習得には多大な責任を伴うため、師はそれまでの子の行いや言動、学習態度などからその資質を判断し、
  高度な魔法の修行を認めるか認めないかを判断しなければならない。
  判断基準として『善き魔法使いであるための心得』が参考となる。
  
  部品: 魔法の修行と技術伝承
  高度な魔法の修行を認められると、そこで子は初めて魔法の弟子なり、一日の中の多くの時間を魔法の修行に費やす事となる。
  魔法の修行には学問(知識の獲得)と精神(倫理面の育成)の修行および体を使った訓練も含まれているため、魔法使いとして成熟した際の社会性においては他の道で成長した子らと大きな差は生まれない。
  師はまず高度な魔法を扱えるだけの下地を弟子に身に付けさせ、心技体において求める水準へと弟子が達した事を認めた時、初めて高度な魔法(中位クラスの魔法)の盟約を結ぶのを許される事となる。
  信仰対象との間に高度な魔法の盟約が結ばれる事で、弟子は魔法使いとなる資格を得、師と共に国に新しい魔法使いとしての登録を申請できる(これは盟約を結ぶ際の登録とは別で、魔法使いという資格の取得申請というべきものである)。
  申請が受理されれば弟子は正式に魔法使いとなり、魔法教育や研究を行う上での資金援助を含めた多くの権利と、人々のために活動する事、有事に国の力となる事を含めた多くの義務を負う。
  魔法使いとしての登録を行わない事もできるが、その際は魔法の行使に対する法的制限が多く存在するため、野に隠れて細々と暮らすか、治安が悪ければ裏社会へと流れていくかという道を選ぶことになる。魔法の悪用は重罪である。
  
  
  部品: 真伝一の教え:善き魔法使いであろうとする心
  魔法の危険性を知り、人を助ける事の大事さを知るだけでは、高度な魔法を持つには足りないと教えられる。
  魔法使いとは専門性の高い技術者の側面も持つので、そういった立場の存在が守るべき倫理をよく理解しておかなければならないのだ。
  信仰する神の性質などによって求められる倫理や規範はやや異なるものの、共用できるものとして玄霧藩国が提唱している魔法使い倫理である『善き魔法使いであろうとする心』には、守るべき倫理として以下のように記されている。
  
  一.天下万民のためにあるべし
  一.その力の大きさを忘れざるべし
  一.自らの心を偽らざるべし
  一.正しき行いと信じるならば勇気をもってこれを行うべし
  一.正しきを知るためにまず多くの事を知るべし
  一.考えの異なる者の存在を認めるべし
  一.常に世界を広く見るべし
  一.権威の内にあってはこれの正当性を見極めるべし
  一.数多き人の中にあって自分を忘れざるべし
  
  これらは絶対の法律ではなく、守る事を推奨される倫理に過ぎない。
  また、弟子もその意味を最初はよく理解できないだろう。
  しかし、師としての魔法使いは弟子にこの意味を良く教え、弟子の疑問や悩みに答え、教え導いて育てていく。
  
  弟子は師の信頼に応え、その教えを学び、考え、噛みしめ、経験と共に理解して自分の血肉へと変えていく。
  すぐに善き魔法使いになることはできないが、時間をかけてそこにたどり着けるよう、日々進むのである。
  
  部品: 真伝二の教え:適量の魔力を扱う技術
  高度な魔法を覚えるにあたって、まず上手く扱える魔力の量を増やしていく修行を行う。
  主に魔力触媒から引き出す魔力の量を適切に調節できることが大事なので、求める結果に応じた魔力の消費量を詠唱における定義ないようごとに正しく理解し
  細かい仕様状況に応じた魔力の必要量をより細かく正しく覚えていく。
  魔力の必要量を測る『感覚のものさし』をより細かいものへと入れ替え、想定した魔法使用状況ごとに合わせた必要魔力量の計算を何度も何度も反復して行う事で、
  必要なときに一々意識して魔力量を計算する事もなく、即座に回答を導き出して行動に移せるように身につけていく。
  
  
  部品: 真伝三の教え:魔法効果調整能力の熟達
  魔力計算訓練と同時並行で、より高度な魔法使用技術の習得も進めていく。
  魔法の効力を抑える、魔法の効果範囲を広げる、縮める、魔法の投射軌道を曲げる、投射後の発動位置を前に、後ろに。
  狙った効果を狙ったタイミングで狙った場所に発揮できるよう、魔法効果の定義を正しく理解し、組み合わせを覚えていくことで、
  『魔法を上手く使う技術』と呼べるもの全般を時間をかけて鍛えていく。
  効果調整能力に長じれば、それは魔法を上手く使う技術を伸ばすことにもつながり、
  使い方に長じれば、基礎魔法と少ない魔力で、沢山の魔力を使った中位魔法を越える結果(効果ではない)を生み出すことすら可能になる。
  道の先は長いが、歩み続ける事でしかたどり着けないのだ。
  
  部品: 真伝四の教え:長い呪文の詠唱能力
  高度な魔法の呪文は、当然ながら簡単な魔法の呪文よりも長くて難しい。
  使う魔法によっては、呪文詠唱がまるで早口言葉のようになる事もあるため、判断力や集中力といった能力とは全く別の能力、すなわち滑舌の良さが必要になってくる。
  魔法使いがいざと言う時に呪文を噛んで失敗するというのでは目も当てられないので、
  発音をよくするための発声の修行、スムーズに呪文を唱えるための早口言葉の修行も行われることとなる。
  長じた魔法使いは、深い知識と優れた滑舌により、それなりに優れた弁士たりうると言えなくもない。
  
  部品: 真伝五の教え:魔法を使うものの身体
  高度な魔法を扱うということは、その魔法が求められる環境に出向く可能性があるということでもある。
  効果の高い魔法を求める環境は大抵の場合問題が大きく、危険がある事も少なくないため、自らと、そして周囲の色々なものを守るために、
  しっかりと身体を動かせるよう、体力を鍛えておかなければならない。
  修行場の周りを毎日走り、薪を割り、水を汲み、山を登りそして降り、呪文詠唱の修行として大きく声を出し、時間をかけて身体をたくましいものへと育てていく。
  魔法を使う土台となる肉体が強固であれば、魔法使用時の対応の幅と選択肢も広くなるのだ。
  修行のさなか、体術や杖術を身に着けるものもいる。
  
  部品: 真伝六の教え:世界の多面性を知る
  長い修行の中、心を鍛える事も怠ってはならない。
  
  物事のうち、何が正しくて何が間違っているのかを判断するには、まず状況を理解するための知識がいる。
  そのため魔法の修行時間の中の少なくない割合は勉学に使われており、魔法に関係のあることもないことも、
  広い世界についてより多くの知識を学んでいき、そしてそれらバラバラだった知識達が、実は繋がっているという事に考え至る。
  言語も、歴史も、軍事も、経済も、数学も、全ての知識は相互に繋がっていて、世界という大きな枠組みの中の一つの欠片なのだという事、
  自分自身もその欠片の一つであり、同時に自己があるからこそ世界を認識できるのだという事を知る。
  
  広い世界の中の自分、という視点で客観性を意識出来るようになると、物事を多面的に見る習慣が根付いてくる。
  これは感情に身を任せて冷静さを失うのを避ける事に繋がるし、自分と相手の考え方の違いを認識するためのクッションにもなり、問題を解決するために必要な道筋を見つける思考にも役立つ。
  同時に、本当に正しいと思う事をより高精度に判断できるようにもなるため、『なんとなく』周囲や権威に流されるといった事も減る。
  正しいと信じるやり方を通す上で、知識も冷静さも立派な武器になり、勇気の後押しをしてくれるのだ。
  
  常に新しきを知り、それについて考え、別の方向性からも考え、出た結論を別の知識と並べてもう一度考える。
  その繰り返しが、心を育てる事にも繋がっていき、育った心はいつしか『善き魔法使い』たるにふさわしいものへと形を変えている。
  
  
  部品: 魔法使いとしての義務と権利、活動内容
  魔法使いとして認められた者は、自身の魔法を研鑽してより高度かつ安全な魔法の在り方を求めると共に、かつて自分が受けたように、周囲の子らが魔法を正しく扱えるよう育成する教育者としても活動する。
  教育者としてのノウハウは魔法使いたちにとって(伝承者の確保や人材の質の向上のため)重要であるため、魔法使い同士で共有され、よりよい教え方が模索されていく。
  いずれ優れた弟子を育て、一人前の善き魔法使いとすることが魔法使いの目標の一つとされる。
  自身の研究を弟子に伝承し、世界との調和を保ちながらより効果的な魔法を使っていける魔法使いが育っていくことを目指すのである。
  
  また、有事に魔法が求められた際は、国の要請に従って問題の解決に力を提供する事が義務とされている。
  それは戦力としてであったり、知恵と知識に優れた助言者であったりと、形は様々。
  なお、軍務に魔法使いが就く事となる場合、統率のとれた活動のためや殺傷を伴う活動のための追加訓練が(給与対象の職務として)行われ、
  軍事行動のプロとしての責任を果たせる能力が認められてから実戦に赴くこととなる。
  
  
  
  部品: 周辺状況の正しい把握
  魔法の発動を行い、狙った効果を得ようと思う際、怠るべきではないのが周辺状況の把握である。
  人や物などがどのように配置されている状況で、対象との距離はどれくらいで、間に遮蔽物などは存在するか、また、それは本当に魔法を必要とするのか。
  魔法の使用は危険を伴うため、使用の是非を判断する材料を素早くそして正しく認識し、理解しなければならない。
  時間をかけてもよい状況であれば丁寧な観察と思考によってこれを行えるが、緊急時や戦闘時などにこれを正しく行うためには、
  予め想定状況に合わせた訓練を行っておかなければならない。
  
  
  部品: 投射対象の認識と指定
  魔法が必要だと判断されたならば、次は魔法の投射対象を正しく認識する事が重要となる。
  魔法の発動には呪文詠唱以外に正しいイメージが求められるので、限られた情報から対象の位置や状態を明確化して脳裏に描く。
  
  
  部品: 魔法の効果設定調整
  発動する魔法にどういった効果調整や挙動制御のコマンド呪文を付加するかを素早く判断しなければならない。
  とりわけ軍用に使われる魔法の発動には素早さを求められる事から、使用する制御コマンドは用途の多いものごとに組み合わせておくことが重要となる。
  術式の挙動を安定化させたり、事故を防ぐための安全装置的な機能を果たす制御コマンドは原則として常時使われるが、
  オプションとして付加する制御コマンドの組み合わせの例としては以下のようなものがある。
  
  『射程5/100』+『効果量90/100』+『持続性90/100』=すぐ近くの対象に大きい効果を与える(魔法治療など)
  『射程70/100』+『弾頭速度80/100』+『弾頭分割2*2*2』=射撃レンジの対象に多弾頭化(8発)した魔法を投射して命中精度を上げる(攻撃魔法など)
  『軌道変化一回』+『範囲80/100』=曲射および範囲を対象とした魔法効果を付加する(範囲攻撃魔法化)
  『射程15/100』+『効果量20/100』+『持続性15/100』+『範囲2/100』=狙った箇所に対してピンポイントにだけ魔法の効果を発揮させる(精密作業など)
  
  ※射程、効果量、持続性、魔法弾頭速度、効果範囲といったパラメータを1~100の範囲で指定し(指定がなければ50として扱われる)調整する他、追加の挙動を魔法に付加できる。効果が大きければ大きいだけ魔力の消費は大きい。
  ※使う魔法の種類によって数値50時の効果設定は異なるが、基本的に射程は設定値をそのままm換算、持続性は『設定値/60』秒とされる。範囲や効果量、速度は魔法の種類や規模によって大きく変動する。
  
  組み合わせごとによく使う状況があるため、訓練によって習熟すれば、同じ魔法であっても多種多様な効果を得られうる。
  
  
  部品: 呪文の素早い詠唱
  使う魔法とその制御設定が決まったならば、その呪文を素早く詠唱して発動までにかかる時間を減らさなければならない。
  通常、魔法使いとして公的に認定された術者であれば、基礎魔法の詠唱に平均して3秒、中位魔法の詠唱は15秒程度の詠唱で可能とする。
  実践でこれだけの速度を維持できるとしても、詠唱が素早くなればそれだけ時間や状況のロスを防ぐ事ができるため、呪文詠唱の修行は魔法使いの日常である。
  
  
  部品: 魔法の発動と後処理
  確かなイメージと共に詠唱を完了させれば、魔法は設定した通りに発動して効果を発揮する。
  正しく魔法が使えたのであれば、後はその結果に合わせて次の行動に移り(攻撃後に遮蔽を取る、治療後に患者の経過を観察する等)、
  目的を果たすために活動を続ければよい。魔法は目的ではなく手段の一つなので、魔法の発動が狙った通り成功する事が当然にならなければ、魔法使いと呼べないだろう。
  
  もし万が一、魔法の発動に失敗し、誤った効果を発揮させてしまった場合、魔法使いは周囲の魔法使いから協力を得て、誤った効果の魔法が事故を起こさないよう対処する必要がある。
  効果が霧散するだけならばよし、周辺に被害を引き起こそうとするならば、解呪して効果を打ち消さなければならない。
  この時、失敗によって冷静さを失う事のないよう、心を鍛えておくのも魔法使いの修行の大切な一つだ。
  
  


*インポート用定義データ

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      "title": "障壁の魔法使い",
      "description": "玄霧藩国",
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          "title": "障壁を操る魔法使い",
          "description": "玄霧藩国に所属する魔法使いのうち、障壁魔法を駆使し自他を守ることに長けた魔法使いを、障壁の魔法使いと呼ぶ。\nもともと魔法的な壁を生み出し、使用者を危険から守る魔法技術は藩国に存在しており、これまで護符等の形で活用されてきた。\nしかしその魔法技術を発展させ、詠唱と術式により、より強固な障壁を自在に生み出す魔法が編み出された。\n医療魔法の発展が著しい玄霧藩国では、怪我などの治療から「怪我を最低限に抑える」方法にも意識が向けられ、障壁の魔法が研究されるのはごく自然なことであった。\nその後これまでの魔法体系が誤っていたことが判明し、正しい魔法の定義が行われ、\n赤の赤との盟約を交わした盟約者だけがこの魔法を使うことが出来ることとなった。\nこの魔法の扱いに長けた魔法使いは、誰かを守るために己の力を振り絞ることが出来る、優しさと勇気に溢れる人物が多い。",
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          "title": "赤の赤と盟約を結ぶ",
          "description": "障壁の魔法使いは、赤の赤と盟約を結ぶ。防御障壁魔法は赤の赤に由来する魔法であり、盟約に基づいて赤の赤の力を借り、初めて使用することができる。\n玄霧藩国における魔法の盟約の条件を満たさなければ赤の赤との盟約を結ぶことができない。\n障壁の魔法使いは日頃から赤の赤を信仰し、誰かを守ることを良しとし、誰かを助けたいと願い、またそのために行動するような人物であることを心掛ける。",
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          "title": "障壁に使用する膨大な魔力の運用",
          "description": "障壁の展開、維持には膨大な魔力を使用する。\nそのため障壁の魔法使いは魔力媒体を常に携帯し、状況に合わせた障壁の展開が行えるように備え、魔力の運用を行う。\n特に攻撃に備えて恒常的に、または長い時間展開する場合や、敵の集中砲火に合わせて障壁に非常に強い強度を持たせる場合などには\n複数、または強力な魔力媒体からの魔力供給、加えて複数人の障壁の魔法使いの協力が必要となる。\n今必要な障壁のスペックを把握し、正しく効果をイメージし、魔力を無駄にすることなく最大限役割を果たすことは\n障壁の魔法使いに取ってなくてはならない技術である。",
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          "description": "障壁を展開している間、術者である魔法使いはほぼ他の動作を行うことが出来ない。\n敵からの攻撃を防ぐことはできるが、窮地を脱することは出来ないのである。やがて攻撃を受け続ければ障壁も破壊され、打つ手は無くなる。\nそのため障壁の魔法使いは危険が予測される場合、1人になることを避け、常にだれかと行動を共にするように心がけている。\n",
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              "description": "魔法を使うには対価の一つとして魔力を消費する必要がある。魔力とは高密度情報(例えば宝石に描かれたごく細かい模様など)をエネルギーに変換して運用可能な状態にしたもののことであるが、\n魔力として用意された触媒の密度が高く情報量が多いかどうかは、それを観測によって判断する他者がいなければならない。\n例えば、細かい模様の複雑さを誰かが観測して「これは細かくて複雑な模様だ! 情報量が多い!」と認識することで、初めて情報の量は意味を持ち始めるのであるし、観測を受けてなお得られる魔力はほんのごくわずかである。\n加えて、その情報を観測する対象の影響力が大きくなければ、情報の密度は正しく魔力に変換されない。\nつまり、魔法を使うには、その魔法を使うのに消費する魔力を得られるだけの情報密度をもった触媒を用意した上で、その触媒の持つ情報を『影響力のある存在に』観測してもらわなければいけないということになる。\n神やオーマの長といった力ある存在との盟約が必要なのはこのためで、魔法使いは魔力と盟約対象の求める在り様を守るという対価を払って、『魔法を発動してもらう』ことで魔法の効果を得る。\n魔法の発動自体を魔法使いが行っているわけではない事と、発動した魔法をどう使うかの方向性を指定する事そのものは魔法使いが行えるという点は重要であるだろう。\nなお、盟約対象となる存在ごとに、扱える魔法の性質は決まっており、かつ玄霧藩国では一人の国民が複数の神などと盟約を結ぶことは認められていないので、\n一人が万能の魔法使いでいられる時代は終わっている。\n",
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                          "title": "魔法の盟約を結ぶ時期",
                          "description": "子が魔法を使おうと望み、かつ魔法を得るための下地となる情操教育と知識教育が済んだと考えられた場合、\n神殿にて魔法の盟約を結ぶ儀式を執り行う事となる。\n通常、魔法使いの師とその教え子は同じ神(やそれに類する存在)を信仰しているので、自身らの信仰する存在を祀った神殿には縁があり、\n教え子が盟約を結ぼうとする際には、師による推薦状を持たされることが多い。\n師が推薦するという事は、教え子がその信仰対象の求めるあり方を正しく学び、理解し、実践できているという事のある程度の証明ともなり、\n教え子は師の名誉を背負った上で盟約の儀式に臨むこととなる。\n盟約の際、\n『盟約を結ぶに足ると信じられる人格を持つこと』\n『魔法を扱うに耐える能力と技術を持つと認められること』\n『他の神などとの盟約を結んでおらず、1人につき1柱(または1人)の間でしか盟約を結ばないこと』\nという条件を満たし、魔法の力を得る対価として\n『信仰対象の望む、喜ぶ生き方や振る舞いをよく考え、その意に反する行いがないよう気を配ること』\n『信仰対象が魔法の発動を拒否する場合、必ずその旨に従うこと』\nというあり方を受け入れなければ盟約を結ぶことはできず、また盟約を結ぶには藩国への届け出も必要となる。\nもちろん、信仰対象の性質によっては、気まぐれで盟約を許してくれない、などといった事態も起きないとは言い切れないのだが。\nなお、使えるのはこの時に盟約を結んだ魔法のみであるので、自分で新しく魔法を創造したり、盟約を結んだ魔法を改造するといった事はできない。\n",
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                          "description": "無事に魔法の盟約が結べたならば、子は魔法が使えるようになる。\n魔法を使う場合、盟約相手に向けて魔力(触媒または触媒を体内に取り込んだ術者の状態)を捧げて魔法の発動を代替してもらわなければならない。\nこの時に盟約相手へと魔法発動を願う意思を伝えるのが呪文の詠唱であり、呪文詠唱は望む魔法の形を正しく盟約相手に伝えるための手段のうちの大きな一つである。\n\n通常の場合、呪文の冒頭は魔法発動を願う盟約相手の名前を呼ぶ形をとり、魔力として捧げる高密度情報を盟約相手に観測してエネルギーに変換してもらうために構成されている。\n情報を魔力というエネルギーに変換する際には膨大なロスが発生し、得られる魔力はとても小さいが、正しい形での魔力使用のためには避け得ないロスでもある。\n\nこれに続いて、使いたい魔法に求める効果とその詳細を述べる呪文が入り、最後に魔法の名前を呼ぶことで詠唱は完成する。\n魔法の詳細を呪文として詠唱しなければならないのは、その効果が具体化されていなければ発動者たる盟約相手に正しく意図が伝わらないからであり、\n誤った結果を魔法で招いてしまう事がないよう、発動に関する定義づけを正しく細かく行っていくことが適切な魔法使用に繋がる。\n",
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                          "description": "基礎的な魔法は呪文の詠唱と使用も比較的簡単になるが、それでも要領をつかむまでは時間がかかるのが普通であり、\n魔法行使ができるようになった後も、その魔法を正しく制御できるようになるまでには更なる時間を要する。\n\nこの期間は『魔法の発動を伴わない形での』練習を繰り返し、上手く出来た体験をよく覚えておくことを教え込まれることになる。\n一回の練習ごとに、イメージしたもの、呪文詠唱の仕方を細かく意識し、その手順と結果を関連付けて覚える。\n確かな実感と共に蓄積される経験は、ただ繰り返すだけの練習よりもはるかに大きな価値を持ち、子の成長を助ける。\n子がやがて魔法を使わなくなる日がくるとしても、自分が何かの技術を身に着けたこと、そのために何をしたか、という成功体験は絶対に助けになるのだ。\nなお、練習の際に使われる呪文詠唱が誰かに届いたり魔法の発動を起こさないよう、使われる文言は厳しく管理され、魔力触媒の扱いも慎重に行われる。\n",
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                      "description": "高度な魔法の修行を認められると、そこで子は初めて魔法の弟子なり、一日の中の多くの時間を魔法の修行に費やす事となる。\n魔法の修行には学問(知識の獲得)と精神(倫理面の育成)の修行および体を使った訓練も含まれているため、魔法使いとして成熟した際の社会性においては他の道で成長した子らと大きな差は生まれない。\n師はまず高度な魔法を扱えるだけの下地を弟子に身に付けさせ、心技体において求める水準へと弟子が達した事を認めた時、初めて高度な魔法(中位クラスの魔法)の盟約を結ぶのを許される事となる。\n信仰対象との間に高度な魔法の盟約が結ばれる事で、弟子は魔法使いとなる資格を得、師と共に国に新しい魔法使いとしての登録を申請できる(これは盟約を結ぶ際の登録とは別で、魔法使いという資格の取得申請というべきものである)。\n申請が受理されれば弟子は正式に魔法使いとなり、魔法教育や研究を行う上での資金援助を含めた多くの権利と、人々のために活動する事、有事に国の力となる事を含めた多くの義務を負う。\n魔法使いとしての登録を行わない事もできるが、その際は魔法の行使に対する法的制限が多く存在するため、野に隠れて細々と暮らすか、治安が悪ければ裏社会へと流れていくかという道を選ぶことになる。魔法の悪用は重罪である。\n",
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                          "description": "魔法の危険性を知り、人を助ける事の大事さを知るだけでは、高度な魔法を持つには足りないと教えられる。\n魔法使いとは専門性の高い技術者の側面も持つので、そういった立場の存在が守るべき倫理をよく理解しておかなければならないのだ。\n信仰する神の性質などによって求められる倫理や規範はやや異なるものの、共用できるものとして玄霧藩国が提唱している魔法使い倫理である『善き魔法使いであろうとする心』には、守るべき倫理として以下のように記されている。\n\n一.天下万民のためにあるべし\n一.その力の大きさを忘れざるべし\n一.自らの心を偽らざるべし\n一.正しき行いと信じるならば勇気をもってこれを行うべし\n一.正しきを知るためにまず多くの事を知るべし\n一.考えの異なる者の存在を認めるべし\n一.常に世界を広く見るべし\n一.権威の内にあってはこれの正当性を見極めるべし\n一.数多き人の中にあって自分を忘れざるべし\n\nこれらは絶対の法律ではなく、守る事を推奨される倫理に過ぎない。\nまた、弟子もその意味を最初はよく理解できないだろう。\nしかし、師としての魔法使いは弟子にこの意味を良く教え、弟子の疑問や悩みに答え、教え導いて育てていく。\n\n弟子は師の信頼に応え、その教えを学び、考え、噛みしめ、経験と共に理解して自分の血肉へと変えていく。\nすぐに善き魔法使いになることはできないが、時間をかけてそこにたどり着けるよう、日々進むのである。",
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                          "title": "真伝二の教え:適量の魔力を扱う技術",
                          "description": "高度な魔法を覚えるにあたって、まず上手く扱える魔力の量を増やしていく修行を行う。\n主に魔力触媒から引き出す魔力の量を適切に調節できることが大事なので、求める結果に応じた魔力の消費量を詠唱における定義ないようごとに正しく理解し\n細かい仕様状況に応じた魔力の必要量をより細かく正しく覚えていく。\n魔力の必要量を測る『感覚のものさし』をより細かいものへと入れ替え、想定した魔法使用状況ごとに合わせた必要魔力量の計算を何度も何度も反復して行う事で、\n必要なときに一々意識して魔力量を計算する事もなく、即座に回答を導き出して行動に移せるように身につけていく。\n",
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                          "description": "長い修行の中、心を鍛える事も怠ってはならない。\n\n物事のうち、何が正しくて何が間違っているのかを判断するには、まず状況を理解するための知識がいる。\nそのため魔法の修行時間の中の少なくない割合は勉学に使われており、魔法に関係のあることもないことも、\n広い世界についてより多くの知識を学んでいき、そしてそれらバラバラだった知識達が、実は繋がっているという事に考え至る。\n言語も、歴史も、軍事も、経済も、数学も、全ての知識は相互に繋がっていて、世界という大きな枠組みの中の一つの欠片なのだという事、\n自分自身もその欠片の一つであり、同時に自己があるからこそ世界を認識できるのだという事を知る。\n\n広い世界の中の自分、という視点で客観性を意識出来るようになると、物事を多面的に見る習慣が根付いてくる。\nこれは感情に身を任せて冷静さを失うのを避ける事に繋がるし、自分と相手の考え方の違いを認識するためのクッションにもなり、問題を解決するために必要な道筋を見つける思考にも役立つ。\n同時に、本当に正しいと思う事をより高精度に判断できるようにもなるため、『なんとなく』周囲や権威に流されるといった事も減る。\n正しいと信じるやり方を通す上で、知識も冷静さも立派な武器になり、勇気の後押しをしてくれるのだ。\n\n常に新しきを知り、それについて考え、別の方向性からも考え、出た結論を別の知識と並べてもう一度考える。\nその繰り返しが、心を育てる事にも繋がっていき、育った心はいつしか『善き魔法使い』たるにふさわしいものへと形を変えている。\n",
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                  "description": "魔法使いとして認められた者は、自身の魔法を研鑽してより高度かつ安全な魔法の在り方を求めると共に、かつて自分が受けたように、周囲の子らが魔法を正しく扱えるよう育成する教育者としても活動する。\n教育者としてのノウハウは魔法使いたちにとって(伝承者の確保や人材の質の向上のため)重要であるため、魔法使い同士で共有され、よりよい教え方が模索されていく。\nいずれ優れた弟子を育て、一人前の善き魔法使いとすることが魔法使いの目標の一つとされる。\n自身の研究を弟子に伝承し、世界との調和を保ちながらより効果的な魔法を使っていける魔法使いが育っていくことを目指すのである。\n\nまた、有事に魔法が求められた際は、国の要請に従って問題の解決に力を提供する事が義務とされている。\nそれは戦力としてであったり、知恵と知識に優れた助言者であったりと、形は様々。\nなお、軍務に魔法使いが就く事となる場合、統率のとれた活動のためや殺傷を伴う活動のための追加訓練が(給与対象の職務として)行われ、\n軍事行動のプロとしての責任を果たせる能力が認められてから実戦に赴くこととなる。\n\n",
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              "title": "魔法の効果設定調整",
              "description": "発動する魔法にどういった効果調整や挙動制御のコマンド呪文を付加するかを素早く判断しなければならない。\nとりわけ軍用に使われる魔法の発動には素早さを求められる事から、使用する制御コマンドは用途の多いものごとに組み合わせておくことが重要となる。\n術式の挙動を安定化させたり、事故を防ぐための安全装置的な機能を果たす制御コマンドは原則として常時使われるが、\nオプションとして付加する制御コマンドの組み合わせの例としては以下のようなものがある。\n\n『射程5/100』+『効果量90/100』+『持続性90/100』=すぐ近くの対象に大きい効果を与える(魔法治療など)\n『射程70/100』+『弾頭速度80/100』+『弾頭分割2*2*2』=射撃レンジの対象に多弾頭化(8発)した魔法を投射して命中精度を上げる(攻撃魔法など)\n『軌道変化一回』+『範囲80/100』=曲射および範囲を対象とした魔法効果を付加する(範囲攻撃魔法化)\n『射程15/100』+『効果量20/100』+『持続性15/100』+『範囲2/100』=狙った箇所に対してピンポイントにだけ魔法の効果を発揮させる(精密作業など)\n\n※射程、効果量、持続性、魔法弾頭速度、効果範囲といったパラメータを1~100の範囲で指定し(指定がなければ50として扱われる)調整する他、追加の挙動を魔法に付加できる。効果が大きければ大きいだけ魔力の消費は大きい。\n※使う魔法の種類によって数値50時の効果設定は異なるが、基本的に射程は設定値をそのままm換算、持続性は『設定値/60』秒とされる。範囲や効果量、速度は魔法の種類や規模によって大きく変動する。\n\n組み合わせごとによく使う状況があるため、訓練によって習熟すれば、同じ魔法であっても多種多様な効果を得られうる。\n",
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              "title": "呪文の素早い詠唱",
              "description": "使う魔法とその制御設定が決まったならば、その呪文を素早く詠唱して発動までにかかる時間を減らさなければならない。\n通常、魔法使いとして公的に認定された術者であれば、基礎魔法の詠唱に平均して3秒、中位魔法の詠唱は15秒程度の詠唱で可能とする。\n実践でこれだけの速度を維持できるとしても、詠唱が素早くなればそれだけ時間や状況のロスを防ぐ事ができるため、呪文詠唱の修行は魔法使いの日常である。\n",
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              "title": "魔法の発動と後処理",
              "description": "確かなイメージと共に詠唱を完了させれば、魔法は設定した通りに発動して効果を発揮する。\n正しく魔法が使えたのであれば、後はその結果に合わせて次の行動に移り(攻撃後に遮蔽を取る、治療後に患者の経過を観察する等)、\n目的を果たすために活動を続ければよい。魔法は目的ではなく手段の一つなので、魔法の発動が狙った通り成功する事が当然にならなければ、魔法使いと呼べないだろう。\n\nもし万が一、魔法の発動に失敗し、誤った効果を発揮させてしまった場合、魔法使いは周囲の魔法使いから協力を得て、誤った効果の魔法が事故を起こさないよう対処する必要がある。\n効果が霧散するだけならばよし、周辺に被害を引き起こそうとするならば、解呪して効果を打ち消さなければならない。\nこの時、失敗によって冷静さを失う事のないよう、心を鍛えておくのも魔法使いの修行の大切な一つだ。",
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