シフトルールって何?

前説

 アイドレスsystem4はターン制で処理されるゲームです。
 1ターンの中にはウェーブフェイズと呼ばれるものがあり、ここでは難易と共に提示されるイベントに対して、その難易以上の評価を持つアイドレスを提出してイベントをクリアする、という流れでゲームを進めます。
 単純な例としては次のようになります。
イベント:敵を倒せ:難易5

提出アイドレス:剣士 評価6 剣術を使って戦う
→評価が難易を超えているので、クリア!
 しかし、ウェーブフェイズで提示される難易は、非常に高いものが出てくることがあります。
イベント:緊急医療:難易40
 とかそういう奴です。
 このイベントをクリアするには最低でも評価40が必要となりますが、これはRD換算で11057333というべらぼうな数字であり、真っ当に部品を書いてアイドレス作ろうとすると文字に溺れて死にます。

 これに対処するために用意されているのが、評価のシフトルールです。
 このページはシフトルールの解説を目的として作られました。

シフトルールって何?

 シフトルールは、基本的に次のようなルールです。
  • 主として判定をクリアするためのアイドレスの評価値、これを主評価とかメイン評価とか呼ぶ。
  • メインとなるアイドレスが判定をクリアするために寄与できる別アイドレスの評価値、これをシフト用評価とかサブ評価とか呼ぶ。
  • メイン評価とサブ評価の差分が4以下であれば、メインの評価に+5のシフトがつく。差分が5,6,7……と増えるに従い、シフトは+4,+3,+2……と減っていく。ただし最低でも+1はつく。
  • サブ評価によるシフトは、最大で5つまでかけられる。2つ目以降のシフトについても、最初のメイン評価を基準に計算する。
  • シフトで伸ばせる評価は、メイン評価の2倍まで。
 文字だけを見て、ぱっと理解できる人にはこの解説ページはいらないので、最後の方にある「低評価帯でのシフトルール」だけ見てもらえばオッケーです。
 ですが、まあ解説ページなので個別の説明にもう少しお付き合いください。

メイン評価とサブ評価

 メイン評価は、提示されたイベントのクリアに有効なアイドレスとして提出する必要があります。
「敵を倒せ」というイベントに「医者」のアイドレスを提出すると、いくら評価が高くても敵は倒せません。
 医者が持っているのは治療する能力であって、戦闘する能力ではありません。
 敵を倒すイベントには、歩兵や剣士といった、敵を倒す能力を持ったアイドレスをメイン評価として提出する必要があります。
 対してサブ評価は、イベントのクリアに直接有効でなくとも、メイン評価をサポートするアイドレスとして提出できます。
 例を見てみましょう。
イベント:たくさんの敵を倒せ:難易15

メイン評価:剣士パーティー 評価10 メンバーが連携して剣術で戦う
サブ評価:医者 評価6 負傷した剣士を治療する
10-6=4で差分が4以内なのでシフト+5
10+5=15で、難易以上の評価なのでクリア!
 このように「敵を倒せない医者」であっても、「メインで戦う剣士を補佐する」サブ評価として提出することでシフトをかけられます。
 サブがメインを助け、メインがイベントをクリアする、という関係です。
 例えば、イベントが「病院で怪我人を治療する」であれば、医者のアイドレスをメイン評価として出せるでしょう。
 しかし、サブ評価に剣士を出しても上手くいかない可能性が高いです。
 薬剤師や看護師といったアイドレスの方が、違和感なく医者をサポートできるはずです。
 もちろん、場所が野戦病院であるとか、医者に護衛が必要な状況であれば剣士をサブ評価として出せるかもしれません。
 まずはじっくりと、イベントで提示された問題を解決するイメージをしてみましょう。

メイン評価とサブ評価の差分が4以下の補足

 これは基本的にサブ評価の方がメイン評価よりも低いだろう前提からで、メイン評価が15、サブ評価が25とかいった場合でも発生するシフトは+5のはずです。
 ただ、こういう場合はサブ評価の方をメイン評価として提出できる別のイベントを待つなりした方が良いかもしれません。
 また、差分が9以上になっても+1はシフトする、というルールがありますが、メインとサブの評価差が20とか30とかあると、爆発するかもしれない、という予測が出ています。
(ルール的には可能だけど、実際を考えると超強い味方の足を引っ張るのが横でちょろちょろしてるだけ、と判定される可能性がある)

シフト限界の狙い方

「シフトが最大で5つまで」というルールと、「メイン評価の2倍までしかシフトできない」というルールがあることから、実質的にプレイヤーが用意できる限界は
メイン評価:25
サブ評価:21を別々に5つ
 から構成される、25+(5×5)=50が最大となります。

 また、シフトはメイン評価の2倍が限界というルールから、メインが評価15の場合、シフトで狙える限界は評価30となります。
 しかし、5つまでシフト可能なので狙い方は複数考えられます。
 歩兵部隊の戦闘行為を例に出します。
メイン評価:歩兵部隊 評価15 戦闘行為を行う
サブ評価1:医療部隊 評価11 負傷者を治療して支援する
サブ評価2:砲兵部隊 評価11 歩兵の戦闘行動に砲撃支援を行う
サブ評価3:兵站部隊 評価11 糧食や弾薬、燃料を過不足なく集積・配布する

15+5+5+5=30

メイン評価:歩兵部隊 評価15 戦闘行為を行う
サブ評価1:医療部隊 評価9 負傷者を治療して支援する
サブ評価2:砲兵部隊 評価9 歩兵の戦闘行動に砲撃支援を行う
サブ評価3:兵站部隊 評価9 糧食や弾薬、燃料を過不足なく集積・配布する
サブ評価4:整備部隊 評価9 歩兵や砲兵の装備を整備して戦闘行動を支援する
サブ評価5:通信部隊 評価9 通信部隊によるオペレートにより作戦行動を支援する

15+3+3+3+3+3=30
 評価11を3個用意するとRD的には250くらい。
 評価9を5個用意するとRD的には200くらい。
 部品を書く労力としては低評価を集めた方がおいしいけれど、部隊の管理的には高評価を集めた方が楽だったり、そもそも手札に高評価のアイドレスしかなかったりもします。
 どういった部隊をどれくらい編成してほしいか、という編成フェイズでの戦略指示が、ウェーブフェイズではとても重要になってくるわけです。
 藩王や摂政の胃袋に穴が空かないか心配です。

同じ機能のアイドレスは分けられない

 メイン評価とサブ評価、サブ評価と別のサブ評価は、必ず別の機能を持っていなければなりません。
 例えば、次のような提出はできません。
メイン評価:剣士部隊 評価15 伏兵部隊を信じて敵陣への中央突撃をはかる
サブ評価:剣士部隊 評価11 伏兵として森の中に伏せ、最適のタイミングで横合いから突撃をかける
 この場合、剣士部隊は必ず一つにまとめてしか提出できません。
 評価15 RD438と評価11 RD87で、合計RD525で変わらず評価15なので、次のような提出になります。
メイン評価:剣士部隊 評価15 伏兵部隊を森に伏せ、本体は中央突撃をはかる。伏兵もタイミングを見て攻撃を仕掛ける
 評価20を目指す場合、これでは失敗となってしまうため、別の方法を考える必要があります。
 もちろん、同じような作戦で合っても、弓兵部隊や騎馬部隊を用意できれば、最初の提出方法でシフトをかけられます。
メイン評価:剣士部隊 評価15 伏兵部隊を信じて敵陣への中央突撃をはかる
サブ評価:弓兵部隊 評価11 伏兵として森の中に伏せ、最適のタイミングで横合いから斉射を行う

低評価帯でのシフトルール

 ここまでのルールを読んでいて、聡い人は気がついたと思うのですが、次のような部隊提出を考えつくはずです。
イベント:敵を倒せ:評価10

メイン評価:剣士 評価5 剣を使って敵と戦う
サブ評価:投石兵 評価1 剣士を支援するように拳大の石を投げる
 メインとサブの評価差は4で、別の機能を持ち、敵と戦うという目的にも合致している。そして評価5の2倍である評価10までシフトできる。
 つまり、評価5にシフト+5で評価10で突破だー! ……とは、なりません。
(正確には芝村さんからエラッタが出てルールが修正されました)

 ここまで説明したシフトルールが適用されるのは、メイン評価から-4したサブ評価が6以上ある場合に限定されます。
 実質的には、大量のシフトを狙う場合はメイン評価10とサブ評価6の組み合わせから、と覚えておいてください。
 これよりも低い評価帯で、サブ評価を出してシフトをつけた場合はその評価差に関わらず+1のシフトとなります。
 なので、例で出した剣士と投石兵の場合は5+1で評価6となり、クリアできません。無念。

イラスト補正は別枠

 重要なポイントとして、イラストによる評価補正は、ここまで説明したシフトルールとは別にかかります。
 シフトルールとは別なので、メイン評価の2倍までや、シフトは5つまでといった限界にも引っかかりません。
 メイン評価は18しか用意できないけど難易40のイベントをクリアしなければならない、そういう限界ギリギリの戦いで、最後の一押しをできるのも、イラスト補正の強みです。

終わりに

 ここまでのルール説明は2017/09/30時点でのものです。
 解説ページを読んだ時期によってはルールの明確化や修正によって、変化が出ているかもしれません。
 また、この解説ではよく分からない、解消されない疑問点などもあると思います。
 どうぞお近くのアイドレスプレイヤーに訪ねてみてください。私にお声かけくださっても構いません。
 あとルールの理解ミスなど見つけましたら、ご指摘をお願いします。
 それでは、長文にお付き合いいただき、ありがとうございます。

文責:佐藤ぶそあ

タグ:

佐藤ぶそあ
最終更新:2017年09月30日 20:00