「ドラえもーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!!」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「……」
――――かつて、一人の少女が「研究所」の中から脱走した。
彼女は、これまで研究所内で絶対の軟禁状態に置かれていたが、ある時、その防衛線を突破してしまったのだった。
それまで彼女は、衣服を纏う事さえ許されず、代わりに金属の拘束具で覆われ、両手両足を鎖で繋がれ、核シェルターのような厳重な研究室に「保管」されていた。
そう、彼女には人権など与えられていなかった。
人とほとんど同じ形をしているが、「ある一つの性質」が彼女を閉じ込める尤もな理由となり、その性質がこのまま彼女を死ぬまで縛ろうとしていた。
――しかし、そんな窮屈な生活から、彼女は野に放たれたのである。
それは、「自由」であったが、彼女が明るい顔でその自由を謳歌する事など無かった。
彼女の心に芽吹いていたのは、人間への憎しみと、常軌を逸した殺人能力。
それらは結果的に、彼女は多くの人から笑顔を消し去る為に振りかざされた。
故に、彼女はそこに閉じ込められ続けなければならなかったのだ……。
警備員、研究員……何百人もの人員による警戒態勢が取られ、対処の為のマニュアルも作られていたが、その全ては徒労に過ぎなかった。
脱走した彼女は、背に生えた四本の『視えない手』で、人間の身体を貫き、破り、ばらばらに撒き散らしていった。
警備員たちは、銃を取ったが、これも全て無駄弾だった。
金属の弾丸は壁と床に落ちていくだけだ。
それらは全く効力を成さず、代わりに、引き金を引いた者たちの首が切り刻まれていった。
何十人もの命が、彼女の手で、床を血みどろに汚していった。
空の薬莢と、血の海と、運が良かった数名の研究員だけが、その隔離施設に残っていた。
彼女は、十何歳かの少女でありながら、生粋の殺人鬼だった。
それも、人間の手に負う事の出来ない、怪物じみた力を持つ――そんな、猛獣のような殺人鬼だった。
そして、人間は、そんな、怒らせてはならない殺人鬼の憎悪の業火に、膨大な油を注いでしまったのである。
“ルーシー”
彼女は、研究所でそう呼ばれていた。
それは彼女の本当の名前では無かったが、父に捨てられた彼女に本当の名前は要らなかった。
いや、それを呼ぶ者がもうこの世のどこにもいなかったのだ。
だから、彼女は、「■」という本名を棄て、“ルーシー”となった。
その性質から、親にも、友にも、愛される事なく……。
心の支えとしたものは、奪われるか、裏切られ……。
新人類“ディクロニウス”のルーシーは、角の生えた外見から、どこにあっても、侮蔑と排斥と差別と攻撃だけを受けてきた。
虐げられた者たち、捨てられた者たち、抜け出せない地獄にいる者たち……そんな人間たちでさえ、ルーシーの傍にはいなかった。
そう……彼らが自分より下の存在を探した時、そこにあったのがルーシーだったのだ。
故に、ルーシーは、この世の誰からも酷い扱いをされて今日までを生きてきた。
「――」
その果てに、彼女にあったのは、目の前の人間を殺し尽くすだけの悲しい殺人鬼としての人格だった。
これ以上ないほどにディクロニウスらしい性格を見せ続ける、無慈悲な怪物だった。
彼女も生まれ落ちた時からそうありたかったわけではない。
普通の少女として産み落とされたならば、彼女は誰かに愛されただろう。
しかし、そうはならなかった。
「――――」
そして――かつて彼女が起こした連続殺人と、全く同じ事が、この東京でも起きていた。
赤黒い鮮血の上に立つ、白い肌の何か。
そう、それは――人間を憎み、人間をほとんど無差別に殺す、冷たい瞳の少女……。
十五人分のバラバラ死体を見下ろしながらも、息一つ切らす事がない。
それは、人を殺し慣れた少女。
彼女は、『狂戦士』そのものだった。
この世に現れた時もまた、その遺伝子の声は、彼女に人を殺せと囁き続けた。
抗おうとしても、その憎悪に抗えない。
それがこのクラスで呼ばれたが故の、彼女の苦痛――。
『――――――■■■』
大事な人の名前を、いくら思い出そうとしても……。
彼女の背に生えた、『視えない手』は、今もまた、目の前の人間を殺してしまう……。
それが、このクラスで呼ばれた彼女の性質だった。
しかし、そんな彼女の心には、不満がよぎる事は無かった。
こうなった彼女がサーヴァントとして野に放たれたという事は、何れ、またかつてのように死体の山が築き上げられる……という事に違いない。
暴走し、殺戮を始めた彼女は、『彼』の住む町にも近づいていた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
【2日目】
――練馬区月見台すすきが原。
この現代、『都心』というイメージを確立した東京都において、まだ何処か田舎の輪郭を残しているのが、この町であった。
信じがたい事に、町の中央には、今時珍しい裏山があり、ここには、自然が未だ多く残っている。
時折、近所の子供たちの遊び場にもなっているのだが、多くの子供は空き地や広場を使うし、普段は裏山には誰もいない。
だから、彼――野比のび太は、辛い事があるとこの裏山に来て、ただ一人、ぼんやりと街を見下ろしたりしていた。
ここには、大事な友との思い出もいくつかあった……だからだろう。
ここがいくつかの冒険の入口になった事も、ある。
しかし、その友はもういない。
(ドラえもん……)
放課後、こうして夕暮れの街を見下ろしていると、嫌な事も忘れられる。
その鈍くささや頭の悪さから、普段、学校で友達にいじめられているのび太には、忘れたい事も数えきれないほどあった。
今日も、いじめっこの「ジャイアン」と「スネ夫」の二人に、いじめられた。
それを全て、一度忘れて、時には涙を流しそうになりながら、ここでぼーっとする。
しかし……それを忘れていたならば良い。
彼が、今日まで、実際に忘れていたのは、こんな悲しい毎日の事ではなく、決して忘れてはならない事だった。
そう、たとえどうあっても忘れてはならない、友との思い出と約束。
(どうして、君の事を忘れていたんだろう)
のび太はここ暫らく、ある親友の事を、すっかり忘れて生きてきた。
信じてくれる人がどれだけいるのかもわからないが、彼のもとには、22世紀からタイムマシンに乗ってやってきた、ドジなネコ型ロボットの友達がいたのだ。
その名前が、「ドラえもん」だった。
ネコ型ロボットというが、青い肌で丸っこく太っていてチビで、よくタヌキに間違えられる、そして、どこか愛嬌さえ感じさせるのび太の良き友人……それが、ドラえもんだ。
未来の世界の道具を持ち、それを使って、ダメなのび太を助けてくれる……。
のび太がだらしがないばかりに、子孫たちまで困っているので、のび太を矯正して未来を変える――それがドラえもんの使命だったのだ。
これだけ言うと、まるで本当にロボットのようだが、ドラえもんもまた、人間のような感情を持ち、人間のようにダメな所をいっぱい持っていた。
だから、のび太は彼と共に暮らしていく中で、自然とドラえもんに愛着が湧いていったのだ。
何をするにも、いつも彼と一緒だった。
喧嘩も何度もしたし、一緒に遊んで、冒険もした。
いつの間にか、のび太とドラえもんの関係は、主とロボットでも、子供と保護者でもなく、大切な親友のようになっていたのである。
親にさえ、「まるで兄弟のようだ」と言われる、二人はそんな親友だった――。
なのに。
(君との日々は、あんなに楽しい思い出ばっかりだったのに……)
……今日まで、忘れていた。
ふと、今日、いつものようにジャイアンとスネ夫にいじめられて帰ってきて、思わず口に出してしまった言葉――それが、「ドラえもん」という助けを呼びかける声だった。
それは、心の奥底に刻まれていた、かつての日常を思い起こさせる言葉であった。
その一言とともに、全ての記憶が糸を紡いでいくように思い出し、少年は今、ここにいる。
……つまり、その瞬間まで全てを忘れていたのである。
(ドラえもんの事も、大人になったら、忘れちゃうのかな……)
たとえ、九九を忘れても、漢字を忘れても、絶対に忘れる事のないような共に暮らした親友の事を、忘れるなんて……。
いじめられた事よりも、自分がドラえもんの事を、全く忘れていた事がショックだった。
それが大人になっていくという事のように感じられて、のび太は少し憂鬱気味にここにいた。
それに、いくら忘れていたからと言って、ドラえもんに助けを求めようとした自分もまた、情けなかった。
(――……)
かつての、ドラえもんとの約束。
それを、ゆっくりと息を吸い込んで、目を瞑りながら、のび太は思い出す。
彼との笑顔の約束を、もう忘れる事のないように。
『ドラえもん……心配いらないよ。
宿題も、おつかいも、一人でやる。
部屋の片づけだって、ちゃんとできる』
『ジャイアンやスネ夫にいじわるされても……?』
『平気だよ、やり返しちゃうもん。
なんでもかんでも、全部、全部、全部……!
一人でちゃんとやる、やれるからさ!
……だからさ、ドラえもん。安心して、未来に帰って……!』
ドラえもんはとうに未来に帰ってしまったが、のび太は、ドラえもんなしでも強く生きていく事をかつて、約束した。
もう一人で、立ち上がれる。
ドラえもんに心配をかける事なんてない。彼に心配をかけさせたりしない。
遠い未来の世界で……この現代から繋がっているはずの未来のどこかで、のび太をきっと信じてくれているドラえもんの信頼に応える。
その為に、もう二度と、困った事があっても、ドラえもんの事を呼んではいけない。
そう思っていたのに、気づけば、こうしてドラえもんの事を頼ってしまっていたのだ。
もう、こんな風ではいけない。
(……)
塞ぎこむという程ではないが、落ち込んで体育座りしていたのび太。
そんな彼の背中に、――少女が忍び寄っていた。
血まみれの衣服で、二本の角を頭に生やした、少女。
彼女は、この練馬区内で十五人もの人の人間を殺してから、この裏山に逃げ込んでいたのだ。
この近辺には、血の海と、ばらばらに刻まれて原型をとどめない遺体が転がっている事だろう。
何者かの『サーヴァント』となり、『狂戦士』として人間を殺していた彼女は、既に自らのマスターを探していた。
……だが、そのマスターでさえ、時に、殺すかもしれない。
それが、人間全てを憎んでいる『ルーシー』の本質だった。
人間への憎しみが……、彼女の、「内」に――。
「――にゅう!!」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「――……にゅう?」
のび太は、不意に背後からかかった声に振り向いた。
心臓が飛び出るような感覚であったが、振り向いた先には一人の少女がいる。
少女といっても、小学五年生ののび太からすれば、何歳も年上で、「お姉さん」という感じだ。
肌は恐ろしいほど白く透き通っていて、美人であったが、頭には何故か二本の角が生えていた。
しかし、のび太はあまり角の事は気にしなかった。
「えっ、……うわあっ!」
その少女の衣服が、膨大な鮮血によって汚されていた事の方が、ずっと目についたのだ。
少女はニコニコと笑っているが、気の弱いのび太からすれば、失神しても全くおかしくない光景である。
その血というのも、交通事故にでも遭ったかのような、殆ど服の全てが血塗りといった有様だ。
一人で裏山にいる時に、こんな少女に出会い、驚き、恐怖を抱かない筈がない。
そういえば、この東京のどこかで殺人事件が発生していたらしいが、のび太は思わずそれを連想した。
もしかすると、この近くの出来事だったのかもしれない。
一瞬、のび太の背筋に鳥肌が走る。
「にゅう!」
だが、不思議がるのび太に対し、少女は、鳴き声のように、満面の笑みでそう繰り返した。
少女は、無邪気であった。歪んだ笑みではなかった。無垢、と言い換えても良い。
のび太より年上であるものの、まるで赤子のようである。
どこか不安そうに彷徨っていたところで、人間を見つけた――故に、安心しているようだった。
「……」
のび太は、しばらく愕然として動けなかったが、彼女が血まみれでありながら、何もしてこないのをすぐに理解する。
それに、武器や凶器のような物を持っている様子は無い。
おそらく、殺人鬼の側ではなく――危害を被った側、の感じがした。
つまり、危険な状況からどうにか生きて逃げてきた女の人……という事だ。
のび太は、気を失いそうなのを必死に堪えて、彼女におそるおそる訊いた。
「も、もしかして、お姉さん……怪我してるの?」
「にゅう?」
「だ、大丈夫? まさか、ニュースでやってた殺人鬼に――」
しかし、「にゅう」とだけ鳴く彼女は、全く、質問の意図を理解していなかったらしい。
どのくらい怪我をしているのかわからないが、彼女がそれから何か身体を痛めているような素振りを見せる事はなかった。
とはいえ、のび太の頭は、そんなに冷静に働かない。
「……そうだ! とりあえず、僕の家に来ようよ!
お姉さんを襲った人が、この近くにまだいるかもしれないよ……!」
本来なら警察や病院へ行くべきかもしれないが、彼はそうしようとしなかった。
それというのも、これまで彼の家には、警察や病院よりも便利な相談相手がいたから、その頃からの癖なのだろう。
現在はドラえもんは家にいないとはいえ、それでも冷静に対処してくれる身近な大人がいるのは家だ。
「ほら、急ごう!」
「にゅぅ……?」
すぐに、彼は「にゅう」の手を引いた。
そして、困惑している彼女の手を引きながら、のび太は慌てて裏山を降りていく。
――近くに殺人鬼がいるかもしれない。
このお姉さんも襲われたのだ。それなら、すぐに、一緒に大人の人たちがいる街に逃げないと。
たとえ近くに殺人鬼がいるとしても、この人を見捨てるわけにはいかない。
この手を放して走れば、もっと早く山を下りる事ができるかもしれないが……。
「……にゅう!」
……そうして走っていると、ふと、彼女は突然立ち止まった。
のび太の足が突然止まり、身体が後ろに引っ張られた。
「うわあ!」
彼女の力は強く、また、体重もそれなりに重く、子供ののび太が易々と手を引ける訳ではなかった。
彼女は、のび太に手を引かれて行こうとはしなかったのである。
頑とした意思でそこにとどまろう、という程ではないようだが、嫌がって大きな声を出し始めた。
「にゅう! にゅう!」
相変わらず、言葉は「にゅう」だけだったが、何かを訴えているようだった。
それを感じて、のび太がふと見てみると、彼女は、小さな繁みを指さしていた。
今度は繁みの方に目をやった。
すると、そこで、小さく、何かが動いたのだ。
「あそこに何かいるの……?」
――彼女を襲った悪いひと、だろうか?
いや、そんな訳が無かった。
殺人鬼は刺青の大人の男性、だった筈だが、そこにいるのは明らかに、小さな動物のようだ。
それで少しほっとする。
「……わんっ」
直後に繁みから姿を現し、走り出してきたのは、殺人鬼などとは縁遠い小さな柴犬である。
「な、なんだ犬かぁ……」
肝が冷えたとはまさにこの事である。
柴犬は、のび太たちの方に走り寄って来る。
あまりに小さな柴犬で、のび太は向かってくるそれをそのまま抱き寄せた。
犬の首には、赤い首輪がついている。
「うわあ、可愛い犬だなあ。きっと、飼い主とはぐれちゃったんだ」
人懐っこく、すぐにのび太の頬をぺろぺろと舐めてくる。
のび太も動物は好きだった。
そんな姿を見て、少女はニコニコと笑っている。
「にゅう!」
と、そんな時に、のび太は彼女の頭に目をやった。
犬の耳と見比べるように、のび太は女性の頭を見つめた。
犬の耳、女性の頭、犬の耳、女性の頭……交互に目をやり見比べた。
「……うん? そういえば、お姉さんも頭に耳が生えてるね。
うーん、ちょっと変わってるよ、それ」
今更、少女の頭のツノに気づいたのび太である。
彼女も、のび太が何を見ているのか理解して、困惑気味に頭のツノに触れた。
「にゅう?」
「あっ、ごめんね。耳が四つある人なんて、珍しいから。
……でも、僕の友達なんか、ネコなのに耳が無かったんだよ。
変だけど、すっごく良い奴だったんだぁ……」
しかし、のび太は少女の特異な身体的特徴を、あまり気にしていない様子だった。
少し不思議な事を、あっさり需要できるというか、「凄く変」だと認識できない程おおらかすぎる性格だったという事だろう。
そうしていると、ふと、少女がじっとのび太の顔を眺めている事に気づいた。
そういえば、ここに逃げてくるまで、彼女に自己紹介もしていない。
だから、困惑しているのだ。
「あ、そうだ。僕は、野比のび太だよ」
「ノビ……ノ、ビ、タ……?」
「うん! お姉さんは?」
「にゅう!」
「にゅうじゃわかんないなぁ」
「……にゅう」
「……あ、そうか! もしかして、『にゅう』っていう名前なんだ!」
「にゅう!」
彼女は、相変わらず満面の笑みで返した。
つまり、彼女の名前は「にゅう」で合っているらしい。
言葉は伝わっていないようだが、ジェスチャーで何となく会話が伝わっている。
動物になつかれやすいのび太は、そのまま、動物のようなこの少女になつかれやすいというようだ。
「――って、こんな話をしてる場合じゃないよ!
さあ、急ごう、にゅう!」
「にゅう!」
「わんっ」
犬を抱いたのび太とにゅうは、そうしてまた、山を下りる為に駆け出した。
――――――のび太は、その手を握っている相手が、この練馬区で十五名を殺害した殺人鬼である事など、まだ知る由もない。
【CLASS】
バーサーカー
【真名】
ルーシー/にゅう@エルフェンリート
【パラメーター】
筋力B 耐久C 敏捷D 魔力D 幸運E 宝具EX
【属性】
混沌・中庸
【クラススキル】
狂化:C-
耐久と幸運と魔力を除いたパラメーターをランクアップさせるが、「DNAの声」に乗っ取られやすくなる。
また、常時も「ルーシー」、「にゅう」、「DNA」の三種の人格が変動し、情緒は安定しないと言える。
更に、ルーシーの状態での人間への憎悪も、克服した分や抑えた分も含め、『狂戦士』のクラスで呼ばれた為に高まっており、抑えづらくなっている。
ただし、それは彼女が新たに触れる人間によっては左右されるかもしれない。
【保有スキル】
二觭人:A
新人類「ディクロニウス」。
卵ほどの大きさに発達した松果体、二本対の角の特徴を持ち、ベクターと呼ばれる見えない複数の腕を持つ。
彼女のベクターは、射程が2mと短いが、異常な筋力を持ち、人間の四肢を容易く引きちぎり、手刀で切り刻む事が出来る。
また、ディクロニウスは人類への憎悪と情愛を同時に持ち合わせており、『狂戦士』のクラスで呼ばれた場合、憎悪が情愛に勝りやすくなる。
遺伝子の声:A
人類を絶滅させる為の人格。
ルーシー、にゅうの二つの人格に加えて発現し、人類滅亡の為に動き出す。
狂化が進むとこの人格に乗っ取られ、他者への無差別な殺害を始める。
治癒細胞:B
宝具を用いた治癒機能。
細胞と細胞を繋ぐ事で相手の身体を治癒する。
気配遮断:(C)
自身の気配を消す能力。
完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。
本来はアサシンのクラス特性だが、バーサーカーの場合、「にゅう」の人格に移った場合に自動的にこのスキルが付与される。
ただし、「にゅう」の人格の際に戦闘をするのは困難であり、暗殺や偵察等の為に使用する事はまず出来ない。
【宝具】
『視えない手(ベクター)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:2~ 最大捕捉:1~
ディクロニウスである「ルーシー」が持つ背中の「透明な手」。
通常の状態では人間に見ることはできないが、波動が強いときに限り視認できるようになる。
高周波による微振動を発生することで物を切断することが可能となり、人間の殺傷などに用いることができ、多少熟練すると外傷なく内部の血管のみを引きちぎって殺害することも可能。
応用として銃弾、爆風などの物理攻撃をそらせることもできるが、鉄球など質量が大きく運動量の高い攻撃はそらしきることができず、減速してダメージを抑えている。
また、同じ宝具を戦わせる場合は防ぐこともそらすこともできないが、互いに掴むことはできる。
力が強ければ物理的に人類を滅ぼす事が可能だが、細胞同士を繋ぐ力を使っているためあまりに使いすぎると自身の体組織が崩壊してしまう。
ルーシーの射程距離は、通常は2m~5m程度であるが、狂化によって宝具が暴走した場合、射程距離は無限に伸び、最高で宇宙までも伸びる(ただし、前述の体組織崩壊や多大な魔力消費はある)。
『妖精の奏でた哀歌(エルフェンリート)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
ルーシーの持ち合わせる、微かな理性。
人間を憎悪する彼女がこれ以上憎悪する事のできない相手に齎される、心の揺らぎ。
その不幸な生い立ち故に人間を憎悪するようになった彼女は、この宝具がある限り、他人を愛する心を思い出す事が出来る可能性を常に持ちうる。
この宝具は、形を持たず、ルーシーの理性が芽生えつつある時、「歌」として口ずさまれる。
そして、もしかしたら、この宝具によって、彼女の『バーサーカー』としてのクラスから別のクラスへのクラスチェンジできるかもしれない。
【weapon】
『視えない触手(ベクター)』
【人物背景】
現人類を絶滅に追い込むことのできる新人類「ディクロニウス」のオリジナル。唯一生殖機能を持った個体。
研究所を脱走した際に頭部に受けた衝撃が元で人格が分裂、「にゅう」の人格が生まれる。
それ以来、頭部に衝撃を受けると「ルーシー」の人格と「にゅう」の人格が入れ替わるようになる。
ルーシーは、冷徹非情に人を殺す殺人鬼の人格であるが、にゅうは、赤子のように無邪気で「にゅう」以外は単純な言葉しか話せない。
ルーシーは、幼くして父親に捨てられた後、養護施設で幼少期を過ごした。
角のせいで他の子供達に虐められ、やがて内緒で飼っていた犬をいじめっ子に目の前で殺されたのをきっかけにベクターが発動し、施設の子供達を惨殺し逃走。
その後は人を殺して一夜の宿を得たりしながら彷徨っていた。
本編開始の8年前に鎌倉へ家族で遊びにきていたコウタと出会い、初めは彼を拒絶していたが、自分の角に偏見を持たないどころか「かっこいい」と評価し一緒に遊んでくれたコウタに心を開き、彼に好意を抱くまでになった。
だが、夏祭でユカに抱きつかれているコウタの姿を見た際コウタに裏切られたと勘違いし、ここで初めてDNAの声に従ってその場にいた無関係な人々を殺害。
更にその後、帰りの電車に乗っていたコウタの前に現れ、コウタの目の前で彼の妹と父親を惨殺してしまう。
しかしコウタへの想いは長年持ち続けており、それが最終的にはDNAの声に逆い自らを滅することに繋がった。
その後は研究所に捕らえられ数年間厳重に拘束されていたが、角沢教授の画策により移送中に逃亡し、「にゅう」の状態でコウタと再会する。。
ルーシーは無差別に殺害を行う存在であるものの、犬などの小動物は襲わない。
人間に対しても、時折殺害を躊躇する事がある。
【サーヴァントとしての願い】
?????
【備考】
現在の人格は「にゅう」の状態です。
ルーシーの状態で、練馬区内で15人を殺害した後、「にゅう」になって、裏山にやって来ました。
【マスター】
野比のび太@帰ってきたドラえもん
【マスターとしての願い】
なし。
(現状、聖杯戦争について理解していません)
【weapon】
『ダルマ』
亡き「おばあちゃん」にもらったダルマ。
何度倒れても起き上がる事ができるように……という約束が込められている。
野比家の押入れの中にあり、時としてのび太を勇気づける。
×『ドラえもんが現代にひとつだけ残した道具』
ドラえもんが、唯一、現代に残したひみつ道具。
ただし、これは、この世界に持ち込まれていない。
故に、ドラえもんが帰って来る事はこの世界にいる限りは、絶対にありえない。
【能力・技能】
射撃、あやとり、昼寝において史上最強クラスの腕を持つ少年。
もうドラえもん抜きでも、ジャイアンに勝つ事ができる(と、良いのだけど……)。
【人物背景】
勉強も運動もまるでダメな小学5年生。
そんな何をやってもダメで意思が弱い性格の一方で、心優しく、いざという時には勇敢な一面も見せる。
彼を教育する為に未来からネコ型ロボット・ドラえもんが派遣され、ドラえもんの持つふしぎな道具を使って、彼の人生は少しずつ変化を伴う。
そうしてドラえもんとの楽しい日常は続いていたが、ある日、突然、ドラえもんは未来に帰る事になってしまう。
最初は大事な親友がいなくなる事を拒絶し、泣いていたのび太であったが、「のび太が心配で未来に帰れない」という心配を抱いていたドラえもんの本心を知ったのび太はある決意をする。
そう、いつものび太をいじめていたジャイアンを、自分の力だけで倒し、もうドラえもんがいなくても一人前だと証明する事である。
「喧嘩ならドラえもん抜きでやろう」
「僕だけの力で、君に勝たないと……」
「ドラえもんが安心して……」
「未来へ帰れないんだ!」
何度倒れても諦める事なく、ジャイアンに挑み、そして、勝利するのび太――。
ドラえもんは、そんなのび太の姿を見ていてくれた。
その翌朝、目が覚めたら、そこにはもう、ドラえもんの姿はなく、未来と今とをつなぐ机の引き出しは、ただの引き出しになっていた……。
参戦時期は、劇場版『帰ってきたドラえもん』にて、ドラえもんが未来に帰ってから、エイプリルフールまでの間。
【方針】
この女の人と一緒に家に帰ろう。
近くに殺人犯がいるかもしれない。
候補作投下順
最終更新:2016年03月08日 22:32