――“正義”――



 これは、常に人々の羨望と不信とが、同時に向けられてきた言葉であった。

 たとえば、我が身を顧みず他者を守る事に命を尽くした存在に、一つでも心当たりがあれば、その言葉に「羨望」を抱くかもしれない。
 たとえば、国そのものが一丸となって国民に正義を押し付けた戦争に、一つでも心当たりがあれば、その言葉に「不信」を抱くかもしれない。

 どちらの側面も知りながら、「正義」という在り方に「羨望」を抱き続け、そうなろうとする純粋な者もいるだろう。
 どちらの側面も知りながら、「正義」という在り方に「疑問」だけを覚えて、言葉への不信だけに傾いていく者もいるだろう。

 いずれの考え方も誤りであり、また、正しくもある。
 二つの側面を抱えている……という事は、どちらの側面も認められるべき物であるという事であり、どちらかの側面だけを切り取られてはならない。
 しかし、その曖昧すぎる定義が故に、片方の側面に傾いた瞬間、もう片方の側面が大声をあげて自らの存在を主張する。
 この二つの側面が同居しながらに、対立を続けるのが、やがてこの言葉を巡る言論や表現の戦いにも変わっていく。
 それが、この言葉の意味があらゆる形で曲解される由縁だった。

 大昔から、「正義」の在り方への羨望が描かれた「勧善懲悪」の逸話も多くあれば、不信が描かれた書物もまたいくつもある。
 芥川龍之介の『羅生門』を中学校の現代文のテキストとして扱った人も少なくはないだろう。
 おそらく世界一有名な古典小説である、ドストエフスキーの『罪と罰』も正義の在り方を問うた。
 こんな、暴走する正義感の姿が描かれる事も、決して珍しい話ではなかった。

 娯楽としての勧善懲悪の物語の中に、時として、「正義」の在り方に一石を投じられる事もあった。
 人間を守って来た正義のヒーローは、人間の変身した怪物とも戦わなければならないのか。
 戦場に立つ少年は、殺し合う事で正義を果たさなければならないのか。
 正義という言葉に拘る事で他者を犠牲にする者は、本当に正義なのか。
 悪を断罪し続ける男は、狂人なのか正義なのか。
 そんな疑問は、子供にさえも常に向けられ続け、人々の思想の中に「正義」への不信を植え付けた。



 だが、本来、これらは注意喚起以上であってはならないのだろう。

 あくまで、それはただの問いかけであり、人がほんの少しだけ考えるきっかけである。
 これが受け手の思想を縛る答えであってはならず、問いかけられた側もまた、「答え」を出してはならない。
 この疑問を真に受けて、只、不信だけを強めて、「正義」そのものに憎悪を向けるのは、ナンセンスだ。
 正義そのものの捉え方を、酷く歪んだ、極端な瞳で見るだけでは、人はそれこそ、大切な何かを失ってしまう。

 本来ならば、「羨望」されるべき、人が目指すべき場所が「正義」であり――人はそれに辿り着くべくの努力を模索する必要があるのだ。

 この言葉の本義とは、常に「正しさ」にこそある。
 正しい道を究めようとする者の事でもなければ、それを自称して勝手に暴走した者の事でもない。
 正しい道を究めようとして、そこに至らなかった者の事でもない。
 しかし、やがて、人は「正義」という言葉の輪郭を、どこか間違って捉えるようになったのである。


 世の中には、人々には最低限守り抜かねばならない「正義」が確実に存在している。
 その在り方への憧れを失い、ただ、「正義」という在り方を批判の対象とだけ見つめるのは、人から大切な意志をそぎ取っていく行為に過ぎない。 


 他者を傷つけない。困っている者を助ける。傷ついた人を救い出す。
 誰かの涙を拭う。人の命を守る。人々の帰るべき場所を護る。
 人々にとって、大事なものを傷つける存在に立ち向かう――。


 そうした在り方は、決して否定されるべきではなく――、そして、本来ならば、より多くの人間がそれを自ずと果たそうとすべき姿なのである。
 人が目指すべき理想と、簡単な道徳の果てに、あるべき姿。
 それが、「正義」。


 ここに、「正義」そのものと呼べる男の一人がいた。
 人々と街を守り、やがて、人にも街にも信頼を返された男。



 ――名を、大神一郎と言った。





◆ ◆ ◆ ◆ ◆





【2日目】



 セイバー――『大神一郎』は、かつてこの帝都東京の住民だった。
 尤も、それはこの世界でも、マスターが住まう世界でもなく、また別の『蒸気革命』のあった『太正時代』の帝都だ。
 つまるところ、彼のいた帝都の未来がこの聖杯戦争の行われている東京という訳ではない。

 しかし、彼は何とも言えない胸の興奮の中にあった。
 町並みは、時代の際のせいもあって、少しばかり変わり、セイバーの時代には無かったような超高層ビルが林立している。
 セイバーには、それに困惑する様子はもうあまりない。

 相変わらずの発展を遂げている帝都――それを、興味深そうに見上げるだけだった。
 そう、どこか嬉しそうな横顔も残しつつ……。

 ――セイバーは、この帝都を愛していた。
 この街に襲い来る悪や災厄から、全ての人々を守り抜く使命を、胸の内に強く感じているのが、この男だった。
 事実、『帝国華撃団・花組』の隊長であった彼は、これまで、数多の脅威からこの帝都を救っている。
 たとえば、江戸幕府の復活を目論み六破星降魔陣を完成させた『黒之巣会』、陸軍による武力統治で太正維新を引き起こそうとした『黒鬼会』、自らが作り上げた都市が変わっていくのを認めなかった大久保長安。
 そんな魔の手から帝都を守りぬき、明日の帝都を作り上げてきたのが――彼だった。
 故に、再び仮初の身体を与えられて東京に降りた時、彼にあるのは素直な喜びだけだった。


「大帝国劇場――久し振りだな」


 セイバーは、千代田区丸の内に位置する観劇場――「帝国劇場」に来ていた。
 マスターの意向で、東京駅から連れてきて貰ったのである。
 まるで黒く巨大な長方形のハコのようなその建物。縦に伸びている他のビル群と違って真横に長いが、それでも一人の人間からすれば見上げるほど大きかった。

 まさしく壮観ではあったのだが、セイバーの言う「大帝国劇場」とは大きく様相が異なっている。
 これは、百年の歳月とともにその形を変えたという訳ではないようだった。

 元はと言えば、「帝国劇場」と「大帝国劇場」は、よく似た名前の全く別の建物なのである。
 それ故、この世界の歴史においては、「大帝国劇場」などという劇場は存在しない。
 つまるところ、それが、一般的な「東京」の姿と、蒸気革命によって歴史が分岐した太正時代のある「帝都」との違いの一つだった。
 彼のマスターが、その点を補足した。


「ここは、『大帝国劇場』ではなく、『帝国劇場』よ。大神さん」


 彼のマスターは、中学生ほどの女の子――『雪城ほのか』だった。
 黒髪ロングで、太い眉。いかにもセイバーがいた時代の「大和撫子」の理想に近い容姿である。
 西洋化が進み、髪の色を茶色や金色に染める女性が多く目につく現代では、こうした天然の黒髪はどこか見る人に安心感を与える。
 この雰囲気は、現代では文学少女を思わせるが、彼女自身は根っからの理系で、科学の領域においては中学生離れした知識を誇っていた。
 セイバーのいた世界の「蒸気革命」などの話を聞かせてみれば、かなり興味津々にそれを聞き、原理や発達方法などについてメモを取ったくらいである。
 セイバーも答えられないような設問を幾つもぶつけてきた。
 聞いてみれば、将来の夢は、なんでも、「科学者」だとか。……おそらく、その夢は順調にいけば、かなり高い確率で叶いそうだ。

 セイバーは、こんな彼女の姿に、一度、同じ帝国華撃団の隊員だった科学少女の事を少し重ねた。
 しかし、あれほど狂的なマッドサイエンティスト風という訳でもないので、失礼だと思って撤回している。

 とにかく、セイバーは、そんなほのかの注釈に、やや肩を落として答えた。


「ああ。昨日言われた通りだった。やっぱり、『大帝国劇場』と『帝国劇場』は何もかも、全然違うよ。
 ……正直、少し参ったな。多少は帝劇の面影が残っているんじゃないかと思っていたんだけど」


「折角、大好きだった街に来られたんですものね。
 本当の意味で肌に合う場所がないのは、やっぱり寂しいでしょう……」


「……そうだね。確かに、少しはそういう気持ちもあるよ。
 俺にとっては、帝劇は、第二の故郷のような場所だった……。
 だが、ここはその帝劇じゃないし、俺のいた帝都じゃない」


 大帝国劇場は、セイバーにとって、只の職場であるだけではなく、帰るべき家でもあった。
 おそらく、彼の二十代から先の青春は、殆どあの劇場の中に残されていると言っても良いだろう。
 大帝国劇場でモギリとしてお客と触れ合い、やがて、あの劇場の総支配人として、彼は支配人室の椅子に座って女優たちを見守った――そんな懐かしき思い出の日々。

 その一方で、劇場の従業員や女優と共に、『帝国華撃団』として帝都の平和を保つ為の戦いも行った。
 大帝国劇場は、ただの劇場ではなく、対魔部隊の戦闘配備の地でもあったのである。そこにいた従業員や女優の殆どは、劇場関係者だけではなく、「戦士」でもあったのだ。
 やがて、大神一郎は、ここで過ごし、ここで戦い、ここで老いて、一個の英霊として、その座に就いたのである。
 尤も、偉そうに言うが、今この場にいても、老齢の記憶など殆どなく、大久保長安との戦いから少し後の事くらいまでしか、まともに覚えていないのだが。


「でも、大神さん、結構嬉しそうよ」


「……バレたかい?」


「ええ」


「……」


「何ていうか、凄く活き活きとしているもの」


「……俺は、やっぱり、たとえ別の帝都でも、こうしてそこに生きる人々の姿が見られるだけで満足なんだろう」


 セイバーは、そう言って、脇目を向いてから、少し声を落とした。
 ほのかは、そんなセイバーの視線を目で追う。


「ただ、ここで戦争が始まる……いや、もう始まっている。それがただ、不安で仕方ない。
 おそらく、俺たち英霊は、本当は再びここに来るべきではなかったんだろうな……」


 帝国劇場の付近を歩んでいる人々は、決して少なくなかった。
 都内でも東京駅にほど近いこの場所は、やはり人が多く行き交う。

 単純に劇を見に来ようとする人間だけではなく、それぞれ全く別の行き先を目指して歩み進んでいる人々がいる。
 職場に帰ろうとするサラリーマン。有名スポットを巡っている外国人の観光客。
 あてどもなく歩んでいく大学生。道に迷っている親子連れ。
 それぞれがどこを目指して進んでいるのかは、あくまで様子から見た想像でしかない。


「……」


 しかし、きっと別の場所を目指し、それぞれの人生を歩んでいるのだろう。
 そのNPCたちもまた、この東京という土地に惹かれた都民である事には違いはない。
 まるで生きた人間であるかのように歩み進んでいくそれらが、どうしようもなく守りたくなる。
 帝国華撃団だった男は、この街に住む、全ての人々を守る事こそが使命だった。


「――やっぱり、この帝都にもまた、この帝都を故郷とする人たちがいる。
 たとえ、それが本当の人間ではないとしても、それは変わらない」


 都市には、人を惹きつける力と、魔を惹きつける力とがある――そう、この帝都にも。
 そして、そんな街に住むすべての人々を守る事こそが、帝国華撃団の使命にして、英霊の座に辿りついても変わる事のない大神一郎の使命だ。
 ここが創られた帝都であり、そこにいる人間が意思のないNPCだとしても、その街があり続ける権利と、そのNPCたちが平穏に在り続ける権利とは失われない。
 あらゆる正義と、あらゆる愛を信じ、全ての人間が安心して生きられる都市の為に、彼は闘う。
 そう――帝国華撃団の隊長として。


「俺は、マスターを守り、同じ志を持つ全ての戦士と共にここで戦い抜き、そしてまた英霊として消えるだろう……。
 だが、その時まで、この帝都を守る為に――悪を切り裂き、正義を示す……!
 それが、俺たち帝国華撃団の使命だ!」


 ほのかは、少し目を丸くした。
 物腰やわらかで、どちらかといえば優柔不断そうな外見と反して、大神一郎という男は正義を秘めたる熱い男の一人だ。
 爽やかなのか、暑苦しいのか、冷静なのか、熱血漢なのか、どうも判然とし難いが、やはりこの側面が真なのだろう。
 美しい言葉を並び立てるわけでもなく、他者を信頼させようという魂胆があるわけでもなく、ただ彼は真っすぐだった。


「……大神さん」


 しかし、熱気の入ったサーヴァントを冷ますように、少しトーンの低い声でほのかは彼の名を呼んだ。
 誰にも見られてはいないが、一応、往来という事もあって、一緒にいるほのかとしては少し気恥ずかしい。

 だが、そんな恥ずかしさと同時に、ほのかの好感度は、セイバーの言葉を前に、心地良い音を立てて上がった。
 この帝都という街を守り抜く為の、誰よりも熱い覚悟は、彼女の胸を打つ。
 彼女もまた、一人の戦士であったが故だろう。

 ともかく、セイバーは、熱くなった声を少し小さくした。


「戦争は既に始まっている……。
 誰かが刃を握り、人々を恐怖に陥れようとしている。たとえ、相手に戦う意思がないとしても、関係なく……」


 それは、今朝のニュースでも明らかだった。
 誰かが、五十人もの人間を殺しつくした、あの背筋も凍るようなニュース。
 学校では、誰もがそれをあっさりと受け入れてしまっていたが、あれが本当なら世界の殺人事件史でも類を見ない大事件の筈だ。
 おそらく、それを可能とするのは、セイバーと同じ、サーヴァントと呼ばれる戦士たちだけである。


「……でも、俺は、そんな奴らから、人々と街の平和を守りたい。
 この場所に来て、俺にも、この街で再び悪と戦う覚悟が出来たよ」


「――」


「そこに都市があるなら、俺はそれがどんな都市であっても守り抜く。
 たとえ、この街が俺がいた街と地続きの未来にないとしても、帝国華撃団がないとしても。
 確かにこの街に住んでいるのが、本当の人間じゃないかもしれない。
 でも、住まう人がいれば、都市は、生き物のように光り輝くんだ――そう、この東京もそうだ」


「……そして、そこには、みんなの、守りたい日常がある」


「ああ」


 ほのかの言葉に、セイバーは頷いた。
 彼女もそう――セイバーと同じく、何かを守る為に戦ったからだ。 
 相棒たちと共に、自分の生きる世界の災厄から、自分たちの日常を守る為に――。
 只の普通の日常が壊されるのを忌避し、それを壊す物には真っ向から立ち向かった。

 その過程で、ほのかは大事な友人を作り、そして、大事な友人を失った。
 いつかまた、その失った友人と会う事を一つの目標として、ほのかは日々を歩んでいる。
 それと同じように、たとえデータ上であっても、この東京で何かを目指して歩んでいるNPCがあるのかもしれない。
 それに、ほのかのようなマスターたちもまたこの街にはいる。





「マスター――俺は、この街に、“正義”を伝えたい」







【クラス】

セイバー


【真名】

大神一郎@サクラ大戦

【パラメーター】

筋力B 耐久B 敏捷C 魔力B 幸運B 宝具EX

【属性】

秩序・善

【クラススキル】

対魔力:B
 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

騎乗:B
 大抵の動物、乗り物を乗りこなしてしまう技能。
 幻想種(魔獣・聖獣)を乗りこなすことはできない。

【保有スキル】

霊力:B
 魔力に代わる彼の類似の能力。
 男性ながらにして高い霊力素養があり、霊子甲冑も自在に操る事ができる。

カリスマ:A+
 軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。団体戦闘に置いて自軍の能力を向上させる稀有な才能。
 個性豊かな隊員をまとめ上げるカリスマ性を持ち、都市の信頼を勝ち取る。これは、特に女性に対して強い効力を発揮する。
 セイバーは、生前、このスキルによって、短期間で軍のほぼトップにまで上り詰め、華撃団を私物化した。

呪縛:D
 シャワーの音が聞こえると体が勝手に風呂場の方に動いてしまう保有スキル。
 魔力(霊力)、又は、本人の強い意志で辛うじて抑え込む事ができる。

【下のスキルは、戦闘中、そのターンに実行している作戦によっていずれか一つが使用可能になる】

戦闘続行:(A)
 名称通り戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
 「往生際の悪さ」あるいは「生還能力」と表現される。

仕切り直し:(B)
 戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を初期状態へと戻す。

【宝具】

『霊子甲冑』
ランク:A~D 種別:対人宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:1~100人

 高い霊力を持つ者だけが操る事が出来る鎧のようなメカ。
 一見すると搭乗型巨大ロボットのようでもあるが、その性質上、騎乗スキルの有無に関わらず使用可能であり、セイバーもこれを手足のように自在に操る際は持っているスキル以上の実力を発揮する。
 生前のセイバーには、光武、光武改、光武二式、光武F、光武F2、神武、天武など、あらゆる機体を繰った伝説が残っている為、いずれかを選択して現界させて戦う。
 これは強力であればあるほど魔力消費が絶大になってしまうが、セイバーの実力ならば最弱の光武でも並のサーヴァントを相手に出来るだろう。
 この『霊子甲冑』を纏えば、筋力・耐久のステータスがAランクやA+ランクまで上昇し、魔族・魔物・魔獣などの怪物や巨大な機械などとも互角の戦闘を可能にする。
 しかし、一方で、どの機体を使用しても敏捷のステータスがDランクまで下降する。まさに甲冑の如き宝具である。
 セイバーの機体は、彼の特性に合わせて、いずれもシルスウス鋼製の二刀流を装備している。

『神刀滅却』
『光刀無形』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:1~100人

 二剣二刀と呼ばれる二つの剣、二つの刀の内、大神一郎が譲り受けた二刀。
 これらは、本来一つ一つが宝具として機能するが、二刀流の使い手である大神一郎にとっては、対になって初めて宝具となる。
 いずれも高い霊力が込められており、それぞれ所有者の運命を狂わす加護がある。
 光刀無形は、所持者に希望と野望・野心を達成する強い力を与える伝説があり、かつてこの所有者である山崎真之介が葵叉丹として悪に堕ちた事もある。
 神刀滅却は、所持者に人を統率し正しい方向へと導く力を授ける伝説があり、元々は帝国華撃団の前司令である米田一基の所持品だったが彼が譲り受けた。
 すなわち、善と悪との二つの表裏を武器として戦う事が出来るのである。
 セイバーは前述のとおり、二刀流の使い手である為、この二刀を使って生身でも自在に戦闘する事が可能。

『狼虎滅却・震天動地』
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:∞ 最大補足:∞

 帝都と巴里、二つの街を守った時に多くの人と信頼と絆を受けた大神一郎のみが使える最大級の技――それが、この宝具である。
 ここでも彼が受けた信頼の数だけ彼の技は強くなっていくが、『狼虎滅却・震天動地』は、行動・会話の選択肢を一つも間違える事なく、最良の判断を下し続けなければ発動できない。
 故に、使用はほぼ不可能だが、 仮にもし成功すれば、周囲に存在する全ての悪は成す術もなく一瞬で消滅する。
 とはいえ、特定人物との信頼と強く絆を深めた場合、それはこの宝具の縮小版である『合体技』として発現される事もある。
 合体技は、敵の肉体と精神に多大なダメージを与え、並のサーヴァントならば大きなダメージを肉体に負う事になる。

【weapon】

『神刀滅却』
『光刀無形』

【人物背景】

 太正十二年から太正十六年にかけて帝都、巴里で活躍されたとされる軍人。階級は少尉→中尉→大尉。
 海軍士官学校を主席で卒業。その後、銀座・大帝国劇場にモギリとして配属された。太正十六年に大帝国劇場の支配人となる。
 (公的な記録で残っているのはここまで)

 これらはあまりにも不自然な記録であるが、実は大帝国劇場が普通の劇場であったのは表向きの話。
 大帝国劇場は、秘密防衛組織『帝国華撃団』の拠点であり、舞台で踊る帝国歌劇団のスタアは全員、霊力を有している「花組」の戦士なのである。
 大神一郎は帝国華撃団花組の隊長として、彼女たちの信頼を勝ち取り、黒之巣会や黒鬼会と戦い、これを迎撃。
 二度の帝都防衛に成功した後は、その功績を買われて巴里に派遣され、巴里華撃団の隊長として現地でまたも首都防衛に成功している。
 これらの功績により、二十四歳にして帝国華撃団総司令にまで出世する。
 また、帝国華撃団及び巴里華撃団の十三名の女性隊員は殆ど、彼に対して恋愛感情を抱いていたとされ、他にも彼に好意を持つ女性、男性は数知れなかったと言われている。

【サーヴァントとしての願い】

 マスターと、帝都と、そこに住む人たちを守り、悪を切り裂いて正義を示す。
 そして、同じようにこの聖杯戦争を打破したい仲間を探しだし、全員で生きて戦い抜く。





【マスター】

雪城ほのか@ふたりはプリキュアMax Heart

【マスターとしての願い】

 キリヤくんとまた会いたい。

【weapon】

 不明。

【能力・技能】

 中学生レベルとしては非常に高い知識を持っており、特に科学に造詣が深い。
 また、スキーやスケートといったウインタースポーツも得意。

『光の使者・キュアホワイト』
 雪城ほのかが伝説の戦士として認められ、ミップルとの連携で変身できるプリキュア。
 人間離れした戦闘能力を有するが、キュアブラックと比べると打撃力や防御力に若干脆さがあり、トリッキーな回転やいなし技で応戦する。
 ただし、美墨なぎさと二人揃っていなければ変身できないという難点があり、セイバーの宝具を利用して再現する以外の変身方法はない。

【人物背景】

 ベローネ学院女子中等部2年(又は3年)桜組クラス委員。科学部。1990年4月4日生。血液型はB型。
 成績は学年トップであり、「薀蓄女王」と呼ばれている。
 両親は共にアートディーラーで、普段は家におらず、ほのかは祖母、飼い犬と一緒に暮らしている。幼馴染に藤P先輩こと藤村省吾がいる。
 光の園から現れたミップルとの出会いがきっかけで、美墨なぎさとともに「伝説の戦士・プリキュア」に選ばれ、闇の世界から現れたドツクゾーンと戦う事になる。
 そんな戦いの中で、全く正反対だったふたりは時に対立しながらも戦いの中で友情を築いていく。
 ほのかは戦いの中で出会ったドツクゾーンの少年・キリヤとの奇妙な交流の中でも着実に成長していった。
 やや天然ボケで、科学部では珍妙な実験をしては爆発を起こしており、ミミズを可愛がるような一面も見せる。
 参戦時期は、少なくとも「Max Heart」の最中、もしくは無印最終回からMH開始前。

【方針】

 聖杯戦争からの脱出。



候補作投下順



最終更新:2016年03月14日 01:42