「──コーヒーが入ったぞ」

 檜山達之は、小さなアパートの一室で、インスタントのコーヒーを目の前のサーヴァントに差し出す。
 かたん、と置かれたカップの中では、黒い液体が表面ぎりぎりを激しく揺れていた。
 淹れるまでの手際は良いが、それ以外は全くぶっきらぼうで、「なぜ自分がこんな事をせねばならないのか」と悪態でもつきかねない様子だ。
 おそらく、この並々注がれたコーヒーが零れて相手の服の沁となっても、達之は素知らぬフリをするだろう。

 実際、達之にこのわけのわからない男を部屋に入れる義理はないし、コーヒーを振る舞う義理もないのだから、こういう形に収まっているのは不思議なくらいだ。
 一応、達之も二十歳になったばかりの大学生で、扶養者も既に亡い一人暮らしだ。
 むしろコーヒー一杯でも節約を掲げたいくらいである。

 しかし、事情を聞き出す道具としても、このモーニングコーヒーは容易い武器になりうると考えたのだ。
 達之に負けず劣らずぶっきらぼうな無表情で、サーヴァントは応える。

「ああ」

 ……気づけば、達之はこうなっている。
 達之も、自分が落ち着く為に、自分にも一杯のコーヒーを淹れる事にした。
 自分まで飲むつもりは無かったが、来客にだけコーヒーを出すのも決まりが悪いと気づいたのだ。
 淹れる手際は全く変わらず、ただ、適量である事と、カップを丁寧に置く事だけが、目の前の男への応対とは違った。
 それから、達之は、カップの中に角砂糖を三つほど落とし、スプーンでかき混ぜていた。角砂糖は全て、数える間もなく黒に溶ける。

「……」

 見れば、サーヴァントの方は、目の前にコーヒーを出された時から、ずっとコーヒーに息を吹きかけて冷ましている。
 湯気ももう出ていないくらい経つが、口をつけた形跡がまるでない。
 スプーンで必要以上にかき混ぜながらも、サーヴァントの方を注意深く見ていた達之は、彼に声をかけた。

「随分と、冷ましてから飲むんだな。『猫舌』ってやつか?」

 サーヴァントは、そう言われてちらりと、上目遣いで達之の方を見た。
 からかっているわけではないが、達之の口調はそんなニュアンスに聞こえる所があった。
 これも日頃、「性格の悪い皮肉屋」を演じているが故に出てきてしまった悪癖だが──これがどうも、彼の逆鱗に触れたらしい。

「コーヒーに角砂糖を三つも入れる奴に、俺の飲み方をとやかく言われたくないね」

「俺の淹れたコーヒーだぞ。文句あんなら飲むな」

「文句はない。だが、もしあったとしても文句を言うのは……飲んでからだ」

「結局飲むんじゃねえか」

 達之は、この礼儀知らずに張り合う事も馬鹿らしくなり、舌に合った甘いコーヒーを喉に流す。
 そして、目の前の男を再び眺めた。

 自分のサーヴァント。
 年頃はおそらく達之とそう変わらない。十代後半から二十歳を超えた程度だろう。
 長い茶髪は、近頃切りそろえたかのような印象を受けるが、しかし、それでもやはり男性としては長い方だ(達之もその点で人の事を言えないのだが)。
 服装は、何のプリントもないようなラフなシャツで、到底、先ほど彼が名乗った「聖杯戦争の英霊」なるものとはイメージの異なる。達之の目で見たところはただの若者だ。

(これで不審者じゃないってんだからな……どうなってんだ一体)

 豆の香るような暖かいため息を吐き出すと、達之はリラックスするように、畳の上に両手をついて身体を支えた。
 その手には、三画の「令呪」が光っていた。



◆ ◆ ◆ ◆ ◆



 昨日まで、──何が何だかわからないが──彼は、檜山達之ではなかった。
 いや、厳密にいえば、彼は「檜山達之」という名ばかりの別人のように、東京都内の大学で過ごしていたのである。

 自分のルーツも気にせず、ただ、「どこかから越してきて東京に住んでいる」というエキストラが昨日までの彼の役割だったのだ。
 ドラマの撮影ではあるまいし、人間社会に「エキストラ」はないだろう、と思うかもしれない。それぞれの人生が歩いているのが町並みだ。
 しかし、彼は、ただそこにいるだけのエキストラそのものに喩えられるような人間だった。
 人生のないもの。

 達之はここに来たとき、自分の生まれ育った村や、愛する者、そして、全てを奪った者たちの事を全て忘れていた。
 ただ、漫然と生きるものたちの中に紛れた、何の背景もない人間。
 そんな彼に、忘れてはならない悪夢が脳裏に蘇ったのは今日の朝の話だった。

(──)

 そう。まさに今日の朝、五時を回った頃の話である。
 不意に、夢の中に「現実の光景」が映し出されたのだ。──達之にとって、それは断片でもぶつけられれば大きな刺激になるような光景だった。
 二年前に達之たちの身に降りかかり、達之たちの人生を狂わせた、めくるめく出来事が頭の中を駆け巡り、目が覚める。
 いや、覚めるだけではなく、冴えた。
 頭の中が空になったかのように、眠気や疲労が一斉に忘れ去られ、何かが自分の中に舞い戻る快感が在った。
 そして──そうして頭の中が透き通るのと同時に、彼の手には、この東京で行われているある特殊なサバイバルゲームの参加資格が送られたのである。

(──思い出した)

 考えてみれば、昨日も何かが引っかかっていた。
 料理でもしようと思ってコンロに火をつけた瞬間、燃え上がった火と共に浮かび上がった──、そう、それも「何か」。
 母校の帰り道を踏みしめた時のような、堪えようのない胸の切なさを、彼は小さな「火」の中に感じ……それから、記憶が覚醒するのを遮るように、慌ててコンロを消した。

 何がそうさせたのかもわからないまま、もやもやした気分でその日の夜食をコンビニの弁当で済ませた。
 しばらくは、コンロを使う──いや、火を使うような事は辞めようと思っていた。

 彼は、すぐに横になり、眠る事にした。
 まどろみは、しっかりと彼を襲ってくれた。
 しかし、安眠はさせてくれなかった。

 達之の頭の中には、その時のトラウマとも言うべき「印象」がこびり付いて離れなかったのだ。
 彼の脳裏で、「火」のイメージは膨れ上がり続ける。
 そっと……そっと、「火」は大きくなった。
 気づけば、コンロの上からこの部屋に広がり、アパートを燃やし尽くし、やがて、大きな悪魔の形になって、町を覆った。
 だから、朝、あんな時間に目覚めた。



 そう────夢は、教えてくれたのだ。



 目の前で全てを焼き尽くす赤い業火。
 体育館に並べられた両親の遺体。
 思い出の詰まった家々の残骸。
 それを何もかもを笑い話にした悪魔のような放火魔。
 そして、かつて戦地だった島で達之が行った殺人。
 自らが積み上げた悪魔たちの屍。
 大事な人。
 その人に被せてしまった罪悪。


(──俺たちの村の夢だ……)

 彼は、自らの奥底に封印されていた記憶と共に目覚めたのだ。
 思い出したくはないが、忘れてはならない現実が、夢の中に投影されていたのだろう。

 ──檜山達之は、そうした特殊な事情を抱えた人間であった。

 二年前までは、田舎の村で過ごす普通の少年だった。
 きっかけは、その二年前に大きなニュースにもなった、「黒坂村全焼事件」である。
 長野の山奥にある黒坂村という場所が達之の故郷だったが、これが原因不明の出火で、三十二人の村人を巻き込み全焼したのだ。
 達之は、たまたま幼馴染と一緒に村の外れにいたので助かったのだが、結果的に、両親や親戚も、纏めて全員焼死する事になった。
 自らの不幸を呪ったが、それからすぐ後に、それは、「呪うべき不幸」でない事に気づいた。

 これは、「憎むべき不幸」なのだ……。
 達之が偶々立ち寄った東京のファミリーレストランで、噂話をする連中──。
 内緒話をするには少しばかりボリュームのある声だったが、自分の飯にがっつく事ばかりの客たちは、それは誰も気にしない。
 それを気にしたのは、達之たちだけだった。
「黒坂村」──と。
 ある客の集団が、笑い話に交えてその名を口にしたのが聞こえた。
 その話を注意深く聞いていた達之たちは──そこにいた大学生の集団の話に耳を済ませた。

 彼らは心を開放して、仲間内だけでべらべらと捲し立てるように、それが自分たちの過失によって起きた事故である事を語った。
 あの村の火災は、彼らが起こした人災であり、それを彼らは反省していないらしかった。
 すぐ近くの席に、自分たちが燃やした村の生き残りがいるとも知らずに、彼らは自慢話のようにその罪を語り続けた。
 三十二人の命を奪い、多くの人間の人生を狂わせた自覚は彼らにはまるで無かった。
 悪魔たちは、達之たちから全てを奪い、罪から逃れ、平然とそれを笑い話にしていたのだ……そんな連中を見た達之は、その時、決意を固めた。

 この男たちの顔を覚え、いつか、全員『殺す』──と。

 達之の脳裏に、それが全てよみがえった。
 そして、墓場島と呼ばれる島で、その決意は起こされた。
 実際に、仇を殺した記憶もまた、達之の脳裏に蘇ったのだった。
 達之はまだ、その島に居た筈だった……。

(そうだ。俺は、なぜ忘れていたんだ……)

 起き上がりながら思う。
 おそらく精神病理や脳科学の成した業ではない。
 自分の頭の中を外側からこじ開けられ、全てを意図的に忘れさせたかのような気分だ。
 現代の日本の科学ではそうそう出来る事でもないかもしれないが、しかし、こうして記憶までいじられるというのならその認識さえも疑わねばならない。

 これから何かが始まる。
 達之は、自らが起こした『亡霊兵士』の殺人事件よりも不可解な事件の渦中にいるのだ……。



◆ ◆ ◆ ◆ ◆



「……セイヴァー、と言ったっけな」

 達之は、ようやくコーヒーに口をつけ始めたサーヴァントに言った。
『救世者(セイヴァー)』が、達之が現界した使い魔のクラスである。
 本来の七種のサーヴァントと異なるエクストラクラスが達之の元に現れたわけだ。

 おおよそ、達之が聞いているのは、「聖杯戦争」「サーヴァント」「マスター」「セイヴァー」の四つの単語の概略くらいの物だった。
 令呪などというサーヴァント側に不利なシステムが容易く教えられる筈もなく、その話は達之も詳しくは知らぬままだ。
 手の紋章は単なる参加資格程度に思っている。
 ただ、達之は荒唐無稽な聖杯戦争を一笑しつつも、ただの作り話にしては妙に凝っているので、話くらいには乗っている。
 実際、昨日まで自分の記憶が無かった事や、知らぬ間に島から帰還している事など、「荒唐無稽」は己の身をもって体感しているのだ。
 半信半疑であれ、話を最低限聞いておいて損する事はあるまい。

「やめてくれ、救世主(セイヴァー)なんてガラじゃない」

 ……問題は、その説明だけ行ったセイヴァーにまるでやる気がない事だ。
 聖杯戦争が、願望器を集める為のゲームである事はわかったが、主として戦いを行うセイヴァーの側にはその気がない。
 真名の方を呼んでくれ、などという程だ。
 その気がないという以前に、まるでサーヴァントまでが自分の意思と裏腹に巻き込まれたかのような体である。
 そんな調子ではいけない事くらい、聖杯戦争に今朝巻き込まれたばかりの達之でもわかるというのに。

「──だいたい、英霊なんていう立場だって俺には性に合わないしな。
 マリの奴が、勝手に俺を救世主だなんて祭り上げるから、死んでまでこんな事に巻き込まれるんだ」

「そうは言うが、俺の命を託せるのも、俺の願望を頼めるのも、アンタしかいないってんだろ?」

 達之は、セイヴァーを相手に卑屈になるのをやめた。
 こんな相手でも、このサバイバルには欠かせない相手なのがセイヴァーだ。
 達之も、元は演技の為とはいえ、「生き残る術」についてはよく学んだ。
 戦術においては右に出る者がいない程、詳しくなっている。
 最初に味方内の信頼を買わず、孤立するほど愚かな戦術はない。──それが、彼のかつて行った「共謀による殺人」にも反映されている。
 セイヴァーが達之の方を見た所で、達之は続けた。

「もし本当にアンタが、俺の願いを請け負ってくれるってなら、俺にも頼みたい願いはある」

「……じゃあ聞かせてもらうけどな、お前にはその為に誰かを犠牲にする気があるのかよ」

「ああ。人なら既に『殺した事がある』。人を殺すってのは恐ろしく簡単な事さ」

 達之の即答に、流石のセイヴァーもぎょっとした。
 殺人を告白した達之に対する感情は、「恐れ」ではなかったが、やはり驚愕する余地はある。
 達之は、目を伏せて続けた。

「──けどな、その罪を消すのは難しい。それが痛いほどわかっている。だからだ」

「何?」

「お前に託したい望みってのは一つだ。ある女の抱える『罪』を消したい──無かった事にしたい。
 俺が巻き込んだばかりに、これから一生、殺人の罪を背負わなきゃならない女がいる……そいつの為だ」

 セイヴァーにも、達之の言葉には少し思うところがあったようで、少し躊躇した。
 彼の願いを聞き、何かを答えようとして、それを飲み込んだ。



 セイヴァーにとって達之が善人かは悪人かはまだ判然としないものの、憎むか憎まないかでいえば憎み難い相手であったのだろう。
 仮にもサーヴァントのはしくれとして、何かかける言葉があるのではないかと考えた。
 確かに──英霊であるからには、彼も同じく、『人』ではないが『自分と同じ種』を殺した事がある。彼も罪を背負った事があるわけだ。
 しかし、嘆息して出たセイヴァーの答えは、好意的ではない。

「……あんたの事情はよく知らないが、お断りだ。俺は便利屋じゃない。その為にここにいるとしてもな」

 冷たく言い放ったが、達之のそう聞こえないのは、躊躇のせいだろう。


「──ただ、それでもそのくらいの夢を見る資格はある。それくらいは守ってやる」


 願いをかなえる為に闘う、とは言わなかった。
 他を積極的に消し去るつもりは、今の所、セイヴァーには無いらしい。
 あるのは、「マスターを守る」──という救世者らしい発想だ。
 厳密にいえば、「そんな夢を見る事の出来るマスターを、守る」──あるいは、「マスターの持つ夢を、守る」。
 彼はそう言いたいらしい。
 達之は、少し考えた後で、──

「そうか、そりゃいいや。少なくとも、俺の身に降りかかる火の粉は払ってくれるわけだ。
 それで充分さ、セイヴァー……」

 ──皮肉めいた笑いを返した。
 そして、さらなる皮肉を込めて、セイヴァーに対して、彼は言った。





「いや、『救世主(セイヴァー)』の柄じゃないと言ったか? ────『乾巧』よぉ」







【CLASS】

セイヴァー


【真名】

乾巧@劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト


【パラメーター】

基本
 筋力E+ 耐久D+ 敏捷C 魔力C 幸運D 宝具C

仮面ライダーファイズ(基本形態)
 筋力C 耐久C 敏捷B 魔力D 幸運D

????????(基本形態)
 筋力B 耐久B 敏捷A 魔力D 幸運E


【属性】

中立・中庸 


【クラススキル】

なし


【保有スキル】

騎乗:D
 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み程度に乗りこなせる。
 彼の場合はバイクの操縦。オートバジンに限り、「乗りこなす」だけでなく「従わせる」事が出来る。

単独行動:C
 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
 ランクCならば、マスターを失ってから一日間現界可能。

仕切り直し:B
 戦闘から離脱する能力。
 また、不利になった戦闘を初期状態へと戻す。
 Bランクである彼は、敵の攻撃で水場に落ちた場合、追い打ちをかけられるリスクが格段に減少する。

猫舌:C
 熱に対する耐性の低さを示すスキル。
 人よりも熱に対して敏感であり、それ故に熱攻撃には一般のサーヴァントよりもやや弱い。
 クリーニング屋で働いていた事もある等、私生活に困るレベルではないが、手や舌で直接高温に触れる事を苦手とする。
 ちなみに、彼の場合は、火に対するトラウマが原因による物である為、このスキルは忘却される事もある。

??????:A
 彼が「死後」に覚醒した何か。
 そのスキルは他者によって与えられ、資格があれば発動する事になるが、Aランクは自力で覚醒している。
 このスキルはサーヴァント自身の手で、厳重に秘匿されている。


【宝物/宝具】

『救世主伝説(ファイズ)』
ランク:A 種別:対オルフェノク宝具 レンジ:1~10000(最大出力時の限界値) 最大捕捉:1~10000(最大出力時の観測限界値)

 遠くない未来、どこかの国──人類のほぼ全てがオルフェノクと呼ばれる怪物と化した世界。
 僅かに残った人類の間で、一人の少女がその存在を訴え続けた救世主。それがファイズである。
 装着できる人間が僅かにしかいない「ファイズギア」によって姿を変じ、闇を引き裂き光をもたらす。
 この伝説は、オルフェノクによって制圧され、その日暮らしの人類に微かな希望を与えていたとも言われる。

 ファイズ、とは何か。
 ファイズは、装着者の戦闘力を各段に引き出すスーツである。数トンのパンチ力やキック力を誇り、生の人間ならば容易く命を奪える程のエネルギーを持つ。
 時に、いくつもの武器を用い、時に、「オートバジン」と呼ばれる支援メカニックも使ってオルフェノクを撃退する。
 その武器は多彩であるが、それらはいずれも「ファイズ」の存在と共に語られ、その伝説の一部と化している。
 また、「アクセルフォーム」や「ブラスターフォーム」などの更なる強化形態へも進化する事で、巨体の怪物とさえも闘う事が出来る。
 ただし、強い能力を使おうとすれば、それだけ魔力も消費される事を留意しなければならず、彼自身の身体にもリスクが起こる。
 ファイズのスーツは、本来ならば人工衛星によって装着者に送信するシステムだが、伝承による物である為、現在は人工衛星がなくとも宝具として顕現する事が出来る。


『疾走する本能(×××××××××)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1~100 最大捕捉:1~100

 乾巧のもう一つの姿。天使と詩人の名を併せ持つ狼。
 その宝具の名はサーヴァント自身が秘匿している。



【weapon】

『オートバジン』
 巧の移動手段。変形して人型ロボットにもなるバイク。
 騎乗スキルによって動かす事が出来るほか、支援メカとして有用。
 バイクハンドルはミッションメモリーを装填し、ファイズエッジという剣に変える事も出来る。

『ファイズギア』
 ファイズへと変身する為のベルト。
 ファイズドライバーとファイズフォンだけあれば変身が可能であるが、その他、日用品としても武器としても使える道具が全て揃っている。
 デジタルトーチライト型のファイズポインター、デジタルカメラ型のファイズショット、リストウォッチ型のファイズアクセルなど付属。

『ファイズブラスター』
 ファイズをブラスターフォームへと変身させる為のトランクボックス型のアイテム。
 生前の戦いでも一度しか姿を見せた事がないと言われている。
 ブラスターフォームへと進化したファイズは、上述されているパラメーターを上回る戦闘力を発揮する事が出来るが、代わりにマスターの魔力消費が大きく、サーヴァントも多用は出来ない。


【人物背景】

 オルフェノクによって制圧されつつある人類を救ってくれると言われる救世主。
 その伝説は、園田真理という少女によって流された物であるが、確かにかつて、乾巧が変身した「ファイズ」はオルフェノクと闘って人類を守っていた。
 当の巧は、生き残った人類の間でも、「死んだ」とされていたはずだが、真理は彼の生存を信じ続けた。
 そして、確かに記憶を失くして生きていた事が発覚した。
 オルフェノクによって攫われた真理を助け出す為に、巧はオルフェノクのスタジアムで、かつての友・木場勇治と闘う。

 性格は、ぶっきらぼうで、口が悪いが、根はやさしいお人よし。ただ素直じゃないだけ。自分と同じ猫舌相手だとちょっと優しくなる。
 こうして周囲を突き放すのには何か理由がありそうだが、その理由はたとえ信頼した相手でも口にする事はない。
 極度の猫舌だが、どうやら、熱いものにトラウマを抱えているらしく、それが原因らしい(記憶が消えた際には普通に熱い物を飲んでいる)。
 猫舌に限らず、熱い物を持つのも得意ではなさそう。


【サーヴァントとしての願い】

 英霊なんてガラじゃない。
 ただ、こうして顕現したからには、マスターの持っている「夢」くらいは守ってやる。


【基本戦術、方針、運用法】

 元々の耐久性も普通の人間よりやや強いが、それだけでは並のサーヴァントと渡り合うのは不可能。
 宝具を使って戦闘するのが前提なので、戦闘時はそちらを積極的に使うべし。
 性格が扱い難い部分はあるものの、基本的には他者の為に戦う為、マスターの護衛においては存分に実力を発揮できるだろう。
 また、『仕切り直し』のスキルで、いざとなれば適切な方法で戦線離脱も出来る。魔力をあまり使わない場合は、こうした守護者としての側面を強調した戦いになるだろう。
 本来ならば強力であるはずの宝具の一つを自らの意思で秘匿しているが、問題はコレ。
 緊急時まで使わないという程融通が効かないわけではないが、当人もおそらく滅多な事ではスキルを発動する事はない。
 聖杯戦争が終わるまでに使うか否かはわからないが、マスターに明かした時に「それ」を受け入れられる信頼関係を築くことが要される。



【マスター】

 檜山達之@金田一少年の事件簿 墓場島殺人事件

【マスターとしての願い】

 墓場島の殺人の『共犯者』から『罪』を消し去る事

【weapon】

『サバイバルナイフ』
『改造電動ガン』
『手製爆弾』
『カプセル状の毒薬』
 など、殺人の為に使えるであろう武器をアパート内で多数所有している。

【能力・技能】

 村人の復讐の為に自ら殺人を行う度胸を持ち、その為には綿密な下準備を行い、本番も非情に徹する覚悟を持つ。
 その過程において、「サバゲーチームに潜入する」という行動が必要であった為、サバイバル知識やミリタリー知識を学習している。
 作中では、小型爆弾、改造エアガン(殺傷能力有)、即効性の毒薬など、多種の武器や凶器を調達しており、その種類は作中随一である。
 特に、爆弾や改造エアガンは自作した可能性もある。
 いずれにせよ、裏でネットワークを持っている可能性がある。

【人物背景】

 長野県内の平和な村・黒坂村で生きていた好青年。
 しかし、ある日、黒坂村は火に包まれて全焼。40人いた村人のうち32人が焼死し、達之の両親も死亡する。
 その後、東京に移り住んだが、そこで彼は、黒坂村全焼事件に都内大学のサバゲーサークルの過失が関わっていた事を知る。
 達之は彼らに復讐する為、サバゲー好きを装ってそのサバゲーサークルに入会し、黒坂村全焼事件に関わった7人を殺害する計画を水面下で考えていた。

 ある共犯者と共に殺害計画を遂行し、6人目が殺害された後からの参戦。
 本来ならば島内にいた筈だが、現在はアパートで生活しており、都内の大学に通っているらしい。
 ちなみに、見るからに殺人鬼のような外見だが、こう見えて甘党で恋バナ好き。
 凶暴そうで、実際殺人犯でもあるが、根は良い奴で、黒坂村に住んでいた頃は今とは正反対の好青年である。
 苦手な事は避妊。

【方針】

 聖杯の入手。
 無関係な人間を巻き込む事には微かな躊躇もあるが、願いの為ならば自ら他の主従を暗殺する事も辞さない。




候補作投下順



最終更新:2016年03月03日 11:42