問 以下の問いに答えなさい。
もしもあなたがいきなり殺し合いに参加させられたらどうしますか。
アーチャーの答え
『まずは現状把握、その後殺し合いを打破する方法を探す』
教師のコメント
どんな状況でも諦めない強い意志を感じさせます。
吉井明久の答え
『クラスメイト相手なら殺られる前に殺る』
教師のコメント
何故クラスメイト限定なのですか。
◆
「え、何これ?」
学校から帰って1人ゲームをしながら、僕こと吉井明久は前触れもなく気づいた。
何にと聞かれたら、何もかもがおかしい事に。
あえていくつか言うなら僕らの教室が、三年生に勝って手に入れたAクラスの教室じゃなくなっていた。
それどころか、学校の名前が文月学園じゃなくなっていた。
それに―――
「姉さんが居ない……!?」
試召戦争に勝ったからと言って僕の生活は根本から変わったわけじゃない。
ゲームを買うにしても姉さんの目を盗んでコツコツお金を貯めなきゃいけないし、遊べたとしてもある程度したら姉さんがお仕置きと称して何かしてくるはず。
それが無いという事は
「僕は自由だ!!」
って違う、そうじゃない! いやそれも大事だけどそれだけじゃない!
今考えるべきは―――
「なんだろう?」
例えるなら別の世界に連れてこられたかのような現状で、いったい僕に何ができるのか。
漫画やアニメの主人公じゃないんだから、そんなすぐに解決策が浮かぶわけがない。
とは言っても何もしないでじっとしているわけにもいかないし。
「とりあえず、雄二たちも同じことを思っているのか聞いてみよう」
雄二たちは間違いなく今日同じ教室で授業を受けたから居るのは間違いない。
もしも僕と同じようなことを考えているのなら協力してくれるはずだ。
そうでなくても言われたら気が付くかもしれない。
……最悪の可能性として、頭がおかしくなった奴だと思われるかもしれないけどそれは無いと信じたい。
そう思って携帯を取った瞬間、僕は今までなかったはずの後ろに気配を感じた。
「電話をかけるのはおやめになった方がよろしいですわ」
「だ、誰だ!」
後ろに振り向くと、そこには僕が会ったことのない女の子が居た。
その女の子がしているツインテールの髪型に、一瞬だけ知り合いかと思ったけどすぐに別人だと気づく。
少なくとも、僕はこの子と会ったことは無いはずだ。
にも拘わらずこの子は目の前にいる。当然僕が連れ込んだわけじゃない。
知らない女の子がいきなり声をかけてくるなんて
「そんな事が知られたら僕はクラスのみんなに処刑されちゃう!!」
「いきなりどうしましたの!?」
どうやらこの子も現状を呑み込めていないらしい。
◆
その後、僕はこの女の子から様々なことを聞いた。
最初はいきなり現れた女の子を(いくら可愛いとはいえ)信用し辛かったが、今起きている状況の説明をするといわれたら黙って聞くしかない。
そして説明された事柄は、どれも驚くことばかりだった。
聖杯戦争と言う、どんな願いでも叶える聖杯を賭けての殺し合いに僕が巻き込まれていること。
彼女はサーヴァントと言う、その聖杯戦争の為に呼び出された過去または異世界の英雄だという事(本人は英雄なんて大層なものになった事はないと言っていたが)。
僕はそのマスターだという事。
この世界はその為に用意されたものだという事。
そして―――
「雄二たちが偽物かもしれないって!?」
「ええ」
彼女が言うには、この世界の人間は僕みたいな聖杯戦争の参加者以外はゲームで言うNPCみたいなものだという。
それが本当だとしたら恐ろしい再現率だ。
雄二の性格のひどさも、ムッツリーニの鼻血も、秀吉の可愛さも、美波の関節技も、姫路さんの料理の脅威もいつもと変わりなく見えてたのに。
「それを確かめる時間はまだございますので、まずは自身のこれからの事を考え下さいまし」
「う、うん」
そこで彼女が「そう言えば自己紹介をしていませんでしたわ」と呟く。
そう言われると確かに僕もまだ彼女の名前を聞いていない。
「では自己紹介をいたしますわ。
私はアーチャーのサーヴァント、真名は白井黒子と申しますの。
あなたは?」
「僕は吉井明久、よろしくね」
「では吉井さん、私は貴方に尋ねなければならない事があります」
「何?」
「貴方は、この聖杯戦争を勝ち抜きたいと思っておりますか?」
それは確かに重要な質問だろう。そして僕には願いがないわけじゃない。
姉さんにはまた海外に行ってもらって再び一人暮らしがしたいとか、ババァを抹殺して恋愛禁止の校則を変えたいとか色々ある。
でもそれは人を殺してまで叶えたい願いじゃない。
いや、Fクラスのクラスメイト達(秀吉、美波、姫路さん除く)だけなら全員殺して帰るという道もあるかもしれない。向こうも容赦なく来そうだし。
でもそんな可能性は0だろう。だから
「いや、僕はこの戦いには反対だよ」
と返す。するとアーチャー(でいいのかな?)も安心したように息を吐く。
「それを聞いて安心しましたわ。私も殺し合いなんてごめんですの」
「そうなんだ、良かった」
「ですがお気をつけてくださいまし、サーヴァントとは願いを持って現れる方が大半でございますから」
そんな忠告を聞きながら僕は思った。
色々大変かもしれないけどこのアーチャーとなら頑張れるかな、と。
そしてこうも思った。
もしFFF団に見つかったらただじゃすまないな、と。
【クラス】
アーチャー
【真名】
白井黒子@とある魔術の禁書目録
【パラメーター】
筋力D 耐久D 敏捷D 魔力D 幸運A 宝具A
【属性】
秩序・善
【クラススキル】
対魔力:C
魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。
大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。
単独行動:B
マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。
Bランクならば2日は現界可能。
【保有スキル】
風紀委員:A
学園都市の治安維持機関にしてアーチャーの誇り。
混沌もしくは悪属性のサーヴァントに与えるダメージが増加する。
敬愛(お姉様):B
強く敬愛する存在が居るもののみが持つスキル。
このスキルによって、スキルのランク以下の魅了系スキルを無効化する。
また、異性からの魅了系スキルはランクに関わらず無効化する。
【宝具】
『空間移動(テレポート)』
ランク:A 種別:対人・物宝具 レンジ:0 最大捕捉:-
アーチャーが持つ超能力。
自分もしくは自らが手に触れた物を瞬間的に移動させる能力。
アーチャーの世界のテレポートは3次元空間から11次元へ一度変換演算を行いベクトル移動、再び対象を3次元空間に出現させるというもの。
一度に移動できる距離は最大81.5m、質量は130.7㎏ほど。
また、飛ばした先に物理的に割り込むので、転移先に物体があるとその内部に入り込む。
ちなみに、アーチャーと同じ世界のテレポーターはテレポートさせることが出来ない。
【weapon】
金属矢
【人物背景】
常盤台中学1年にして学園都市の警察的組織『風紀委員(ジャッジメント)』の一員。
成績、素行ともに良好な優等生。風紀委員としても優秀。
ただしルームメイト(女性)に対してはっきり恋愛感情を抱いており、それが暴走することも。
性格は正義感が強く、度胸も人一倍。不良たちからは恐れられている。
【サーヴァントとしての願い】
マスターを助ける。
【マスター】
吉井明久@バカとテストと召喚獣
【マスターとしての願い】
家に帰りたい。
【weapon】
文月学園の特徴的なシステムの象徴。
テストの点に応じた力を持って戦わせることができる。姿は召喚者をデフォルメしたもの。
本来ならば召喚獣は物理干渉が不可能であるものの、明久の者の場合は特例で可能になっている。
ただし、召喚には文月学園の教師が張ったフィールドか、代理召喚型の白金の腕輪が必要。
その為、明久単体では現状使用不可能。
【能力・技能】
校舎の2、3階から飛び降りたり階段を三角飛びしたりと一般人にしては高い。
また、木刀を持った相手に爪切りで勝ったり、殺気を感じて攻撃を回避したりするなど戦闘の力もそこそこ。
その他にも、塩と水だけで1週間過ごすことができる。
何故か似合う。女装した時の姿は通称アキちゃん。
普通の女性が自信を失うレベルにうまい。得意料理はパエリア。
【人物背景】
文月学園2年生にして『観察処分者』と言うバカの代名詞的な称号の持ち主。
誰もが認めるほどのバカであり、まともに嘘がつけなかったり言葉を間違って覚えていたりするが暗記系の科目(歴史など)は得意。
わりと常識的な感性を持ったツッコミ役であり、周囲に振り回されることもしばしば。
性格はお人よしの熱血漢で、困っている人を見過ごせないタイプ。
【方針】
殺し合いなんてしたくないから脱出する方法を探す。
候補作投下順
最終更新:2016年03月03日 11:53