学園奇譚 ~The Existence of Outcast

━━━━━━━━━今宵の演し物は、ある落伍者と呪われた匣の物語。




~ The Existence of Outcast(其の落伍者の存在証明) ~

+ イベント概要

rologue(序文)

某月某日学園で、貴方は『存在』を奪われた。
取るに足らないある朝のこと、いつも通りに起きて登校したら、誰も貴方のことを見なかった。
まるで路傍に転がる石ころのように、貴方の存在は尽く無視され、居ないように扱われた。

時を同じくして、学園の校庭に一つの洋館が現れた。
それが見えるのは存在を失った者達だけ、その証拠に、それほどに大きなものが校庭にあっても誰も反応を示さない。
その洋館にはスクイバコの秘密がある、貴方が存在を奪われてしまった理由も。
貴方にまだ意志が残っているのなら、その洋館を探索し、自身の存在を証明せよ!

nformation(公開情報)

スクイバコ

+ ...
どこから生まれたのかも分からない謎の怪談、都市伝説程度の知名度はあり、オカルト好きな人には割と知られている。
多少のバリエーションはあれど、「スクイバコに魅入られると存在を奪われる」という部分は共通。
貴方達に訪れた事実として、『存在を奪われたものは影が消失する』ことが分かっている。
解決法についての記述は様々だが、多くの話に共通する解決法は「匣を見つける」ことである。

『ニア=ヴィクトール』の洋館

+ ...
存在を奪われたものにのみ見える洋館、小綺麗な外見をしているが内に秘める雰囲気は非常に冷ややかで不気味。
洋館のどこかにスクイバコが存在する、同時に洋館内はスクイバコの干渉の元にあり、何らかの妨害が考えられる。

rchive(残された記録)

+ 詳解都市伝説
【詳解都市伝説 P126- 『スクイバコ』】
人の噂に尾鰭が付いた結果、それが一つの都市伝説として成立する時もある、スクイバコはその正に典型例だ。
元は各所で確認されている「差出人不明の手紙」と、同時に確認された「謎の箱」の噂が合わさった話である。
「差出人不明の手紙は謎の箱に存在を消された人間が書いたものであり、その手紙は差出人不明なのではなく、我々が差出人を認識出来ないだけなのではないか?」
そういった考えから生まれたのがスクイバコという都市伝説であり、マニアは様々な痕跡からスクイバコの存在を証明しようと躍起になっている。

ーーーー

スクイバコに存在を奪われた場合の対処方は実に様々に考察されている。
箱を見つけて破壊する、何らかの儀式を行うというものもあれば、より多くの存在をスクイバコに捧げるというチェーンメールに近い発想のものもある。
何れにせよ存在を取り戻すにはスクイバコを探すことが前提であり、それ以外の方法はあまり見られない。

ーーーー

スクイバコに願えばこの上ない栄光を手に入れることが出来る、その栄光はあらゆるものの目を奪い、世間の脚光を浴びられるものだろう。
故に『救い匣』、しかしその願いには代償が必要である、それを願う者はスクイバコに存在を支払わなければならない。
自分だけでは決して足りぬ量の存在を補うためには、他人の存在すらも自分のために捧げなければならない、故にスクイバコは『主喰い匣』と評されることもある。

+ ボロボロのスクラップブック
【民家でバラバラ殺人、犯人は精神異常者か】
△日午後一時頃、の民家で家族3人が何者かによって殺害されているのを発見された。
被害者は民家に住む三人家族、ウィロウ=クラルテ(35)、アネモネ(31)、リナリア(11)の3名。
3名とも遺体の損傷が激しく、両親の遺体には手足と眼球が残っておらず、手足は浴槽に、眼球はトイレにそれぞれ破棄されていた。
また、リナリアの遺体には心臓を抉り出されたような痕が残っており、現場に残っていた血塗れの木箱から心臓と思しき肉塊が発見された。
3名の遺体と部屋に争ったような痕跡が無かったこと、また部屋に凶器と思われる包丁が落ちていたことから、1度魔術で昏睡状態にした後に殺害、死体を損壊させたものと考えられている。
犯人の目星は未だ付いていない、凄惨極まる事件現場から犯人は極度の精神異常者か、何からの儀式を行う予定だったのではないかと思われる。

+ リナリア=クラルテの日記
△月○日 雨
今日もパパとママはわたしを見てくれない

@月○日 晴れ
ママがわたしにプレゼントをくれた!
かわいいクマのぬいぐるみ、これなら一人でもさびしくないって置いていってくれたの
朝ごはんも昼ごはんも夜ごはんも、この子といっしょなら全然さびしくないわ
……本当は、パパとママといっしょにごはんを食べたいけど、パパもママも忙しいから仕方ないの

@月×日 くもり
わたし、悪い子なのかな
悪い子だから、パパもママもわたしの名前を呼んでくれないのかな
悪い子だから、外に出してもらえないのかな、遊ばせて貰えないのかな

○月□日 雨
外の世界には大きな学校があって、みんなが仲良くまほうを勉強してるんだって
わたしも学校に行ったら友だち出来るのかな、大切な先生も出来るのかな
行きたいな、でもきっと、パパもママも許してくれない
まほうが使えたら、わたしもこの家からにげられたのかな、学校にも通えたのかな……

○月×日 晴れ
みんなきらい!だいっきらい!
パパもきらい!ママもきらい!わたしと遊んでくれない友だちもきらい!わたしのことを見てくれない人もきらい!
みんなみんな死んじゃえばいいのに!消えてなくなっちゃえばいいのに!

△月○日 雨
わたしのことを見てくれない目はいらない
わたしの頭をなでてくれない手はいらない
わたしのとなりを歩いてくれない足はいらない
いらないものは全部切り取ってすてるの
そうすればまた愛してくれるって教わったから

△月△日 くもり
これでまた、だれかがわたしを見てくれるのかな
これでいいんだよね?ねぇ、イノミナンダム……

さよなら

(ページのあちこちが血で汚れている)

+ ニアからの手紙
この手紙を読めるなら、きっとあなたは存在を取り戻すためにこの場所に来たのだと思います。
まずは、ごめんなさい、ぼくはスクイバコの力を使ってあなたの存在をうばいました。
存在を失った人は、他人から見えなくなるかわりに、同じく存在を失った人やものを見ることが出来るようになります。
なので、あなたにスクイバコのことを教えるには、一度存在をうばうしか方法が思いつかなかったのです。
きっと辛い思いをしたと思います、他人から認められない悲しみは、ぼくも良く知っていますから。
ぼくは自分のためだけに、あなたをこの場所に引きずり込んだ、どんなバツも受けるつもりでいます。
ただ、最後に1つだけお願いをさせてください。
この場所にはあの子の命が、スクイバコの本体があります、それをあなたの手で壊してほしいのです。
スクイバコをこわしてしまえば、あの子をしばりつけているものもなくなって、きっとあの子は救われる。
ぼくは、失敗しました、あの子を救うことなんて出来なかった。
あの子はぼくの存在をうばうことだけを目的にしています、ぼくの存在が消えてなくなれば、あなたの存在はきっと元に戻るでしょう。
この手紙を無視しても、あなたが失うものは何もない、だから、これはぼくの最後のお願いです。
どうか、スクイバコをこわして、あの子を救ってあげてください。
ぼくのことはどうだっていい、ぼくという存在がこの世界から消えてしまってもいいから、どうか……。

(まるで殴り書きのような言葉が最後に描かれている)
だって、両親を殺した上に、存在をうばうための化け物になるなんて
そんなの、悲しすぎるじゃないか!


  • 開催日時……2/23(金) 20:00-24:00予定
  • 参加条件……無制限、ある程度の精神力を持つことが望ましい
  • 募集人数……無制限
  • 開催場所……『ニア=ヴィクトール』の洋館

諸概要

  • エンド分岐ありの探索イベントです、洋館に散りばめられた手掛かりを元にスクイバコの謎を解き明かすことが目的となります。
  • 途中参加、途中離脱に対する一切の制限はありません
  • このイベントでキャラに何らかの直接的な損害が残ることはありませんが、行動次第では非常に後味の悪い終わり方になるのでご了承ください。

参加用フォーム

  • ここにキャラ名を書いて参加希望してね -- 名無しさん (2018-02-15 20:32:23)
  • なんだぁ? あのでっかい洋館は?(参加希望) -- ダニエル・レオンハート (2018-02-15 20:42:12)
  • 参加希望ですが来れるか怪しいので当日時間までに来なければスルーして下さい -- バーラント・アントン (2018-02-15 21:34:53)
  • 参加希望です -- ナイヴァ (2018-02-15 21:41:11)
  • 参加希望ですー -- シャディ (2018-02-15 21:43:47)
  • マオグゥニャン -- 参加希望です (2018-02-20 13:49:09)
  • 金曜なら参加できるので希望しますー -- シャミル (2018-02-20 20:29:53)
  • あれ、書けてなかった。参加希望ですよー -- エリシア (2018-02-20 22:38:54)
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参加者


【Another END:Near the Linaria】

……きっともう、彼女が存在を欲しがることはないだろう。
存在よりも大切なものが、今の彼女の手の中には存在するのだから。

報酬

Another END報酬

【姫金魚草の栞】

リナリアの押し花で彩られた小さな栞。
押し花が散り切る5回まで、自分の存在を薄くして他人から認識され辛くすることが出来る。
透明になっている訳では無いので意識して探されると割と簡単にバレてしまう。

特別報酬

【消えない備忘録(ワンダースナップ)】

対象者:ダニエル・レオンハート
写真や新聞記事を保存するのに使えるスクラップブック、ここに保存したものは年月が経っても風化しなくなる。
それは記憶も同様で、ここに保存している限りはその記憶をいつまでも覚えていられる、貴方の望む限りは。

【カラバコ】

対象者:バーラント・アントン
妄執を解消して空っぽになったスクイバコの残骸。
元が霊的存在な為、浮遊霊や地縛霊といった存在を引き寄せる力がある、ついでに中は霊にとっての快適なスペース。
見た目は綺麗な木箱なので普通の入れ物に使ってもいいかもしれない。

【携帯式影法師(ワンダーシャドウ)】

対象者:シャディ・マリウント
半径20cm程度の小さな影、持ち主の意思に応じて色々な部分に現れる。
影の差した空間は日陰と同じ性質を持つため涼しい、夏に重宝しそうなアイテム。

【ユメのカケラ】

対象者:シャミル・キャラミット
光の加減で様々な色を見せる小さな宝石、赤ければ仄かに暖かく、青ければ仄かに冷たい。
ささやかな夢を叶える力があり、中級程度の魔法を才能に関わらず行使できる、使い捨て。

【ハートのロケット】

対象者:エリシア・クローディア
金色の金属で形作られたハートの形のロケット、中に写真などを入れられる作りになっている。
もし他人の写真や持ち物を入れた場合、その人物の危機に応じて錆びたように変色してその危機を知らせる。

【ミセリコルデ】

対象者:シェルミー・ルーシー
聖なる力を宿している白銀の短剣、邪なる存在を祓う効果を持っている。
その斬れ味は非常に鋭く、武器としては最適、リーチが短いので扱うには練習が必要。

【アヴェロンの燭台】

対象者:ファルシュ
決して消えない炎を宿す燭台、僅かな魔力と精霊の装飾が施されている。
持ち主の炎魔法の威力を底上げする代わりにコントロールが効き辛くなる、オンオフを切り替えることが可能。

IF

こんなエンディングを迎えた時の、イノミナンダムからのありがたいお言葉集

+ True END
【True END:Longing Of Valid Existence】
寂しがりの少女に、彼女を救おうとした少年に、君達は手を伸ばした。
スクイバコの支配から逃れて涙を流す少女、彼女の運命は変わり、学園奇譚は幕を閉じる。
存在を取り返した君達の元に、後日届く一枚の知らせ、それはどこか見覚えのある一人の少女の吉報で。
魔法学園に入学し、その才能を開花させた少女のお話、救われた彼女の笑顔がそこにあった。
完全無欠のハッピーエンドさ!これ以上何を気にする必要があるんだい?
その裏で何があったかなんて、君達が考えたところで無駄なんだよ、やめておけば?
+ Happy END
【Happy END:Jailbreak】
スクイバコがその存在を喰い切る前に、君達は事の真相に辿り着く。
ハコを壊した君達に待っているのは自由、それは君達が救った少年にも平等に与えられる。
ここでスクイバコの輪廻は終わり、絶望の淵にあった少年は君達の手で救われたのだ。
まぁ、その裏側で一人の少女が消えてるけれど、気にする必要はないよ?
君達は出来る限りのことをやって、やっと少年を救ったんだ、それは誇るべきことだろう?
+ Normal END
【Normal END:With you】
少女はその思いを吐き出す、それでも少年は消えてしまった、人一人の存在を消してしまった罪は消えない。
スクイバコが破壊される、奇譚の終わりに、消えゆく少女の手を、一つの手が掴んだ。
それは消されたはずの少年の手、「一人にしない」と言った少年に、少女も笑って応え。
二人は幸せなまま、世界の記憶から消滅する、メリーバッドエンドの報酬は君たち自身の存在だ。
これは彼らにとってのハッピーエンドさ、この終わり方に君達は必要ない。
精々消えた二人のことでも思って生きていけば?彼らは君達のことなんて忘れちゃうだろうけど。
+ Sad END
【Sad END:Badbye】
一人の少年は消え、一人の少女はその内に秘めた思いを、永遠に明かせずに壊される。
存在を失った少年を、存在を捨てた少女を、顧みる者はもう誰も居ない。
何も残らないその洋館には君達だけが、存在を取り戻した君達だけが残される。
ねぇ、喜びなよ、君達の目的は存在を取り戻すことだろう?彼らがどうなろうと、どうだっていいじゃないか!
それとも、人形の分際で、彼らを救えるとでも勘違いしちゃったのかい?あぁ、なんて愛おしい愚かさだろう!
+ Bad END
【Bad END:No exist】
その存在こそが黒幕、そう考えた君達は、持っていた凶器でその少年の存在を叩き潰した。
儚き謝罪すらもそこには残せず、ただ消えゆく少年に、嗤って応えるはスクイバコ。
全てが上手く行ったと嘲笑し、君達を現実へと返すスクイバコ、確かに君達の存在は返ってきた。
思い出せないことがある、何かを失ってしまった気がする、でもそれは永遠に思い出せない!
どこかでスクイバコの噂は続くのさ、それは勿論君達のせいだ!
でも、別に良いよね?君達にとっては他の誰が消えようが、どうだっていいことだろうから。
+ Quest failed
【Quest failed:Damned memory】
時間切れ、音高く鳴り響く柱時計の音、君達の知らないところで自体は収束する。
一人の可哀そうな少年は消滅し、一人の可哀そうな少女は一生スクイバコに縛られて生きていく。
それでもその事実を、君達が知ることはない、目覚めた君達はそんなことを忘れて日々を生きていくのだ。
ね、そっちの方が幸せでしょう?どうせ助けられなかったなら、最初から知らない方がいい。
君達の記憶を奪ってあげたんだから、もっと喜んでくれたっていいんだよ?

+ information
+ 都市伝説
元々はたわいのない現象から生まれた噂、転じてその噂を現実のものとするために生まれた概念的存在。
その性質は幽霊や怪奇現象といった存在に近く、自分に対する噂を遵守する限りは如何なる存在にも干渉されず、噂に外れた行動はその一切を行えない。
単純な話、『この話を聞いたら殺される』という噂からなる都市伝説は話を聞いた人を必ず殺害するし、『光魔法で回避できる』都市伝説は光魔法に極端に弱くなる。
故に多大な被害を与えるような噂を語る場合、それに合わせて何らかの防衛手段も噂として語ることが推奨されている。
そうでなければその都市伝説に巻き込まれた際、被害を被る確率が非常に高くなってしまう。
多くは何らかの物質を依代として顕現しているため、その依代を壊されると噂に関係なく都市伝説として生まれた存在は消失する。
ただ噂が残っている限りはいずれ別の依代から再臨する可能性があるため、真に都市伝説を消滅させたいのであれば噂を何とかするか、その噂に沿って都市伝説を終わらせるしかない。
依代となる物質は『一般的な人間に認識できること』と『その噂を象徴するような物質であること』の二つの条件を守るものでなければならない。

+ スクイバコ
『差出人不明の手紙』と『謎の箱』の噂が、とある一家の猟奇殺人事件を中心に語られたことにより生まれた都市伝説の一種。
その依代はリナリアという少女が自らの心臓を収めた小さな木箱、彼女の愛を求める感情が噂を引き寄せ、スクイバコという存在を作り出すに至った。
非常に雑多な噂が語られる都市伝説でもあるが、スクイバコを縛っていた噂は主に以下。
  • スクイバコは遭遇した物質の存在を奪わなければならない。
  • スクイバコは希望があった場合、他人の存在を代償にその人物に存在感を与えなければならない。
その際、十分な存在を受け取らなかった場合は代わりに希望した人物の存在を奪うことが可能である。
  • スクイバコは匣の名称であり、同時にその匣を作り出した少女のことでもある。

今回の場合、ミセリコルデによってスクイバコを形作っていた噂を断ち切り、都市伝説が生まれる条件を根本から破壊したことにより、スクイバコは消失した。
本来なら最後の噂により、スクイバコが破壊された場合は同様に依代であるリナリアも消滅するはずだったが、噂の崩壊と同時にこの規則も消失している。

今回のスクイバコの目的は『ニア=ヴィクトールの存在を喰う事』であり、極端な話探索者達の存在には興味がなく、食事の邪魔をするうるさい奴ら程度の認識だった。
そのため真っ向から存在を奪う様なことはせず、探索者達を追い払うのが目的で暗い雰囲気やところどころに見られた恐怖を誘うような仕掛けを生み出していたのである。
同時にニアの用意していた情報で、スクイバコの存続に都合の悪い情報……平たく言えば依代に関する情報は何らかの妨害で見せないようにもしている。
最後まで探索者達の前に姿を見せなかったのは、スクイバコの容姿は依代であるリナリアのものであるため。
ただ、都市伝説の根幹は依代でもあるため、依代に触れられる、もしくは依代に対して一定以上の情報を手に入れると、スクイバコは焦って探索者達の前に姿を現す。
彼女の足元に見えていた『影』はスクイバコの噂そのものであり、存在自体が暗いものであるためミセリコルデの魔力が効き、スクイバコのお話は見事終わりを告げたのである。

ちなみにスクイバコの存在喰いには段階があり、下から上は比較的容易に認識できるが上から下は認識できない。
下を認識するためには自分も同じ場所に並ぶ必要がある、要するに存在を奪われないと、同じく存在を奪われた者達を確認することは出来ない。

+ ニア=ヴィクトール
今回の騒動の黒幕であり、スクイバコの犠牲者であり、スクイバコの依代の事実に最初に気づいた少年。
常に平均的な結果を出す『平凡な人生』という毒にも薬にもならない才能を持っている、あと生まれつきとても影が薄い。
別に突出した才能があるわけでもなく、かといって悪目立ちするような悪事もしない凡庸な存在、これは前述の才能のせいで、どれだけ努力しても必ず特筆すべき部分のない結果を生み出してしまう。
スクイバコはそんな少年が存在感を手に入れるための最終手段だったが、彼は存在を手に入れるためには他人の存在を奪わなければならないという条件を知らなかった。
故に平凡な少年はその要求を断り、結果として存在のほぼ全てを奪われることになる……のだが、リナリアはその時点でかなり存在の薄い少女だったため、おかげで彼女の事を調べることが出来た、結果オーライ?

彼の目的は『リナリアを救うこと』、リナリアの存在はスクイバコに囚われていたので結果としてスクイバコの破壊が目的となる。
元々は一人でそれを行おうとしたが、スクイバコの妨害を受けて断念、最終段階一歩手前である『記録からの消失』まで存在を削られる。
最後の手段として学園から何人かの存在を奪い、『存在を取り戻すためにはリナリアを救わなければ』という考えを持たせるために『箱庭遊戯』と呼ばれる術を使い洋館を作り出した。
今回の洋館の中の大抵の情報はニアが調べ、それを知ってもらうために随所に設置したものである。

+ リナリア=クラルテ
スクイバコの依代、その噂の起点となる凄惨な事件を引き起こした張本人。
親に監禁同然の状態で監禁されていた上、当の両親は夜遅くまで家を空けることが多く、彼女は殆どの時間を一人ぼっちで過ごしていた。
その不満は母親からぬいぐるみを買ってもらったことにより一時的に緩和されたが、同時に彼女はそのぬいぐるみに心酔しすぎてしまう。
イマジナリーフレンドとしてそのぬいぐるみを扱っていた少女は、そのぬいぐるみを父親の手によってバラバラにされ、結果としてその手に包丁を握った。
正史では彼女は両親を殺すことなく、事件の日に自ら命を絶つ、事件の規模としては圧倒的に小さくなる予定だった。
そんな少女に包丁を握らせ、両親を殺して自殺するよう唆したのが『イノミナンダム』である、そうすれば愛してもらえるという殺し文句に、その少女は非常に弱かった。
彼女の心臓を収めた木箱は膨大な憎悪の受け皿となり、そこを噂の依代にして、スクイバコの完成である。

スクイバコとなった時点で彼女は噂に縛られる存在になっているので、スクイバコとしての行動以外は一切行えなくなっている。
影を崩壊させるまで彼女が鬼気迫る表情をしていたのはこのためで、その時点まで彼女はスクイバコを破壊されるのを蛇蝎の如く嫌っていた。
助けを求めることも誰かに情報を渡すことも、スクイバコの噂には入っていないため不可能、同時に彼女の存在は非常に薄くなっているので、探索者達の前には姿を現さなかった。

イベント後の彼女は、あの事件が起こらなかった世界線の彼女である。
トリガーである『父親にぬいぐるみを破壊される』時より前に両親に追われるように学園に編入し、寮住まいになった感じ。
ちなみにこの歴史改変を行ったのはイノミナンダムである、恐らくハッピーエンドに対するイノミナンダムからの一つの報酬みたいなものだろう。

+ イノミナンダム
データが存在しません。


ほんの少しの時間だけ、それだけで良かったんだ━━━━━━━━━

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最終更新:2018年03月31日 17:10