白夜の殺戮

2年前(R2からみると4年前)のクリスマス、かごめ市のとあるショッピングモールにて勃発した魔法少女同士の武力抗争。魔法少女のみならず多数の民間人を巻き込み、その両方に数多くの犠牲者を出した。
世間に公表されているカバーストーリーとしては、当時流行していたカルト的新興宗教による、神経ガス・自家製爆発物などを用いた自爆テロとされている。
事件と同じ時期に同宗教組織は蒸発しており、実行犯らしき人間も事件内で自死しているため、現在も捜査は続いているものの成果は芳しくない。
また数少ない生存者の一部は、事件最中に何らかの宗教的儀式が行われていたとも供述するが、真偽のほどは不明。
一時は全国ニュースで大きく取り上げられたこともあり、好事家たちの間では有名なオカルト事件であり、今でも三流タレントを起用した数時間ほどの特番が組まれることも。

実際の所は「協会」の過激派グループである「処刑隊」によって引き起こされた、とある自由派の魔法少女組織に対する「粛清」であったとされる。
犠牲となった魔法少女たちは自由派の急進勢力であり、協会に関する大規模な反乱を企てていた。「処刑隊」側に偽りの和平交渉を持ちかけられ、一網打尽とされたようだ。
前述の通り多くの一般人を巻き込み死者を出した事件であり、しかもその殆どは「処刑隊」の独断で行われた。
ゆえに同派閥は自由派のみならず、協会の穏健派の一部からも少なからぬ非難を受けることとなる。
しかしこれに対する「処刑隊」側からの声明は一切なく、同派閥の閉塞した熱狂的神秘主義を裏付ける要因となっている。

それでもなお「処刑隊」が存続できているのは、協会幹部の一人となる「記憶を操る魔法少女」により、生存した一般人からの情報流出は避けられたから。
決して公式には認められない派閥ではあるが、「処刑隊」の暴力的ながら確実な実行力を未だに求める者も、確かに存在する。

名称の由来は、2年前のクリスマスが雪の降る日であったからという、単純な言葉の行き違い。
同ショッピングモールは事件後に大きく業績が悪化しほとんどのテナントが撤退、一周忌を待たずして閉店。運営元企業の倒産によって解体工事さえも中断された。
現在では入口跡に設置された献花台と吹き晒しのコンクリートが、当時そこで何が起こったかを無言のうちに示すのみとなっている。

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最終更新:2019年01月14日 01:58