歩き・ダッシュ

 

まず大前提として「例え必須動作であってもそれぞれに大なり小なりリスクがある」ということ
昇龍拳や突進技には殆どのキャラがリスクを設けているが、必須動作に関しては重要性がイマイチ分からずスルーされてしまい、意図せずまたは程度が分からずに非常に強い行動が出来てしまう場合がある


 



〇歩き・後ろ歩き


ただ歩くだけの動作だが、実はとても重要な要素
たとえ早いダッシュを持っているからといって歩きを使わないというわけではない

ダッシュ(ステップ)は奇襲、正面からの攻め込み、またそれを利用したフェイントに使われ、歩きは主に距離調整に使われる
ダッシュは歩きと比べると当然早く、間合いを一気に詰められる
逆に素早く近づくため相手の間合いに高速で入る事も意味し、更にダッシュの出掛かりと終わりに硬直を設けているゲームは多いため0Fでガードへ移れず、リスクもそれなりにある
特にダッシュがステップタイプのゲームではそれが顕著

しかし歩きに硬直を設けているゲームは知っている限り存在せず、歩き続けている間は勿論ガード出来ないが、後ろへ入力することで即ガードへ移れるため隙はない
また即後ろへ下がれるため間合いの調整が一番しやすい
コマンドも前へ入れるだけなので入力の際の隙も殆ど無い
これらの点から、歩きというものは目立たないようでとても大事な動作であることがわかるだろう

歩き、後ろ歩きは基本的には早ければ早いほど強い
歩きが遅いと小回りが利かず、動作が重く感じられる


※カンフーマンの歩き。若干遅いレベル
 



〇ダッシュ(ステップ)

相手との距離を一気に詰められる
ゲーム、キャラによってランタイプ(つまりは普通に走るダッシュ)とステップタイプ(入力後、一定距離進んで止まる)に大きく分かれており、更にそこからキャラによって性能が変わる
ラン、ダッシュ、ステップ等はゲームによって呼称が違うため、ここでの定義は便宜上のものとする

△ランタイプ(ダッシュ)
入力してから6を押し続ける事で走り続けられるもの
隙が少なく、距離の調整が比較的細かくでき、遠くにいる敵にも一気に近づけるため基本的にはステップより強い
 

・速度
最初から最高速度のものと、走り始めから加速していき数F後に最高速度になるもの(アーク系)の二種類がある
最高速度になるまでの時間はゲーム、キャラによって異なるが、色々ややこしいためあまり気にする必要はないだろう
再現したい場合は無敵医師氏のGGキャラや、namelss氏のAC北斗キャラを見ても良いかもしれない

初速が遅いほど微ダッシュでの移動距離が短くなるため、細かい距離調整やダッシュ小技による固め直し、崩しがその分多少弱くなる場合がある

ダッシュの速度は速ければ速いほど強い
攻めの手段の基本は「ジャンプ」と「ダッシュ(歩き)」であり、立ち回りの中で逆にそれを狩る動きも必要になってくるが、ダッシュやジャンプが速いとそれを迎撃するのがその分難しくなってしまう

一応持続の長い技やリーチの長い技等を置いておけば、速いダッシュでも迎撃は可能

また、ダッシュが早いほど相手の飛びをダッシュによって潜りやすくなる
mugenでは多数のシステムや技により多様な空中行動が存在するため、素直に対空してもそれを回避・反撃する手段も多い
それならばいっそ潜り抜けてしまう方が、リスクを抑えられるという場合も割りと多い

実際ブロッキングのあるストⅢでは単純な対空技を出すと逆に隙を晒してしまうため、ステップで潜って反撃する場面が多い
もちろん強力なめくり判定の技を持っている相手には早々潜れないが、そうでない相手ならば飛びをある程度予測していれば優秀な逃げ手段として使用できるだろう

 

・硬直
多くのゲームで(ダッシュ開始と)終わりには数F間は何も出来ない硬直が存在する(kof13では5F、mowでは3F、mbaaccでは6F)ものの逆に言えば数F後には停止する事が出来るため、ステップと比べると隙はかなり少ない
とはいえ相手の間合いにも近づく事になるため、距離やタイミングを誤れば迎撃されることは勿論ある

また一部の動作(ガード、バクステ等、ニュートラルを経由する必要のある行動)以外なら基本ダッシュをキャンセル出来るため、止まりたい時に逃げる手段はある
また即攻撃へ移ることは出来るため、単純に奇襲に使う際に接近する手段としては隙はないと言えるだろう

レバー前入れ+ボタン一個で投げが出るゲーム(SNK系、アークゲー等)では、ダッシュでレバーを前に入れたままの状態からボタンを押しても直接投げを発動させることは出来ず、ニュートラルを経由する必要がある
歩き入力から直接レバー前入れ投げは可能
ボタンのみで投げが出るゲームではダッシュから即投げが可能

また商業格ゲーでは見られないが、mugenではダッシュの最中何も技を出せないキャラ(またはしゃがみ攻撃やボタン同時押し投げだけが出ない)も存在する
面倒なだけなので、特別意味があってやっているわけではないのなら出せるようにしておこう
 

・慣性
ゲームによっては(主にアーク)ダッシュから何らかの動作をすると慣性が乗り、ほんの少し滑りながら動く
この滑る量が多くなると攻撃を出しながら移動する距離が長くなるため、その場で技を出すよりもその分技のリーチが伸びて強い

慣性によって滑る量は商業格ゲーではその時のダッシュの速度に依存し、ダッシュの初速が遅いキャラは微ダで移動出来る距離も少なくなる

慣性の量が大きくなるともはや突進技レベルのリーチになり、更に通常技ならばそれ以上の技でキャンセル可能になるため、リスクも薄い強行動となる
 

・判定
ダッシュはモーションの関係上、低姿勢になって判定も小さくなっているキャラも存在する
そうなると上半身無敵というほどではなくても、打点の高い技は潜れる場合がある
また、相手のジャンプも潜りやすくなる

更にそういった低姿勢でダッシュするキャラは速度も早い事が多く、勿論下方向への攻撃は食らうが、主力牽制の打点が高いキャラにはダッシュするだけで回避出来て相当な圧力になる可能性もあり強い
とはいえmugenではそういったことはそこまで起こらないので、よほど小さくない限りは気にする必要は無いだろう
 

・ホバーダッシュ(ホバー)
斜め上に浮きながら進む特殊なダッシュ
入力から1Fで空中判定となる

空中判定なのでその後の攻撃は当然空中攻撃となり、モーション的にも見えにくい高速中段として使える
空中ダッシュと違い、ホバーから別の動作へ移った瞬間から多少の慣性を残して降り始めるため(その地点から慣性以外は通常の空中軌道に戻る)、上りジャンプ攻撃と違いホバーの上りで攻撃を出してもそのままコンボへ行ける
(上りジャンプ攻撃は、当ててもその後繋げる技が無ければ寧ろ大幅不利Fになる事も多い)

1Fから空中判定になるものの動き始めの10F前後は攻撃を出せない硬直が存在するため、高速中段が出来るとは言ってもある程度の良心は存在する
また、ダッシュでいちいち浮いてしまうため細かい距離調整が難しく、小回りが利かないという弱点もある

それでもすかし下段や投げ択も考えると現実的に全てしのぎきるのは不可能なレベルであることが多いため、強力な崩し手段である事は間違いなく、調整が難しい

  イノ(GGXrd) イノ(GGXrd) イザヨイ(BBCF)
  no image no image no image
発生 最速で15F(JK自体は5F) 

最速で18F(JS自体は8F) 

最速で16F(JA自体は6F) 
備考 着地からコンボへ行ける    着地からコンボへ行ける 二回刻んで着地してからコンボへ行ける

 

・ダッシュ攻撃
ダッシュ、またはステップの最中にのみ出せる特殊技のようなもの
殆どのゲームで「ダッシュ攻撃」と呼ぶものの、ステップタイプの場合にステップ攻撃と呼ばれることは恐らくない
多くは「ダッシュ中攻撃ボタンを押す」ことで発動するが、一部作品(ヴァンパイアシリーズ等)ではダッシュ後に必殺技を入力した場合も性能が変化する

ダッシュ攻撃の扱いが特殊技か、必殺技か、はたまたシステムかはゲームによって異なるが特殊技以上の扱いであることは確実なため、ダッシュ攻撃>キャンセル通常攻撃or特殊技といった繋ぎはチェーンコンボ持ちでも出来ない
ダッシュの慣性がついた通常攻撃の場合はあくまで通常攻撃なため、小攻撃なら中強といった具合に繋げられる
ただしダッシュ攻撃が当てて有利だった場合、目押しでその後に通常攻撃やダッシュ攻撃が繋がることはあるため注意が必要

普通の通常技や特殊技と比べると非常に大きく素早く前進しながら攻撃をするため、殆ど突進技として考えて良い
つまりは、モーションが通常技のままの場合でも元と同じ硬直差にしておくと、中遠距離から奇襲しつつガード有利を取って固めたり、果ては永久コンボにも繋がりかねない(バレッタのsakoスペシャル等)
 

該当ゲーム:ヴァンパイアシリーズ、ジョジョ3部ゲー、サムライスピリッツ、エヌアイン完全世界、東方、EFZ

 

カンフーマン(MUGEN) 他のキャラと比べると遅め
ソル(GGXX) 初速は普通だが、徐々に加速するため最終的にはかなりの速さになる
姿勢が低いため、一部攻撃を避けつつ進む事が出来る

画像は無敵医師氏ソル


 



△ステップタイプ(ステ、前ステップ、前ステ、フロントステップ)

一定距離移動し、その後止まる
多くの場合移動中は途中でガードすることも出来ず、無防備になってしまう
一度に一定距離しか進めないためダッシュと比べると機動力が高いとは言えず、中遠距離の相手へ接近するのが難しくなる

しかしステップの範囲内だけで考えればダッシュよりも素早いため、おもむろに近づいてかける択は反応されづらく、一概にダッシュより弱いとは言えない
 

・判定
ステップは大きく前へ踏み込むため、動作の途中に足元の判定がなくなり小足や中足等、攻撃判定が薄くて接地判定の技をかわせる瞬間があるキャラも存在する
(単純に軽く浮いて足が地面から離れているだけ)
その場合多くは動作中空中判定となり、攻撃を食らっても地上やられにならずに空中やられになり、投げる事もできない

途中足元に判定が消えても動き始めと終わりの着地には判定が戻るため、もしもすかされても小技なら連打していれば咎められない訳では無い

また無敵対空の項目でも詳しく書いたが、空中やられになると地上やられよりもコンボが安くなりやすい
つまりその分ステップのリスクが下がるということになる

これらの要素はステップだと考えるとただの無防備なものよりも強くはあるが、ステップ中ガード可能なものやダッシュと合わせて考えてみるとそれらと比べて特別強いというわけではない
また明らかに浮いているのに、攻撃を食らった瞬間地上に吸い込まれるのはそれこそ違和感が出る
それでもモーションの都合や意図的にそういう性能にしたい場合を除き、無闇に足元無敵や空中判定にはしない方が無難ではある

またステップで空中判定になるキャラで、なおかつ動作中に攻撃でキャンセル可能だと高速中段+奇襲技として使用出来る
スピードや移動距離にもよるが、リスクが少ないわりに非常に強力なムーブなため、小ジャンプや空ダよりも更にまともに対応出来るキャラが限られる

それでもそういった仕様にしたいのであれば、ステップからキャンセルして出すと、ガードされた時に長めの着地硬直が発生して結果的に不利になるとか、ステップ自体の移動距離や速度を落として弱くする等の対策を取ればマシになるが、それでも調整が難しいのであまり勧められない
 

・ステップを他の動作でキャンセル出来るタイプ
多くのゲームではステップの動作中何も出来ないが、ステップをジャンプや攻撃、特殊システム等でステップをキャンセルが出来るゲームも存在する

メルブラ、mow、mvc、ジョジョ3部ゲー等では、4方向へレバーを入れていればステップ中に攻撃されてもガードでき(mowでは3F、mbaaccでは6Fの隙あり)移動距離も長くフレーム的にも優秀なので、最終的な移動距離が短いという以外にダッシュより劣っている点は無い
ジョジョとmow(グリフォン以外)に関しては6からレバーを離せばその場に停止することも出来る
その他はガードは可能なものの、自分の意志で停止することは出来ない

そもそもこの記事内でのステップの定義が「一定距離で止まるダッシュ」なだけで、ゲーム内では単純にダッシュと呼ばれている上に、急停止もキャンセルも出来るため性能が殆どランタイプと同じものもいくつかある
区別した意味はそこまで無いので、あまり深く考える必要は無い

 

対象ゲーム:Melty blood、Marvel vs Capcom(ステップ中空中判定になるキャラ等、一部は含まない)、ヴァンパイアシリーズ()、ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産、GuiltyGear、BLAZBLUE(ハザマ・アズラエルは可、ハクメンは空中必殺技のみキャンセル可(最初の数Fだけはジャンプキャンセル可)、ナインはステップ>特殊移動のみ可)等
 

・慣性
ステップを何らかの動作でキャンセル出来る場合は、ダッシュと同じくその後の動作に慣性が乗る場合がある
慣性の量はステップでも大抵速度に依存するため、速度が売りであるステップの方がダッシュよりも多く滑るものが多い
やり過ぎには注意
 

・ステップで相手をすり抜けるタイプ
ステップの最中に接触判定が消えるため、相手との距離が近いとすり抜けて裏に回れる
多くの場合接触判定が消えてる間無敵になる

やられ判定を消せば済むので、わざわざ無敵にさせるという方式でなくても良い
ちなみに投げ以外に無敵にすると前転に似た性能となる

特殊な性能をしていても、あくまで移動手段であるステップなため当然無敵の前後には隙があり、切り返しの手段として使用することは殆ど出来ない
前後どちらかの隙を無くしたいのであれば、もはや必殺技の移動技として搭載として調整したほうが良いだろう

デミトリとレイレイのものは無敵は長いが、逆に前後の隙も全体動作も長い
アズラエル、スレイヤーのものは単純に早く全体動作も短いため、タイミングを合わせれば飛び道具をすり抜けて反撃する事も可能


 

アカツキ(同人版アカツキ) 全体動作:18F
空中判定:1~14F

全体動作は普通だが、1Fから空中判定で下半身の判定が消えるのは優秀
一部の地を這う飛び道具やしゃがみ攻撃を回避可能
七夜(MBAACC) no image 行動可能時間:6~29F
全体動作:29F

動き始めだけガードすら出来ないが、その後はステップを殆どの動作でキャンセル可能
つまり移動距離が制限されたダッシュのようなもの
更に慣性が大きくかかるため、ステップから攻撃を出すと大きく滑る

ステップから9Fの攻撃を出した場合、最速で+6Fされて15Fになるということになる
 
デミトリ(ヴァンパイアセイヴァー)   全体動作:34F
無敵:11~24F

無敵、移動距離が非常に長い(無敵になるまでの隙は長い)
途中からキャンセルして必殺技or超必でキャンセル可能だが、距離調整は難しい
アズラエル(BBCF) no image 全体動作:20
無敵:8~16F

数字上は無敵が少なく見えるが、そのフレーム間に大きく移動しているため飛び道具等をすり抜けることも可能
更に直接ジャンプや必殺技にキャンセル可能なので実質的には全体動作の長さもそこまで影響せず、すり抜けてからキャンセル必殺技で高速めくりにもなり非常に高性能

 




◯簡易まとめ
・歩きはダッシュよりも遅いが、隙が存在しないため細かい距離調整が出来る重要な移動手段
・速度は早ければ早いほど強く、カンフーマン前後の速度が無難
・ダッシュはランタイプ(一般的なダッシュ)とステップタイプ(一定距離のみ移動)に分かれる
・ランタイプは隙が少なく移動距離が長い。ステップタイプは隙が長く移動距離も短いが、瞬間的な移動速度は高い
・ホバーダッシュは斜め上に移動するダッシュで地上から空中へ移行するため、その後の攻撃で高速中段が可能
・ダッシュ攻撃は移動しながら攻撃出来るため、突進技と同じように扱う必要がある


 

最終更新:2017年11月14日 20:46