バックステップ・空中ダッシュ


 


〇バックステップ(バクステ、バックダッシュ)

一定距離、素早く後ろへ下がる
コマンドは「44」
ダッシュと違い、殆どのゲームで後ろではバック「ステップ」になる

性能によって用途は変わるが、基本的には距離調整や、相手の攻撃を避けるのに用いる
 

・判定
バクステは後ろへ飛び退くため、空中判定になっているものが多い

空中判定になればその間は攻撃をくらっても空中やられになり、手痛いダメージをくらいにくい利点がある
もちろん着地すれば地上判定に戻るため、読まれていると大きな反撃を受けてしまう
 

・移動距離
バクステの移動距離は長ければ長いほど咎めにくくなり、相手の攻めをしのぎやすくなる
移動距離が長い上に動作は短いと、一瞬で逃げられてしまうため咎めるのが難しくなってしまう
そのため移動距離に比例して動作が長くなる場合が多い

移動距離が長い上に隙も短いと、画面端背負い以外の状況ではほぼそれだけで逃げる事ができ、機動力の高いキャラの一点読みダッシュ等以外では咎める事がほぼ出来なくなってしまう

ちなみにmugenはデフォルトでリバサに3Fの完全無敵がつくため、例え無敵がなかったとしても一瞬で後ろへ下がれるなら強い無敵行動と化してしまう
 

・無敵
バクステの1F目から完全無敵がついているゲームが多い

移動距離や全体動作も関わってくるが、無敵があれば被固め時やリバサで使用することで、相手の攻めをしのぐ事が出来る
特に画面端背負い時以外では、しっかり意識に止めていないと安定行動となってしまう
画面端でも使用出来ない事は無いが、連打キャンセル可能な小技を重ねられていると当然無敵が切れた硬直に当たる
mugenではガー不技を持っているキャラに対抗する一番の安定手段な場合も多いため、多少でも無敵があるとそういった場面に対応しやすくなる

アークゲーの投げキャラのバクステは無敵が長く、画面端ではバクステから着地してそのままコマ投げ、画面端以外では重ねられた起き攻めを殆ど回避可能
ただし動作も長く、しっかり意識していれば同じゲーム内なら狩れない事は無い


・キャンセル
一部ゲームではバクステを一部動作でキャンセル出来る
特にmugenでは、カンフーマンがデフォルトでバクステ中に動ける(空中ガードを含む)ため、mugenキャラの多くがこうなってしまっている

kofではバクステを通常技以外でキャンセルでき、それを利用して加速して移動距離が伸びるキャラもいる
(全体動作も一部キャラは減る)
画面端で使用する事で高速中段としても使用可能

そもそもバクステというのは逃げの動作であるため、同時に攻撃を出されるとその逃げを咎めるのが困難になってしまう
またkofでバクステを中段として使えるのは画面端のみ(それも可能なのは京くらいのもの)だが、mugenキャラの場合はそうとは限らない

kofのバクステには無敵がないが、キャンセル可能な上に無敵がつくともう狩れる手段が非常に限られてしまう
更にmugenの場合は空中ガード持ちであったり、空ダ持ちである場合もあり、バクステからの選択肢はある意味無限大になる

よって、バクステ中は行動不能であることが望ましい
どうしてもやりたい場合はバクステに無敵を付けず、その上で空中攻撃と相談してからにした方がよいだろう


・その他の動作
バクステが存在しない代わりに、44コマンドで他の動作を取るキャラも一部存在する

バック「ステップ」がバック「ダッシュ」になる場合距離調整がしやすくなるため刺し合いでは使えるが、移動スピードがステップより遅い上に無敵がないため、逃げに使おうとすると間に合わない事も

ラオウはバクステの代わりにその場回避が出るが、全体動作が長すぎて使える場面が限られる
 

カンフーマン(MUGEN) 全体動作:26F
無敵:なし
空中判定:1~19F
無敵は一切ないが、バクステの最中行動可能+1Fから空中判定なので、逃げつつ攻撃や高速中段として使えるという凶悪な性能
カンフーマンをそのまま流用したキャラが多いため、mugenキャラのバクステは大抵この仕様
アカツキ
(同人版)
全体動作:18F
無敵:1~6F
空中判定:なし

無敵の長さと移動距離の長さ、動作の短さが合わさって逃げ手段としては高性能
意識していないと咎められない
ゲーム内のキャラより高性能気味

画像はリック氏パッチアカツキ
リュウ
(ウル4)
全体動作:27F
無敵:1~8F
空中判定:9~18F

無敵は長いが、移動距離が若干短く動作が長い
ゲーム内のキャラも大体同じ

画像はDHQ氏改変リュウ
京(kof13)

全体動作:21F
無敵:なし
空中判定:1~15F

無敵はないが移動距離が長く、バクステの最中に特殊技か必殺技を出せる
これを利用して画面端で高速中段が可能

またバクステキャンセル特殊技で移動距離が伸び、全体動作は減って更に高性能になる
ただし移動距離が長すぎるため再び近づく必要があり、毎回これをやれば良いと言うわけでもない
ゲーム内の他キャラより若干高性能

画像はアフロン氏のkof13京
ラグナ(BBCF)   完全無敵:22F
無敵:1~5F
空中判定:1~16F

無敵は特別長くないが移動距離が長いため、中央ではしっかり読んでいなければ咎めるのは難しい
ゲーム内の多くのキャラが、これと同じかこれより少し高性能


 


 

〇空中ダッシュ(空ダ、エアダッシュ、エリアルダッシュ)

空中で前または後ろへ一定距離移動し、その後降下する
ごく稀に横方向へ入力し続ける事で走り続けるものもあるが、基本的にこのwiki内における定義では、地上ダッシュよりもステップの方が近い

コマンドは空中で「66」だが、地上から素早く空ダへ移りたい時は「9N6」や「9N9」(「N」は間にニュートラルを挟むの意)等、斜め上前要素1回+横要素1回の簡易入力で出る場合が多い
これを低空ダッシュ(低ダ)と呼ぶ
後ろでは「74」、「77」等

空中から高速で攻め込めるため、攻めの起点としては最高レベルの性能を持ち、搭載する際は注意が必要
それ故空ダを持つゲームでは、強い行動である空ダを狩るために対空手段(とそのリターン)も強い傾向にある


・軌道、慣性
ゲームによって細かい仕様が異なるが、商業ゲーでは真っ直ぐ進むもの(GG、BBタイプ)と、若干山なりに進むもの(MB、BBBタイプ)に大体分かれる

真っ直ぐ進むものは一定距離等速で進み続け、その後減速しつつ降下する
降下し始めるまではガード出来ないが他の動作ではキャンセルでき、その間移動技等の特殊な技以外では軌道が変化しない

一部を除きしばらく慣性が保持され軌道が変化しないため、低めで空ダしてから攻撃を出せば非常に鋭く攻め込め、強い行動となる
また着地間際に空ダすることで、着地下段と空ダ攻撃中段という見えにくい択が発生する
それでも高度制限があればある程度は見える

山なりのものは真っ直ぐ進むものと比べると移動距離や鋭さは落ちる傾向にあるが、同じように攻め込む手段としては強力である

AC北斗やBASARAXでは空ダから攻撃を出すと慣性が殆ど保持されず急激に下り始めるため、地上から低ダすることで高速中段として使用出来る
近中距離から攻め込む手段、また崩し手段として非常に有効であるため多用され、これらのゲームの展開が激しい要因の1つとなっている
用途的にも軌道的にも、小ジャンプの強化版と言えるかもしれない
しかし中遠距離での攻め込む手段としては、慣性が保持されるものよりも若干使いにくい

mugenキャラの持つ空ダの多くは、攻撃を出した瞬間から慣性を多少は保持しつつ下り始める
そのため北斗とGGのいいとこ取りのような軌道になり、前へ大きく進みつつも斜め下へ鋭く攻め込む事が出来るという強力なものとなっている

このタイプでは移動距離もそれなりにあるため、近距離では中段択として使いにくいが、中遠距離や画面端では降下する性質を利用してAC北斗のように高速中段択として使用出来てしまう

わざとそういった性能にしたい場合以外は、空ダの慣性はしっかり残しておいた方が良いだろう

 

GGの低空ダッシュ攻撃 AC北斗の低空ダッシュ攻撃
一般的な低空ダッシュ攻撃

慣性を維持しつつ攻撃するため、低い位置で空ダしないと地上にいる相手(特にしゃがんでいる相手)に対して殆ど攻撃が当たらない
勿論画像のソルように下方向へ長い技であれば当たってしまう可能性はあるため、そこは注意
AC北斗の低空ダッシュ攻撃

攻撃を出した瞬間から慣性を多少維持するものの、下方向へ降下し始めるため斜め下へ落ちながら攻撃する
そのためしゃがんでいる相手にもしっかり当たり、高速中段としても用いる事が出来る
また上空からの攻撃+中段+ガード大幅有利+高火力コンボ始動と、立ち回りでも強力

ちなみにmugenキャラの場合はもっと慣性が残る場合が多いため、横方向への移動が大きくなる

 

・高度制限
商業では空ダの殆どに高度制限がついており、簡易入力でもジャンプから即空ダが出る訳ではない

空ダ出来ない高度はゲームによって異なるが、​GGのように低ダが素早いゲームでは上りの制限が長く下りは緩く、GGほどは早くないメルブラでは上りと下りの制限が恐らく同じ
原作での正確なY座標は不明(そもそも公式では座標で制御していない場合も多い)だが、GGXXの上り制限は4F前後(更に空ダの4F間はジャンプの上昇の影響を受けて4F間高度が上がり続けるため、実質6F程度の高度制限があるのと同程度の高度になる)、メルブラは10F前後、AC北斗では5F

先行入力があるため見た目上は即空ダが出ているように見えるが、よく見ると空ダ時の高度がジャンプの初動とは明らかに違うことが分かるだろう

mugenでは高度制限がない場合が多く、空中判定になった瞬間、つまりジャンプの上りの最低高度で空ダが出てしまうため、地面スレスレを移動することになる
その結果、慣性がしっかり乗り、なおかつ高度制限があるキャラでは不可能だった地上からの低ダを中段択として使用可能になってしまう

慣性と同じく、空ダ搭載の際にやってしまいがちな仕様であるため、特に注意が必要である
 

黄緑がジャンプの動作時間
水色が空ダの動作時間

4Fの高度制限があるため、4F経過するまでジャンプから空ダは出ない
また空ダから4F間はジャンプの上昇力の影響を受け続けるため、更に若干上昇する

上は低ダ、下はジャンプの下りギリギリで空ダをした際の画像
上りと下りで制限高度が大きく異なる
更に下りなのでジャンプの上昇の影響を受けない

上りからでは地上の相手に攻撃を当てにくいが下りではしゃがみにもしっかり当てる事が出来るため、着地下段と低空ダッシュで強力な崩しにもなる



































・硬直時間
空中ダッシュし始めてもすぐに行動可能になるわけではなく、多くの場合攻撃を出せない時間ガードや他の移動手段(空中ジャンプや後ろ空ダ)が出来ない時間が存在する
空ダ後に攻撃やジャンプが出来てしまうと空ダという強い行動に対してリスクを負わせるのが難しくなる

アーク作品の場合は空ダの移動中(慣性は含まない)はガードもジャンプも出来ないが、空ダすると着地までガード出来ないゲームも存在
メルブラは空ダ後即ガード、空中ジャンプ可能(しかし地上技の殆どが空ガ不可)

攻撃出来ない時間はゲーム、ゲーム内でもキャラによって異なるがGGXXシリーズは6F前後、メルブラでは10F前後
この時間や高度制限が短いと、それだけ空ダが鋭くなり攻撃面が強力になる
そもそも空ダはかなり強いシステムなので、搭載の際は10F前後は欲しい

ちなみにAC北斗にはここでいう硬直時間が殆ど存在せず(1Fのみ存在?)空ダ後に即攻撃が出せる上に降下するため中段択として用いられる
ケンシロウのJBの場合、ジャンプ移行4F+高度制限5F+硬直1F+JB発生10Fで、最速20F中段となる
mugenキャラもこれに近い空ダを持っている場合が多く、高速中段として使われてしまう
 

・後ろ空中ダッシュ(後ろ空ダ)
逃げが主な使用用途ではあるが表裏択にも使用出来る場合がある

ジャンプで相手を飛び越えてから後ろ空ダしてめくり判定を持つ攻撃をすることでタイミングによって表または裏になる
GGのように移動距離が長いゲームでは、普通に後ろ空ダで択をかけても通り過ぎてしまうため軌道を変更出来る技を持たないとリターンは少ない
相手の判定(主に頭の辺り)に接触していれば、後ろ空ダをしてもそれ以上下がらないため必ずめくりになり、そのまま着地可能
ただしめくり判定のある技が2つ以上ないと慣性が保持される関係で着地前に相手へ当たる技がなくなり、寧ろ不利になってしまうこともある

メルブラのように移動距離が短いゲームならば、択をかけてそのままコンボへ行けるため強い崩し行動として使用できる

アークゲーでは前と後ろの軌道は同じ(全体動作は前20F→後ろ12Fに)
メルブラではスタイルによって前空ダの軌道が変わるためが後ろは放物線状で固定
mugenでは前空ダは真っ直ぐだが、後ろ空ダは放物線な場合が割と多い
統一しなければならないわけではないのでバラバラでも問題は無い

また勘違いしがちだがバックステップと違い、基本後ろ空ダに無敵はない
 

・空中行動の消費
空中ジャンプを使用すると空中ダッシュが使用出来なくなり、空中ダッシュを使用すると空中ジャンプが使用出来なくなるという仕様
メルブラのように制限のないゲームもあるが、基本は制限を設けたほうが良い

機動力の高いキャラクター(チップ、バング、レイ等)だと空中行動出来る量が多くなり、空中ジャンプから空ダ、空ダから空中ジャンプといったかなり自由な空中行動が可能になる場合が多い
 



◯簡易まとめ
・バクステは無敵がついている場合、画面端
外では回避行動として安定になりやすい強力な動作
それ故に無敵の長さ、動作の長さ、移動距離には注意が必要
・カンフーマンがバクステ後に即行動可能なためmugenではそうなっているキャラが多いが、ガードも可能でリスクが殆ど消えてしまうため、やめたほうが良い
・空中ダッシュは攻めの起点としては最高レベルの性能
持っているだけで相手は基本どの位置にいても攻め込まれる危険性を考えなければならず、調整が難しい
・空ダは作品によって軌道が異なり、大体が真っ直ぐ進むものと放物線状に進むものに分かれる
真っ直ぐ進むものは反応しにくく、放物線状に進むものは低空で出した際に相手に到達するまでが早くなって攻め込みやすい
・空ダから攻撃等の行動をしても軌道は変化しないゲームが多いが、
mugenでは空ダから攻撃を出すと軌道が変化し沈むキャラが多く、崩し手段として非常に強くなってしまっている
・空ダには高度制限や硬直時間が存在し、これらがないと空ダのリスクが低下し、崩し手段としても強くなりすぎてしまうため10F前後は欲しい
・後ろ空ダは表裏択にも使用でき、また無敵はつけないのが一般的

 




 

最終更新:2018年02月28日 19:21