ヒットレベル(priority)



ヒットレベルとは各技に設定された値で、技と技が同時にぶつかり合ったときにどちらが勝つかを決めるもの
アークゲーに存在する攻撃レベルとは似て非なるものであり、またヒットレベルという名称もプレイヤー間で呼ばれているだけのものなので正式名称かは不明

この概念は殆どのゲームに存在するが基本はフレームと赤枠青枠と無敵で技の処理が行われる
しかしストシリーズ等ではある技の赤枠青枠同士がぶつかった時に、まるで無敵でもあるかのように片方のみが食らわずに一方的に潰すという仕様がある

mugenでも「priority」という記述で再現可能なのだが、mugen上では基準が存在せず各々が好き勝手に設定するため、想定通りの動きが出来るとは限らない

ちなみにこの概念はお互いの赤枠+青枠が接触時にのみ有効なため、赤枠のみと青枠のみが接触した場合は青枠のみの方が一方的に負け、無敵判定の場合もpriorityの概念を無視することが出来る
 



〇具体例

このシステムによって具体的にどういった問題が出るのかを例を上げながら解説していく
 

・例1.
全攻撃がpriority = 4に設定されたカンフーマンAと、全攻撃がpriority = 5に設定されたカンフーマンBがいる
両者のフレームデータ、判定は同じとする

カンフーマンBは発生4F硬直差0Fのしゃがみ小攻撃をカンフーマンAにガードされた
このしゃがみ小攻撃はその後何にもキャンセル出来ないため、ガードされた後はお互い完全に五分状況になる
そのためカンフーマンAは、フレーム的には最低でも相打ちを狙えるしゃがみ小攻撃を出してBにターン維持させないようにした
しかし完全に同時に出したはずのBの小パンに、Aの小パンは一方的に潰されてしまった

これは制作者によって設定するpriorityがバラバラなため起こりうる問題である
流石に小攻撃のpriorityを5にしているキャラはあまり多くないが、弱中強を3,4,5等priorityを上げているキャラはカンフーマン含め存在する

それを商業ゲームでやっているのがストⅢやスト5であり、ゲーム内で一部フレームや判定を無視した動きが存在する
ただしこれらはそのゲーム内でのみ成立しているシステムであるため、mugenで考えなくやってしまうのは危険である


・例2.
通常技のpriority = 4、必殺技のpriority = 5に設定されたカンフーマンC、Dがいる
カンフーマンCは画面端でDに足払いを当ててダウンを取り、起き攻めに小攻撃を重ねた
追い詰められたカンフーマンDはリバサで発生4F、完全無敵3F(つまり発生と同時に無敵が切れてしまう)の必殺技であるカンフーアッパーを使用した

この時Cの小攻撃は通常ならばアッパーの無敵が切れた瞬間に相討ちになる
しかし両者のpriorityは通常技4、必殺技5に設定されているため無敵が切れているのにも関わらず相討ちにならず、必殺技を使ったDが一方的に小攻撃を潰してしまった

この事例もmugenではよく起こる問題である
必殺技のpriorityを高い値に設定しているキャラは多く、また通常相討ちになるような場面では無敵のような働きをするため、無敵が短い、または無敵がない技でも噛み合えば相手の攻撃を一方的に潰してしまうのだ

またpriorityの値が上回っている時は相手の攻撃を潰せるが同じ値の時は普通に相討ちになり、相手が上回っている時は一方的に負けるため、priorityが統一されていないmugenでは全く安定性がなく信用出来ない
そのため再現でもなければ、無敵技としてしっかり使えるようにしたいなら攻撃判定が出るまで無敵にすれば良いし、無敵を短いまたは全くない技にしたいなら潔くpriorityも高い値に設定しないようにするのが分かりやすくて良いだろう
 




〇実際に設定すべき値

mugenには長い歴史はあれど、統一された基準があまり存在しないためpriorityも作者によってバラバラである
これは多くの作者が土台に使うカンフーマンのせいでもあるのだが、そこまで意図せず設定している全キャラクターのpriorityを今更統一することも不可能なため、ある程度の諦めは必要だろう

しかしこれから作られるキャラや、まだ更新されるかもしれないキャラに対して「とりあえずはこうした方が良い」という基準を提示することは出来る
そこで当wikiでは、投げを除く全技のpriorityを4に設定することを推奨する

これはpriorityのデフォルトが4であり、また4に設定しているキャラが多いためである
(ただしそれはある程度統一しているキャラのみの話であり、再現ではなくとも弱中強で3,4,5に設定されている場合が多い)
更に付け加えるなら当wikiが基準を設ける事(デフォルト推奨しているだけ)で、統一することが常識として広まる事を願ってのものでもある

格ゲーの読み合い等の諸々の要素をある程度理解した上でなら、通常技とそうそう相討ちにならない赤枠の飛び出た必殺技のpriorityを5にし、priorityの高めに設定された相手の技に対してある程度対抗出来るようにするのもありかもしれないが、実際はどうあれやはりこのwiki内では4に統一する事を勧めたい
対人戦で相手側がバラバラなせいで一方的に負ける事が嫌で、改変可能なキャラなら簡単に値を書き換えるのも良いだろう


投げ(打撃投げを含む相手のステートを奪う攻撃)に関しては相討ちが基本存在しないため、打撃とぶつかった際は一方的に勝つか負けるかのどちらかしかない
投げと打撃が完全に重なった場合、投げが発生1Fではない作品の多くは投げ側が一方的に勝つ
投げが1F発生かつ投げが打撃に勝ってしまうと、リバサ投げが起き攻めの打撃に勝ってしまう事になるため危険

GGXrd、SNK作品の多くはは1F投げの作品が多く投げが一方的に勝つ
umvc3では同じく1Fだが打撃が勝つ

具体的なpriorityの値はほぼ確実に負けられる1または打撃にはほぼ勝てる6or7で(恐らく7で構わない)、隣の文字列に関しては相討ちになっておかしな挙動にならないよう絶対にmissにすること
 


 


〇簡易まとめ
・priotiryは4に設定することが望ましい
・ヒットレベルは場合によっては実質無敵となるため、考えなく高くするべきではない
・投げには打撃との相打ちが存在しないため、priotiry = 1,miss または 7,miss にすること

 

最終更新:2019年06月11日 15:55