〈呪力〉とキャラクター

● 〈呪力〉について ●


 本作「ゆらぎの神話TRPG」における判定単位は〈呪力〉である。
 これはAの魔法陣における「成功要素」の言い換えである。

 キャラクターが持つ特徴、性向、技能、道具、異能、
 それらキャラクターの行動の成否に関わる全ての要素を、本作では一括して〈呪力〉と呼び習わす。

 呪力は〈〉によってくくられる全ての文字列を差す。
 呪力を表す文字列は必ずしも単語でなくてもよいが、冗長な文章は可能な限り避けること。
 長文の呪力はデータ参照の妨げになるためである。
 目安としては句読点を含まない一文、三単語程度の文章が適当である。

 呪力には〈個性〉〈呪力〉【呪術】の三つの種類が存在する。
 また、呪力は「呪力トークン」の消費によって習得される。

 判定の際、〈呪力〉は達成値二点、もしくは六面ダイス一つとして計上される。


● キャラクターについて ●


 本作におけるプレイヤーキャラクターは五つのステータスで表現される。
 〈個性〉〈呪力〉〈適性〉【呪術】【絶技】である。


● 〈個性〉について ●


 個性とは、〈呪力〉の中でも「ある個人を表現するのに最低限必要なパラメータ」を指す。
 これは人間ならば余程特別な理由がない限り備えているものである。

 社会的な身分を示す 〈名前〉 〈所属〉 〈職業〉
 生物的な区分を示す 〈年齢〉 〈性別〉 〈種族〉
 個人的な特徴を示す 〈容姿〉 〈印象〉 〈内面〉

 この九つで構成される。

 これらは〈呪力〉の一種であり、判定に使用できるが、後述の呪力トークン消費ルールに則って新たに獲得することは出来ない。
 これらはキャラクター作成時か、物語の進行に応じてSDによって配布されることでのみ獲得できる。
 また、各分野につき二つ以上の〈個性〉を持つことは適正である。

・名前

 ここでは、個人を呼び習わす最も的確な名称を指す。
 社会的な呼称だけでなく、自己を規定するための精神的な符号である場合もある。

・所属

 その個人が社会のどこに所属しているかを表す。
 基本的には〈地上〉〈地獄〉〈第五階層〉に分かれる。
 〈星見の塔〉〈大神院〉などの大型勢力も含まれることが多い。

・職業

 その個人の従事している経済活動を表す。
 あるいは、能力を簡潔に言い表した区分や、一つの資格である場合もある。

・年齢

 一年を三百六十五日とし、生誕から何年を過ごしたか。曖昧な数値を宣言してもよい。
 巡節数えの場合は(大雑把には)数値を二倍すること。

・性別

 性別。多くの場合〈男〉と〈女〉の二つしかないが、例外もある。

・種族

 種族。
 原作に登場した種族の一覧については『幻想再帰のアリュージョニストWiki』の「種族」の項目を参照されたし。

・容姿

 肉体の形状。中でも特徴的な部位。外見の具体的な情報。
 筋肉、骨格、脂肪、美醜、など。

・印象

 その個人が他人に与えるイメージ。雰囲気。外見の抽象的な情報。
 誠実そう、汚そう、こわい、かわいい、など。

・内面

 心理的な特性、知性、心的外傷。精神的な構成要素。
 優しい、短気、賢い、トラウマ:○○、など。


コラム:〈容姿〉と〈印象〉について

 同じ〈容姿〉でも、〈印象〉によって形作られるイメージは違ってくる。
 容姿が〈偉丈夫〉でも、印象が〈優しそう〉なのか〈強そう〉なのか。
 印象が〈こわい〉でも、容姿が〈美人〉なのか〈筋骨隆々〉なのか。
 これは原作で言えば【杖】的な外見と【使い魔】的な外見の差でもある。


● 〈呪力〉について2 ●


 〈個性〉に当てはまらない全ての特徴は、〈呪力〉として表現される。
 以後単純に〈呪力〉と呼ぶ場合、上記の定義を用いるものとする。

 〈呪力〉には、あらゆる要素が該当する。
 キャラクターが習得した技能、宿す異能、得た道具、経てきた経験、待ち受ける運命などである。
 これら全てはキャラクターが繰り広げる物語の中で、その活動を時に助け、時に害するだろう。
 呪力の初期所持個数上限は十個までである。


● 【呪術】について ●


 呪術とは、類推によって文化的営みを拡張する術である。
 平たく言えば、もっともらしい与太話を現実に変える技術とも言える。
 〈呪力〉の中でも、呪術は別枠として扱う。

 原則として〈○◯〉で表記される呪力のうち、呪術だけは例外的に、原作に習い【○◯】で表す。
 プレイヤーは思いつく限り自由に呪術を考案してよい。
 呪術の初期所持個数上限は十個である。 

 原作に登場した呪術は『原作Wiki』の「呪術」の頁を参照されたし。


● 〈適性〉について ●


 「キャラクターが操る呪術の傾向」は〈適性〉として表現される。
 全てのキャラクターと全ての呪術は一つ以上の〈適性〉を持つ。

 キャラクターは〈適性〉に合致しない呪術を習得することは出来ない。
 〈適性〉は〈邪視〉〈呪文〉〈使い魔〉〈杖〉のような四大属性分類から、〈朱〉〈藍〉〈白〉〈黒〉〈灰〉のような色号論分類、〈氷炎術〉〈ビーンズ式詠唱術〉〈マグドール魔術〉のような流派、〈サイバーカラテ〉〈ミアスカ流脚撃術〉のような武術を含む。

 また、〈邪視〉〈使い魔〉に関しては前提として〈呪力〉を必要とする。
 以下を参照されたし。

  • 〈世界観:○◯〉
 その個人が寄って立つ視座、心象風景、世界の解釈。
 邪視者はこれを現実世界に押し付ける事で世界を改変する。
 〈適性〉に〈邪視〉を持つキャラクターは、必ず〈世界観:○◯〉の呪力を取得すること。

  • 〈使い魔:○◯〉
 その個人が従える使い魔。道具や人も含まれる。
 自己の一部と数えるほどに執着する存在の場合、〈三本足:○◯〉に変化する。
 〈適性〉に〈使い魔〉を持つキャラクターは、〈使い魔:○◯〉の呪力の取得が推奨される。


● 【絶技】について ●


 呪術の中でも特別強力な上位呪術や四大系統の奥義、禁戒呪法、必殺技や強力な道具の効果などを、本作では一括して【絶技】と呼ぶ。

 【絶技】は、追加効果を持った【呪術】である。
 これは一つの呪術として扱う。つまり〈適性〉を持ち、判定の際に達成値二点かダイス一つとして計上する。
 加えて、呪力トークンを一点コストとして支払う事で、達成値三点を得ることが出来る。
 つまり【絶技】一つで五点の達成値を獲得するか、ダイスを一個振った上で更に三点の達成値を得ることが出来る。

 絶技を習得する場合、必ず効果を詳しく設定し、それについてSDの許可を得ること。
 また万能に使用できる絶技は認められない。SDはその絶技が想定されるあらゆる判定のうち三分の一以上に使用できると判断した場合、それを棄却すること。
 絶技の所持上限個数は三個である。


コラム:絶技と呪術の差

 呪術と絶技に本質的な差はない。
 つまり初級呪術である【空圧】を絶技と言い張ることも出来る。この場合、その個人が【空圧】に特別な適性を持っているとか、特別に【空圧】に習熟している、という状態を示す。
 が、一般的に上位の呪術として絶技を設定する場合、その過程や効果の程度を比較するとよい。
 過去改変や価値操作など広範に効果を発揮するもの、複雑な手順や大量の呪力を要するもの、時間停止や小世界の展開など絶大な効果を発揮するもの、を絶技として区別することが望ましい。


● 呪力トークンについて ●


 呪力トークンとは、本作における経験値であり、リソースである。

 トークンを支払うことで、いつでも以下の効果を発揮することが出来る。

・シナリオ内

 (トークンを一点消費)
  • 〈呪力〉を一つ習得する
  • 【呪術】を一つ習得する
  • 【絶技】を発動する
  • 達成値一点を得る

・シナリオ外

 (トークンを一点消費)
  • 〈呪力〉を一つ習得する
  • 【呪術】を一つ習得する
  • 〈適性〉を一つ追加する
 (トークンを二点消費)
  • 呪力・呪術の所持数上限を一つ拡張する
 (トークンを [二+所持【絶技】数] 点消費)
  • 【絶技】を習得する

・キャラクター作成時のみ

 (トークンを一点消費)
  • 〈個性〉を一つ獲得する

 判定中にトークンを支払って〈呪力〉を獲得することも、達成値を一点得ることも適正である。
 これらがSD権限によって棄却された場合、使用したトークンは返却される。

 呪力トークンはシナリオ開始時に一点、終了時に一点配布され、判定を一つ達成する毎に一点獲得できる。
 他、良いロールプレイをしたとSDが判断した場合にも一点配布してよい。


コラム:呪力トークンと物語への積極性

 呪力トークンはキャラクターの設定を拡張するためのリソースである。
 これがなければキャラクターは追加の設定を獲得することが出来ない。

 呪力トークンはおおよそ判定を成功させるたびに配布される。
 言い換えれば、判定に参加しなければ〈呪力〉は増えない。
 毎判定一つずつ消費しても帳尻が合う。手持ちの〈呪力〉だけで成功させれば一つ増えることになる。

 つまり、キャラクターの情報を拡張するには物語に積極的に参加する事が求められるのである。
 自分から行動を起こし、積極的にSDに判定を持ちかけ、それを攻略してトークンを得、得たトークンで次の判定を攻略する。この繰り返しでキャラクターは成長していくのである。


● 〈呪力〉の停止と削除について ●


 キャラクターの行動の結果を、〈呪力〉の停止という形で表現する場合がある。

 停止された〈呪力〉は、停止状態が回復するまで使用することが出来ない。
 解除条件は停止状態を付与された時にSDが伝えること。
 プレイヤーが回復に足る適切な物語を演じた場合、SDは停止状態を回復すること。
 回復のために判定を設けても良い。

 プレイヤーはシナリオ外に、〈呪力〉を削除してもよい。
 この際、削除の理由を適切に説明すること。物語上・設定上問題のない理由であった場合、SDはこれを認めること。
 理由のない〈呪力〉の削除は認められない。


● キャラクターメイキングについて ●


 キャラクター作成時、あなたは二十五個の呪力トークンを得る。
 トークン消費のルールに則り、〈個性〉〈呪力〉〈適性〉【呪術】【絶技】を習得すること。

 この際、【絶技】を除く全ての欄に空白を作ってはならない。
 もし空白を設けたい場合、SDの許可を得ること。
 また、余った呪力トークンはそのままプレイヤーが保持してよい。


キャラシートテンプレート

【 個性 】
名前:
所属:
職業:

年齢:
性別:
種族:

容姿:
印象:
内面:

適性:

【 呪力 】


【 呪術 】


【 自由記述欄 】

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最終更新:2016年11月12日 00:01