N64ゼルダの基本システム

N64ゼルダは「ゼルダ64エンジン」と呼ばれる「スーパーマリオ64エンジン」から派生したもので基本システムが構成されている。

ゼルダ64エンジンは3つの要素で構成されている。


シーン

マップ全体のデータ。別のもので例えるなら「一つの家」だと言えば分かりやすいか。

このシーンには最大32個のルームを格納することが可能である(但し、32個も使われたシーンはN64ゼルダには存在しない)。
全体のポリゴンメッシュを構成している為、もしルームがロードされていない状態であったとしても落ちることが無いのが特徴である。
シーンのデータはワープ地点も含まれているので、それを利用しルームがロードされていない状態で通常は通れないようなワープ地点に行くことも可能である。

穴の中・妖精の泉は一つ一つ別々のシーンであると思われるかもしれないが、実は穴の中・妖精の泉はそれぞれまとめて一つのシーンで、例えば「一つの妖精の泉」はルームとして管理されている。これを利用し、ムジュラ、ムジュラ3DのRTAでは妖精の泉を通して全く別のシーンにワープするルートが構築されている。


ルーム

シーンの一区画を示す。別のもので例えるなら、シーンは「一つの家」であるが、ルームは「家の中にある部屋」である。

ルームにはグラフィックデータ、水中範囲のデータが含まれており、中にはロードするアクターのリストが含まれているルームも存在する。
ルームは2つ同時にロードが可能であるが、大体が「移動をリアルに見せる為」にやっており、ルーム間の移動を終えるとロードしているルームは1つだけとなる。また、「2つ同時にロードが可能」と書いてある時点で察しが付くとは思うが、3つ以上同時にルームをロードしようとするとフリーズするのでそうならないように注意が必要である。

ルームのロードを利用しアクターを複製するバグがある。このアクター複製を利用すると、黄金のスタルチュラの複製も可能である。
ルームを2つロードさせた状態に出来るバグで「Actor Glitch」と呼ばれるバグが存在する。このバグが発生すると中々興味深い現象が発生する。


アクター

一言で言えば、物体、オブジェクトである。アイテムやダンジョン等で使われるブロック、キャラクター、効果音やエフェクト(光の弓矢の光や爆発等)等様々な種類のアクターが存在する。

無駄な処理を省く為か、アクターには描画フラグが存在し、このフラグがONになることでアクターが描画される仕組みとなっている。例えば皆さんはハイラル平原を後ろ歩きでマラソンをしていたとき木々が徐々に消えていったと言う経験が無いだろうか。あれはアクターの描画フラグがOFFになった為に描画されなくなったことで起こっているのである。アクター描画フラグはカメラからアクターを一定距離離す、カメラがアクターの映らない方向であるといった条件でOFFになるように設定されている。このとき、アクターの動作も省略される。

描画フラグを利用しカメラをアクター描画フラグがONにならない位置に固定させることで、邪魔なアクターを通り抜けていくバグが存在する。特に有名なのがコキリの森抜けバグである。



名前:
コメント:
最終更新:2018年03月21日 20:27