第三次覇権海戦(ズドリティアの悲劇)

シードリア共和国ハーレン海防連合王国の海の覇権を巡る争いの最中に発生した出来事とその顛末。

ロクシア歴1712年に勃発した第三次覇権海戦。
シードリア側は二百、ハーレン側は百八十もの大小の船舶が集結して相対。
そして開戦の狼煙が上がる同時に突如として巨大なクラーケンが戦場に乱入、双方全ての作戦が無意味と化した。

一部では『ガルガンスクイッドだった』という目撃証言もあるが、これが内海に出てくる筈はないのでおそらくは恐慌をきたした兵士の見間違いだろう。

さて、このクラーケンではあるが、戦争中の両軍が協力して撃退したという話なら美談になるのだがそんな事はなく。
あろうことか、互いにクラーケンを押し付け合ったのである。

どうやってクラーケンを撃退するのかではなく、いかにクラーケンに敵軍を攻撃してもらうかに終始したこの海戦は両軍合わせて多大な犠牲を出し『引き分け』として終結した。

最終的にクラーケンはシードリアの軍艦1隻とハーレンの軍艦1隻が協力して打ち倒している。

両軍の提督の指示で戦況が泥沼化し膨大な死傷者を出したこの戦いは流石に両国の市民からも非難される事態となり、以降『ズドリティアの悲劇』と呼ばれる事となった。

またクラーケンを協力して討伐した両軍の軍艦は二隻とも完全な命令無視であったらしい。
その後乗っていた指揮官達には相応の処罰があったらしいが、一部の市民からは賞賛の声が挙がったと云う。


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最終更新:2022年08月02日 10:58