ガルガンスクイッド

クラーケンの超大型種。
体長は優に1000メートルを超え、体表には黒く毒々しい模様が入っている。
老熟個体ともなれば最大2キロメートルにも達し、あまりの巨大さから島と誤認された事もあったとか。
一説ではこれがクラーケンの『原種』であると考えられているようだ。

非常に優れた代謝機能を有し、補食した獲物の栄養を無駄無く全て取り込む事が可能。
そうして常に肉体の老化部分を新しい細胞に入れ替え続ける事で悠久の時を生きているらしい。

存在が確認されたのはおそらく数千年前。
内海と外海を隔てる境目に多数棲息し、外海を調査しようとした多くの船舶がこれによって海の藻屑となってきた。


リスリー博士の日誌より抜粋】
これまでの人生で高い買い物は幾つもしてきたが、今回買った船は間違いなくトップになる。
だが内海を飛び出し未知の領域を旅する上で、これ以上の物はそうそう無いと言って良いだろう。
これまでの人脈から調査隊のメンバーも選りすぐりを揃え、物資も十分に詰め込んだ。
順風な船旅になる……保証は一切無いが、人類未踏の神秘に少しは触れられる事を期待したい。
明日は、いよいよ出航だ。

(中略)

島がある、と言った見張りも、探索を提案した仲間も、私は恨むつもりは無い。
私でも甲板から見た時は小島程度にしか思えなかった。

それに気付いた時には我々は既に近づき過ぎており、すぐさま襲撃を受けて船は半壊にまで追い込まれた。
接近して初めて見えた奴の体の模様はその危険性をそのまま表した様な毒々しい色をしていた。
私の持ち得るあらゆる秘術を駆使して追い返したが、この船はもう使い物にならない。
旅はあっけなく終焉を迎えたが、最小限の犠牲で帰還出来たのはむしろ幸運と思っておこう。
新しい船を買うまでは、またしばらく貯金をしなければな…。


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最終更新:2023年04月06日 16:05