『空間を喰らう者』『無限を貪る者』『永劫に飢えて彷徨う者』等、数々の異名を持つ得体の知れない怪物。
古代文明の遺した古文書や石板にその存在が僅かに記されるのみで、その起源等は殆ど解っていない。
そもそも魔物であるかどうかすら不明。
だがその力は様々な神格や高位精霊にも匹敵する規格外のものとされる。
姿形も抽象的な記述しかされておらず、それらを纏めると『膨張し続ける不定形の体に無数の眼や牙を有する口腔を持つ悍ましい怪物』との事。
その名の通り世界や空間そのものを喰らい尽くすとされ、顕現すれば海も大地もそこに存在する全てが完全に消失するまで止まらない。
喰われた所は空間自体が虚無へ還ると云われ、この存在が現れる事そのものが世界の破滅を意味すると云う。
かつて
魔王リブラグニドゥが勇者
アル・ワーコレーとの戦いに敗れた際、全てを道連れにしようと召喚しロクシアへと顕現。
リブラグニドゥの死体を取り込み融合すると周囲一帯を喰らい始めた。
だがその際、勇者と魔王の持っていた
聖剣と
魔剣に埋め込まれた宝珠が一つに融合。
時空を司る神秘の宝石が生まれた事で元居た空間へと送還する事に成功したのである。
そして勇者によって使用された魔剣は怪物と共に世界から喪失し、宝石も再び二つに分かれてロクシアの何処かへと飛散した。
後に
リスリー博士の著書において『魔王自身もあの存在を理解しきれず、編み出した召喚術式も不完全だったのではないか』『あの時召喚されたのは“本体のほんの一部分だけ”であり、僅かに顔を覗かせただけだったのかもしれない』との推測がなされている。
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最終更新:2023年02月17日 15:29