“命の神子”シエル

死越の会』にて『生命を司る奇跡を宿した神の子』として崇められている少女。
額には直接張り付いているかのように『青竹色の宝石』が淡く輝いている。

彼女によって祝福が施された赤い聖水を飲むと、どんな重い怪我や病気でも完治すると言う。

一部の儀礼以外では信者達の前に出る事は無い。
姿を現す際には小さな体を白い法衣で包み、常に俯きながら人形の様に何も語らず椅子に座っているのみ。
その際には教団のトップである『司教』が常に傍らに立ち、『代弁者』としてその意思を説いている模様。

普段は教団本部の奥で多数の幹部達に守られながら過ごしているらしい。


+ 【その実態】
神の子と呼ばれてはいるが決して亜神半神等の類ではなく、ごく普通の人族の子供。
ただしその身体はイデアシリーズの一つである『生命の真髄』と結合し、実質的な不死に至っている。

元々はとある思想を持つ団体が何らかの経緯で生命の真髄を入手したものの、そのままでは強力な過回復によりまともに扱う事すら出来なかった。
そこで過剰すぎる回復力を御しやすくする為、『人体に改造を施す秘密組織』と接触。
表向きは慈善活動という形で大勢の孤児を集めると生命の真髄と融合させる人体実験を繰り返し、夥しい数の失敗の末に唯一『適合』したのが彼女であった。
結果、彼女の“身体そのもの”が『万能の回復薬』と化してしまい、日夜その血肉を『教団』によって採取され続けている。

一度隙を見て脱走し一般信者に助けを求めた事もあったが、すぐに追いつかれ助けを求めた信者は『司教』によって惨殺。
その際に『君が逃げたせいで彼らが死んだ』と告げられた事で『自分が我慢しなければ他の誰かが傷付いてしまう』と思い込むようになる。
それ以降、人前でも逃げる事も助けを呼ぶ事も出来なくなり、人形の様に一言も喋らなくなってしまった。

教団本部の奥で軟禁されながら苦痛に耐える日々を過ごしているが、心では『どんな形でも良いからこの痛みが終わる瞬間が来て欲しい』と願っている。


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最終更新:2024年03月09日 23:29