まるで地獄の様だった。

2mを超える巨漢に抱え上げられ、敵マスターの道化に、鉤爪で寸刻みにされている青年。
両腕を肘から斬り落とされ、羆だの鰐だの大型犬だのに生きながら食われている二十代後半の女性。
両手足をへし折られ、サーヴァントの少女に抱えられ、その光景を見ていることしか出来ない自分。

まるで地獄の様だと少女は思う。



深更の公園で繰り広げられた死闘は、短いが熾烈なものだった。
魂喰いを行っていたバーサーカーとそのマスターに、対主催で手を組んだ二組の主従が挑んだのだ。

バーサーカーとアーチャー及びライダーの戦闘は、結果としてかなりの広さの公園を破壊し尽くしたものの、バーサーカーは消滅し、そのマスターも無力化することができた。

手を取り合い勝利を喜ぶライダーのマスターの少女とアーチャーのマスターの青年。
それが、彼らの人生最後の幸福だった。

「アーチャー…遅いな?何やってるんだ?」

青年がバーサーカーの視覚の外から狙撃を行うべく、離れて行動しているサーヴァントを気遣った時、新たな敵が現れた。

「あらあら〜ん。可愛らしい娘がいるじゃな〜い」

耳障りな声がした方に目をやると、そこに居たのは、セーラー服の様な服を着た少女を連れた道化姿の男。
二人に共通するのは、濃密な血と――――死の臭い。
その臭いに反応して、二十代後半の女性――――ライダーが青年と少女をの前に立つ。

「あら?やる気?お仲間も居ないのに?其れともエッチな事でもしたいの?いや〜ん。嬉しい!」

オカマ口調で喋くる道化に三人が不快感を示したと同時。対峙する両陣営の間に投げ込まれる人影。
相当な勢いで投げつけられたのか、地面に叩きつけられた後バウンドして転がってくる身体を、咄嗟にライダーが蹴り飛ばす。

地面と平行に横に飛んで、折れた樹に激突したその姿を見て、青年が悲痛な叫びを発した。

「アーチャー!!!」

四肢を斬り離され、自分の矢を急所を外して全身に突き立てられたアーチャーは、それでもマスターに答えようとして、

不意に現れた巨漢に頭を踏み潰された。

「マスター!!!……」

不利を悟って、マスター達に逃げる様に言うライダーだが全ては遅過ぎた。
元々アーチャーもライダーもそこまで優れたサーヴァントでは無い。
故に手を組んで居たのだが、自分と同等のアーチャーを嬲り殺しに出来る敵が相手では、精々がマスターが逃げる時間を稼ぐ位の事しかできはしない。

だがしかし、ライダーが敵を前にして他に気を向けるという、致命的な隙を晒したのを見逃してくれる程、道化の従えるサーヴァントは甘くなかった。

「――――!?」

気づいた時にはセーラー服の少女が地を這うかの如き低い姿勢で一気に間合いを詰め、咄嗟に繰り出したライダーの槍を容易く回避して、手にした日本刀を一閃。ライダーの両腕は肘から断たれていた。

激痛に叫びかかったライダーを、不意に現れた羆が殴り飛ばし、倒れたところへ更に現れた大型犬や鰐が群がり、喰らいだした。

「良いわね〜。ほんっと良いわ〜。私ってラッキー!!こぉ〜んな良いサーヴァントを引けるなんてっ。きっと日頃の行いが良いからね」

嬉しそうに笑う道化。逃げようとした2人のうち、アーチャーのマスターを巨漢に任せ、自分はライダーのマスターの両手足を折って逃げられぬ様にしていた。

「さ〜て、お愉しみの時間よっ!!バーサーカー、女の子の方は持ち帰るからよっろっしっくっねっ」

そう言って、道化は青年を切り刻みだした。
そうして、ライダーのマスターは、セーラー服の少女、バーサーカーに担ぎ上げられた。
青年が息絶え、ライダーが消滅すると、巨漢と獣達はバーサーカーの持つ刀に吸い込まれる様に消え、バーサーカーは道化はに従って、公園を後にした。

――――バーサーカーの耳に、止めるよう訴える少年の声が聞こえた。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

「は〜い。ご飯よぉ」

翌日の夜。バーサーカーにより、住民が悉く殺し尽くされた安アパートの一室で、
元が人間であったと分からない程に破壊された少女を抱えた道化が、バーサーカーを実体化させた。

「ぎ……ぎ………ぎ………」

凄まじい苦悶の表情を刻み込んだデスマスク。それでも少女は生きていた。
一閃。刀を一振りし、バーサーカーは少女の首を切り落とす。

「あらまあ〜怖いわねぇ〜」

バーサーカーが魂食いをしているのを余所に、テレビに興じる道化。
ニュースでやっているのは、今朝公園で発見された惨殺死体に関する続報だった。
生きながら切り刻まれ、かなり長時間生きていたこと。犯人の目星は全くつかず、現場には大型動物の足跡が、複数種類発見されたこと。現場の公園が破壊され尽くしていたこと。
そして、惨殺された青年に妻子が居たこと。

「キャハッ!カワイイわ〜。そうね、誰が犯人か教えてあげましょう!!イヤ〜良いことをするって決めると気分良いわ〜〜」

インタビューを受ける未亡人と子供を見てはしゃぐ道化。

――――その姿を見てバーサーカーの脳裏に、墓前で祈りを捧げる母と子の姿が浮かんだ。

「行くわよバーサーカー。今夜は貴女も参加しなさいね」

――――喜悦を隠さぬ道化を見ていると、悲しみと怒りに満ちた青年の顔が浮かんだ。

「た…け……う…いぶ」

バーサーカーのクラスを与えられた少女の洩らした悲鳴は誰にも届かず虚空に消えた。



【クラス】
バーサーカー

【真名】
クロメ@アカメが斬る!

【ステータス】
筋力:B+ 耐久:C 敏捷:A+ 幸運:D 魔力:E 宝具:A+

【属性】
秩序・狂

【クラススキル】
狂化:C
幸運と魔力を除くステータスをアップさせるが
言語能力を失い、複雑な思考が出来なくなる。

【保有スキル】

無窮の武練:C
重度の薬物中毒にあっても類稀な武技を発揮した。
完全に理性が無くならない限り、十全の戦闘能力を発揮できる。

人体改造:B
投薬を初めとする処置により、天分を越えた能力を獲得している。
強化薬物を摂取することで、宝具と幸運と魔力を除く全ステータスと全てのスキルに++が付く

戦闘続行:B
人体改造に依って得たスキル。頭か心臓を潰さない限り死ぬことは無い

心眼(偽):C
人体改造に依って得たスキル。第六感による危険回避。超遠距離からの狙撃をも避ける事ができる

怪力:C
一時的に筋力を増幅させる。使用する事で筋力をワンランク向上させる。持続時間は“怪力”のランクによる。
本来は魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性だが人体改造に依って獲得した
筋力のみならず敏捷性も向上させる

薬物中毒:B
人体改造に依って得たスキル。薬物に身体を蝕まれている為、持続力に欠ける。
また、薬が切れると発作を起こし、戦闘能力が激減する。




【宝具】
死者行軍・八房
ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:1〜2 最大補足:8人

斬り殺した者は人であれ獣であれサーヴァントであれ骸人形として操ることができる日本刀型の帝具。
骸人形は生前の能力をそのまま行使し、Cランクの狂化とA+ランクの戦闘続行スキルを得、Eランクの宝具に相当する神秘を得る。
痛覚と精神が無い為、痛みでは止まらず、精神攻撃が一切無効。
サーヴァントであればその霊格は著しくダウンし、神性や皇帝特権を始めとする出自や身分に関わるスキルやカリスマや勇猛といった精神に関わるスキルが消滅する。
サーヴァントは宝具の真名開放こそ出来ないが、常時発動している宝具なら問題無く使える。
マスターを骸人形化することで、間接的にサーヴァントを支配できるが、魔力量の負担は当然跳ね上がる。
骸人形はクロメのから魔力を徴収して動く為、骸人形を展開する数が増える程にクロメは弱体化していく。サーヴァントともなるとその量は絶大で、一体出すのが限度。
骸人形にlする相手や、廃棄する骸人形。運用はマスターの指示で行われる。
骸人形の修復はクロメよりもかなり時間が掛かる。


【weapon】
お菓子。魔力により精製される薬物入りのお菓子。摂取しないと禁断症状を起こす

【人物背景】
帝国の特殊警察イェーガーズの一員として招集された少女。
幼い頃両親に売られ、帝国の暗殺部隊として反帝国勢力を暗殺してきた。
この時受けた処置で身体能力を向上させるものの、薬物中毒になり、心身共に蝕まれて行く。
イェーガーズでの生活で、人間としての心を取り戻していくが、激化する戦いの中で仲間を失って行き、自身も薬物により限界を迎えた為、姉であるアカメとの最後の一戦に臨む。
力及ばず敗れるも、心を通じ合わせた少年ウェイブに助けられ、2人で帝国から離れて行きて生きることを決めた。


【方針】
マスター任せ。骸人形に関することもマスターが決定している

【聖杯にかける願い】
???????




【マスター】
ティベリウス@デモンベインシリーズ

【能力・技能】
最高位の魔術師であり、魔導署の力でゾンビと化している為、魔導署を破壊されない限り死ぬことが無い。しかし、何故か痛覚が存在するので殴られると痛い。
当人+魔導署の魔力によりサーヴァントを維持する為の魔力は豊富。
八房の死者を8体同時展開することも可能。
制御の難しいバーサーカーを完全に制御下に置いている。
ティベリウスは自身の腸を伸ばしての拘束や、鉤爪を用いた戦いを行う……があまり強く無い。
影に潜っての移動が可能

【weapon】
魔導署『妖蛆の秘密』
鬼械神(デウス・マキナ)の召喚は不可能だが、魔力炉としての機能を持つ為、ティベリウスに絶大な量の魔力をもたらしている。
普段はティベリウスの体内に収納されている
ゾンビの作成も可能だが、サーヴァントに対しては不可能

仮面:
複数所有し、感情に応じて変わる

【ロール】
皆大好きピエロだよ〜〜ん

【人物背景】
秘密結社“ブラックロッジ”の大幹部“アンチクロス”の一人。
その性格は残忍卑劣、鬼畜外道。
戦い方も、不意打ちや人質を取って手を出せなくしたところを嬲り殺す等。
敵対したものをゾンビの大群に襲わせ生きたまま食わせたり、体の中に大量の蛆虫を植え込んで内部から破壊したりと凄惨な殺し方を好む。
女性を凌辱して惨殺することも好むが、その対象が子供であれば男女を問わない。

【令呪の形・位置】
髑髏の形をしたものが『妖蛆の秘密』に浮かび上がっている

【聖杯にかける願い】
手に入れてから考える

【方針】
強そうな奴を八房の骸人形にしていく。
可愛い子供や女性がいたら“お愉しみ”の時間を取る
正義の味方っぽい奴は徹底的に嬲って殺す

【参戦時期】
マスターテリオンを裏切った直後

【運用】
基本的に骸人形の手数で押して行き、敵マスターをティベリウスが影から不意打ちしていくのが堅実な勝ち方か。

【備考】
NPCを一人。大型犬を2頭と、羆と鰐を一頭ずつ骸人形にしています。
最終更新:2016年04月30日 21:15