Arcane Tradition: Anima Magic
ウィザードは2レベル時に秘術の伝統を選択するが、その選択肢値として『Player’s Handbool』にはつ8つの呪文の系統が提示されている。
ここではアニマ・メイジと呼ばれるウィザードたちが選択する秘術の伝統として「アニマ魔法」を紹介する。
アニマ・メイジは契約魔法に秘術魔法を調和させる術を学んでおり、秘術魔法を修得していくと共に、いくばくかの痕跡霊に関する知識と、それらを適格に呪縛する能力をも獲得していく。
魂への呪縛
Soul Binding
2レベル時、君はバインダーと同じように、痕跡霊と接触し、それらと契約を結ぶ能力を修得する。
君はバインダーとは異なり、痕跡霊をパトロンとして能力を授かる訳ではない。
君は自らの学習によって痕跡霊と接触する方法を見出し、痕跡霊の同意を得ることなく無理やり現世に呼び出して強引に契約を取り結ぶ。
そのため、君はバインダーのようにすべての痕跡霊を召喚できる訳ではなく、修得している痕跡霊だけを召喚して呪縛することができる。
君は1レベル痕跡霊から2つを選び、その秘文と召喚方法を自らの呪文書に書き加える。これらはそれぞれ呪文書の中で1レベル呪文と同じだけのページを占める。
痕跡霊と接触するには、何らかの表面(通常は地面)に、特異な秘文を描かなければならない(この秘文は儀式毎に描き直す必要がある)。
その後、対応する痕跡霊を招来するための儀式を実施しなければならない。
秘文の描画と儀式の実施には10分間の精神集中を必要とし、秘文を起動するために君がその時点で有している5レベル以下で最高レベルの呪文スロット1つを消費しなければならない。
消費する呪文スロットのレベルが、呼び出そうとする痕跡霊のレベルと同じかそれより高いレベルでなければ、この儀式は自動的に失敗する。
また、個々の痕跡霊によっては、それぞれの説明文に記載されているようなその他の特殊な必要条件が設定されている場合もある。
儀式の間に君は秘文に触れ、その痕跡霊の名前と称号の両方を呼ばわらなければならない。
もし君が音を聞くことができないなら、この儀式は失敗する。
この儀式に使用した呪文スロットはウィザードの“秘術力の回復”の特徴によって小休憩で回復することはできない。
君が儀式を終えるや否や、秘文のある場所に痕跡霊の顕現が出現する。このイメージは痕跡霊そのものではない。
それは単なる虚像である。この幻術は何らかのクリーチャーを傷つけることはできないし、何らかのクリーチャーによって傷つけられることもない。
このイメージと相互作用したクリーチャーや、注意深く観察したクリーチャーは、それが幻にすぎないことに自動的に気付く。
招来されたイメージは君以外の全ての者を無視する。
君が1ラウンド以内に話しかけることができなかったなら、それは消え去る。痕跡霊は君が呼び出すのに使った言語で話す。
招来した痕跡霊と契約を交わすには、君は呪縛判定を行わねばならない。
呪縛判定は【知力】判定(難易度=13+痕跡霊レベルの2倍)であり、君はこの判定に習熟ボーナスを加算することができる。
この工程には1分間を要する。君はこの危険な契約を自分ひとりで実行しなければならない。
いかなる方法をもってしても、他者がこれを援護することはできない。
呪縛判定に成功しようが失敗しようが、24時間が経過するか、次に大休憩を取り終えるまで、その痕跡霊からパワーを与えられる。
その間、痕跡霊を君から取り除くことはできない。
呪縛判定に成功したなら、痕跡霊は君の行動への支配権を持たず、君の人格へ影響を与えることもない。
この場合、君は“上手な”契約を結んだことになる。
呪縛判定に失敗したなら、痕跡霊は君の人格と行動に影響を与えることになり、君は“下手な”契約を結んだことになる。
痕跡霊の影響下にある間、それが要求する事柄を君は全精力を注いで堅く守らなければならない。
もし君の意識があって自由意志を持っていて、禁止されている行動を我慢できなかったり、そうするように要求されている行動をしなかったりする状況に遭遇したなら、痕跡霊が君から去るまで、攻撃ロール、セーヴィング・スロー、能力判定に対して“不利”を受けるようになる。
もし2つ以上の痕跡霊の影響を受けているなら、君はそれら全ての影響に沿った行動を取らなければならない。
痕跡霊を呪縛している限り、君はその説明文にある通り、その存在を示す得意な肉体的徴候を発現する。
この徴候は現実のものであり、幻や変身効果によるものではなく、そのため誰かがトゥルー・シーイングを使って見ても、そのままの姿が見えることになる。
ペナルティを受けることなく、非魔法的な方法もしくは魔法的な方法でこの徴候を隠すことができるし、君が“上手な契約”を結んでいるなら、徴候が表れるのを完全に抑制することもできる。
痕跡霊は契約によって君の魂と呪縛される。いかなる手段によってもこれらを目標としたり排除したりすることはできない。
痕跡霊によって与えられるパワーに対するセーヴィング・スローの難易度は、君の呪文セーヴ難易度と同じである。
痕跡霊によって与えられる攻撃ロールを必要とするパワーは、君の呪文攻撃修正値を使用する。
付与能力がウォーロック・レベルを参照する場合、君はウィザード・レベルの1/2(端数切り捨て)のウォーロックであるものと見なして効果を決定する。
痕跡霊の呪縛は同時に同調することができる魔法のアイテムの数の勘定に含められる。
すなわち、魔法のアイテムを同調していない状態であれば、(契約のための呪文スロットが許す範囲で)3つまでの痕跡霊を同時に呪縛できる。
魂の搾取
Exploit Vestige
2レベル時、君は自らの呪文発動を強化するために呪縛する痕跡霊を利用する方法と、呪縛した痕跡霊に対し、契約によって知覚できるようになった事にただ喜びを見出すのみではなく、感知した危険を君に知らせることを義務付ける方法を学ぶ。
呪縛判定を行なう前に、その痕跡霊が与えてくれる付与能力から1つを選ぶ。
痕跡霊たちは君がこの能力を使用することに不快感を示すため、呪縛判定には“不利”が課される。
もしこのようにして“不利”を課されたにも関わらず“上手な”契約を結ぶことができたなら、君は選んだ付与能力を獲得することを諦めることになり、代わりにその痕跡霊を呪縛するために消費した呪文スロットよりも1レベル低い呪文スロット(最低でも1レベル呪文スロット)1つを獲得する。
また、契約を結んでいる間ずっと君のイニシアチブ判定には習熟ボーナスの半分が加算されるようになる。
もし“下手”な契約を結んだ(つまり呪縛判定に失敗した)なら、君はその日、指定した付与能力を諦めなければならないにも関わらず、呪文スロットは獲得できない。
この方法では、たとえ君が複数の痕跡霊を呪縛することができたとしても、1日に1つの能力しか諦めることはできない。
この能力を使用して“上手な”契約を結んだ場合、通常であれば呪縛した痕跡霊が君を通して受け取ることができる認識力の一部を不当に切断したということである。
本質的に、君のこの呪縛契約にはある程度の騙しが入ることになる。痕跡霊は呪縛者を通して生を経験することが可能になることを期待して呪縛されるのだが、このような契約を結ばれると、痕跡霊は本来受け取るはずの利益の一部が抑止されることになり、結果として痕跡霊は不快感を持ち、怒りを覚える。
2レベル痕跡霊呪縛方法の修得
Learning Binding 2nd Level Vestiges
6レベル時、君は2レベル痕跡霊2つの呪縛方法を修得し、呪文書に書き込む。
これらはそれぞれ呪文書の中で2レベル呪文と同じだけのページを占める。
3レベル痕跡霊呪縛方法の修得
Learning Binding 3rd Level Vestiges
10レベル時、君は3レベル痕跡霊2つの呪縛方法を修得し、呪文書に書き込む。
これらはそれぞれ呪文書の中で3レベル呪文と同じだけのページを占める。
痕跡霊の呪文発動
Vestige Casting
14レベル時、呪縛している痕跡霊を利用して、通常の時間と魔法の制限の範囲を超えて呪文を発動する方法を学ぶ。
君がいずれかの痕跡霊を呪縛しているとき、現在準備している発動時間が1アクションである呪文について、その発動時間を1ボーナス・アクションか1リアクションであるものとして発動することができる。
このようにして呪文を発動すると、君が呪縛している痕跡霊の1つは、君が大休憩をとり終えるまで、すべての付与能力を提供することを停止する(しかし、肉体的徴候や精神的影響は残る)。
いったんこの能力を使用したなら、大休憩をとり終えるまでは再びこの能力を使用することはできない。
最終更新:2017年03月21日 23:42