Unearthed Arcana: The Mystic Class
ミスティックは君のD&Dゲームにおいて試用できる完全なクラスである。このクラスのこの版は、過去2つの版におけるプレイテスト・フィードバックに基づいている。
ミスティック
Mystic
素朴なローブに身を包んだ1人の人間が森の小道を歩いている。茂みの中からゴブリンの略奪団が姿を現し、彼に向けて矢を放ち、軍団の奴隷の檻に送り込むのにこれほど容易い獲物を見つけることができた自分たちの幸運に笑いをこぼす。彼らの笑いは、旅人が巨大な大きさに増大し、彼らに跳びかかってきて、彼のスタッフが今や恐るべき棍棒となるや、悲鳴と化した。
民兵たちはオークの突撃に対して準備を整えて戦列を組んでいる。うなり声を上げる蛮族は戦いの鬨の声を上げて殺到するように前進を始める。驚いたことに、人間の暴徒たちは大地によって、驚くべき獰猛さをもって戦いを挑んでくる。突如、容赦ない恐怖がオークたちの心を捉え、はるかに劣った敵と対峙しているにも関わらず、彼らはくるりと向きを変えて逃げ出し、民兵たちの中に立っており、その効力を引き起こした穏やかなハーフエルフには全く気づかない。
フォン・ルドヴィク男爵はいつも彼の大図書館を誇りにしていた。毎晩、白紙の巻物を山と持ち込む1人のノームが護衛の横をこっそりと通り抜け、最も厳重に守られている書庫の内容を忠実に写していたことを、彼はほとんど知らなかった。公爵の部下が、デーモンと取引をしているという罪で彼を逮捕しにやって来たとき、彼らと共にやってきていたノームの書記が過去1年以上に渡って彼のとりでの中で時間を過ごしていたなどとは、彼は思いもしなかった。
これらの英雄たちはすべてミスティック、謎めいて神秘的な形態のパワーの門徒である。ミスティックは世界から目をそむけて自らの内面へ目を向け、自らの精神の完全な潜在能力を支配し、自らのプシュケー(魂)を探索し、然る後、世界に顔を向ける。ミスティックは信じがたいほどに珍しい存在であり、大部分は彼らの能力の性質を秘密に保つことを好む。内的な精神の力を使い、彼らは心を読んだり、不可視状態になって消え失せたり、自らの肉体を生ける鉄へと変化させたり、物理的な世界の支配を握り、彼らの意思に従わせたりすることができる。
隠者にして追放者
Hermits and Outcasts
ミスティックは一匹狼である。ほとんどの者は伝承知識の詰まった書物の漠然とした引用を通して、あるいはこのパワーの熟練者に取り入ることによって、自らのパワーの秘密を発見する。
彼らのパワーを十分に知るために、ミスティックは最初に自分自身に十分に知らなければならない。彼らは静かな瞑想のために何ヶ月、何年もの歳月を費やし、自らの精神を探求し、何ひとつ残さず覆いを取り払う。この期間の間、彼らは社会から離れ、一般的には社会の辺縁部で隠者として生活する。師匠の下で勉強したミスティックは、時折の授業や謎めいた洞察を与えてもらうことと引き換えに、日常的な仕事に骨を折る、事実上の奴隷として働いていた。
最終的にミスティックが彼らのパワーを体得したとき、彼らは限界を広げ、技の実践をするために世界に戻ってくる。一部のミスティックは孤立したままの状態を好むが、冒険者になるような人々は世界の片隅に留まっているだけでは満足しない。
常軌を逸した精神
Eccentric Minds
そのパワーを利用するために必要とされる過酷な修練と強烈な自己認識を維持するために、ミスティックは彼らの焦点を鋭くしておくためのさまざまな実践を開発した。
これらの実践はタブーと奇癖、すなわちミスティックの行動を左右している奇妙なちょっとした性質とに反映されている。これらの奇癖はミスティックを適切な精神の枠組みに留めておきつつ、彼らの精神と肉体に対する完璧な制御を維持するのに役に立つ、誓いまたは行動上の習性である。
これらのタブーは無害だが、ミスティックを部外者として仲間外れにするくらいには変なものである。社会によって受け入れられそうなものは数少なく、差別をなくして一緒になろうとするほどかまってくれる者などなおいっそう少ない。ミスティックにとって、心の中での生活こそ、彼らが最も落ち着くと感じられる場所である。
奇癖の選択
Selecting Quirks
君のミスティックに若干の特徴を加えるために、君のキャラクターが得ている奇癖について考えること。これらの行動にゲーム上の効果はないが、もしこれらを破るよう強いられれば、君のキャラクターはイライラと怒りを募らせたり、動転したりするかもしれない。これらはキャラクターをゲームへと導入する素晴らしいロールプレイ用のツールである。君は下表でロールするか、どれかを選ぶかすることができるし、あるいは君自身で独自の奇癖を作り出すこともできる。
彼らにプレイに参加する機会をより多く与えるために、2つの奇癖を与えるようにすること。最後に、君のキャラクターがなぜそれらの行動性質を選んだのかについて考えてみること。それらは君のキャラクターの人格的特徴や背景について何か関連しているのか? それらは特定の事件や信念に基づいたものであるのか?
表:ミスティックの奇癖 |
d20 |
奇癖 |
1 |
君は決して髪を切らない。 |
2 |
君は特定の色の衣類を着用することを拒絶する。 |
3 |
君は決して自分の名を言わない。 |
4 |
君は決して履物を履かない。 |
5 |
君は常に仮面を着用する。 |
6 |
君は髪の毛を明るい青や緑色に染めている。 |
7 |
君は毎日新しい名前をつける。 |
8 |
君は決して自分を水に濡らさない。 |
9 |
君はむき出しの土の上で眠る。 |
10 |
君は決してアルコールを摂取しない。 |
11 |
君は自らの顔を覆い隠すベールを着用する。 |
12 |
君はいつも特定の衣類を着用する。 |
13 |
君は火を点けることを拒絶する。 |
14 |
君は文字を書くことを拒絶し、代わりに絵文字を使う。 |
15 |
君は決して椅子に座らず、立ったままか床に座るのを好む。 |
16 |
君は自分のものを除き、いかなる名前も決して言わない。 |
17 |
君は自分が殺したクリーチャーそれぞれの名前を書き出し、名前のないものには名前を付ける。 |
18 |
君は水と生野菜しか摂取しない。 |
19 |
君は手に入れて1週間以内に全ての金を使ってしまう。 |
20 |
君はしばしば想像上の相棒と会話をし、その承認を得て場合にだけ行動する。 |
ミスティックの作成
Creating a Mystic
ミスティックを作成するとき、君のキャラクターの背景を検討すること。君はどうやってミスティックになったのか? 初めに君をこの実践へと引き込んだものは何であったのか? 君は自己修練したのか、それとも師匠を有していたのか?もし君が師匠を持っていたのであれば、それはどんな関係性であったのか?
同時に、なぜ君は隠者生活から世界へと戻ってきたのかを検討すること。勉強を始めたとき、君は誰か、あるいは何かを置いてきていたであろうか? 君は復讐だとかその他の何らかの動機付けによって行動を駆り立てられたのか?
簡単作成
Quick Build
君は下記の推奨方法を使うことで簡単にミスティックを作成できる。第一に【知力】を最も高い能力値とするべきであり、ついで【敏捷力】か【耐久力】を高くする。第二に、隠者の背景を選ぶ。
ミスティックの結社
Mystic Orders
サイオニックは大部分のD&D世界の中で神秘的な形態のパワーである。秘密主義の結社はその起源と応用の研究をしつつ、サイオニック・パワーが果たすことができる事の境界線を押し広げている。
各サイオニック結社はサイオニック・パワーに関して特定の目標を追求している。この目標は結社のメンバーがサイオニックをどのように理解するかを形作る。
サイオニック修練とタレント
Psionic Disciplines and Talents
サイオニック・タレントと修練はミスティックの技の中心である。これらは精神的な修養とサイオニックの公式であり、意志の力を触知可能な魔法効果へと鍛え上げるものである。
サイオニック修練はそれぞれが別々の結社によって発見され、それらの創始者の得手とするところを反映する傾向がある。しかしながら、ミスティックはその所属する結社に関わらず、あらゆる修練を学ぶことができる。
修練の使用
Using a Discipline
それぞれのサイオニック修練には、それを使用可能ないくつかの方法があり、すべてその説明文に含まれている。修練にはそれが必要とするアクションの種類とサイ・ポイントの数値が指定されている。また君がその効果に精神集中しなければならないのかどうか、どれだけの数の目標に効果を及ぼすのか、それに要求されるセーヴィング・スローは何かといった事柄についても説明されている。
下記の項目は修練の使用に関するさらに詳細な内容が示されている。サイオニック修練は魔法的なものであり、呪文と同じように機能する。
サイキック集束
Psychic Focus
修練のサイキック集束の項目には、サイキック集束をその修練に充てることを選択したときに君が得られる利益が説明されている。
効果の選択肢とサイ・ポイント
Effect Options and Psi Points
修練はサイ・ポイントと共にそれを使用する方法について異なる選択肢を提供する。それぞれの効果の選択肢にはその名前と、名前の後の括弧の中にその選択肢のために必要なサイ・ポイント・コストが示されている。君はその選択肢を使用するためにその数値のサイ・ポイントを消費しなければならないが、君のサイ限界値によって制限がかけられている。もし君が十分なサイ・ポイントを残していないか、あるいはそのコストが君のサイ限界値を超えているなら、君はその選択肢を使用することはできない。
いくつかの選択肢にはサイ・ポイントの特定のコストではなく、その幅が示されている。その選択肢を使用するために、君はそのポイント幅の範囲でポイントを消費しなければならないが、やはりサイ限界値の制限を受ける。一部の選択肢には、修練の強度を上昇させるために君が追加のサイ・ポイントを消費することを許すものがある。繰り返すが、君は自身のサイ限界値による制限を受けなければならず、修練を最初に使用するときにすべてのポイントを消費しなければならない;君はいったんアクションで修練を使用した上で追加のポイントを消費することを決めるということはできない。
各選択肢にはその効果に関する特定の情報が記されており、それには使用に要求されるアクションとその距離が含まれる。
構成要素
Components
修練には多くの呪文が要求されるような構成要素は要求されない。修練の使用には発声や身振りや物質要素を必要としない。サイオニックのパワーは精神から発するのである。
持続時間
Duration
修練の効果の選択肢にはその効果がどれだけの時間持続するのかが指定されている。
瞬間。もし持続時間が指定されていないなら、その選択肢の効果は瞬間である。
精神集中。一部の効果の選択肢はそれらの効果を維持するために精神集中を要求する。この要求事項はその選択肢のサイ・ポイント・コストの後に“集中”と付して示してある。“集中”の注釈の後には精神集中による最大持続時間が示されている。たとえば、もし選択肢に「集中、1分」と示されているなら、君はその効果に精神集中することで最大1分まで維持できる。
修練に対する精神集中は呪文に対する精神集中と同じルールに従う。このルールは同時に呪文と修練に精神集中することはできない事を意味し、また同時に2つの修練に精神集中することもできないことを意味する。精神集中がどのように機能するのかについては、『Player’s Handbook』の第10章「呪文発動」を参照のこと。
目標と効果範囲
Targets and Areas of Effect
サイオニック修練は目標の決定と効果範囲に関しては、『Player’s Handbook』の第10 章「呪文発動」に紹介されている通りに、呪文と同じルールを使用する。
セーヴィング・スローと攻撃ロール
Saving Throws and Attack Rolls
もし修練がセーヴィング・スローを要求するなら、セーヴの種類とセーヴィング・スローに成功や失敗したときの結果について記されている。難易度は君のサイオニック能力によって決定される。
一部の修練には修練の効果が目標に命中したかどうかを決定するために君に攻撃ロールを行うことを要求する。この攻撃ロールには君のサイオニック能力を使用する。
サイオニック効果を組み合わせる
Combining Psionic Effects
異なるサイオニック修練の効果はその修練の持続時間が重複している間、累積する。同様に、1つのサイオニック修練の異なる選択肢は、それらが同時に起動しているなら、組み合わさる。しかしながら、1つのサイオニック修練に由来する特定の1つの選択肢は、その選択肢を複数回使用しても、それ自体とは組み合わさらない。代わりに、その効果の持続時間が重複している間、最も強力な効果――通常はその効果を生み出すのに使われたサイ・ポイントがどれだけであるかによって決定される――が適用される。
サイオニックと魔法は別々の効果であり、それゆえにそれらの利益と障害は累積する。呪文を再現するサイオニック効果はこのルールの例外である。
結社ごとのサイオニック修練
Psionic Disciplines by Order
各サイオニック修練は1つのミスティックの結社と関わりがある。下記のリストはこれらの結社毎の修練をまとめたものである。
修練の説明
Discipline Descriptions
ここではサイオニック修練を五十音順に紹介する。
サイオニック・タレント
Psionic Talents
サイオニック・タレントはサイオニックの適正を要求するが、ミスティックのサイオニック・パワーの蓄えを消耗することはないちょっとした能力である。タレントは修練と似ており、同じルールを用いるが、3つの重要な除外事項がある:
- 君は決してタレントにサイオニック集束を用いることはできない。
- タレントはそれらを使用するためにサイ・ポイントの消費を要求しない。
- タレントはミスティックの結社とは結びついていない。
下記にタレントを五十音順で紹介する。
最終更新:2017年05月14日 19:22